ザビ家成り代わり   作:くずみ@ぼっち字書き。

14 / 96
【成り代わり】another ORIGIN 謀略の"ギレン" 7【転生】

 

 

 

 キャスバルと“ガルマ”は、無事――無事と云って良いのだろうか――ムンゾ大学を卒業した。

 流石に、四年を二年で終了する荒技のために、後半一年はやんちゃをする暇もなかったようだ。シャア(本人)につけた護衛たちも、“拍子抜けしました”と云うほどに、学業に専念せざるを得なかったらしい。

 アムロも小学校に入学して、やや忙しくなっていたから、子どもたちは以前ほどには、かたまって過ごしてもいないようだった。まぁ、来年にはキャスバルも“ガルマ”も士官学校に入ってしまうのだ、少しずつ離れて過ごす時間が増えるのは、訓練になっていいのかも知れなかった――アムロの父親テム・レイは、相変わらずダークコロニー詰めで、ほとんど帰ってはこなかったから。 

 そんな最中、“伝書鳩”、はっきり云えばタチ・オハラから報告が上がってきた。シデンと云う夫婦についてである。

「夫は技術者で、今はジオニック社の子会社で働いています。妻が医師で――どうやらこちらが、連邦の情報部子飼いのものではないかと思われる節があります」

「シデン」

 変わった名前だ。聞けばすぐに、“カイ・シデン”を思い出すくらいに。

 タチは頷いた。

「はい。どうも様々なサイドを転々としているようで、ムンゾに来る前は、ルウムにいたようです。夫婦とも働きぶりは真面目そのもので、特に夫の方は、当時の勤め先からかなり強く慰留されたようですが、それを振り切るようにしてムンゾに移転してきたとか」

「なるほど」

 そう云えば、そのような記載が、元々のアレのWikiやら何やらに出ていたような気がする。スパイ云々は記憶にないが――いや、ガンダムWikiか何かには載っていたか。

 まぁ、親がスパイ稼業で、それに振り回されていたのなら、カイ・シデンのあのひねた態度も腑に落ちる。そもそも、親の仕事で引越しすることは、世界の狭い子どもにとっては重大事なのだ。しかも、それを繰り返していれば、子ども社会に基盤のないものとして、拗ねたようになるのも仕方のないことだ。実際、自分にも憶えのないものではない――元々のアレでは、子どもの頃は転勤族の親のために、いくつもの土地を転々としたので。

 だが、問題なのは、

「――それで、この話はどこから?」

 わざわざカイ・シデンの両親のネタを持ってくるのは、何某かの裏があるからに違いない。確かに連邦のスパイとなれば警戒はすべきだが、わざわざこちらの耳に入れなくてはならないと云うほどのこともない。端的に云って、“伝書鳩”たちで処理しても構わないくらいの案件である。

 それをわざわざ知らせてくると云うことは、誰かがこちらの耳に入れるべきと、タチ・オハラに進言したと云うことだ。

 誰か――その“シデン夫妻”が、カイ・シデンの両親であり、それを聞けばこちらが興味を示すだろうと考えた“誰か”が。

 そして、それはもちろん、

「――ガルマ様です」

 苦虫を噛み潰したような顔で、タチは云った。

「やはりな」

 今この瞬間に、十一歳である少年が、後々連邦軍の兵卒として戦地に臨み、長じてはジャーナリストとして活躍することになる、と知るものは、“ガルマ”を除いて他にはない。

「ガルマ様は、シデン医師を捉えれば、閣下がお喜びになるだろう、と」

「ふむ……あながち間違いではないが――捉えたのか?」

「所在は。夫妻には、十一歳になる息子がいるようで、そちらも一応押さえてはおります」

 つまり、いつでも確保できる状態だと云うことか。

 正直、カイ・シデンは、1stではともかく『the ORIGIN』ではまったくのオールドタイプであり、かれを取りこんだからと云って、連邦の戦力か削がれるわけではない。

 だがまぁ、最初に見た幼いころはともかくとして、年を経た今となっては、割合好ましいキャラクターではあるし、何よりジャーナリストになるような少年が、今のムンゾをどう見るのか、それを訊いてみたい気持ちもあった。

「では、シデン夫妻を確保せよ。それから、息子の方は、両親のことをそれと知らせず、私の許へ連れてくるように」

「は……息子を、ですか」

 タチは、不審そうな顔になった。

 まぁ、わからぬではない。両親は情報部に尋問される、と云うことは、有体に云えば拷問までが含まれると云うことだ。諜報活動に従事しているからには、捉えられて尋問されると云うのがどう云うことか、重々承知しているはずだ。連邦の手のものであると吐くか、あくまでも空とぼけるかは、シデン医師の覚悟次第と云うところだろう。

