アーテリーギア 傀儡世界のアメインゴースト   作:アパテー

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第3話です。

境界戦機でアメインゴーストと関係する機体の武装と戦闘機、そして新たなAGが登場します。


『始動・ユニオン』

装甲がひしゃげ、隙間から火花が散っている配線とオイルが漏れ出している右腕を動かそうとしたが、指先が痙攣したように少ししか動かなくなってしまった。

 

[畜生!]

 

肩はまだ動くようだったので、すぐに肩から先をパージした。幸いにも、パージした腕に傀儡の糸が侵食した形跡は無く、ニオ、シリウス、ゴーストが傀儡師の注意を引き付けていた。

 

「手数が足りません!ブルーも援護をお願いします!」

 

「すぐにいくニャ!!」

 

ブルーがニオに呼ばれ、援護に向かう。今のうちに…!

周りを見渡すと、ロボットの残骸や、動けなくなったAGが目に入る。熱源がもう確認出来ない事から、もう目を覚ます事はないだろう…。

 

[お前の仇は取ってやる、だから腕を貸してもらうぞ…!]

 

彼女から右腕を外し、傀儡の侵食の有無を確認して自分の右肩に取り付ける。腕が十分に動くことを確認し、使っていたであろう銃を持った。

 

[僕の…俺の右腕を持っていったんだ、覚悟は出来てるよな…!!]

 

武器を持った両腕をきつく握り、傀儡師に向かい走る。相当手強いのか、AG達の高速起動によるマシンガンの連射や大剣による乱舞を物ともせず、逆に彼女達に炎の竜巻…火炎旋風で一目でわかるほどに傷付けられていた。

 

服のあちこちに焦げた跡と穴が空き、シリウスは左腕を抑えてしまっていた。傀儡師の翼を見ると、ニオが首を掴まれていた。

 

[……!!]

 

「あのロボット…まだ動け…!!」

 

声からして、おそらくシリウスだろう、右腕がAGのものになっていたのに気付いたのだろうが、今はニオの救出を急ぐ。女性の体が3人乗っている胴体に着地し、ゼロ距離で射撃を行う。

 

「■■■■!!」

 

俺を邪魔だと認識したのか、ニオを放し、振り落とそうと暴れ始めるが、

 

[うるせぇ黙ってろ!]

 

真ん中に座っているAGだった傀儡を左腕でつかみ、振り落とされないようにしながら射撃を続ける。

 

[少しは効いてくれよっと!?]

 

途中で龍に噛み付かれ、投げ飛ばされる。先ほど傀儡師が隠れていた機械倉庫の中だった。投げ飛ばされた際に銃も落としたようだ。

 

[全く、どうすればいいんだ…あれは?]

 

機械倉庫の中で見た物、それは…、

 

[ストークキャリー!?それにこれは、ジョウガンの…!]

 

そう、『境界戦機』で登場したアメインの輸送機『ストークキャリー』に、メイレスジョウガンが使用していた速射拳銃と2連装狙撃砲が置かれていた。確認すると、燃料も弾丸も十分残っている。これなら…!

 

本来はアメインの一機、ブレイディハウンド専用の輸送機だが、AGに対応したものなのか、アメインゴーストでも装着可能なものになっていた。認証機能を突破して、自動操縦で浮かせて背中に装着し、ストークキャリー内に拳銃と剣を、両手で狙撃砲を持ち、リミッターを解除して飛行する。

 

すぐに戻ってくるとは思わなかったのだろう、傀儡師は対応が遅れていた。こちらに気付いたのだろうが、遅い!

 

[ついでにこれも喰らえッ!]

 

ストークキャリーに装備されていたミサイルと機銃を掃射し、接近する。ついでにニオの手を掴んでおく。

 

「キャッ!?」

 

[失礼、だけど…。]

 

少し離れ、体制を整えると、ニオが話しかけて来た。

 

「失礼だと思うならもう少し遅くして下さい!」

 

[ごめん、だけどあのままだとブリッジに………何?]

 

これまで話そうとしても発声機能が無かったので伝わることがないと思っていた言葉が通じた…?等と思ったら、傀儡師が翼から糸をこちらにむけて放ってきた。

 

「[…!!]」

 

ニオは剣を構え、俺は狙撃砲を構えた、次の瞬間…、

 

何処からか放たれたエネルギー光線が、傀儡師の糸を焼き尽くした。放たれた場所に目を向けると、人影が見えた。一度ニオから手を離す。

 

「まさか…指揮官……!本当に指揮官なのですか?」

 

[主役は遅れてやってくるって言うけど…遅いんだよ、全く。]

 

ニオはここに現れた黒い軍服を着た青年…『指揮官』を見て驚愕していた。連絡が途絶えていたのもあるが、傀儡師がいるここにいるとは思わなかったのだろう。実際、怪我をしているようだった。

 

「久しぶりだね、ニオ。」

 

「指揮官、その怪我…いえ、今は緊急事態です。すぐにここから脱出してください。これから私はコアを起爆させ、指揮官の退路を…[バカか、お前は!?]、あいたッ!?」

 

「…見た事ないロボットだが、そいつは?」

 

まさか退路を自爆で作ろうとしていたとは…、流石にそれは無視出来ない為に右腕で軽くデコピンした。流石AGの義肢というべきか、力加減がしやすい。

 

「〜〜ッ!!このロボットの前に、指揮官はあまり無茶をしないで下さい!生体反応が不安定です!すぐに手当を!」

 

「その前に、この傀儡師を倒す。そこのロボットも、私の指示に従ってもらうよ。さあ…人類の反撃の時だ。」

 

…格好良く決めるじゃないか、指揮官は。再度、傀儡師の方に向き合う。

 

[言われなくても従うさ、元人間なんだから。]

 

「はい、すぐに行動を開始します!」

 

ニオが自分に視線を向ける。俺も顔を向けて頷いた次の瞬間、傀儡師に向けて狙撃砲を両翼に向けて放つ。ドゴォン!!という音と共に傀儡師の翼が爆発し、悲鳴を上げる。

 

「■■■■!!!」

 

追加でそのまま撃ち続け、両方合わせて6発程で翼が吹き飛んだ。一旦狙撃砲を投げ捨て、ストークキャリーのブースターを吹かし、速射拳銃を取り出す。

 

[ほらほらこっちだ!]

