祝福の風も異世界からくるそうですよ?   作:迅雷の戦斧

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ちょっと中途半端だけど第5話です。

平日は時間取れても日頃の疲れから、眠たくて執筆が進まない・・・。

それでは、どうぞ!


千の瞳と、白き夜叉

 黒ウサギがあまりのことで真っ白に燃え尽きてしまい役に立たないので、アインスが代わりに話を聞くとこのような内容だった。

 

 飛鳥、耀、ジンの三人は箱庭のカフェに入る。

    ↓

 雑談していたらコミュニティ「フォレス・ガロ」のリーダー、ガルド・がスパーが襲来。

    ↓

 ガルドがジンのコミュニティの状況を教える。

    ↓

 ガルドが飛鳥と耀を勧誘するが二人は拒否。

    ↓

 飛鳥が自身のギフトでガルドを尋問。

    ↓

 ガルドは子供を誘拐し、その子供を殺していた。

    ↓

 飛鳥たち激怒。

    ↓

 なら、ギフトゲームで決着をつけよう。

    ↓

 黒ウサギたち帰還。

    ↓

 黒ウサギ燃え尽きる。 ←イマココ

 

 何か恐ろしいぐらい端折ったが、それはいい。いや多分よくないが所詮は過程である。ここで重要なのはギフトゲームをするという結果である。よりにもよってまだ召喚されて一日目にかかわらず、早くもギフトゲームを挑んだのだ、この二人は。本来止めるべきであるジンも乗り気だった。アインスからすれば、ガルドが許せないのはわかるがうかつすぎる。様々な戦場を見てきたアインスが思うに、ガルドは典型的小物だ。自身はトラのくせにやっていることは完全に「虎の威を借る狐」だ。ゆえに飛鳥と耀でも十分に勝てるだろう。しかし彼女たちは商品だけ決めて、ゲーム内容をまったく考えていなかったのだ。これではガルドが自分に有利なゲームができる。特にジンはもともと箱庭に住んでいたのだから、ルールについて指摘するべきだったのだ。それをしなかったということは、彼もガルドに勝てると安心-----いや慢心しているのだろう。飛鳥たちがいれば勝てると。それがまさに、ガルドと同じ「虎の威を借る狐」だと気づかずに。彼はリーダーとしての責任感は十分だがそれだけだ。実力と思考がまったく備わっていない。これはコミュニティ復興は至難の業だろうと、アインスは思った。

 

 飛鳥と耀の二人は、むしろいいハンデだと思っているらしいがやはり甘い。ガルドは確かに小物だが、そういう小物だからこそ追い詰められたとき何をしでかすかわからないと、アインスは経験で知っていた。魔導炉を暴走させて敵味方関係なく道連れにしようとしたり、よくわからない生体兵器を無差別にばらまいたり、今まで見た中にろくなものははなかった。

 

 また、十六夜は手を貸すつもりはなく、飛鳥も十六夜の助けを借りるつもりはないらし。十六夜曰く「これはコイツらが売って、アイツらが買った喧嘩だ。俺が手を出すのは無粋ってもんだぜ」らしい。アインスも黒ウサギも互いに協力して欲しかったが、三人が聞くと思えず諦めたのだった。

 

 

 

 

 

 

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 あれからしばらくして黒ウサギが復活、ジンと別れた一行は「サウザントアイズ」というコミュニティに向かっていた。黒ウサギはサウザントアイズにギフト鑑定を依頼しようとしたのだ。それを聞いて、問題児たちはすこしばつの悪そうなな顔を、アインスは自分の力を理解しているので特に反応しなかった。

 

 道中黒ウサギは飛鳥たちにコミュニティのことを黙っていたことを謝ったが、彼女たちは特に気にしていないようだった。耀が「毎日お風呂に入りたい」と言ったとき、十六夜がとってきた水樹のおかげで入れると聞いたとき、耀は十六夜に親指をグッ!と立ててサムズアップし、十六夜も同じくサムズアップで返していた。そういえば、十六夜が世界の果へ行くとき、耀は十六夜にお土産を希望していたはずだ。そう考えると、十六夜がとってきた水樹は、十分なお土産になったのだろう。

 

 さて、サウザントアイズに向かう黒ウサギ達だったが、ふと飛鳥が道のわきに咲く桃色の花を見て疑問を口にした。

 