 それでめぼしい情報が出なくとも、それはそれで構わない。“伝書鳩”もそうだが、真に重要な情報、つまり機密事項などは、末端の諜報員の知るところではない。むろん、タチくらいの地位になれば、他のものたちの掴んだ情報を接ぎ合わせ、こちらの考えに近い絵図を作り上げることもできるだろうが――まぁ、末端にはもちろんそれほどの情報は与えられない。だからこそ、何かあれば切り捨て可能な駒として扱われることになるのだ。

 非情なように聞こえるかも知れないが、諜報機関とは基本的にこのようなものである。甘い考えでいれば自滅するだけだ。

 してみると、それなりに任務をこなせていたカイ・シデンの母親は、そこそこの諜報員だったのだろうか。あるいは、さしたる危険のないところばかりを任されていたのか。どちらにせよ、今回は“ガルマ”と“伝書鳩”の方が上手だったということだ。

「そう、息子だ。今預かっているテム・レイ博士の子息と歳も変わらないだろうし、少々気にもなるのでな。――親の方は、まぁ殺さぬように」

「は」

 タチ・オハラは敬礼して退出し、数日の後、十歳くらいの痩せぎすな少年を伴って、再びやってきた。

「閣下、例の少年です」

「うむ」

 大人たちのやり取りを、少年は注意深く見守っていた。

 灰色の髪、眼裂の割に小さな瞳、あれこれで見たままの顔、の幼いかたちが、目の前にあった。ひょろりとした身体は、まだそこまでの丈ではない。この先、十七になるまでに伸びるのだろう。

 その前に片膝をつき、目の高さを合わせる。

「カイ・シデンだな」

「……アンタは誰だい」

「私はギレン・ザビだ」

 名乗ると、少年の表情が硬くなった。

「――母さんたちは」

 と云う、なるほど、母親の“仕事”を、何となくは察していたと云うことか。

「君のご両親は、ムンゾにいささか不利益な行動を取られていたのでな、別のところで事情をお聞きしている」

「……それで、俺はどうなるの」

「実は、今うちには、預かっている子があってな。君のひとつ歳下なのだが」

 そう云うと、カイ・シデンは、意味がわからないと云いたげな顔になった。まぁそうだろう。

「その子と一緒に、うちで預かられる気はないかね?」

「……父さんと母さんはどうなる?」

 目を眇めるようにして問いかけてくる。

「……君も、何となくはわかっているのではないかね」

 その婉曲な云い方でも、少年は大体を察したようだった。

「母さんに会わせろ!」

 云いざま殴りかかってくる、その拳を簡単に受け止めて、首を振る。

「それはできない、今は、な」

「“今は”!?」

「いずれは、会える。いつになるかは、主に君の母君次第と云うところだが」

 しかし、ここでムンゾの諜報機関に捕らえられたのだ、今後、今までのような“仕事”ができるとは限らない。否、はっきり云えば、“処分”される可能性が高いだろう。

 そうなれば、それこそサイド7のような、まだ新しく、連邦の諜報機関の手も入っていない場所にでも逃れていくしかない。そう云うことで、原作のシデン一家もサイド7へと移り住むことになったのだろうか。

「――母さんは、一体何をしたんだ」

「さてな、それを今、われわれの手のものが訊いているところだな」

 “ガルマ”の耳に入ったと云うことは、ムンゾ大学の関係者に、“ガルマ”やキャスバルの話を聞こうとしたか――近づき過ぎて不審がられ、当人たちにその存在を告げられることになったのかも知れない。まぁ、四年の課程を二年でこなすわけだから、あまり勉学以外の活動はしていないのだろうし、情報が掴めずに接近し過ぎたのかも。

「まぁ、そう構えずにいてくれないか。私としても、無体を働きたいわけではないのでな」

「……信じられるかよ!」

「君の立場ならば、そうだろうな」

 だがまぁ、双方の利害が一致すると云うことは、中々ないのが実情である。

「ではあるが、こちらにも譲れぬ事情がある。――大丈夫だ、君に危害を加えるつもりはない。とりあえずは、我が家へ招待されてくれないか」

「――母さんたちに手を出さないって約束しろよ」

「それはできない。だが、二度と会えぬと云うことにはしない。そこは約束しよう」

 君も、薄々知ってはいただろう、と云うと、少年は俯いてその唇を噛みしめた。

「まぁ、悪いようにはしない、暫くは我が家にいて、先刻云った子どもとも仲良くしてくれたら嬉しい。――それから、できれば君の目から見て、ムンゾがどのようなところであるのかを、そのうち私に聞かせてくれないか」

