希望の太陽   作:浮雲のソル

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第10話 絶望神

さやかのソウルジェムを取り戻し、ほむらの家へ着いた久人と杏子。

するとほむらが

 

 

「九十九!杏子!無事だったの?」

 

 

『ああ、なんとかな。美樹のソウルジェムもここにある』

 

 

「じゃあ早くさやかちゃんに」

 

 

久人はまどかにさやかのソウルジェムを渡し、まどかはそれをさやかの側に置く。すると、さやかは眠ったままだが息をしはじめた。

 

 

「よかった…さやか…」

 

 

杏子は安堵した。久人はマミを見て

 

 

『巴さんはもう落ち着きましたか?』

 

 

「ええ……また迷惑をかけてごめんなさい……」

 

 

『俺より東雲に言ったほうがいいんじゃないですか?』

 

 

「そうね…東雲君ほんとにごめんなさい……ひとつ間違えばあなたにまで危険があったのに止めてくれて…」

 

 

「あの時は必死でしたから……でも、もうあんなことはしないでください」

 

 

「ええ、もう大丈夫」

 

 

「う、うーん。ここは?」

 

 

「さやかちゃん!」

 

 

さやかが目を覚ました。

 

 

「あたしなにしてたんだっけ?」

 

 

『覚えてないのか?』

 

 

「うん」

 

 

久人はさやかが魔女になっていたことを話した。

 

 

「そうだったんだ…でも元に戻してくれたんでしょ?ありがとう」

 

 

『どういたし……「まさか魔女をソウルジェムに戻すなんてね」

 

 

久人が喋っている途中に聞きたくもない声が聞こえてきた。

いつの間にかキュウべえが現れていた。

 

 

『どこから湧いて出てきたてめえ……』

 

 

キュウべえに敵意をむき出しにする久人。

 

 

「やれやれ僕をゴキブリみたいに言うのはやめてくれないかな」

 

 

『てめえなんてゴキブリ以下だ。おまえの企みはもうここにいる全員に話した。鹿目も契約なんてしないだろうよ』

 

 

そう言ってまどかの方を見る。まどかは首を縦に頷く。

 

 

「やれやれ暁美ほむらはともかく九十九久人、君のようなイレギュラーに邪魔されるとはね」

 

 

『あとはワルプルギスの夜を倒せば……「残念だがおまえたちではワルプルギズの夜は倒せない」

 

 

謎の声が部屋に響いた。

 

 

 

 

 

 

『誰だ?今の声は……』

 

 

「九十九!あそこ!」

 

 

ほむらが指をさした方を見ると、そこには黒衣に身を包み、白と黒を基調とした仮面を被っている男が立っていた。

 

 

「てめえどっから入ってきやがった……」

 

 

杏子をはじめ、全員が警戒する。

 

 

「そう身構えるな……今、おまえたちが見ている俺は映像だ。攻撃しても意味がない」

 

 

「(この声どこかで…)映像?じゃあ、君は今どこにいるんだ?」

 

 

仮面の男になにか違和感を感じた東雲。すると仮面の男は

 

 

「この世界とはまた違う世界……並行世界と言ったら分かりやすいか?」

 

 

次にほむらが

 

 

「その並行世界の者が何の用かしら?」

 

 

「そうだな……まずは自己紹介をしておこう。俺は絶望神アンチホープ。用件は九十九久人、おまえと取引の交渉をしに来た」

 

 

『取引だと?しかもなんで俺の名前を知っている?』

 

 

「おまえだけじゃないここにいる全員の名前は知っている。まあそれはいいとして、単刀直入に言おう九十九久人、おまえの肉体と魂をよこせ」

 

 

『なんだと!?』

 

 

「いったいなんのために!?何が目的なの?」

 

 

マミが尋ねる。

 

 

「俺のいる世界はもう俺以外の生物は存在しない滅んだ世界だ。その世界を再び復活させるためにおまえの肉体と魂が必要なんだよ」

 

 

『断る。俺には大事な戦いが控えているからな』

 

 

「ワルプルギスの夜か?さっきも言ったがおまえたちでは勝てない」

 

 

『なぜそう言い切れる?』

 

 

「俺のいる世界でもワルプルギスの夜はいたんだよ。そして戦った。俺と暁美ほむら、巴マミ、美樹さやか、東雲刃という名の仲間と共にな!!」

 

 

「「「「「「『!?』」」」」」

 

 

その場にいた全員が驚愕した。

 

 

「もう気付いただろ?俺は並行世界の……」

 

 

そう言ってゆっくりアンチホープは仮面を外す。

 

 

「九十九久人だ」

 

 

表れたアンチホープの素顔は久人そのものだった。

 

 

「教えてやろう元九十九久人が絶望神アンチホープに堕ちるまでの経緯を……」

 

 

アンチホープは話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは俺がまだ九十九久人だった頃の話。

あの日を忘れたことなんて一度もなかった。目の前には最強の魔女ワルプルギスの夜がいた。

 

 

『これがワルプルギスの夜……』

 

 

「大丈夫。私たちなら勝てるわ」

 

 

「そうよ。そのためにみんなここにいるんだから」

 

 

「絶対に勝とう!!」

 

 

「あたしの力を思い知らせてやる!!」

 

 

「ひと暴れしますか!!」

 

 

ほむら、巴さん、東雲、美樹、佐倉の言葉もあって俺は負ける気がしなかった。

そこにいた全員がそう思っていた……だが、ワルプルギスの夜は俺たちの想像を遥かに超える強さだった……

 

 

『巴さん、東雲、美樹、佐倉……返事をしてくれ!』

 

 

俺は倒れている4人に何度も叫んだ……でも、もうすでに死んでいた。それでも何度も何度も叫んだ。

 

 