 

傀儡師の周りを飛びながら射撃を続け、注意をこっちに向ける。レーザーや龍の頭を振るうが、その間を縫うようにして躱していく。

 

[……よし、いまだ!]

 

ニオの準備が整ったようなので、彼女の射線から離れる。直後、極太のエネルギーの奔流が傀儡師を襲う。

 

貫雷射流砲。

ニオの持つ装備の一つだが、周辺の被害が大きく、これまで74%の指揮官が使用を拒んだ武装。その内の80%は傀儡と刺違えたらしい。

 

この攻撃を受けてもまだ本体は動けるようだが…、

 

[関係ないッ!!]

 

ニオと共に傀儡師の元に飛び、デッキまでブースターを全開で作動させ、途中の壁を全て壊し、デッキの艦首部分まで押し出す。

 

艦首に到達し、傀儡師から離れた直後、上空から貫雷射流砲よりも強力なエネルギーの奔流が襲う。止まった時には艦首と共に傀儡師は消滅していた。

 

[仇は取ってやったぞ…。それにしても、直すのに幾ら金と資材が必要なんだ、これは……、ん?]

 

視線を感じ、上空を確認する。そこには2体の翼と鳥のカギ爪を模した義肢を装備したAGがいた。

 

[あれは確か、『ザ・ハルピュイア』のAG…。]

 

ザ・ハルピュイア。

オートルナと並ぶ国家、『フロンティア』と各国の首脳が主導で『猛禽』という概念を巡って巨額の資金を投じて開発した特殊なAGである。

 

今の戦闘を観察していたのだろうか…?

 

 

 

 

その様子を、鷹のような装備をしたAGが見ており、近くにいた鴉のような装備をしたAGが質問する

 

「……ん?」

 

「どうしたんスか?」

 

「あのロボットがこちらを見ていたからな…首脳、あのロボットは一体?」

 

通信機越しに、首脳と呼ばれた者…まだ年端も行かない軍服を来た銀髪赤目の少女が答える。

 

「あのロボットを確認したが、GRAを初めとしたどの企業も「あのようなロボットは制作していない」とのことだ。オートルナからも同様の連絡があった。」

 

「『ユニオン』もそうだが、あのロボット…この戦争にどのような影響をもたらすのだろうな。」

 

 

戦闘が終わった跡、俺…僕は、他のロボットと同じ格納庫で駐機形態となって充電しながら休んでいた。

僕の事を調べようにも、衛星兵器と傀儡との戦闘でオートランド号が大きく損傷した為、修理が完了してからとなった為だ。

 

[そういえば、進水式の前に襲撃されてたっけ…、なんともまあ可哀想な…。]

 

あの後、ストークキャリーについて調べたのだが、飛行能力のないAG用にこの世界でロボットをメインに制作する会社『GRA』が、飛行能力がないAGを戦闘区域まで移動できるように制作したものらしい。ある意味、境界戦機のものと同じ使い方を想定しているようだ。

 

 

[……ん?]

 

気配を感じて立ち上がると、ニオがこちらに歩いてきている。何かあったのだろうか?

 

「すみません、指揮官からアジュールシティで傀儡化現象が発生していて、そちらの対処に協力してほしいとのことです。」

 

了承の意志として右腕…AGの腕でサムズアップをする。

 

「ありがとうございます。それでは行きましょうか。」

 

ニオに付いて行き、新たに招集されたAGと共に出撃するとの事だ。確か初めてのガチャで手に入るAGは性格に難ありなマルゴットなんだが…、あれ、ブルーとマルゴット以外にもう一人…?

 

「あら、そんなロボットを連れていって大丈夫なの?」

 

うん、君はまだいいんだマルゴットさん。君に問題はないんだ。あるのはもう一人。

 

「お前は仲間なんだろう?なら修羅はお前に危害を加えない。」

 

 

右側の角が折れたような鬼のマスク(右目部分と額を隠している)を付け、背中には円形のパーツ。手はカギ爪になっていて腰にはサブアームを設けた装甲を付けた白髪赤目の少女……。

 

和風の趣をした『天ノ刃(あまのは)』の一人で僕が一目惚れした精神的にすごいやばいAG……『修羅』がいた。

 

 

 

 

 

本気で僕、殺されないよな?

 

 

 

 

 

 




修羅は元から敵でも良いと思うのよ。まあ、そこが好きだが。
あれ、修羅がこっちをむいて……「お前、大人しく修羅のおもちゃになれよぉ!!」


やめろいきなり三重震甲使わないで!?確かに機械生命体で打たれ強いけど!?ヤメロォーーー!!………ギャーーーーーーッ!!!

「あ、そうだ。修羅のオモチャが言い忘れてたけど、シリウス達はあの後仲間を守る為に交代したんだって。じゃあね。」
(作者を引きずりながら)
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