 と云うと、その目に光が戻った。じっとこちらを注視する、用心深いまなざし。

「俺は子どもだけど」

「だが、いろいろなサイドを回ったのだろう? それらと較べてムンゾがどうか、どこが不自由に思えるか、教えて欲しいのだ」

「俺でいいのか?」

「君の意見が聞きたいのだ」

「――わかった」

 遂にシデン少年は、こくりとひとつ頷いた。

「アンタの家にいる間は、自由に出歩いていいのかよ?」

 と云う表情は、既に一端のジャーナリストであるかのようだった。

「流石に、君くらいの子どもを一人で出歩かせるわけにはいかん。ムンゾも、そう治安が良いわけでもない。それに、ザビ家は敵も多い、何が起こるかわからんからな」

 そう云うと、途端にしょんぼりした顔になる。

「だがまぁ、君の自由は最大限に確保しよう。護衛さえつけられてくれれば、普通に出歩いてくれて構わない」

「閣下!」

 タチが叫ぶのを、手振りで押し止める。

「君の意見は、ムンゾをより良くするために活用させてもらいたい。レポートを愉しみにしているよ」

「わかった」

 少年は頷いて、やっとわずかに笑みを見せた。

 そうして、タチに促されて、部屋を出ていく。これで、暫くはおとなしくしていてくれると良いのだが。

 シデン夫妻の取り調べは長引くかも知れない――そして、その後の療養もだ――が、その間、アムロと仲良くしてくれれば――否、あのカイ・シデンのことだ、アムロに何やら吹きこむのかも知れない。それはそれで、子どもたちがものを考える契機になってくれれば良いだろう。

 それよりも、シデン夫妻、と云うか医師の方の後ろが誰であるかによって、いろいろと出てきそうな気がする。

 ――面倒なことにならなければ良いが。

 しかし、諜報員を放つのは、大抵は面倒な相手なのだ――自分も含めて。

 まぁ、まだ開戦までは引っ張っておきたい。まだ三年は早い。

 とりあえずは士官学校の入学式だ。あれにはイブラヒム・レビルも列席する。宇宙世紀の乃木希典をどう迎えるか、それによって、今後の進路も変更せざるを得ないかも知れない。

 息をひとつつくと、演説の草稿を書くべく、デスクの前に坐り直した。

 

 

 

 士官学校の入学式には、軍服で出席することになった。

 本当は、議員らしいスーツにしたかったのだが、軍籍のある身でそれも、中々欺瞞に満ちたやり方かと思って止めたのだ。

 到着すると、校長であるドズルが、やはり軍服姿で出迎えてくれた。

「今年は、中々優秀な生徒が多いようだ。兄貴のコロニー同盟構想が、若い連中を惹きつけているみたいだな」

「その中に、連邦のスパイがいなければいいのだがな」

「厭なことを云うな、ギレン」

 ドズルは顔を顰めたが、実際“ガルマ”のお目付役を二人もねじこんだわけだから、他に似たようなものがいないとも限らない。

「しかし、驚いたぜ。マツナガ議員の息子が入学してこようとはな!」

「当人が希望したことのようだがな」

「そうか、兄貴は議会でマツナガ議員とも顔見知りだっけな。――皆より二年歳上だが、流石に成績も良い。ガルマやキャス……“シャア”が抜かれるんじゃないかとヒヤヒヤしたぞ」

「流石にそれはなかろう」

 二人とも、まがりなりにもムンゾ大学を卒業しているのだし。

「まぁな……しかし、“シャア”は流石だな! 筆記試験こそガルマに一点の遅れを取ったが、実技はオールAだ。ああ云う士官をこそ、我が軍は求めていると云うのに……」

「ダイクンの子だ、そうそう前線には出せんよ」

 だがまぁ、本人が望めば、いつでも出ていってしまうだろうことは、『逆シャア』などでも明らかなことだったが。

 と、ドズルが顔を寄せ、密やかな声で囁いてきた。

「ところで、ギレン――今日の連邦軍の主賓は、ヨハン・イブラヒム・レビルだぞ」

 お前の影響力を確かめにきたんじゃないのか、と云う。

 連邦の乃木希典は、そう云うところもあるかも知れないが、しかし、

「あれ一人で、連邦軍をどうこうできるとは思われんがな」

 大体、どこでも主戦派と云うのは、主流ではないものだ。

 もちろん、こちらとても不戦派と云うほど穏当ではないが、戦場を自分で選びたいくらいには余裕がある。

 例の議会の“若手”たちであれば、何やら仕掛けていくのだろうが、こちらはあと四年、最低三年は開戦したくないので、祝辞もあまり過激なことは云うまいと考えているのだ。

「わからんぞ、まがりなりにも宇宙総軍司令官だ」

 とドズルは云うが、連邦軍の頂点にいるのでない限り、独断での開戦は不可能である。その上、レビルは陸軍出身――“将軍”と云う呼称は、旧来陸軍のみで、海軍では“提督”と呼ばれる――で、艦隊戦はズブの素人だそうだから、どうしても艦隊戦にならざるを得ない宇宙空間での戦争を、布石も打てぬ現時点で考えるとは思われない。

