『幻想世界ウマネスト』~最強大魔王降臨!?~   作:れいのやつ Lv40

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・『ウマ娘プリティーダービー』の二次小説です。
・ウマ娘アプリ内のイベント『幻想世界ウマネスト』の設定のガワを借りて作ったものです。ゲーム内のイベントシナリオとはほぼ関連性はありません。
・ゲーム内イベントでは登場しなかったキャラクターが話に大きく関わって来ます。
・RPG世界という設定上、緩めですがウマ娘同士のバトル描写があります。ご注意下さい。

以上が全て受け入れられる方は本文にGO!


いちばんうしろの大魔王

 スペシャルウィークとグラスワンダーとエルコンドルパサーは、『VRウマレーター』によるゲームの世界『ウマネスト』を乗っ取った魔王……いや、ウマ王ゴールドシップに決着の一撃を放とうとしていた。

 

「これで最後です! 私たちの想いよ届けぇー!!」

 

 勇者スペシャルウィークが渾身の力を込めて放った剣は、黄金のオーラに包まれていた。その輝きはまるで、この世界に生きる全ての者たちの心からの願いを束ねたかのようだった。

 

「ぐおおおぉぉ……」

 

 勇者の一撃を受け、ウマ王ゴールドシップがよろめく。だが、彼女は倒れない。

 

「や、やるじゃねーかお前ら。どうやらアタシじゃ役者不足だったようだな……だが、このまま黙って倒されるわけにはいかねえ」

「何を言うんですか!? もう勝負ありですよ!」

「そうデス! あなたはもう限界じゃないデスカ!」

「観念して下さい、ゴルシ先輩」

 

 三人の言葉を聞いて、尚もゴールドシップは不敵に笑う。

 

「アタシは負けた。かくなる上は……最後の手段だ! このアタシ、ウマ王より上位の存在である真のラスボス、大魔王様においで頂くぜ!」

 

 そう言ってウマ王ゴールドシップが空に向かって腕を伸ばす。

 

「え? だ、大魔王ですか!?」

「まさか、そんな存在が……」

「そんな、あり得ないデース!」

 

 勇者パーティが動揺する中、空から声が聞こえてきた。

 

「うっらら~♪」

「えっ、この口調は……」「まさか……」「嘘デショウ?」

 

 そこに現れたのは漆黒のマントに身を包んだ少女。桃髪の髪をたなびかせながら、彼女は高らかに宣言した。

 

「ふっふっふ……わたしこそがゴルシちゃんの上位に立つ黒幕……」

 

 そして、くるりと回ってポーズを決める。

 

「大魔王、ハルウララ様だよ~♪」

「やっぱりウララちゃんじゃないですか!?」

 

 勇者一行の前に現れたのは、トレセン学園の名物生徒にして、レース成績もなかなか奮わないハルウララだった。

 

「あ、スペちゃんだ。今日は勇者さまなんだねぇ〜!」

 

 いつも通り、明るく能天気な雰囲気で話しかけてくる大魔王ことハルウララの登場に、勇者パーティは困惑していた。そんな中、いち早く我に帰ったグラスワンダーが口を開く。

 

「ちょっと待って下さい、ウララさん。あなたは今なんて言いましたか?……ゴルシ先輩の上に立つ黒幕と言いませんでしたか?」

「うん言ったよ? わたしは、大魔王だからね!」

 

 満面の笑みを浮かべるハルウララに対して、三人は信じられないという表情をしている。

 

「ほ、本当なんでしょうか……」

「そうは見えないデース……」

「さすがに信じ難いですね……」

 

 大魔王を名乗るハルウララに、勇者パーティは非常に困惑していた。普段の彼女を知っていればこれは当然の反応だった。そもそもの性格が悪役に全く向いていないし、何よりハルウララというウマ娘は、最弱の存在である。

 レース成績は最下位が定位置であり、入着はおろか、ブービーですら取ることはほとんどない。その彼女が突然現れて『大魔王』を名乗り出したのだ。これが困惑せずにいられるだろうか。いくら現実の常識が通じないゲーム世界とはいえ、彼女が真のラスボスと呼ばれるほどの力を秘めているとは到底思えない。しかし、ハルウララはニコニコしたまま言う。

 

「えへへー、そうだよね。でも、ほんとなんだよ〜」

「そ、そうなんですか……」

 

 あまりの能天気さに思わず納得してしまいそうになるが、それでもやはり疑念の方が大きい。エルコンドルパサーは念のために呼び出した張本人のゴールドシップに聞いてみることにする。

 

「あの……本当にウララが大魔王なんデスカ?」

 

 すると、ゴールドシップはニヤリと笑って答える。

 

「信じられねーか? でも本当だぜ! このウララこそアタシの後に控える真のラスボスだ!……まぁ、確かに性格的にラスボスっぽくはねーけどよ」

「そうですよね」「はい、それは同感デス」「私もそう思います」

 

 ゴールドシップを含めた全員の意見が一致したところで、三人は顔を見合わせる。その様子を見てハルウララが首を傾げた。

 

「ん~?みんなどうしたの? 世界を救うんでしょ? なら、わたしを倒さないとダメだよ?」

 

 笑顔のままそう告げてくるハルウララだが、どう見ても敵意など微塵も感じられない。とてもこの世界のラスボスには見えなかった。

 

「……あの、ゴルシ先輩。真のラスボスってことは、ウララちゃんは実はもの凄く強いとかですか? 私たち全員が束になっても勝てないとか」

「いいや全然」

 

 スペシャルウィークの質問に対して、ゴールドシップはあっさりと答えた。

 

「ウララはアタシどころか雑魚モンスターより弱いぞ」

「じゃあどうして大魔王だなんて地位にいるんですか!?」

「うっせぇ! アタシだって知らねーよ! とにかくこの世界ではウララがラスボスで間違いないんだ!」

「そんな適当な!?」

 

 あまりにも投げやりな態度のゴールドシップに対して、三人は唖然としてしまう。

 

「しかし雑魚モンスターより弱いなら、今の私たちなら一瞬で倒せるんじゃありませんか?」

「わかんねーぞ?もしかすると大魔王に相応しいとんでもない能力があるかもしれねえ」

「どんな能力ですかそれ」

「うっせえな。考えてみれば大魔王って呼ばれてるくらいだし、なんかあるだろ」

「そんな無茶苦茶な……」

 

 そんなことを話していると、それを聞いたハルウララが首を傾げながら口を開いた。

 

「それってこれのこと? 『適性Gの世界』!!」

 

 ハルウララが手を広げると突如として、辺り一面が光り輝いた。そして次の瞬間───

 

「うわああぁぁぁ~!?」「きゃああぁぁぁ~!?」

 

その場に居たハルウララ以外の全員が地面に倒れた。

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