 「桜の木・・・ではないわね。今は夏真っ盛りだし。」

 

 「まだ初夏に入ったばっかだろ?気合のある桜が残っていても不思議じゃねぇ。」

 

 「・・・今は秋だったと思うけど?」

 

 「春に入ったところだから、桜が咲いてなければむしろおかしいだろう?」

 

 ん?とお互いの話がかみ合わないことに四人は首を傾げ、黒ウサギは苦笑しながらも説明する。

 

 「皆様は、それぞれ違う世界から呼び出されています。季節のほかに歴史も所々違っているはずなのですよ?」

 

 「へぇ。パラレルワールドってやつか?」

 

 「いや、おそらく立体交差並行世界論の方だろう。」

 

 そうだろう?とアインスが黒ウサギに聞けば、彼女は少しばかり驚いているようだった。

 

 「確かに、その通りです。アインスさんはそういうのお詳しいんですか?」

 

 「たまたま知り合いにそういう研究をしていた人がいてそれで知っていただけさ。」

 

 その知り合いというのは、歴代の闇の書の主たちのことだ。アインスのいた世界では、今でこそ次元間の移動が可能になっているが、古代ベルカ時代ではなかった技術だ。そのため多次元世界について研究していた主は意外と多く、その過程で聞いたことがあるだけだった。

 

 そうこうしているうちに、サウザントアイズについたようだった。店の前では、割烹着を着た店員らしき女性が暖簾をしまっていた。もうすぐ閉店時間なのだろう。

 

 「ま-----」

 

 「待ったなしです。サウザントアイズ(うち)は時間外の営業はやっていません。」

 

 いっそすがすがしいくらいに、バッサリと切り捨てられた。

 

 「なんて商売っ気がない店なのかしら。」

 

 「その通りです!閉店時間の5分前に締め出すなんて・・・」

 

 「文句ならいくらでも。あなたたちは今後出禁です。」

 

 「出禁!?このくらいで出禁とかお客様なめすぎなのですよ!」

 

 「少し落ち着け黒ウサギ。こんな時間に来た私たちにだって否があるだろう?」

 

 「た、確かにそうですが・・・。」

 

 「そちらも、いくらか無礼を働いてしまったようで、すまなかった。」

 

 「・・・まあ、今回はあなたに免じて不問といたしましょう。」

 

 黒ウサギと店員は口論を繰り広げていた(黒ウサギが一方的に言われてただけ)が、」アインスの仲裁により双方とも矛を収めた。

 

 「それで、一応聞くがやはり入ることはできないのか?」

 

 「えぇ、そもそもうちはノーネームお断りですので。このあたりで「箱庭の貴族」がいるコミュニティはノーネーム以外ありませんから。」

 

 どうやらサウザントアイズはノーネームお断りのようだ。ならば仕方ないと帰ろうとした時だった。

 

 「イヤッホォォォォォォォウ!久しぶりだな、黒ウサギィィィィィィィィィ!!」

 

 「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・」

 

 突如、店舗の中から白髪の少女(幼女?)が飛び出してきて、黒ウサギに突っ込み、そのまま二人仲良く店の前の川まで吹っ飛んでいった。

 

 「なんだ?この店はドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンでぜひ・・・」

 

 「ありません。」

 

 「なんなら有料でも・・・」

 

 「やりません。」

 

 漫才のようなやり取りをする十六夜と店員。二人はわりとマジだった。

 

 「し、白夜叉様!?どうしてあなたがこんな下層におられるのですか!」

 

 「黒ウサギが来る気がしたからの。ほ~らここか、ここがええのか~?」

 

 先ほどの少女-----白夜叉というらしい-----は、黒ウサギに抱き付きながら、その胸に頬をすりすりこすり合わせていた。それを見てアインスは「きっと主はやてと気が合うのだろうな・・・」と思い眺めていた。はやても白夜叉も見た目は美少女、中身はエロオヤジというどこぞの名探偵っぽい感じなのだ。

 

 「い、いい加減、離れてください!」

 

 そういって黒ウサギは、白夜叉を掴んで、思いっきり投げつけた。飛んでいった方向には十六夜がおり、足で受け止めようとしたが、その前に空中で白夜叉の動きが止まった。十六夜が蹴ろうとしたのに気が付いたアインスが「バインド」を使って白夜叉の動きを止めたのだ。

