祝福の風も異世界からくるそうですよ?   作:迅雷の戦斧

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投稿ペースが良くて怖くなってきた迅雷の戦斧です。

いつまでこのペースが続くのだろう。

とりあえず最長でも一週間ごとに投稿しようとしたのに、このペースって・・・。

今回の話は賛否両論があると思います。(主に否が)

とりあえず第三話です。どうぞ!


不屈の心

 「それじゃ、俺はちょっくら世界の果てを見てくるぜ♪」

 

 「・・・は?」

 

 黒ウサギの説明が終わり、彼女のコミュニティに移動する途中、突然十六夜がそんなことを言い出した。

 

 「あらそう。気をつけてね。」

 

 「・・・おみやげ期待してる。」

 

 「いや、止めないのか?私がおかしいのか?」

 

 十六夜の発言に対し、止めるどころかお土産すら求める飛鳥と耀。アインスは一瞬自分が間違っているのではないかと思うが、すぐに気を取り直す。一般常識に少し疎いところがあるアインスだが、さすがにこれは三人が特殊なだけだと気づいた。

 

 「おう。んじゃ、行ってくるぜ。」

 

 「ちょっと待て・・・って、もういないのか!?」

 

 さそっく出発しようとする十六夜を止めようとするアインスだが、すでに十六夜はその場にいなかった。先ほどの黒ウサギの説明で彼もまた、何かしらのギフトを持っていることはわかっていたが、いくらなんでも早すぎだ。すでに視認ができなくなった十六夜を探すため、アインスは広域探索魔法を使用した。それですぐに十六夜の反応をキャッチするが、十六夜は信じられないスピードで移動していた。

 

 (まさか、魔法を一切使わずにこれほどのスピードを出せるとは・・・。通常時のテスタロッサ並み・・・いや、下手したらそれすら上回る速さじゃないか!)

 

 闇の書だったころも含め、これまでアインスが見てきた魔導師のうち、フェイト・テスタロッサ程のスピードで動ける者は、数えるほどしかいなかった。そんな彼女のスピードに匹敵する速さで移動する十六夜はたいしたものだろう。さすがに、「ブリッツアクション」や「ソニックフォーム」ほどではないが十分早いし、これが十六夜の本気だとも限らない。

 

 そうこうしているうちにも、十六夜はすごい速度で遠ざかっている。ちなみに黒ウサギは新しい人材が来たことがうれしくて浮かれながら歩いているため、十六夜がいないことに気づいていない。

 

 「(このままでは探知範囲の外に出てしまうか・・・仕方ないな。)飛鳥、耀。私は十六夜を連れ戻しに行ってくる。黒ウサギにはなるべく早く帰ると言っておいてくれ。」

 

 黒ウサギに状況を説明しようか迷ったが、今はその時間すら惜しいと判断し、二人に言付けを頼んで十六夜を追いかけるため最大速度で追いかけていった。

 

 ・・・黒ウサギ達のコミュニティの場所も知らないのに、どうやって帰ってくるのだろうか。

 

 飛鳥と耀はふと、そんなことを考えた。

 

 

 

 

 

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 箱庭に着いたとき、そこにはダボダボなコートを着た少年が待っていた。

 

 「ジン坊ちゃーーーーーーーーーん!新しいコミュニティのメンバーを連れてきたのですよ!」

 

 「お疲れ様、黒ウサギ。そちらの女性二人が?」

 

 「はい!こちらのご四人様が・・・」

 

 ジンと呼ばれた少年の問いに嬉しそうに答えながら、後ろを振り向く黒ウサギ。

 

 カチンと固まる黒ウサギ。

 

 「あ、あれ?あとお二人いらっしゃいませんでしたか?いかにも凶暴そうで「俺問題児!」っていう感じの不良のような殿方と、銀髪で黒ウサギの苦労をわかってくれそうな、綺麗な女性が?」

 

 「あぁ、十六夜君なら「ちょっと世界の果てを見てくるぜ♪」といって、むこうのほうに走って行ったわ。」

 

 あっちのほうにと飛鳥が指を指すのは、来る途中にあった断崖絶壁だった。

 

 「な、何で止めてくれなかったのですか!」

 

 「止めてくれるなよといわれたもの。」

 

 それどころか、普通に送り出していた。

 

 「な、何で黒ウサギに教えてくれなかったのですか!」

 

 「黒ウサギには言うなよって言われたから。」

 

 「じ、じゃあアインスさんはどこに言ったのですか!」

 

 「彼女なら「十六夜を連れ戻すから黒ウサギに言っといてくれ」って言って、十六夜君を追いかけていったわ。」

 

 「それこそなんで黒ウサギに教えてくれなかったのですか!」

 

 「だって今はじめて聞かれたし。」

 

