VTuberになるために   作:Cucu

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えー、前回の投稿から3週間経ってしまいました...遅くなってしまってすいませんでした。まあ、そこまで期待はされてないと思うけど....

本当は週一くらいで投稿したいなと思っているのですが、最近は体調を崩し気味でなかなか進まず....

久しぶりに投稿したと思ったらVTuber要素もほぼゼロなのでなんか勝手に申し訳ないと思っています。

何言ってんだコイツぐらいの気持ちで見てくれたら嬉しいです。



#39初めての文化祭

 

「おお〜!なぎちゃんかわいい〜!」

「やっぱり似合うね」

「サイズぴったり!」

「いいねぇ」

「最高...」

「一番似合ってる」

「天使ですか?」

 

「う、うそぉ...?みんなの方が似合ってるってぇ...」

 

「そんなこと言ってぇ、顔ニヤけてるよぉ?ほんとにかわいいから自信持って!ほら、みんなで写真撮ろー!」

 

「う、うぅ...」

 

文化祭前日。つまり昨日。クラス費を使ってネットで買ったメイド服が届いた。メイドをやる人全員分の。だから、今日着るのが初めてで、みんなはしゃいでいる。デザインとかはみんな同じで、正直、JKのメイド服はかわいいし、一部えっっな感じになっている人もいる。いいのか高校生、文化祭でそんな格好してしまって。....私の場合は、少し胸が苦しいかも...?

 

 

「はぁ....これが私か...」

 

 

手鏡を見ながら私はひとつため息を着く。正直、今の自分はかわいいと思う。私が()()だったら絶対目が離せなくなりそう。それくらいに。

でも、Vの時には言われ慣れている言葉も現実で面と向かって言われるとなんか感じ方が変わる。正直恥ずかしい。

 

特にクラスの女子たちが無駄に私のメイド姿を褒めてくること!もちろん、ななちゃん達はもちろん、普段ほどほとんど話さないような陽キャの女子たちまでが、写真を撮ったり、本物のメイド喫茶で行われるような、いわゆる御奉仕、サービスを求めてくる...!素人の私に何させようってんだ!!全くもうっ!!私に御奉仕してくれよ!って感じになっている。

 

 

 

というわけで、

今日はもう既に文化祭当日の朝。目覚め、顔を洗い、おはようのツイートをして、朝食をほんの一口分だけ食べ、学校に行くところまでは普通の日常のようだったが、学校に近づくにつれ、雰囲気が変わっていった。

みんな浮かれているような感じで、男子は髪の毛をバッチリ決め、女子も髪を結ったりメイクしてきている人達が多かった。これが私にとって初めての文化祭。あまり気乗りはしないのだけれど、陰キャな私にとってはこの周りの雰囲気に飲まれてしまいそうでなんだか不安である。

 

 

学校に着き、教室に入るといつもと違う、装飾された景色が広がっていた。廊下にもたくさんの看板や旗などが出ていたが、これがあのアニメとかで見たことのある文化祭か...!?と色んな意味で鳥肌が立った。

 

 

そして、クラスの女子達は、私がいつもと変わらない格好をしているのを見ると、襲いかかるように捕らえられ、かわいいメイク(今流行りのやつ)とみんなとお揃いの髪型にされた。←これがかわいい原因

 

 

午前中は校内を回り、午後はシフトとライブがある。

午前中は割とゆったり出来そうだけど、午後はかなりハードだ。

 

「まずどこ行く〜?」

 

「まずはお化け屋敷っしょ。」

 

「いや、3年生のクラスのジェットコースターがクオリティばり高いらしいよ?」

 

「まじ!?」

 

「いいね、じゃあ、まずはジェットコースターとお化け屋敷いこー!」

 

「おっけ〜!」

 

...どうやら、いつもの3人はとても楽しんでいるようだ。

この格好恥ずかしくないの??

 

「なぎちゃんは行きたいところある?」

 

「えっ、あっ、えっとぉ....」

 

行きたいところって言ってもなぁ...。私はそんなことよりメイド服で文化祭を回るのがなんだか恥ずかしくてたまらないんだけど...。

 

「と、特にはない、かな....?」

 

文化祭初めてだし、楽しみ方が分からないんだよ。強いて言うなら、あまり騒がしいところ行きたくないくらいだ。

 

「そっか...よし、じゃあ、その後は食べ物食べれるところに行こう!そしたらみんな大丈夫でしょ?」

 

「うん!」「うんっ!」「うん...、!」

 

こうして、微妙なテンションで始まった人生初めての文化祭。私はメイド姿をできるだけ見られないようにみんなに隠れながら歩いた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

私は結局、お化け屋敷で絶叫し、ジェットコースターで絶叫した。そして、3年生のクラスの女装カフェでも絶叫しかけた。危なかった。うん。

 

回っている途中で何度もコスプレしている人とすれ違った。みかん先輩のコスプレしている人もいて、急に出会ったもんだから、「みっ...!?」という声が漏れてしまって、周りからちらちら見られて恥ずかしい思いをした。...オタクと思われたかなぁ。ちなみにコスプレしていた人はなんだコイツみたいに見てた気がする。ななちゃんにはくすくす笑われていたような...。