 

 「な、なんじゃ、これは?」

 

 「「バインド」という捕縛魔法です。本来は相手の動きを封じる魔法ですが、このような使い方もできます。」

 

 「おぉ、そうか。いやー助かった。礼を言うぞ。」

 

 「いえ、お礼を言われるほどでは。」

 

 「礼として、おんしのその黒ウサギに負けず劣らず、むしろ勝っているその胸を揉んでやろうか?」

 

 それは一体誰に対する礼なのだろうか?少なくとも、アインスに対する礼ではない。

 

 「うぅ・・・、まさか黒ウサギまで濡れることになろうとは・・・。」

 

 「因果応報かな?」

 

 どうやら黒ウサギが帰ってきたようだ。そこで飛鳥が口を開く。

 

 「あなたはこのお店の人?」

 

 「おぉ、そうじゃ。わしはサウザントアイズ幹部の白夜叉じゃ。依頼ならおぬしのその発育のいい胸を触らしてくれたら引き受けよう。」

 

 「オーナー、それでは売り上げが伸びません。ボスが怒ります。」

 

 ふざける白夜叉に、それを咎める店員。十六夜は白夜叉を見て感想を口にする。

 

 「へぇ・・・。幹部ってこの和装ロリがか?」

 

 「初対面の相手をいきなりロリ扱いか。何様だ、おぬしは?」

 

 「十六夜様だぜ。以後よろしくな和装ロリ?」

 

 「じゃから、その和装ロリをやめい!」

 

 はたから見ると、高校生に食って掛かる少女にしか見えないので、何とも微笑ましい光景である。

 

 「十六夜、彼女は見た目はともかく、年齢はおそらくここにいる誰よりも年上だぞ。」

 

 とわいえ、このままでは埒が明かないので、アインスが止めに入る。アインスの言葉に白夜叉は少し驚いたようだ。

 

 「おんし、わかるのか?」

 

 「細かい年齢まではわからないが、ある程度なら家族にあなたに似た者がいるからな。-----それに、あなたが多くの戦場を戦い抜いてきたことも。」

 

 「ククク、そうか。」

 

 アインスの言葉に愉快そうに笑う白夜叉。アインスの言っていた家族とは「鉄槌の騎士ヴィータ」のことである。彼女もまた、見た目は幼いながらも、生きてきた時間は相当なものだ。だからアインスは、白夜叉が見た目通りの年齢でないことがわかったし、それになにより、長年の戦場での経験から、白夜叉が相当な強者であることにも気が付いた。

 

 「あの、お二人とも?そろそろよろしいでしょうか。」

 

 いつの間にか、アインスと白夜叉の二人だけで話していたため、他のみんなをほったらかしにしてしまっていた。

 

 「おぉ、そうでじゃったな。おんしたちは、何か用があったのじゃったな。いやー、すまんすまん。お詫びと言ったらあれじゃが、店に上がって行け。」

 

 「よいのですか?規定ではノーネームの入店は禁止と・・・」

 

 「よいよ。すべてわしが責任を取るからの。ほれ、おんしたちも突っ立ってないで上がるとよい。」

 

 そういって、白夜叉はアインスたちを、サウザントアイズに招き入れた。




 耀「そういえばアインス?」

 アイ「ん、なんだ耀?」

 耀「あのバインドって一個しか出せないの?」

 アイ「いや、複数出すことはできるが。」

 耀「じゃあ、三人同時にできるの?」

 アイ「それはできるが・・・、いったい何だ?」

 耀「私たちが落ちてきたとき、受け止めるんじゃなくて、バインド使えばよかったんじゃ・・・」

 アイ「・・・・・・・あ」

 この後、恥ずかしくて赤面したアインスを見て、(何、この小動物。めっちゃ可愛いんだけど。)と耀が思ったりするのだが、それはまた別のお話。





 アインスがいた世界の季節が春だったのは独自設定です。

 一応、GODの後になるのでそのあたりかなと。それに、お別れするなら寒い雪の日より、あったかい春の日の方がいいかなと思ったのも理由です。

 それでは、今日はこのへんで。活動報告のアンケートの方もよろしくお願いします。
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