 「嘘です、絶対嘘です!十六夜さんとアインスさんがいない理由はともかく、私に教えなかったのはお二人がめんどくさかっただけでしょう!」

 

 「「うん。」」

 

 まったく反省していない二人の返答にガックリとうなだれる黒ウサギ。するとジンが顔を少し青くして慌てだした。

 

 「ま、不味いです!今、世界の果てには強力な幻獣が!ギフトゲームを挑まれたら大変なことに!」

 

 「あら、じゃあ二人はここで脱落?」

 

 「ゲーム前にゲームオーバー、・・・斬新?」

 

 「冗談言っている場合ではありません!」

 

 あまり危機感を持っていない二人とは対照的に大慌ての黒ウサギ。

 

 「ハァー・・・仕方ありません。ジン坊ちゃん、お二人を任せてもよろしいですか?」

 

 「いいけど・・・黒ウサギはどうするの?」

 

 「私はお二人を連れ戻しに行ってまいります。特に十六夜さんには・・・」

 

 そう言って、黒ウサギの青みがかった黒髪が緋色に変わる。

 

 「「箱庭の貴族」と呼ばれた黒ウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります!」

 

 そして黒ウサギは世界の果てへ駆け出していった。

 

 「一刻ほどでで戻ります。お二人は箱庭の世界を満喫していってください!」

 

 そうして黒ウサギは一気にトップスピードになり、二人を追いかけていった。

 

 

 

 

 

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 「無事でいてください、お二人様。」

 

 出発して約一時間、黒ウサギはいまだにアインス達に追いつけていなかった。途中でユニコーンにあっていたがそのとき、世界の果てのほうで巨大な水しぶきが上がったのを目撃した。もしかした、世界の果てで幻獣とギフトゲームになっているのかもしれない。そう考えると黒ウサギはサァーと血の気が引いていくのを感じた。いくら二人がギフトを所持しているとはいえ、幻獣相手ではひとたまりもないと思っているからだ。

 

 ようやく黒ウサギが世界の果て、「トリトニスの大滝」についたとき、そこには川辺に立つ十六夜とそこから少し後方に立っているアインスがいた。

 

 「ようやく追いついたのですよ、お二人様!」

 

 「ん、黒ウサギか?いやしかし、髪の色が先ほどと違うが・・・本当に黒ウサギか?」

 

 「そ、そうですよ!たしかに髪の色は変わっていますが、正真正銘本物の黒ウサギです!」

 

 黒ウサギに気づいて話しかけてきたアインスだったが、髪の色から別人ではないかと少し疑うアインス。髪の色が変わったくらいで見分けがつかなくなるのかと少し悲しくなった黒ウサギ。そこでようやく十六夜が黒ウサギの存在に気がついた。

 

 「お。オマエ黒ウサギか?どうしたんだその髪の色?イメチェンか?」

 

 「そんなことどうでもいいのですよ!一体どこまで来てるんですか!?」

 

 「世界の果てまで来てるんですよっと、そう怒るなよ黒ウサギ。にしても、もう俺たちに追いついて来たのか。」

 

 「む。黒ウサギは「箱庭の貴族」と呼ばれているのですよ。一刻もあれば追いつくなんて余裕で・・・!?」

 

 (この黒ウサギが、一刻もの間(・・・・・)追いつかなかった?)

 

 黒ウサギは驚愕した。いくら気づいたのが箱庭についた後だといっても、黒ウサギの速さは相当なものだ。世界の果てまで、わずか一刻ほどで着いたことがそれを物語っている。にもかかわらず、二人に追いつけなかったということは、二人のスピードが相当なものだということだ。

 

 「ま、まあそれはいいのです。水神様にギフトゲームを挑んでいたらどうしようかと「水神ってあれのことか?」・・・え?」

 

 ザバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!

 

 『まだだ、まだ試練は終わっていないぞ小僧!』

 

 突如、川の中から現れたのは、巨大な蛇だった。

 

 「じ、蛇神!?どうやったら蛇神をここまで怒らせられるのですか!」

 

 「なんか偉そうに『試練を選べ』とか言ってきたから俺を試せるかどうか試したんだよ。ま、結果は残念なやつだったが。」

 

 なんでもないように答える十六夜に、唖然となる黒ウサギ。そこにアインスが声をかける。

 

 「すまない、黒ウサギ。私が追いついたときにはすでに始まっていて止められなかった。すぐに十六夜をつれて帰るつもりだったのだが・・・。」

 

 そう申し訳なさそうに話すアインスに、黒ウサギは(やっぱりアインスさんは、常識人なのですね・・・)と心の中でホロリと涙した。ちなみにアインスは問題児でないだけで、常識に関していえばどちらかというと疎いのだが黒ウサギはそこまで気がつかなかった。ここで黒ウサギは先ほどのアインスの発言について気になったことを聞いてみた。

