はじめより出来が悪いかもしれませんが、頑張って読める位にはしていきます。
[クソッタレ!上級傀儡師ってのはここまで面倒なのか、全然近寄れない!]
ハーピストと戦闘を開始してから数十分が経過したが、周りの傀儡が減っている気がしない、それどころか増えている…!
予備でいくらか弾薬を持ってきてはいたが、指揮官の作戦通りに行かなかったらハーピストに近付いて殴りに行かなきゃならない!
だが、下手に近寄ればオートランド号に現れた傀儡師のように僕が傀儡にされる…。
しかももう一つ面倒なのがハーピストの奏でる甲高い音だ。
ロボットの僕は大丈夫なのだが、四肢を義肢に変えただけの少女であるAG達には相当のダメージになる。現に今、
「ニャア……っ……。」
近距離で武器を振るっていたブルーはすきを見てハーピストに攻撃を仕掛けていたのだが、あの音を至近距離で何度か食らってしまい、後衛の汎用AG達が守っているのだが、彼女たちにも着実にそのダメージが蓄積されている。
「どうしよ…音を操るのは聞いていたけど、ここまで強いなんてね…。」
ケイティが思わずそう呟いた。ゲームでは装備やレベルをちゃんと上げていれば簡単に勝てるが…実際の戦闘は大きく違うというのを痛感させられる。
『まだまだこれから盛り上がるわよ?』
ハーピストの演奏が激しさを増した。高周波とでも言うのか、他のAG達が倒れるのが速くなってきた。
「メイレス、後ろです!」
[!!チイッ!]
背中のジャミングポッドに周りにいた下級の傀儡師の糸が絡みつき、やむを得ずパージし、それに向かって弾丸を放ち、後ろにいた下級傀儡師を一掃する。戦局は膠着状態、AGの殆どが倒れてしまった。
「大丈夫ですか!?」
ニオの近くにいたAGが倒れ、残っているのは二人と一体のみ。
『あらら。殆どみんな倒れちゃった。じゃあ、全員、私の所に来てもらおうかしら?私が……みんなを救済してあげる。』
[俺は願い下げだがな…!]
「全部あなたのせいでしょう!?」
通信機越しにカペラがそう言い放った。これは僕も賛成意見だけどね。
『私?この子達を寄越したのはあなたたちのくせに!?』
「カペラ、傀儡と話す必要なんてありません。これは理性を持たない存在……。会話が成立する事はありませんよ。」
『アハハハハハ、私には分かるわ。また楽器が増えるのね!ネズミさんたち、今すぐに素敵にしてあげる!でも、あなたは別よ?私が新しい体を持って来て最高の作曲家に変えて見せるから!』
まじでこいつ何考えてんだ!?理性がないと言うか、ブレーキがない車なのか!?
「ニオ、時間を稼いでくれないか?」
「承知しました。」
唐突に通信機から指揮官の声が聞こえた。まだかかるのか…。ニオがハーピストに話しかける。
「……少し話を聞かせてもらえませんか?先程口にしていた『救済』とは一体なんなのです?」
『あら?救済とは何かって?みんなに私の音楽を聞いてもらう事に決まってるじゃない!素晴らしい音色を聞けば……みんなの魂は救われるのよ!』
「しかし、それは傀儡の排除とは関係ありませんよね?あなたはどうやって傀儡戦争で人々を救済するのでしょうか?」
『音楽よ、音楽!素晴らしい音楽しかないわ!』
[音楽で何とかなるのはマク○スくらいのものだよ…。]
ハーピストの答えで思った事だった。まあ…救いたいというのには同情するが。
「やはり……意思疎通は出来ないようですね。」
「ええ。指揮官の推測通りです。」
[「えっ?」]
僕が考えた事とカペラの言った言葉が被る。確か上級傀儡師の特徴の筈…。
「傀儡師は彼女を転化させた際に、生前の音楽に対する執着を増長させた。だから、音を使って攻撃するようになったのです。ハーピスト……、あなたは傀儡であり、今も人類を傀儡化させ続けています。そんな行為を救済同情呼ぶとは……あなたには人の心
が残っていないようですね。」
『傀儡?違う!私は傀儡じゃないわ!』
「周りをよく見て下さい。あなたはその手で観客を全て傀儡に……貴方の楽器にしてしまったのですよ?」
『………み、認めないわ!あなた達は〘ドンッ!!〙……え?』
もう無理。聞いてられん。状況が悪くなったら責任転嫁とはね…。思わず撃ってしまった。
「きみ、以外と沸点低くない?」
ケイティが聞いてきたのでそれにうなずいて答えた。
「ニオ、発言してもいいかな?」
「はい。」
「我々も君と同じく、多くの同胞を手にかけた。でも、我々は決して人としての心は捨てない。」
……。
『音楽よ、みんなを救済できるのは音楽だけよ!』
「戦場に立つ指揮官として、犠牲になった者たちの重みを背負い、一生かけて償うと誓うよ。」
『人間お得意の綺麗事ね!あなたに〔ゴンッ!!〕ガッ!?』
もう無理だ。ケイティから刀を分捕り、「ちょっと!?」後先考えずハーピストの足元にいた傀儡を切り裂いた。
「メイレス!落ち着いて下さい!」
「ニオ!指揮官から『天井を撃て』って通信が来た!」
「…!!了解しました!劇場天井部の射撃を開始します!」
その言葉を聞いた後、後ろから射撃音が聞こえ、天井の瓦礫が落ちてくる。ハーピストへの追撃を中断し、急いでニオ達の元に戻る。
「メイレス、気持ちは分かりますが…。」
[………ごめんなさい。]
僕は頭に血が登りやすいが冷めやすいので、少し時間が経ってから落ち着いて、ニオに頭を下げる。僕達の周囲には白い煙が…。
[やっとついたのか、戦闘狂達が…!]
『小賢しい真似を!こんな事したって逃げられないわよ!……あら、新しいネズミ?』
「……黙れ、クズが。」
『なんですって!?」
「逃げる…?ハハハハハ!修羅が逃げる訳ないだろう?お前を弄べるからなぁ!」
全く…長く待ったんだから、せめて倒してくれよ、修羅。そして…。
「『ユニオン』に継ぐ。私はゼロヨン。修羅と共に此処から本作線に参加する。」