Portrait of the Great Dragon ~ダンケルザーンの生涯~ 作:CanI_01
・外見
ドラゴン形態
鍛え上げられた鎧のようにきらきらと輝く澄んだ蒼い鱗を持つウエスタンドラゴン。
ヒューマン形態
その背丈こそ2mには届かないものの筋肉質な体型をしている。外見上は非常に若く、オリーブ色の肌にカールしたブラウンの髪、完璧な体型はさながらミケランジェロのダビデのようだ。唯一その瞳だけが超越存在であることを主張するようにメタリックブルーとシルバーであり、好奇心旺盛さをたたえている。その中に不自然な黒は深い虚無に繋がる穴のようだ。
・その生涯
ダンケルザーンがいつ生まれたのかは定かではありませんが、第2世界以前の覚醒時代に竜の女王オールウイングスの実子として生まれます。
一般的にドラゴンは産卵後、その卵は自身の信頼するグレートドラゴンに養育を委託し自身の子供としては親になりません。
この為ドラゴンの兄弟は基本的に義理の兄弟であり仲が悪くなりがちです。
しかし、ダンケルザーンは王子として産まれた為か実母オールウイングスによって養育されます。これは弟であるゴーストウォーカーも同様で生涯この2人は仲の良い兄弟だったようです。
ところが、この竜の時代は第4世界には終焉を迎えることになります。竜の召使いであった人類が反旗を翻しオールウイングスを討ちとったのです。これによりウエスタンドラゴンは世界に君臨し支配する立場を手放し影から社会を操る立場に移行します。
第4世界ではダンケルザーンは現在のウクライナに居を構え、後にアトランティスと呼ぼれることになるセラ帝国と対立し現地にドワーフ国家を築きあげ影から操っていきます。
第4世界においてゴーストウォーカーはドラゴンが禁忌とする死者の魂への操作を行ったことからシェディムの支配するメタプレーンに幽閉されます。
2012年1月27日にダンケルザーンはデンバーのチェリークリーク湖に姿を現します。覚醒後2番目に姿を現したグレートドラゴンに世界は驚嘆しました。
更にそのドラゴンが自身への会見を収めたディスクの収益の大半を見返りにインタビューに応じると告げたことから世界中からレポーターが殺到します。
このレポーターの選別を潜り抜けたのが当時駆け出しのレポーターであったホリー・ブライトンでした。
このインタビューは質疑応答形式で行われ最終的に12時間16分の長丁場となります。
これにより、人類は第6世界における常識である覚醒や魔法に関する基礎的な知識を得ることになる。
反面ダンケルザーンは自身が眠りについていた5200年の間に起きていたことを知り、このインタビューのデータにより税抜きで1,300万ドル以上の収益を得て、当座の資金を得ます。
グレートドラゴンは人の声を発生できないためメディアなどへの機械を通した発言をするためにはメタヒューマンの通訳、つまり声が必要になります。
ダンケルザーンの声に最初になったのはデンバー在住の年若い男性ジョン・ティモンズでした。
彼の協力の下ダンケルザーンは投資と自身のネットワーク構築に注力します。
投資は主にIT技術やサイバーウェア、医療技術など最新鋭技術開発に定評のある企業に投資が行われました。
ダンケルザーンは自身の企業の中核としてゴッサマースレッド社を保有し投資や人材の引き抜きを進めていきます。
ダンケルザーンはこのようにして引き抜いた人材や個人的な友人達からの合法的な情報や信頼できるフィクサーやランナーと数多く関係を持っており、それらの情報を複合して様々な判断をこなしていたようです。
そして、2021年当時のアクエイションテクノロジー社に在籍していたデビッド・ギャプランを引き抜きを画策し動き出します。ところが、この動きはアクエイションテクノロジー側にばれ、サイバー攻撃を受けます。
このサイバー攻撃の為に造られたプログラムはあまりに優秀過ぎました。
状況に即応して自己進化を行うプログラムなのですが進化暴走しクラッシュウイルスとなります。
これを作ったのがギャプランなのです。