 とは云え、連邦に負けそうだと云う姿勢では、新たな入学者が意気消沈することになるだろう。そのあたりの、微妙な匙加減が難しくはある。

「まぁ、それなりの挨拶をすることにするさ。何と云っても、“シャア”と“ガルマ”の晴れの日だ」

 特に“ガルマ”は、入学生総代として宣誓する――そこは『the ORIGIN』と同じ流れだ――そうだから、その前に、あまり物騒なことは云いたくない。

「それに、“父上”も出席する、迂闊な真似はせんよ」

「是非ともそうしてくれ」

 俺も校長だからな、式典の席での揉めごとは御免だぞ、と云う。

 それにかるく頷くと、式の時刻が近づいてくる。“父”は直接会場だそうだから、二人で連れ立って学内の講堂へと向かった。

 連邦側は既に着席しており、その中でも一際年齢が高い白髪の男が、睨め上げるようにこちらを見た。

 ――これが、ヨハン・イブラヒム・レビルか。

 白い髭をたくわえた、旧日本軍のそれによく似た軍服の男。歳のころは五十過ぎか、アジアの血が入っているようにも思われる。と云ってもフラナガン博士のような中近東系ではなく、完全に東アジア、日本や台湾あたりの雰囲気である。

 原作においては老獪な主戦論者であり、また連邦軍中枢部においてほぼ唯一、ニュータイプの存在を肯定的に見た人物でもあったはずだ。

 しかし、初めて相対するこの男は、既にこちらを敵と見定めたようなまなざしを向けてきた。レビルとともに居並ぶ連邦軍士官たちも同様である。

 ――何もしていないのにこれとはな。

 コロニー同盟はともかくとして、まだムンゾは、連邦に対して具体的な敵対行為は起こしていない。

 その状態でこの態度とは、むしろそちらが無礼と咎めることもできそうだ。

 しかしまぁ、入学式と云う式典の席上で、いい大人が反目し合う姿を晒すのもどうなのか。とりあえずは無視と云うことにする。

 やがて、“父”がゆっくりと登壇して、入学式は滞りなくはじまった。

 式次第は、まぁテンプレだ。開会の辞、共和国国歌斉唱、軍総帥――つまりギレン・ザビだ――の訓示があり、校長の挨拶、それから新入生の名が呼ばれ、それに生徒が応じて、入学許可がでたことになる。そして宣誓、祝辞、閉会の辞と云う流れだ。

 ムンゾの国歌斉唱、そして自分の番になる。

「――諸君」

 壇の中央に進み出て、深く息を吸い、ひと言発する。

「今ここに、諸君ら有望なる新入生を迎え、大いなる期待に胸踊らせることを禁じえない。――時代は現在、新たなる局面へと向かいつつある。いかなる局面へか――人類とサイド世界の偉大な発展への局面である」

 連邦軍士官たちの、何よりもレビルの、強いまなざしを感じる。

 安心するが良い、まだ戦争への予感は差し挟みはしない。

「宇宙に進出することによって、われわれは、無限の可能性を手に入れた。それは、地球上にあっては得られなかったものである。ジオン・ズム・ダイクンの唱えた“新しい人類”となるための可能性、それをわれわれは手に入れたのだ。それが成った時こそ、人類の歴史は新たな局面へと移行することになるだろう。それは、我らのみならず全人類にとっての、輝かしい一歩となるはずだ」

 ギレン・ザビらしく手を広げ、ぐっと拳を握りこむ。

「しかし、われわれにはまだ足りぬものがある。それは人類としては当然であるはずの権利である。われわれは他サイドと手を携え、その権利のために働いている。そして諸君、諸君は、それを守るための力となる」

 レビルの目が、ゆっくりと眇められるのがわかった。

 それはそうだ、コロニー社会には人権などないも同然と、連邦軍の士官の前で云っているのだから。

「諸君はコロニー社会の前衛となる。諸君の働き如何で、世界は、その姿をどのようにも変えるだろう。諸君はエリートだ、選抜されてこの場にある諸君らこそが、コロニー社会の守護者であり、また新人類のリーダーともなり得る存在なのである。――奮起せよ!  未来の将星をめざして邁進せよ! コロニー社会の変革のために!!」

 元々のギレン・ザビの言葉を変えての演説である。

 正直、ああ云った優生思想がどうと云うような言葉は好かないので、かなり改変しての科白である。コロニー同盟の存在を強調し、それを護る力としてのムンゾ国軍を称揚する。それは、連邦軍から見れば離反を企図しているようにも取れるだろうが、注意すればわかる、少なくとも今回は、“独立”をにおわせるような言葉は一切使っていないのだと。

