前回の投稿から約1ヶ月半空いてしまいましたすいません。(速攻の謝罪)
8月の初めに8月は投稿しない、9月になったらするとツイートしたのですが、9月ももう半ばという有様。私は何をしていたかと言うと特に何もせず、話を進めることが出来ませんでした。
こんな作品のこと忘れてしまった方が多いと思いますが、待っていてくれた方がいらっしゃったらありがとうございます。
評価、感想お待ちしております。誤字報告助かってます。
ここまで来るのに、かかりすぎたかな。
「美海さんたちはここでお待ちください。」
阿部ちゃんの指示で壁際に置いてあった椅子に座る。
現在私は事務所に来ている。事務所というかスタジオ。
今日は3期生のみんなも呼ばれた。
「ついに3Dだよ!うれしいなぁ...!」
「これで私達も先輩たちと一緒のステージで歌ったりできるんだね!」
「めっちゃわくわくするよな!」
私たちは今日ついに3Dの体を初体験するのだ。みんな楽しみだし、これからの活動の幅が広がるワクワク感と少しの不安もあるかもしれない。(少なくとも私はある。)
私たちの動きを今まで顔の動きや体の向きしか見せられなかったLive2Dだが、3Dは自由に視聴者に細かく動きを見せることが出来る。
先輩たちは既に3Dを使っており、ライブで自分たちの魅力を最大限に出している。
夏頃から3Dのアバターを製作中とは言われていはいたけど、ついにその時がきた。一応、スタッフさんたちでテストはしているが、アバターはライバーの身長と同じになっているので本人にテストしてもらいたいそうだ。
特に私ちっちゃいからな...返せよ身長。(誰に言ってんだ)
今はスタッフさんたちが準備中との事だ。
「男性のライバーのおふたりはこちらの部屋にお越し下さい。」
あれ、みんな一緒にやるんじゃないんだ。テストだから別々なのかな?それとも何かある?
「はい、分かりました!」
「ほな、また後でなー」
「うん。」「またー!」
光くんとミライくんはスタッフに連れられて他の部屋に行ってしまった。
そこに入れ違いで阿部ちゃんが部屋に戻ってきた。
「では、みなさんこちらのスーツを着てください。」
「阿部ちゃん、なにこれ?」
「ああ、これは3Dの際にキャプチャーするために必要なものなので3Dの際にはご着用お願いします。」
「ん、なるほどね。」
「昨日事前に説明しましたよね?聞いてなかったんですか?美海さん?」
「うっ...」
3人の視線が私に刺さる。
3Dをするにあたって、演者は黒色のスーツを纏う。スーツにはたくさんのセンサーみたいのが付いている。これで細かい動きをキャプチャーして、アバターを動かすのだ。
私は着たことの無い新感覚のスーツにワクワク感が止まらない。なんかこう...ゲームのキャラクターのスーツみたいでかっこいい!
私たちは言われた通り着替えてみた。
「なんかこのスーツ少し嫌だね。」
「そう?身軽でこれだけなら全然踊りとかやりやすそうだけど...」
「いや...だってほら、体のライン、出るじゃん?」
「「あ〜」」
少しだけ年上のとまりんが指摘したことに私たち2人は首を上下させ同意を示す。
「2人はさ、まだまだ若いからいいけど私だけ少し歳離れてて、こんなスク水みたいなピチピチな服着ることないからめっちゃ恥ずい。」
「いやいや、私もスク水はないよ。大学生だし。美海ちゃんは高校生だけど、プールの授業ある?」
「う...プールはあるけどスク水、は着たくないかなぁ...?」
少し期待の目を私に向けていたなでちゃんは少しガッカリな表情になる。何を想像してるんですかねあなたは。
まあ、現役高校生の私は、もちろん夏になるとプールの授業があって、スク水は着る...はずなのだが。抵抗感が強すぎて今年のプールは全て見学した。さすがにスク水はちょっと...ねぇ?きっついきっつい。精神的に。
「では、スタジオに行きますか。」
私達もその部屋を出て撮影スタジオに向かう。
「昨日も言いましたが、3Dはたくさんの特別なカメラや機材を使います。今回はあくまでテストなので特別激しい動きはしてもらうことはありませんが、周りに気をつけて動いてください。特に美海さん。小さい子供みたいに無闇に触ったり壊したりしないでくださいね?」
「わ、私はそんなに子供っぽいですか!?さすがにそんな事しないですよぅ。」
なでちゃんととまりんは「いやいや子供でしょ」みたいにこっちを見てくる。なでちゃんにそう見られるのは百歩譲って理解できるけど、とまりんまでそんなふうに見てくるとは。もしかしてもうちょっとちゃんとした方がいいかも?
