ザビ家成り代わり   作:くずみ@ぼっち字書き。

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【成り代わり】another ORIGIN 反逆の"ガルマ" 38【転生】

 

 

 

「『そんなにやばいの、ガルシア・ロメオ?』」

 配属予定先で、なにやら善からぬコトが起こっているらしい。

 聞けば、リノ・フェルナンデスは大きく頷いた。

「サイド7近郊で連邦軍に補足されたことをひた隠しにして、総帥閣下にバレた」

「『馬鹿なの?』」

 そんな大事を隠蔽してたことがバレたって、そりゃ怒るよね、“ギレン”大爆発。

「『でもなんでサイド7? 建設中のコロニーでしょ……なんかあるの? 連邦絡み?』」

「ああ。戦艦作ってるらしいぜ」

「『やだこわい』」

 自宅で寛いでいたら、リノが訪ねてきた。

 よく来た我が友よと、お気に入りのコンサバトリー――温室の中のリビングみたいな部屋――に招き入れて、お茶の時間である。

「『そもそもなんで補足されたのさ? 近付き過ぎたの?』」

 だとしたら、とんだ間抜けだけど。

「いや、あの辺りで連邦軍が海賊討伐を始めてて、その網に掛かった」

「『……ふぅん?』」

 海賊被害出てんだ、サイド7。討伐隊が出るほどに。

 正直なところ、建設途中のコロニーなんて、本来なら海賊共にとってはそんなに“旨味”のない宙域だ。資材は行き来するけど、リスクに見合うほどのリターンじゃないし。

 だけど、軍事工場ってんなら話は別だ。

 リスクはデカイけど、その分の戦果もデカイ。そりゃ群がるだろう。

 だけど、あんな辺鄙なところにそんな狩場があるなんて、どこから情報が漏れてんだろうね?

 ――……“ギレン”の悪戯か。

 思い当たるのは、おれ達を木製航路で攫ってくれた海賊船――レッド・フォース。

 私掠船よろしく暴れ回らせたってところかな。

 裏社会は地下水脈みたいに広がっていて、連中は一滴の血の匂いも嗅ぎ分けるサメみたいに利に聡い。

 “戦利品”の出処を探り当てたら、放っておく筈がない――サイド7宙域は、今時分、17世紀のカリブ海みたいな有様だろうさ。

 民間艦にも被害が出ないわけないのに、“大事の前の小事”ってこと?