 さて、アニメのような失笑――もちろん、リノ・フェルナンデスの――はなかったと思うが、連邦軍のものたちはどうなのか。

 ちらりと見ると、士官たちは顔を顰め、肝心のレビルは底光りする目でこちらを見ていた。

 まぁ、元々ムンゾ嫌いなところはあるようなので、レビルの態度をあまり気にしても仕方ないが、しかし、これは中々敵意丸出しではないか。

 と、奥の方の席にいた生徒が、立ち上がって雄叫びを上げた。

 それは、次々に伝播して、波がわき起こるように生徒が立ち上がった。

 上がる声、さながら戦いの前に鬨を上げるように。

 “閧”を“鯨波”とも書くようだが、確かにこれは、鯨の起こす波のようでもあった。

 連邦軍士官たちが、狼狽えたようにあたりを見回す。

 その最中に、若い声が響きわたった。

「我らが総統万歳! 祖国に勝利を‼」

 これは、“ガルマ”の声だ。

 まわりを宥めるでもなく、何を云い出すのかと思いきや、同じ言葉を、他の生徒たちも口にし出す。

「我らが総統万歳!! 祖国に勝利を!!!」

 遂には、すべての学生たちが、立ち上がったまま、その言葉を叫んだ。

 熱狂。

 だが、今、これを望んではいない。

 ――“ガルマ”!!

 生徒たちの中の紫の髪を睨みつけると、慌てたようにその手が上がった。

「そこまで! 一同、静まれ‼」

 “ガルマ”の叫ぶ声に、怒号のようですらあった声は止み、かれらはおとなしく着席した。

 静かになった中、次に進み出たのはドズルだ。

 『the ORIGIN』とは違い、数年前から学校長を兼務していたドズルは、胸を張って生徒たちを見渡した。

「本学の校長を拝命しているドズル・ザビである。俺はすこぶる正攻法な男だ。これから貴様らを徹底的に鍛える。エリートか何か知らんが、弱い青白いやつに用はない。覚悟のない者は今すぐ立ち去れ」

 ドズルらしい、ストレートな言葉だった。

 そうして、今一度生徒たちを見まわし、にやりと笑う。

「今日はここに来賓として、連邦宇宙軍のレビル中将閣下が来ておられる」

 言葉を切る。上がるブーイングを、ひと睨みで鎮め。

 また一度、不敵に笑う。

「その御前で口にするのも何だが、俺は、本学の務めが、せいぜいコロニー自警団の養成なんかだとは考えていない。本当の軍人、本当の士官を育て上げることだと考えている。――校長として言いたいことは以上だ」

 ドズルの方が、中々挑発的な言葉を口にしている。

 実際、連邦軍士官たちの様子は、こちらの訓示の時よりも剣呑だ。

 だが、当然先刻の熱狂の後だ、生徒たちの反応は良好で、ドズルは満足そうに頷いた。

「続いて、新入学生の紹介を行う。名前を呼ばれたものは、応えて起立せよ。――ルウム出身、ケイ・ニシムラ」

「はいっ!」

「同じくルウム出身、ルー・ファン」

「はい!」

 ムンゾ、ルウム、ハッテ、ムーア、ザーン、リーア――すべてのサイドの名が読み上げられる。しかも、フォン・ブラウンやグラナダなどの月都市もだ。

 なるほど、コロニー同盟推進の余波は、こんなところにも出ているようだ。全体が友好関係、とまではゆかずとも、敵対関係ではないのが目に見えるかたちになっているのは、とりあえずは良いことだと云っていいだろう。実際、随分と新入生の数も多いようであるし。

「――以上372名。代表、ムンゾ共和国出身、ガルマ・ザビ」

 やがて、すべての生徒の名が読み上げられ、最後に“ガルマ”の名が呼ばれる。

「はい」

 少年らしい声が応え、“ガルマ”が前方に進み出た。

「前へ出て、デギン・ザビ共和国議長に対し、宣誓してください」

 云われて“ガルマ”は進み出て、大きく息を吸う。

 “父”とドズルが、にこにこと云うか、でれでれと云うか、そんなような表情で“ガルマ”を見る。

 背筋を伸ばして、にこりと笑い。

「――宣誓」

 原作と同じように、片手を挙げて。

「我々は、ムンゾとこのサイド世界の自由と平和を、この心身を剣となし、盾となって守り抜くことを、その力を得ることをここに誓います。新入生代表、 ガルマ・ザビ」

 なるほど、ザビ家のお坊ちゃんらしい宣誓だ。まぁ、上出来と云っても良いだろう。

 講堂は、明るい空気に包まれた。入学式に相応しい、拓けた未来を感じさせる空気に。

 その、完全にアウェイになった中で、レビルが中央に進み出る。来賓挨拶である。

「新入生諸君、私はヨハン・イブラヒム・レビルである。今日この佳き日に、諸君ら若い士官候補たちの誕生の場に列席できることを、光栄に思う。……」

 穏当な科白から、挨拶ははじまった。

「……時代は今、確かに動きつつある。しかしながら、いつの時代にも、我らが保持せねばならぬもの、それは、人類初となるこの統一国家である。上古の昔より、人間は相争い、己の領土の拡張を夢見てきた。それによる戦争を回避し得る、人類統一国家を、宇宙世紀に到って初めて、われわれは手にすることとなったのである。……」