 

 

そうして、なんやかんやであっという間に時間は過ぎて行った。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「お帰りなさいませ。ご主人様ぁ!」

「ご注文をお伺いします。」

「...きゅんきゅんオムライスとくまたんパフェですね。暫くお待ちくださいご主人様♡」

「おいしくな〜れ!萌え萌えきゅん♡」

「あ!チェキも撮りたい?わかりました〜。ポーズは手でハートを作る感じでいいですか?え?だめ?じゃあどういうポーズ...ダブルピース!?」

 

 

メイドとはなんなのか、私とはなんなのか。元男である私はなんなのか。さっきからよくわからなくなってきた気分。

 

最近は、自分でもわかるくらい言動が女子高生になってきてしまっていることは既に気づいている。しかも、見てもらう仕事を普段からしているので、()()()()()()をするのは少しだけ普通の人よりは慣れている...はずだった。はずだったのだけど....

 

.....今日の感覚は何となく違う。配信している時とも、事務所の人や友達と接している時とも違って、なんだか見られることで恐怖を感じる。色んな人の視線が直で胸やスカート、足に刺さってくる。お客さんの席にオーダーを取りに話しかけに行く時、知らない人達ばっかりで、どもってしまったり、真っ直ぐ相手の顔を見れないんだけど、何となく視線でわかる。相手はなんだか凄い私のことをじっくり注目して見てくるのだ。

 

 

その上で色々サービスをしなければならない。やばいこれ。相当ハードだ...!終わりの時間まで耐えきれるかな...

 

そこでクラスメイトから声を掛けられた。

 

「ななちゃんとなぎちゃーん!なんか指名入ってるよ〜?」

 

「え?指名?」

 

誰だ?私とななちゃんを同時に指名するなんて!贅沢が過ぎないか??

 

「ほら、あそこの席の2人。めちゃめちゃ美人のお姉さん!.....知り合いなんだよね?」

 

クラスメイトが美人のお姉さん!と指さす先には手を振る2人の女性が。よく見なれた顔である。レン先輩となでちゃんだ。

 

「そうだよ!友達なの!」

 

ななちゃんがやっと来てくれた!と言わんばかりに二人のほうへ駆けて行った。

 

ん〜、やっぱり見られたくはないなぁ...どうにかして逃げる方法は....当たりをキョロキョロ見渡すが、どうにも逃げれそうな場所はない。...もう、しょうがない。少しだけ挨拶して、後はななちゃんに任せよう。

 

私は恐る恐る、2人の座るテーブルへ向かう。

 

「こんにちは、樫村さん、赤坂さん!ご来店ありがとうございます!」

 

「やっぱり2人とも来たんですね...」

 

「ちょ、ちょっと待ってかわいすぎない!?!?」

 

「ヤバいよその格好。」

 

2人が私たちの方を見て興奮している。

 

「あんま見ないでください。恥ずかしいんですからぁ。」

 

「でしょ?メイド服のなぎちゃんかわいすぎるんですよ!」

 

あなたまでそっち側!?って前からそっち側だったね....

あの、とりあえず(早く逃げたいから)注文してくれませんかね?

 

「写真撮ろ!」

 

「さっきまでも沢山撮ってたけどね...」

 

「盗撮!?」

 

ダメだこの人達。私のこと好きすぎ!なでちゃんが見せてきたスマホをのぞき込むと、物凄い量のメイドの私が撮影されていた──────これ、犯罪じゃない?大丈夫?いつどうやって撮ったんだこの写真。全く気づかなかったぞ。

 

「というかここ、他の人も結構来てるんでご注文早くしてくださいよ。」

 

「ちぇ〜、なぎちゃんなんだか冷たいなぁ。」

 

「...顔は真っ赤だけどね。」

 

「っ!?」

 

自分では気づかなかったけど、言われると顔が熱い。なんなら体が熱い。気づいたら更に恥ずかしくなってきた。私はすぐに手で顔を隠し、他の人からは見えないようにする。

 

「朝からかわいいって言われまくって照れてるんだよね〜。」

 

そんなことは無い!かわいいって言われて照れてるなんて....嬉しいけどさぁ!

 

「もうっ!ご注文をお願いしますっ!」

 

注文だけとってさっさと逃げよう。

 

「恥ずかしがってるのかわいい....ん〜、どうしよっかな〜。あ、そうだ!なぎちゃんのおすすめが欲しいな。」

 

レン先輩、私何が美味しいとか全く知らないよ?メニューの見た目はかわいいけど食べたことないし。それでもいいの?いいよね?私の好みだからね?

 

「じゃあ、私はななちゃんのおすすめで。」

 

「わかりましたっ!」

 

()()()()、待っててくださいね!」

 

私はとにかく早くその場から逃げたかったので、すぐに料理を作る人のもとへ駆けていった。

 

 





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