「私は心配です。」
阿部ちゃんは他のタレント以上に私のことを気にかけてくれる。もちろん他のマネージャーの方と比べてだが、多分とても仕事ができる人なのだろう。こんな私のマネージャーをしながら、いつも企画やコラボ、イベントの時も、スタッフさんに頼られているところをよく目にする。実際、私が事務所、スタジオに来てなにかするって時は先輩方に対しても企画説明などを行っている。そんな中で多分問題児(?)な私にマネージャーとして付いてくれてるって心配が半端ないだろうなって思う。
今度暇な時があったら阿部ちゃんになにかしてあげたいな...デート誘うのはちょっとハードル高いなぁ、何かきっかけがあればいいけど。
そんなことを思っていたら、私たちは撮影スタジオにたどり着いたのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スタジオに入ると、まず3Dのアバターを見せてもらった。5人ともとてもよくできていて、360度全ての角度で見回せる。蒼井美海はかわいい制服姿で今まで見えなかった部分まで見える。
スタッフさんに操作を譲ってもらい、色んな角度から見る。
「パンツまで見えるのね。」
制服のスカートの中には純白のパンツが存在した。
「配信をする際はあまり見えないようにしてくださいね。」
「はーい。」
「お、なでちゃんのも見れる!どれどれ、パンツの色は〜黒!いや〜、いいね〜。」
「みうちゃん、なんかオッサンぽいよ?ってか勝手に見ないでよ!」
「いいじゃんちょっとくらい。減るもんじゃないし。」
「もぅ...」
今日は動作テストなので順番にスタッフさんの指示に従って色々な動きをしてみるらしい。最初はとまりん、その後なでちゃん、そして最後が私という順番でして、最後にみんなで映ってみるとのこと。今はとまりんがたくさんのカメラに囲まれた場所で色んなポーズをとっている。
「すごい...!かわいい!」
凄く嬉しいようで大人しめのとまりんでもはしゃいでいるようだった。
続いてなでちゃん。こちらもやはりとてもかわいい!スカートがヒラヒラしてて清楚感がある。すごい...
「どう?かわいいでしょ!?」
「めっちゃかわいい!さいこー!これは推すわ...」
「ありがとー!」
なんかほんとにアイドルみたいでキラキラが見えそう。
最後に私の番が来た。ドキドキが止まらない。
私はカメラの前に移動し、目の前に設置されている大きめなモニターを見る。すると、そこに1人の少女が立っていた。身長は低めので目はくりくり。青い髪は肩ほどまで伸び、その身はヒラヒラの着いている学校の制服を着ている。
これが、私。
私が横をむくと同じ方向を向くし、手を上げると同じ動きをする。
「すごい...!」
なんというか、ただただ感動。画面で見ていた世界が今私の目の前にある。
スタッフさんに『どうですか?』と聞かれたが上手く言葉で言い表せなかった。『すごいです。』としか返せず、少し言葉を考える。
考えているうちに、スタッフさんに動いてみてくださいと言われ、少しだけ動いてみた。歩いてみたり、ジャンプしてみたりすると服や髪の毛がリアルのように動く。
「すごい...!」
口からは『すごい』しか出てこない。私はすごいbotにでもなってしまったようで、いつからこんなに語彙力がなくなってしまったのか。
「みうちゃん!めっちゃかわいいよ!」
「やば、更にファンになっちゃいそう。抱きしめたい...」
とまりんは見守ってくれているが、なでちゃんは今にもこっちに走ってきそうだ。
頼むから突進はしてこないでくれ。恥ずかしいから。
「最後は先程の男性陣も呼んで、全員でお願いしま〜す。」
げっアイツらも来るのか...そりゃそうか。ってか、先にやってたんだなあの2人。私たち着替えるのそんなに長かったか?