 “初の人類統一国家”。確かに、言葉だけを見れば、それは美しい。

 しかし、その実情はどうだ。

 スペースノイドは虐げられ、アースノイドばかりが選良であるかのように喧伝され。結果、各サイドはほぼ自治国家と化し、連邦の存在意義は、半ば有名無実となりつつある。

 確かに、連邦軍は各コロニーの軍よりも強大な力を保持している――と云うよりも、まともな“軍”を保持しているのはムンゾのみである――が、それは今や、コロニーを圧迫する力としてのみ存在していると云っても許されるはずだ。

 “人類統一国家”、その言葉の実は、かつての封建制国家とまったく変わらない。人間を出自などで分け隔てする、固定された身分制度を持つ政治形態である。“自治国家”などと云ってみても、それこそ某国の“自治区”などと変わりない。何かあれば、連邦軍の強大な武力で物理的に抑えこめば良い、などと云う気分の見え隠れする“自治”。

 だが、コロニーは、そろそろそのような時期を脱しなければならない。そしてまた、連邦もただコロニーを抑えつけるのを止め、コロニーと地球との新たな関係を築いてゆかなくては、“初の人類統一国家”は、二百年ほどでその命運を途絶えさせることになる。

 だが、所詮は軍人でしかないレビルには、そのあたりのことはわからないのだろう。

「――われわれは、ともに手を携え、この、かつて夢物語であった政治形態を、人類の宝として護ってゆかなくてはならない。私がその一助となることを、また、諸君がその一翼を担う力となることを、心から願って、私からの挨拶とさせて戴く」

 言葉が終わった後、拍手が響いた。しかしそれは、先刻の挨拶や“ガルマ”の宣誓の時に響いたそれに較べれば、ぱらぱらとしているように聞こえるくらいのものでしかなかった。

 顔を歪める連邦軍士官たちの姿を見ながら、やがて来たる“ジオン共和国”への希望を膨らませるとともに、その先にある戦いへの予感が大きくなるのを感じていた。

 

 

 

 とにかく、“ガルマ”が士官学校に入ったので、暫くは安心できる。

 正直、“ガルマ”からとりあえずは目を離しておける――士官学校内のことは、校長であるドズルの管轄だ――のが、これほどありがたいと思ったことはない。

 この一年は、流石に大学卒業のために暇がないとは思っていたが、それでも一抹の不安が拭い切れなかったので、完全に“檻の中”かと思うと、本当に気が楽だった。“ガルマ”は“酷い!”と叫ぶだろうが、その前に自分の所業をきちんと思い返してみればいいのだ。

 カイ・シデンをアムロ・レイと引き合わせたのは、“ガルマ”とキャスバルが士官学校入学を果たしてからのことだった。もちろん、自身が仕組んだことなのだから、“ガルマ”がどうこう云うとは思わないが、何やらあの二人にべったりのアムロの注意がカイ・シデンに向くには、あの二人がいない時の方が宜しかろうと思ったので。

 案の定、アムロはじりじりと壁際に張りつくような態度で、カイはカイで、ザビ家に養われている子どもを鼻で笑うような雰囲気だった――最初のころは。

 だが、徐々に話をするようになってみると、“ガルマ”やキャスバルとはまったく違う世界の話に、子どもはだんだん引きこまれていったようだ。

 やがて、カイに云っていた“ムンゾのレポート”のための散策に、アムロもついていくようになったと、つけておいた護衛から報告があった。

 アムロにとっては、ほとんど初めてに近い“同世代の友人”、しかも、やや危険なにおいのするカイの態度に、恐れと同時に惹かれるところがあるのだろうとは思う。思春期の少年は、何だかんだ、冒険が好きなものだ。身体的な危険に尻ごみしようとも、それを求める気分は確かにあるのだろう。

 アムロとカイは、学校の後、あるいは休みの日、連れ立ってズムシティのあちこちへ出かけているようだった。

 ――まぁ、アムロにとっても良いことだろうな。

 如何せん、あの父の後に“ガルマ”とキャスバルだ、もちろん、ロボットペットのハロしかいなかった生活よりは“世界”が広がったのは確かだろうが、ザビ家もダイクン家も、所謂“一般家庭”ではない。サイド7に行くこともないこの時間軸では、あまりにも“世間”について偏った知識しか持たないことになるのではないかと危惧していた。