「久人……彼女たちはもう……」

 

 

生きていたのは俺とほむらだけだった……それを嘲笑うかのようにワルプルギスの夜は笑っていた。

 

 

『俺が時間を稼ぐ間にほむら、おまえだけでも能力を使って並行世界へ逃げろ』

 

 

「あなたを置いて私だけ逃げれる訳ないじゃない!!」

 

 

『たのむ…おまえだけでも逃げてくれ……』

 

 

「いやよ絶対に……私はもう逃げない!!」

 

 

ほむらはワルプルギスの夜に向かって行った。でも簡単に返り討ちにされ、ソウルジェムが砕かれた。

 

 

『嘘だ……ほむらぁぁぁぁぁ!!』

 

 

死んだ……仲間も愛する人もみんな……

 

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』

 

 

怒り、悲しみ、絶望、様々な感情が俺の中を駆け巡った……

 

 

「こうなることは分かっていたけどね」

 

 

『キュウべえ……いやインキュベーター……』

 

 

俺の目の前にインキュベーターが現れた。

 

 

「僕の邪魔をしたからこうなったんだ。そこにいる5人は君が殺したようなものだ」

 

 

『俺が殺した……』

 

 

違う……違う…違う違う違う違う違う違う違う違う違う全部全部……

 

 

『おまえがいたからだろうがぁぁぁぁぁ!!おまえさえいなければ!!!!!!』

 

 

その時だった……俺の心が完全にドス黒い闇に堕ちたのは

俺のスタンドのラーが闇に包まれて姿形を変えていき、巨大な黒い球体になった。

 

 

「なんだいそれは?」

 

 

『どうやら俺のスタンドは完全に変わっちまったみたいだ……能力は……なるほど……』

 

 

俺はインキュベーターに少しずつ近づいていく。

 

 

「な、なにをする気だい?」

 

 

『どうした怖いのか?感情を持たないおまえが?こりゃ傑作だ……俺は今からおまえを……喰らう!!』

 

 

球体のスタンドから腕を出し、インキュベーターを捕えた。そして、球体の中へ引きずりこもうとした。

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

『抵抗しても無駄だ。俺の新しいスタンドからは逃れられない!!』

 

 

俺の新しいスタンドはインキュベーターを引きずり込み、吸収した。

 

 

『ハハ、ハハハハハ。素晴らしい……どんどん力が湧いてくる。インキュベーターの力か?どうでもいいか……この力はラー……いや、すでにアバターの力だ!!』

 

 

俺はスタンドをアバターと名付けた。能力は万物を喰らい吸収し、無限に成長するスタンド。

 

 

『次はおまえだ……ワルプルギスの夜……いや、おまえだけじゃないこの世界に存在する魔女、人間、生きとし生ける者すべてだ。すべてこの俺のスタンドが喰らってやる!!』

 

 

そして俺は自分の世界の生き物をすべて喰らい吸収した。

その後は、死のうと思った。でもしなかった。いや、できなかった。

俺の身体はアバターの影響からか不老不死になっていた。インキュベーターを吸収したからか?すべての魔女を吸収したからか?またはすべての生き物を吸収したからか?結局原因は分からなかった。

 

俺はアンチホープと名を変え、ただ何もない世界で時間だけを過ごした。何十年、何百年、何千年、それ以上の時間が過ぎた。そして俺はあることを思いついた。それは別の世界…並行世界をアバターで吸収し、自分の世界に上書きをして復活させること、俺の理想の世界として生まれ変わらせることを。だが、今のアバターではそれは不可能だ。しかし、俺は見つけた別の世界を喰らう程の力を手に入れる方法をそれは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「九十九久人。おまえの肉体と魂を喰らうことだ。そうすればアバターはひとつの世界を喰らう程の力が手にはいる」

 

 

『それで俺の肉体と魂を差し出せと?ふざけるな!!』

 

 

「交渉決裂か……どちらにせよ俺はおまえを喰らうことには変わりない。違うのは苦しまず喰われるか苦しんだまま喰われるかの違いだ。今すぐその世界に行きおまえを喰らってやろう……と思ったが少し猶予をやろう」

 

 

『猶予だと?』

 

 

「ああ、5日猶予をやる。考えておけ自ら肉体と魂を差し出すか、苦しんで喰われるか。猶予が過ぎたら俺の世界に来い、そして答えを聞かせろ。言っておくが逃げたとしても意味はないからな。おまえのいる場所などすぐに分かる。ではさらばだ……」

 

 

アンチホープはその場から姿を消した。

 

 

「この世界はもう終わりだね。どちらにせよ##NAME2##が喰われて、アンチホープがこの世界を喰らう」

 

 

『悪いがキュウべえ。俺は喰われるつもりはない』

 

 

「どういうことだい?」

 

 

『俺がアンチホープを倒す!』

 

 

「不可能だね。僕を喰らう程の存在だよ?」

 

 

「インキュベーター、おまえは関係ないわ」

 

 

『暁美……』

 

 

「そうよ。九十九君は私を救ってくれた」

 

 

「それに僕たちもいるしね」

 

 

『巴さん……東雲……』

 

 

「そうそう。そんな男が簡単に負けるわけないって。あたしたちも戦うよ」

 

 

「あたしも同感だ」

 

 

『美樹……佐倉……』

 

 

「私は何もできない……ずるいよね……」

 

 

『そんなことはないぞ鹿目。俺たちが勝つように祈っててくれ』

 

 

「九十九君……分かった」

 

 

「じゃあ、見せてもらおうか君たちの悪あがきを」

 

 

『勝手にしろキュウべえ』

 

 

「「私たちは……」」

 

 

「「あたしたちは……」」

 

 

「僕たちは……」

 

 

『絶望に勝つ!!!』

 

 

To be continued

 

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