「『で、その辺りまでは漏らして平気なの?』」

 一応、極秘情報だよね。

「まぁな」

 軽く頷いて、リノは紅茶を一口含んだ。

「……ニルギリ?」

「『正解』」

 以前はお茶の銘柄には無頓着だったけど、最近は話題のネタにも使えるってんで、勉強中だとか――着実にヒューミントとしてのレベルを上げてる感じだね。

 リノ・フェルナンデスとケイ・ニシムラ、そしてルー・ファンの三人は、“伝書鳩”候補として今はタチのもとに居る。

 おれに対する牽制でもあったんだろうけど、同時に戦々恐々とされてんじゃないかな。3人ともに優秀だし、なによりおれの紐がついてるから。

「無茶はしないさ。上から、規約違反したら即クビだって言われてるからな」

「『オニイサマコワイワー。なるほど。“違反しない範囲で”頑張るわけね』」

「そういうこと」

 リノとふたりで苦笑い。

 昨晩、久々に開いたラップトップには大量のメッセージやデータが届いてて、ほとんど徹夜で捌いた。

 中には、ケイたちからの際どい情報もチラホラと。

 朝食時に顔色が悪いってお姫様に心配をかけたことについては、反省してる。

 また一口紅茶を含んで。

「『お菓子もどうぞ。そうだ、教えてもらった“ラスクは美味しかった”って、伝えておいて……お礼に“お茶”でも送っとくよ』」

「おう。やつら喜ぶと思うぜ」

 ニヤリと笑う顔には精悍さが増していた。

 学生時代の浮ついた感じが薄れて、軽薄は軽妙に変じ、いかにも気安い空気の下に、抜け目の無さが潜んでる。

 そういやリノも准尉だっけ。

 ちょっとだけ羨ましい。

「じゃあ、またな!」

 と、颯爽と去っていく後ろ姿を見送る――襟と袖と裾、3つも“耳”をつけて、気付いていないわけもあるまいに、随分と図太くなったもんだ。

 きっと、タチあたりはおれ達の会話を聞いて舌打ちでもしてんじゃないかな。

 ガルシアとサイド7のあれこれについては、“伝書鳩”からおれへのリークなんだろう。

 行った先でいきなりおれが暴走しないように、少しばかりの予備知識を寄越したってこと。

 さて、これをどう活かしたもんか。

 本人を見るまでは保留するにしろ、聞く限りじゃろくでもないね。

 失態の隠蔽はタブーだ――先延ばしするほど問題はデカくなるし、下手打ちゃ属する集団の命取りになる。

 この場合はムンゾ軍、強いてはムンゾ共和国の。

 仮にも少将までなった男が無能であるとは思わない。それでも今回の件に関しちゃ、ガルシア・ロメオの評価は底を打った感じ。

 ――……“ギレン”と話し合っといた方が良いかも。

 配属先で、どこまでの無茶なら許容されるか、範囲の見極めが困難だもの。

 ため息が落ちる。

 コンサバトリーに差し込む光は角度を変えていて、そろそろ子供達が帰ってくる頃合いだった。

 

 

「『ただいま』」

「『………おかえり、キャスバル』」

 子供たちはわかるんだが、なぜお前も帰ってこれるの?

 暇なわけ無かろうに――とは思えど、顔を見れば安心する。それに、子供らも大喜びだもの。ここは歓迎一択で。

 後でリノからの情報も伝えたいし。

 “思考波”になる前のかすかな“波”でも、ある程度の把握は可能。

 おれのそれを読んだキャスバルは、子供らが気付けないほどの“波”を寄越した。

 そんなこんなで、恒例のおやつ時間。

「『……ブラウニーよ』」

 ララァさま、仁王立ちはやめようか。怖いから。

「『なんでブラウニーさ?』」

「『ギレンさんが好きだって』」

「『“ギレン”は濃厚チーズケーキとクレームブリュレとレモンパイも好きだよ。ちなみに僕はアップルパイが一番かな』」

「『濃厚チーズケーキとクレームブリュレとレモンパイね』」

 うん、と頷くララァだけど、アップルパイをスルーしたね。

「アップルパイが好きなの?」

 反応してくれたのはアルテイシアだった。それに、キャスバルが呆れたように鼻を鳴らす。

「『残念だったな、ガルマ。自分が初めて焼いたパイが何だったのか、君の姫君は忘れているようだぞ』」

 兄の言葉に、お姫様の頬が紅く染まった。

「うそ!? だってあれは焦げてて! 崩れてたし……」

「『美味しかったよ』」

 林檎みたいに頬を紅くして、皿を差し出してきた少女を覚えてる。とんでもなく可愛かった。控えめに言って天使。アップルパイを見るたびに思い出すし。

「『君が一生懸命に焼いてくれたんだ』」

 焦げて崩れたそれを、キャスバルとふたりで食べた。まだ、ダイクンのフラットで暮らしてた頃の話だ。

 懐かしくて慕わしい、幼い日々の思い出のひとつ。

「………また、焼くわ」

 ぽそりとこぼして、お姫様はそっぽを向いた。

「『楽しみにしてる』」

「『今度こそ焦がすなよ』」

「キャスバル兄さんったら!」

 ぷくりと膨れて兄をポカリと叩くアルテイシアであるが――この兄妹って、なにゆえにこれほど麗しいのかね?