 その点、カイ・シデンは、母親の職業こそ特殊だが、その生活はまったくの一般人のものである。かれと交流することによって、本来の時間軸でアムロが経験するはずだった普通の青春の一端でも、味わうことができるのではないかと考えたのだ。一般人の生活を知っておけば、工学オタクのアムロ少年にも、多少考える手がかりが身につくのではないかと思ったので。

「――馬鹿か、お前。ああやって連邦への不満をぶち撒けんのも、仕事だ仕事!」

 撚た少年が云うのに、アムロは納得いかない様子だ。

「だって、そんな仕事ってある?」

「あるさ。そう云う活動をして、政府なんかにそう云う世論があるんだって見せる仕事がな」

「それで何の得があるのさ」

「戦争すりゃあ、儲かる連中がいるんだよ。武器商人とか――お前の親父さんのいた、アナハイム・エレクトロニクスなんかもそうだ」

 カイ・シデンは、指を振り立てた。

「今だって、お前の親父さんは、ムンゾの軍の仕事をしてるんだろ? そう云う連中は、戦争がはじまれば潤うんだ、軍が武器に金を落とすからな。しかも、平時とは違って消耗品になるから、どんどん売れる。儲け放題だ」

「でも、戦争ってお金がかかるから、やらないに越したことはないって、ギレンさんは云ってたよ」

「そりゃあな。負ければ大変だし、率先してやりたいって奴は少ないだろ。だけど、一旦はじまっちまえば、戦争を途中で止めるのは難しいんだ。そうなったら、武器商人どもの思うツボさ」

 カイは、滔々と語る。

「戦争が終わらない限り、奴らは儲け続ける。だから、民意だの世論だのを作り上げて、何とか戦争に持ちこもうとしてるのさ」

「……へぇぇ」

「……お前、ホントにナンにも考えてなかったんだな」

 呆れたような声に、アムロがむきになったように首を振った。

「そ、そんなことないよ!」

「どうだか。お前も、ザビ家で暮らしてるうちに、世間知らずの坊やになっちまってんのさ」

「僕はともかく、ガルマやキャスバルは違うよ!」

「どうだか」

 ハハハ、とカイは鼻先で笑った。

「とにかく、俺もギレン・ザビから“宿題”を出されてんだ。食わせてもらってるからには、それくらいはしねぇとな」

「そうなの?」

「“一宿一飯の恩義”ってヤツさ。――ちょっと違うかも知れねぇが」

 カイ・シデンは、例の口の悪さでアムロを突きつつ、ズムシティの美点や歪みについて、アムロとともにレポートにしようと苦闘してくれているようだった。

 ところで、そのかれの両親はと云うと、父親は早々に尋問終了、母親の方も、かなり粘っていたようだったが、結局耐えきれずに自白したと報告がきた。父親はほぼ白――妻の裏稼業を、多少は疑っていたようだが――、母親の方も、末端も末端で、“ガルマ”やキャスバルの学生生活を嗅ぎ回っていたくらいであるらしい。

「あれは、何も知りませんね。“諜報”どころの話じゃない」

 とは、報告を取りまとめたタチ・オハラの言である。

「単に、ガルマ・ザビやキャスバル・レム・ダイクンの身辺調査をしろと云われただけのようです。誰のための、何のための調査かも知らされていない。ある意味では、われわれに捕捉されることすら想定内だったのでしょう。どの筋からの任務かと云うことも知らされていないでは!」

 大仰な仕種で天を仰ぐ。舞台俳優のよう。

「……逆に云えば、あれは“撒き餌”のようなものであるかも知れん、と云うことか」

 こちらがシデン医師にかまけている間に、別の本命が諜報活動を行っているのだと?

「可能性は否定できません」

 タチは肩をすくめた。

「現在、サスロ殿、キシリア様の手のものたちと、合同で索敵してはいますが、中々――あるいはですが、反ザビ家の連中が、密かに手引きしたのかも知れません」

「そこは否定できんな」

 この時間軸でも、ザビ家は圧倒的な力を持ってはいるが、反対勢力がないわけではない。そのあたりが、連邦の急進派と組んで、ザビ家を陥れようと謀る可能性はなくはない。

 だがまぁ、反ザビ家にも親連邦と反連邦があり、またコロニー同盟支持派と反対派もあって、それらが複雑怪奇に入り乱れている。どこか一ヶ所に力を加えれば均衡が崩れる、と云うものでもない、連邦の諜報員たちは、中々大変だろうなと思う。

「まぁ、いきなり転覆するようなムンゾではない。せっつくつもりはないが、不審人物は早目に炙り出せ」

「もちろんです」

 タチは、強く頷いた。

「連邦の“鼠”などをうろちょろさせておくのは、私とても気分の良いものではありませんからね。――ところで、シデン医師とその家族の処遇はいかがいたしましょうか」

 云われて、少し考える。

「……シデン医師が、こちらに捕縛されたことは、当然あちらには伝わっているのだろうな?」

「はい、ほぼ間違いなく」

 それならば、元の諜報機関からすれば、シデン医師は脱落した、あるいは裏切った諜報員と云うことになるだろう。良くて廃業だが、一番ありそうなのは、“処分”と云う名の殺害か。

