An indomitable spirit in my heart   作:アイリスさん

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プロローグ

 

 

「ママ‥‥‥ママ、だよね?やっと見付けた‥‥‥!」

 

ヴィヴィオの言葉に、フェイトは声が出ない。ヴィヴィオはその瞳に涙を一杯に溜めて、声を絞り出す。

 

「見付かる訳ないよね。こんな所に居るんだもん。あれから‥‥‥1年も探し回ったんだよ?寂しかったんだよ?‥‥‥一緒に、帰ろう?」

 

「ごめんね‥‥‥‥‥‥私には、そんな資格ない。私は、約束守れなかった‥‥‥ヴィヴィオを捨てたんだよ?」

 

フェイトはポロポロと涙を流しながら、か細い声で答える。

 

「そんな事無い!フェイトママは、私のママだもん!お願い、ママ‥‥‥一緒に‥‥‥帰ろう‥‥‥」

 

遂に言葉に詰まって泣き出したヴィヴィオ。フェイトは少しだけ躊躇したが、駆け寄って恐る恐る抱き締めた。

 

「ごめんね、ヴィヴィオ。私は‥‥‥私は、なのはを助けたいんだ。だから、一緒には、帰れ‥‥‥な‥‥‥い‥‥‥」

 

フェイトも限界を迎えて泣き崩れる。やがてヴィヴィオは決心を固めたのか、流れる涙を拭い、フェイトと向き合った。

 

「分かったよ、ママ。だから、もう泣かないで。その代わり‥‥‥絶対、なのはママのこと、助けてね?そうしたら‥‥‥私達の未来も、変わるかも知れない。約束して、ママ」

 

「うん。助ける、助けてみせるから‥‥‥!なのはを助けて、3人で暮らそう‥‥‥必ず!」

 

 

 

「もうそろそろ、宜しいでしょうか」

 

アミタの催促で離れる二人。フォーミュラプレートが起動し始めて、光に包まれる。

 

「絶対、絶対助けてみせるから!」

 

未来へと転移して行き、誰も居なくなった空間に一人叫ぶフェイト。状況が飲み込めず、隣で疑問を浮かべているなのはをチラリと見て、一人改めて心に誓った。

 

(なのは‥‥‥必ず、必ず貴女を救ってみせるから!)

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

新暦78年のある日。フェイトは海鳴市を訪れていた。長い3ヶ月の海での捜査を終えて、漸く戻ってきて、聖王教会が面倒を見ているヴィヴィオと再会。その手を引いて、海鳴の小高い丘にある、共同墓地の、とある墓前に立つ。

 

(ただいま、なのは。あれから、もう3年経ったね‥‥‥‥‥‥ヴィヴィオもね、もう初等科の三年生だよ?新しい友達も増えたんだよ?)

 

憂いを帯びた笑みを浮かべているフェイト。その隣で、ヴィヴィオは手を合わせている。

 

(なのは。貴女が命に代えて守ったヴィヴィオは、素直に育ってくれてる。だから、安心して)

 

昔を思い出しながら、フェイトはヴィヴィオの手を引き、墓地を後にする。

‥‥‥墓に、遺体は無い。なのはは、自らを犠牲にし、ヴィヴィオ達を脱出させて、『ゆりかご』と運命を共にした。フェイトに遺した最期の言葉は、『ありがとう』だった。

 

 

高町家に挨拶に寄った後、ミッドの自宅へと戻る。今日から数日はオフ。休みの間は決まってヴィヴィオと過ごす。

 

「いつもごめんね、ヴィヴィオ。私がこんな仕事じゃなかったら、一緒に暮らしてあげられるのに」

 

申し訳なさそうに話すフェイトに、「ううん」と首を振るヴィヴィオは、笑顔を作って話す。

 

「そんな事無いよ、ママ。ママには感謝してるし、大好きだよ。だから、謝らないで、ね?」

 

ヴィヴィオの言葉に思わず涙ぐむ。

 

「ヴィヴィオは、ホントにいい子だね!」

 

「ちょっと!ママ、苦しいよ」

 

フェイトはヴィヴィオを抱き締め、頬擦りする。恥ずかしさと苦しさで紅くなっているヴィヴィオは、苦しいと言いつつも、フェイトを抱き締め返す。

 

「ねえ、ママ。ママは、居なくならないよね?」

 

「え?」

 

その言葉に思わず聞き返す。

 

「私、覚えてるよ。ママは‥‥‥ママは、なのはママみたいに、居なくならない、よね?」

 

「‥‥‥‥‥‥大丈夫。ヴィヴィオを置いていったり、しないから」

 

フェイトは優しい口調で、ヴィヴィオの頭を撫でる。後に訪れる、後悔と自己嫌悪など知る由も無く。




そんなプロローグでスタート。懲りもせずリリなの3作目が静かにスタート。
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