 キラキラ眩しいんだが。

 さながら太陽に月、星の海、さざ波に跳ね返る光や、雨上がりの木枝を飾る、幾万の雫に跳ね返る最初の日差し――それから……

「『やめて、ガルマ。なんだか分からないけど、“思考波”が乱反射しててギラギラ煩いわ』」

 ララァさまひどい。

「『いいから、分量よ!』」

「『ブラウニー?』」

「『――………………ブラウニー、クレームブリュレ、レモンパイ……どれが良いかしら?』」

「『決めてからにしようか』」

「『全部!』」

「『だめ』」

 一個ずつ、心を込めてが基本だよ。

 諌めれば、新緑の瞳がじとりと眇められた。

「『ガルマはいっぺんに色々作るじゃない』」

「『ララァが慣れてきたらそれで良いけど、いまはだめ』」

 あれもこれもと欲張れば、その分、散漫になって粗が出るだろ。

 言い合ってたら、横からつつかれた。

「………………その、えぇと…あの…」

 もじもじするゼナの聞きたいことなんてひとつだろう。

「『ドズル兄貴は甘いものはそんなに食べないから、お酒の方が喜ぶと思うよ。注いであげたらデレデレしそう』」

 いや、確実にデレデレするだろう。

「……そう?」

「『賭けても良いよ』」

「わかった」

 なんて、頷いてる横顔は綺麗だった。

 恋する女の子はみんな麗しいと相場が決まってんだ。目の保養ったらないね。

「『それで、なんにするの?』」

 ララァに向き直って改めて尋ねる。

「『……ブラウニー』」

「『はいよ、りょーかい』」

 分量と手順は教えるけど、実際の作業は女の子たちが、真剣な目をして、それでも楽しそうに。

 そしてアムロたちは、やってきたキャスバルに懐いてる。

 ザビ家も賑やかになったもんだ。

 いつかの世界線では冷たくギスギスしてた空間が、こんなにも明るくて、あったかい。

 ほんとに楽園みたいだね。

 ここを守るためなら、おれは、実際にどんな事だってしてのけるだろう。

 仄暗く染まりそうな“意識”を、穏やかに映るだろう笑みで覆い隠した。

 おやつの時間にはカイも来ていて、喧しいくらいに賑やかだったけど、その後は例によって皆で探索するとかで、アムロたちは出かけて行った。なんてアクティブ。

 パプティも図書館に出かけていったし。

 女性陣も、何やら秘密のおしゃべりがあるとかで、居間にキャスバルとふたりで残された。

 まぁ、好都合ではある。

「午前中、リノが来ていたよ。元気そうで安心した。『ガルシアの情報を持ってきた。下手を踏んだらしいよ』」

 ニコリとそんなことを言いながら、リビングのソファで向かい合う。

 隅にメイドが控えているから、本題は"思考波"で。

 ここまで絞れば“耳”の良いララァでも聞き取れないだろう――ニュータイプ研究所での訓練は無駄になってない。

「そうか、僕も会いたかったな。『何があった』」

「君達はムンゾに居るんだから、いつだって会えるでしょ。『サイド7を偵察中に連邦軍に補足された。しかもそれを隠蔽したってさ』」

 ピクリとキャスバルの眉が寄った。

「残念ながら時間が合わなくてね。『罰則は。まさか無罪放免ってわけじゃないだろう』」

「いつまでも士官学校の頃のようにはいかないっていうことか。『厳重注意ってところ。おれの配属も変わらないみたい』」

「『ギレンは何をやっているんだ。そんな奴の配下に君を?』……すまないが、デミタスを貰えるかい?」

 最後のそれはメイドに向けたものだった。

 この場から離すための方便だけど、もちろん、彼女がそれを疑うことがない。

「僕にはカフェオレで」

 お願いすれば、柔らかな微笑みと了承が返った。

「かしこまりました」

 きれいにお辞儀をして部屋を辞すのを見送ってから。

『……だけど捉えようによっては、これはチャンスだよ。キャスバル』

 にんまりと笑うおれに、意外なことを聞いたとでも言うように、鮮やかに青い眼がひとつ瞬いた。

『どういうことだ?』

『ガルシアはいま崖っぷちってことさ。ひとつ転べば真っ逆さま』

『失脚させる気か?』

『……必要ならね』

 サイド7の偵察を任されているらしきガルシア・ロメオが、あと一つでもヘマをしたら、“ギレン”はその任を解くだろう。

 そうなれば、そこにそのままおれを置いておくことはできない――呼び戻されるのは確実だ。

 ただ悩みどころは、その道筋をどうつけるか。

 “ギレン”が想定する流れをブッタ切るわけにはいかない。

 開戦までおとなしくしているという約束もあるし。望む方向に物事を転がすことは、結構難しいんだ。

 脳裏のパズルのピースは、まだ足りてないからね。

『“ギレン”の意向を確認したい。できれば直接聞きたいけど、こう避けられてばっかだと…』

 肩を竦めてため息。

 キャスバルが顎に指を当てて、ふむんと唸る。

『手がなくはないぞ』

『どんな?』

『“お泊り会”とやらに混ざれば良い』