 ――それは少々、寝覚めが悪いな。

 カイ・シデンのこともある、夫は優秀な技術者であるようだし、監視をつけつつ、ムンゾに縛りつけておくべきか。

「……では、夫の方はジオニック社本体に移せ。医師の方は、監視付でムンゾ大付属の病院に入れろ。息子は――そのまま学校に通わせたら良かろう」

「ザビ家に留め置かれはしないのですか?」

 タチが驚いたように云うが、アムロが誘えば、カイはその友人として振るまうだろう、それ以上の束縛は必要あるまい。

「医師の監視と、ムンゾからの出入りだけ気にしておけ。“落ちた”諜報員に構うのは、元雇主からの刺客だけだろう」

 それに、あまり構って、シデン一家がザビ家にとって重要だなどと云う、誤った認識を持たれても困る。重要なのは息子だけで、正直に云えば、両親などはどうでも良いが――カイ・シデンの正しい成育のためには、両親はなくてはならないはずだ。それが、どんなかたちで表れるにせよ。

 タチは、わからないと云いたげに溜息をついたが、反駁などはしなかった。

 では“処理”しておきます、と云っただけで、半月ほどの後、新しい住居などを調達した上で、シデン一家は放免となった。もちろん、“とりあえず”のつく放免である。

 カイも両親の許に戻り、表面的には元の生活に戻ったようだと、タチは画像付で報告を上げてきた。

 そして、

「――それとは別件なのですが……ニュータイプ研究所で、何やら不穏なことが起きているとの報告が」

「何」

 ニタ研は、そもそもキシリアの管轄であり、こちらは軍の代表として、偶に視察に訪れる程度であるが――タチから報告とは、一体何があったのか。

「まだ、詳細は確認中ですが、禁止されている人体実験を、所内で行っていると云う話が入ってきております。安く“買った”子どもたちを被験者にして、ニュータイプとして覚醒させるために、実験や外科手術を行っているとか」

 ――ニュータイプとは何なのか、よくわかんないで人間の心や身体を弄り回すもんだから、事故だって起こる。

 『NT』の宣伝動画で、ゾルタン様――ゾルタン・アッカネンの云っていた台詞が甦る。人工ニュータイプ、強化人間についてのあたりの言葉だ。

 ニタ研が、強化人間研究にウェイトを置くようになるのは、アムロ・レイやシャア・アズナブル、ララァ・スンなどが戦果を上げた一年戦争後の話だったが、考えてみれば、その母体となったのが、フラナガン・ロスの立ち上げたフラナガン機関だった。

 と云うことは、現時点でも、ニュータイプを人工的に作る実験が行われ、その蓄積が、『Z』におけるムラサメ研究所や、『ZZ』におけるプルシリーズなどに結実すると云うわけか。

「――それは、まだ噂話の域を出んな」

「は。現在、裏を取っておりますが、何分ああ云うところですので、中々堅く」

「それで、よく内部事情が知れたものだな?」

 と云うと、タチは途端に渋い顔になった。

「……それは、その、ガルマ様が」

「――またか」

 “ガルマ”は、よくよくそのような情報を集めてくるものだ。ありがたいと云えばありがたいが、少々恐ろしいところがある。まぁ、敵にとっては確かに怪物的にも思えるだろう。

 とは云え、後々の流れからも想定される事態ではあったから、確証を取るに如くはない。良い機会ではあった。

 タチは、恐縮しきりであった。

「――まぁ、良い」

 溜息とともに、そう云ってやる。

「出どころはどうあれ、貴重な情報には違いない。早急に裏を取り、確実に報告せよ」

 ことと次第によっては、踏みこんで取り調べと云うことにもなるだろうから。

「は」

 タチは云って、敬礼をしてきた。

 一年戦争までは、あと五年足らず。その間に、やるべきことは山とある。

 そしてまた、一年戦争をどのようなかたちで終息させるか、それ如何によっては、まだまだ他に打っておくべき手も。

 ――先は長いな……

 とにもかくにも、最初の標は“暁の蜂起”だ。

 三年後――それまでに、原作の時間軸における一年戦争直前くらいの国力にムンゾを押し上げ、同時にコロニー同盟を堅固なものに育て上げなくては。

 ――課題は山積だな……

 だが、やることがあり、打つべき手が見えているならマシな方だ。

 邁進せよ、来たるべき日のために。

 自分にそう云い聞かせ、次の仕事に取りかかるために、うんとその場で伸びをした。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。