先に私たち3人は画面に映っている位置で雑談していると、男2人がスタジオに入ってきた。
「よっ、おまたせ。」
「...おお!いいやん!みんなかわいいやん!」
「そう?ありがと...!」
かわいいと言われるとさすがにこの人でも顔がにやけちゃう。照れるというか嬉しいというか...こういうの最近多いな。
「なに?今日はやけに素直じゃん。」
なでちゃんがミライくんにつっかかる。
「べ、べつにっ!?ホントのこと言っただけや!」
少し目を逸らしながら照れる。なんだ、かわいいところもあるじゃん。
そう言いながら2人がカメラの前へやってくる。目の前の大きなモニターを見ると5人が揃って画面を見ている。
「なんか『ようやく』というか、『ついに』だよな。」
「うん。ここまで色々あったようでまだ半年ちょっとしか経ってないし。やっぱり今まで先輩たちが作ってきた道があったからこそだよね。」
「先輩達ってすげーや。カッコよすぎるんよ。」
「1年前の自分はこっち側にいるなんて思ってもいなかったもん。」
「私なんてVTuberを見始めたの3期生募集のかかった当日だもんなぁ。1年前なんてここにいるどころかまだ陰キャでぼっちで田舎にひきこもってたかな。」
「「「「え!?」」」」
4人の声がそろった。
「そんなことある!?」
「ははは、それがあるんだよ。私が実例。その場の気の迷いで応募しちゃったと言っても過言じゃない。」
「本当なのか...」
「ええ本当ですよ。美海さんが私と会った最初の頃は『間違いでしょ』とか、『気の迷いだったんです許してください』ってよく小さい声で言ってましたよ。『無理無理無理』って言うのは何回も聞きましたね。」
「あれ聞こえてたんですか!?」
「あの時、私この子のマネージャーやるのかーって言うのとこの子ほんとにオーディションしたのか?っていうのしか思い浮かばなかったですね。本っ当に心配で心配で。」
「ははは...」
やっぱり最初から心配させてしまっていたか。
あのときは阿部ちゃん本人に直接言うのは勇気がなくて無理だったから、聞こえないように小さい声で言ってたのにまさか聞こえてたなんて。てか、それで放置しないでくれ阿部ちゃん。
んんまぁ、去年の自分からしたらVTuberを見ることすら、なかったからなぁ。本当になんでここにいるんだろうって思うし、笑っちゃうよね。
辛いこともあったけど、やめようと思ったことはあの時以来ないなぁ。あの時のように無理無理言ってる自分はもういない。なんなら自分のやってる事に楽しさ、嬉しさを自然と感じている。成長してる私!
「それでは皆さんそろそろ。『今まで』の話もいいですが、『これから』の話をしましょうか。」
阿部ちゃんが話を進める。
「これから皆さんは3Dで配信することができるようになりますが、基本大きな企画、イベントの時に使用します。また、お披露目配信するにあたって、歌、ダンスの練習をする必要があります。」
「すいません、質問いいですか?」
「はい。なんですか?」
「歌は今までもやってきていますし、そこにダンスが加わる形でしょうか?」
「はい。でも、一つだけ違う所があります。それは各々1人1曲、オリジナル曲を出します。」
「ま、まじですか。それってどれだけ先の話ですか?」
「約1ヶ月半ですね。少しきついとは思いますが、クリスマスとお正月には間に合わせたいんですよ。」
い、1ヶ月半か...そこそこきついな...
みんなは自分で時間を作って練習に来てるみたいだが、私は高校生だから一番ヤバイの私かもな。授業サボる訳には行かないし。
でも....
「私、頑張ります!」
「お?みうちゃんが珍しくやる気だ。」
「珍しくは余計!でもね、やっぱ私の最初の目標はやっぱり見ている人を笑顔にすることだから、ライブが1番の場所なんだよ!」
「よし、みうちゃんもやる気だし、半端なものはできないしな。自分のためにも。」
「そうだね。練習キツかったらみんなでやったりして励ましあったら、楽しく出来そう!」
「うんうん。」
「よっしゃ、やったるか!」
「「「「「おーー!!」」」」」
5人の声が重なった。なんか、青春って感じでワクワクする!青春なんて私には程遠いもので、こんな私がしてもいいかな...?って思うこともあるけど。いいよね!だって、今の私は半年前の青野渚じゃないんだ。蒼井美海なんだもん!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「美海さん」
帰り際に阿部ちゃんに呼び止められた。
「はい?なんですか?」
なんだろう。私がやる気なこと褒めてくれるのかな?
「もうすぐ期末テストですよね?前回みたいにやらかさないでくださいよ?私もあなたの将来が少し不安なので。」
「ん〜...期末テスト?」
阿部ちゃんの不安はどうやら私の私生活にも及んでいるようだ。