これによりクラッシュが発生します。ダンケルザーンはギャプランにクラッシュウイルスを作った責任として対ウイルス部隊エコーミラージュに入隊するようギャプランを説得し、ギャプランはエコーミラージュに入隊し見事にクラッシュウイルスを根絶します。
このウイルスは本来は対象の情報を抜き出すためのプログラムであり、この時ゴッサマーと合わせてNASAもこのプログラムにより攻撃が仕掛けられています
ティモンズは2022年に、ヒューマニストの手により暗殺され、ダンケルザーンの声は不在となります。
次の声が選ばれるのは2028年。当時駆け出しのレポーターであるテリー・アン・リベリオと言う女性です。彼女とダンケルザーンは巣穴の確保の交渉に精力的に活動します。これによりアスバスカン議会国家のルイス湖畔を確保し、ここに最先端技術を活用したアミューズメントパークを建造します。このアミューズメントパークはダンケルザーンが2037年にアレスより買収したビジョンクエスト社により運営がされます。
このテーマパークはダンケルザーンのホモ・サピエンスへの興味の集大成でありVRシナリオに対する反応は全て記録され分析されることになります。
このビジョンクエスト社はアレスの最新鋭のVR技術を開発するコア企業であり常識的にはダンケルザーンへ売却するメリットはありませんでした。
ところがアクエイションテクノロジーのギャプランは後にクロス応用技術を立ち上げるリュシアン・クロスと共に開発したプログラムによりアレスの株式を不正に取得しダミアン・ナイトの名前でアレスのCEOとなっています。
恐らくはギャプランの動向を追跡していたダンケルザーンはこの事実を知り、口外せぬことを条件にビジョンクエスト社を売却させたようです。
ちなみにダンケルザーンはナノセコンド買収を利用してアレスの株式を密かに確保して自身の保有しているギャプランベンチャーに保有させていました。
2033年、現在イーボの取締役を務めるバタカッブと対立します。理由として当時のバタカッブは人類を下等なペットと見なし酷薄な扱いをしていました。それに異議を唱えたダンケルザーンはバタカッブを束縛し若く無学なオークの肉体に1年と1日の間封じます。これにより搾取される側の立場を知ったバタカッブは汎人類主義に目覚める事になります。この時ダンケルザーンより経済についての手解きを受けたようです。
2035年のティルタンジェル建国を陰ながら支援じす。その後も自身の影響力ある企業を動かしティルタンジェル経済が循環するように援助を行います。
ティルタンジェルのプリンスであり仕掛け人の一人であるエーラーンと旧知の仲であった事から参加したと思われます。
そして、ダンケルザーンの声を努めたテリーは2039年に特段の理由もなく声の地位から離れます。
その直後に声になったのが、ナジャ・ダビアーです。
そして、2042年にダンケルザーンはトリデオ番組ブライトンのメディア界引退の翌年からドラゴンは年2回の番組を開始し、その内容は著名人へのインタビューや環境や社会についてなど、ダンケルザーンの興味に従って選定されていました。
この番組の司会者はホリー・ブライトンであり、彼女はメディアからの引退を考えていましたが、そこをダンケルザーンが口説き落としたのです。ホリーの司会のもとにゲストがインタビューの応えていく形であったようです。ダンケルザーンのコメントや突っ込みをダビアーが通訳する形であったようです。
2050年代前半にダンケルザーンはダミアン・ナイトに昆虫精霊の情報を提供します。これによりアレスは昆虫精霊との終わりなき闘争を開始することになります。
2055年、ハーレクインが古代の女王チャイラを地球に帰還させダンケルザーンに大災厄の危機が迫っている事を告げます。
ダンケルザーンは何の準備もなく大災厄が到来し、なおかつ人類の技術までがホラーの手に渡れば地球の知的生命体の滅亡もありえると考えます。
そして、異世界と地球の間を繋ぐブリッジを破壊するためのマジックアイテムの製作を開始します。
ですが、この時代の魔力ではブリッジを破壊するためのアイテムを創り出すための魔力が足りずダンケルザーンは自らの命を生贄にすることすら視野に入れ行動を進めていきます。