 言われて、ぽかんと口があいた。

 それだ。盲点だった。

 あの子達に混じって参加することを、確かに“ギレン”は拒否できないだろう。

 と、言うか当日に乱入すれば良いわけだし。

『天才か』

 褒め称えたのに、キャスバルは溜め息をついて頭を振った。

『普段の君ならとうに思いついてる。……あいつらを利用する思考を持ってないだけだ』

 ――………なるほど。

『まぁ、それはそれとして。確かにあの子達が寝付いた後に時間を取ってもらうことはできそうかも』

 サシで話すのは久々だ。

 あれこれ考えてたら。

『僕も行こう』

『………キャスバルも?』

『なにか不都合でも?』

 ギロリと睨んでくるけどさぁ。

『暇なおれにじゃなくて、多忙なお前にだよ。職務に差し障りはないの? 今日だってこんなに早く帰って来てるし』

『問題ない。本日分の案件は全て片付けてある。あとは、シンに任せてあるからな』

 さすがキャスバル。高スペックにも程があるだろ。

 任官されて間もないからとは言え、尉官の職務って山積みの筈だぞ。それを午前中で完遂とか、何をどうしたらできるってのさ。3倍早いの?

 これ、苦労してるんだろうな、シン。上が出来すぎていても、直下は大変なんだ。ちょっと合掌。

『………じゃ、週末にね』

『ああ。週末に』

 あれこれ算段をつけて手筈を確認し合う。

 “暁”以来じゃないかな、こういうの。あれと比べるのはおかしいけど、何にしろ“思考”が繋がる分、齟齬が出ないのはすごく楽だ。

 ニュータイプだからってこともあるけど、幼馴染の気安さもあるよね。子どもの頃に家庭教師を追い出したときみたいな。

 くすりと笑ったら、見返す青い眼も笑ってた。

 そのうちにメイドがそれぞれのコーヒーを淹れて戻ってきたから、あとは他愛もない話題に移った。

 それもけっこう楽しかった。

 

        ✜ ✜ ✜

 

 “ギレン”がお父さんだ!

 その思考波に、隣でキャスバルが小さく吹き出して、さらにパプティまでが肩を震わせた。

 だって、仕方ないだろ。ほんとにお父さんしてるんだから。

 一人ずつ頭を撫でてやり、口々に囀る言葉にちゃんと返事をして、悪さをすれば叱り、良い事をしてたら褒める。なんて素晴らしい包容力。

 大きな背中も含めて――すこぶる悪党面だけど――これぞ理想のお父さんだよね。

「『“ギレン”パパ!』」

 懐こうとしたら。

「黙れ」

「『ひどいわー』」

 なんて一幕が。

 女の子たちが張り切って焼いたブラウニーでお茶をして、ワイワイと騒ぐ中心には“ギレン”が居た。

 ふぅん。いつもこんな風なのか、お泊り会。

 参加してみたら、予想以上に居心地が良くて驚いた。

 子供らはみんなリラックスして、遠慮なく甘えてる感じだ。

 それは、少しばかり人見知りをするアムロや、エキセントリックなところのあるゾルタンや、必要以上に良い子でいようとするフロルが、気負わずに自然体で居られるってこと。

 女の子たちにしても、それは同じで――性別による距離感はあれど――信頼と親愛が垣間見られた。

 ララァだけは、そこに思慕が混じっている様子だけれど。

 なんのかんの言いながらも、“ギレン”は彼女を甘やかして、傍から引き剥がすことはしていない。

 もし、本当に居心地が悪ければ、今頃どこかに預けられるなんて措置を取られててもおかしくないんだ、“ギレン”の気性からすれば。

 もちろん、まだティーンエイジャーの少女を恋愛対象にすることは無い。

 だけど、いずれ彼女が大人の女性になったときに、それでも恋慕が消えてなければ、結ばれる可能性は充分にあるだろう。

 だって、ララァは“おれ”が知っていた“女”と、心の形が似ているからさ。

 いまはまだ、ままごとみたいなやり取りを微笑ましく見守ってれば、“ギレン”にギロリと睨まれた。

 ――照れなくても良いのに。

 それにしても、思えばすごい空間だ。

 “ギレン”とおれと、キャスバルとアムロ、アルテイシアにララァとマリオン、ゾルタンとミルシュカにフロル、挙げ句にパプティがひとつのテーブルを囲んでティータイム。

 それから、ここにはいないけど、パパンに兄姉たちが。

 そりゃ時間軸が大幅にズレもするだろうさ。

 大好きだった“物語”はどこかに消え去った。いつかの世界線には決して交わらないだろうワールド――だけど、ここがおれ達の“現実”で、“ガルマ”の“日常”だ。

 肚の底で“獣”がそっと身動ぐ。いつでも消えることのないどす黒い心火は、見えないところで烈しさを増している。

 数年先に迫った戦いに、決してこの“日常”が壊されることがないように、死にものぐるいで護るしかないんだ。

 繰り返し、何度だってそれを強く思う。

 “ギレン”はいつだって、おれの世界の狭さを罵るけど――だって、どれほどたくさんの人が幸せに笑ってたって、“おれの大事なひとたちがいない世界”に、なんの意味があるの?