 

 「でも、アインスさん。黒ウサギたちのコミュニティの場所わかるんですか?」

 

 「・・・・・・・・・・・・・あ。」

 

 ここでアインスはようやく自分のミスに気がついた。その恥ずかしさにアインスの頬がほんのり赤くなる。それを見て黒ウサギは、(何ですか!このかわいい生き物は!)と心の中で悶えていた。ギャップ萌えは恐ろしいということだ。

 

 ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

 

 いきなりの大きな音に黒ウサギたちが川のほうを見てみると、蛇神が巨大な渦を作り十六夜にぶつけようとしていた。

 

 『小僧、この攻撃に耐えることができれば貴様の価値だ。』

 

 「ハッ!馬鹿言ってんじゃねぇよ。勝負は勝者を決めて終わるんじゃねぇ。敗者を決めて終わるんだよ。」

 

 『その戯言が貴様の最後だ!』

 

 黒ウサギは十六夜をかばうためとっさに前に出ようとするが、アインスがそれを止める。

 

 「何をするんですかアインスさん!早く止めないと大変なことに「大丈夫だ、黒ウサギ。」・・・え?」

 

 黒ウサギの問いに答えたアインスの声音は、一切の不安を感じさせない強いものだった。

 

 アインスは今の十六夜の姿を、いや、十六夜の目を自分の知るある人物と重ねていた。相手がどのような敵だろうと関係ない。格上だろうと格下だろうと自分のもてる力のすべてを出して相手に挑む。そこに自分の敗北を考えない、何が何でも勝つという闘志。その目は、後に「エース・オブ・エース」と呼ばれる少女-----高町なのはに酷似していた。

 

 きっと、10人に聞けば10人が似ていないという二人だろう。でも今、この瞬間の十六夜の目は不屈の心を持った彼女(高町なのは)の目に酷似していたのだ。

 

 だから、アインスは十六夜が負けるなんて微塵も思わなかった。不屈の心を持った者の強さはアインス自身が身をもって知っているのだから。

 

 「ハッ、しゃらくせ!」

 

 そして、そんなアインスの期待に答えるように、十六夜はその腕の一振りでせまりくる渦を霧散させた。

 

 『バ、バカな!?』

 

 「嘘っ!?」

 

 蛇神と黒ウサギの驚きの声が重なる。その隙に、十六夜は蛇神に急接近し、蛇神が気が付いたときにはすでに目の前まで跳躍していた。

 

 「ま、中々楽しめたぜ、オマエ。」

 

 呆然とする蛇神に十六夜は蹴りを叩き込む。蛇神は吹っ飛んでいきそのまま気絶してしまった。

 

 「チッ、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらい出るんだろうな、黒ウサギ?」

 

 十六夜がそう問いかけてくるが、黒ウサギの耳には入ってこなかった。

 

 (人間が神格を倒した・・・!こんなことが・・・!)

 

 黒ウサギは彼らを呼び出す際、召喚のためのギフトを渡した”主催者(ホスト)”の言葉を思い出していた。

 

 『彼らは間違いなく、人類最高のギフト保持者たちよ。』

 

 (この力があれば、黒ウサギ達の夢も現実に・・・!)

 

 だが、黒ウサギは知らない。自分が呼んだ三人よりも最強で最凶の力をアインスが秘めていることに・・・。




 感想欄に「何故、リィンフォースの名前にすでにアインスがついているんですか?」という質問があったのですが、理由としては主に三つほどあげられます。

 一つは、StrikerS のドラマCDでリィンフォース・ツヴァイの夢にアインスが残留思念のような形で出てきたことがあります。そのアインスは残留思念である以上、消滅したときまでの記憶しかないはずなのにツヴァイを二代目としてしっかり認識していること。

 二つ目は、「リリカルなのはINNOCENT]においてツヴァイ登場前からアインスの表示があること。

 そして最も大きいのが作者の個人的な考えです。

 アインスとツヴァイは同じリィンフォースでも、まったく性格が違います。そのため、「アインス」と「ツヴァイ」はそれぞれの個性を表したものだと私は考えております。

 完全に私個人の感情論なので理解に苦しむことがあるかと思います。まあ、わかりやすく言うとアインスはアインス、ツヴァイはツヴァイと考えてるからリィンフォースという共通部分ではない部分で呼びたいというワガママです。

 こんなもので回答になっているか不安ですが一応以上がアインスの名前についての回答になります。

 今後も感想に書かれたことに関してあとがきで答えることが何回かあると思われます。もしかしたらそのうち回答だけで丸一話できてしまうかもしれませんね。

 最後に活動報告でアンケートやってます。興味があればよろしくお願いします。

 それではまた次回!
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