2056年中旬、ダンケルザーンは議会制定法によりUCAS市民権を得ます。これはドラゴンの資産運用に対する課税への魅力と親覚醒派が大統領選において自分たちへの投票することを期待しての行動となります。これを受けてダンケルザーンは住居をルイス湖からセントエドワード島に移し、合わせてニューヨーク、DC、トロントに住居を用意します。これらの住処はドラゴンの姿でも快適に生活できるよう大きく作られていたそうです。
そして2057年にはダンケルザーンがワームトークに自らゲストとして参加しUCAS大統領選への出馬を表明します。
ダンケルザーンは数多の文明の勃興を見てきましたが、文化的な同一性や民族的な同一性に依らず国家を興し法の下の平等の名の下に300年以上国家を維持してきたことに感嘆し、その平等に自身も参加し国家の一助になりたいと告げます。
ダンケルザーンは法の下の平等を進めるためにメタヒューマンの人権向上、シンレスへのSINの完全付与、企業の技術開発と経済を推進するための投資に力を入れ、それにより国民の利益となると考えていると語ります。
この出馬の背景には他のドラゴンやイモータルエルフによって自身の知識に基づいた発言を封じられていたことに対する苛立ちもあったようです。
それ以上にハーレクインによってもたらされたホラーの情報の影響は大きかったかもしれません。地球を救うために自らの死を規定事項として考えた上でメタヒューマンがより公正に生きられる世界を近づけるための布石なのか、導き手として支配者として生きてきたにも関わらず一度も君臨しなかった事に対する最後のわがままなのか、事実は不明です。
少なくともダンケルザーンは大統領選に出馬し見事に大統領の座を射止めます。
2057年8月9日、ダンケルザーンはワシントンのウォーターゲートホテルから大統領就任パレードの為にリムジンに乗り込んだところリムジンが爆発します。
これによりダンケルザーンの29,000年(本人談)の生涯に幕を閉じることになります。
この突然の死によりダンケルザーンは暗殺されたと考えられました。
異世界からの侵略を進めるアズテクノロジーやナノセコンド買収の秘密を握られたダミアン・ナイト、UCAS副大統領の地位を手に入れたナジャ・ダビアー、ダンケルザーンが話し過ぎることを嫌っていた他のドラゴンなど、様々な憶測や噂が飛び交いましたが結局真実は明らかになりませんでした。
実際この事件はダンケルザーンの計画的な自殺だったのです。これはまるでこのタイミングで自らが死ぬことが判っていたかのようなタイムリーな遺言書も、この事実を裏付けます。
何故ダンケルザーンは大統領就任と言うタイミングで自らの命を絶ったのでしょうか。
この最大の動機はブリッジを破壊するためのマジックアイテム、ドラゴンハートを完成させるためです。ドラゴンハートを完成させるには第6世界の魔力はあまりにも少なかったのです。その不足を補うにはダンケルザーンが自らの命を捧げるより他無かったのです。
このパレードの直前弟子であるライアン・マーキュリーからアズテクノロジーがブリッジ完成の為の魔力電池たるローカスを手に入れたと聞いたことが引き金になっているとは思われます。
この時ダンケルザーンは死した自らの魂を3つに分割し送り出します。
1つはドラゴンハート完成の為にルイス湖にある自らの巣穴に。
1つは世界の境界で歌い続けるチャイラの元にドラゴンハートの完成を伝えるために。
1つは遥か遠くのメタプレーンに幽閉されている弟ゴーストウォーカーに自らの死に至る経緯と自身の信頼できる仲間達の事を伝えるために。もしかするとダンケルザーンの魂はゴーストウォーカーと共にあり彼の帰還を助けていのかもしれません。
このゴーストウォーカーの幽閉地へと繫がる為の道こそがウォーターゲート裂溝なのです。これが無ければゴーストウォーカーの帰還にはさらなる時間がかかっていたのではないかと思われます。
ダンケルザーンは死した後も自らの目的を達するために様々な布石を打ち、無数の組織や個人が巻き込まれていきます。
死して後に20年以上の時が経過しても未だにダンケルザーンは第6世界に影響を与え続けているのです。