第1話 引越し
日本のM県S市杜王町のとある家の前で3人の高校生と1人の中学生が話をしている。
「親の仕事の都合とはいえさみしくなるな……」
リーゼントが特徴の高校生。東方仗助が言う。
『はい……俺もさみしいです……』
黒髪の中学生、九十九久人は親の仕事の都合で生まれ育った杜王町を引っ越すことになったのである。
「どこに引っ越すんだ?」
ガラの悪そうな高校生。虹村億泰が尋ねる。
『えっと、たしか見滝原ってとこです』
「結構距離あるんだね……」
背の低い小柄な高校生。広瀬康一が言うと
『そうですね……でも、なんかあったら連絡してください。遠くてもすぐに駆けつけますんで』
「そういう時じゃなくても遊びに帰って来いよ」
「そうだぜ。俺達は親友だろ?」
「その時はぼくの家に来なよ。いつでも歓迎するよ」
『仗助さん……億泰さん……康一さん……』
久人は泣きそうになる。
「おーい。久人、そろそろ出発するぞー」
久人の父親の声が聞こえた。
『もう行かなくちゃ……それじゃ、俺はこれで……』
親の車に乗り込み出発する。
「元気でなー久人ー」
「引越し先でもがんばれよー」
「またねー」
『仗助さん、億泰さん、康一さん、さよーならー』
仗助、億泰、康一に見送られながら久人は杜王町を去って行った。
『さよなら杜王町……見滝原か……どんなところなんだろうな?』
数日後、久人は転校先の見滝原中学校に向かっていた。
『たしか……この道を右に曲がって……』
「えーん。えーん。痛いよう」
久人は小学生の男の子がうずくまって泣いているのを見つけた。
『どうした?ボウズ』
泣いている男の子に声を掛ける久人。
「転んで膝をすりむいたの……」
男の子の左膝から少し血が出ていた。
『どれ、見せてみろ(本当だ。このぐらいなら……出てこい!ラー)』
久人が念じると、隣に人型のなにかが現れた。幽波紋(スタンド)である。
そして、スタンドが傷の上に手をかざすと、みるみるうちに男の子の膝の傷が治っていく。
『見ろボウズ。なんともないぞ』
「ホントだ!なんで?」
『きっと気のせいだったんだろ。ほら、はやくしねえと遅刻するぞ』
「う、うん」
男の子は元気に走り去って行った。
『俺も行くか……急がねえと転校初日に遅刻しちまう。それは勘弁だな』
再び見滝原中学校に向かう久人。
「今のはなに?なにをしたの?彼はいったい誰なの?見たことがないわ……」
久人は気付いていなかった。とある少女にすべて見られていたことを……
To be continued