 人間の望む幸せって、裸にすればそんなもんだろ――じゃなきゃ、なんで世界を呪うのさ。

 誰かが自分だけの幸せを願っても、自分以外の誰かの幸せを願っても、それが他人の願いと違えば争いの種になる。

 人類が最後のひとりにならなくちゃ、闘争なんか無くなりゃしない――アダムとイブだって、夫婦喧嘩くらいしただろうから――勝者にならなくちゃいけないんだ。

 ――隕石くらい、落としてやっても良いかもね。

 もし、連邦がムンゾを初めとするコロニーを潰そうとしたそのときには、そうなる前に地球を潰してやる。

 地上にいるすべての人類を消し去ることになっても、“日常”を守るためなら仕方がない。

 あそこには、親切にしてくれた優しいひとたちも暮らしているから、そうならないことを祈ってるけど。

 遮蔽した“意識”の隅で、そんなことをぼんやり思ってたら、キャスバルの青い眼が気遣わし気にこっちを見ているのに気がついた。

 あれ、“波”は漏れてないはずなのに。

「『ガルマ!』」

 アムロが、自分のブラウニーを寄越そうと手を伸ばしてくるし。

 ゾルタンとフロルは、ケーキを食べる手を止めてる。

 マリオンが、ミルシュカとアルテイシアを、守るみたいに抱きしめていた――当のふたりは、不思議そうに瞬きを繰り返してる。

『……聞こえなくても、感じるのよ』

 ララァの新緑の眼が睨んできた。

『あなた、いま、悪魔みたいに怖いことを考えてた』

『ひどいな』

『否定できるの?』

 詰問には微笑みを。

『……ごめんよ。さぁ、お茶を飲もう。お菓子も』

 お願いだから嫌わないでおくれよ。

 だけど、嫌われても怖がられても――憎まれてさえ、それが必要なら、“おれ”はきっと悪魔でもなんでもなるんだろう。

『ガルマは僕たちを傷つけたりしないよ! 絶対に!!』

 アムロがそんな風に言ってくれるのは、とても嬉しい。

『怖くなんかないぞ!』

 ゾルタンが。

『大丈夫だし!』

 フロルも。

 マリオンの顔色はまだ優れない。それでも微笑もうとしてくれてる。

『おれは、君たちを守るよ』

 そっと“意識”を開く。

 怖がらせそうな思考は奥の奥に沈めて、触れるのはお菓子の家みたいな、カラフルで賑やかなものだけにした。

 ほっとした空気が流れる。

『……君は、そういうところばかり器用になるな』

 キャスバルから少しのトゲトゲが。

 でも、お前には“目隠し”の下だって“視えてる”だろ――おれの“脳”は、お前を“異物”として認識出来なくなってるんだからさ。

 かすかに揺らがせた“波”に、満足したのかしないのか、それはわからない。キャスバルの“脳”は、おれをシッカリ“異物”として認識してやがるからね。

 取り敢えずトゲトゲは止んだな。

 切り分けたブラウニーを口に運ぶ。“ギレン”好みに作られたそれは、カカオの風味が濃厚で、少しだけほろ苦かった。

 その日は終日、キッチンは少女たちの支配下にあった。

 大人数だからと、ザビ家の厨房が気を利かせて届けてくれた、下拵えをすべて終わらせた食材をあれやこれやと。

 楽しそうなお喋りに鼻歌。

 漂う空気には、美味しそうな匂いに混じって、キラキラとかお花とかが飛んでいる――幻視。

 パプティは早々に書斎に引っ込んで、本の虫。

 ダイニングテーブルでは、なにやらラップトップを操作する“ギレン”の横で、ゾルタンとフロルがちょっかいを出していた。

 キャスバルは、例によって“人を駄目にするクッションソファ”に埋まってるし――これが目的だったって言われても信じそうだ。

 隙間がないから、仕方なくリビングの別のソファに坐ってたら、アムロが乗っかってきた。

「『重たぁ!?』」

 また育ったな、一段と。

 見た目すっきりしてるから、コレ、筋肉の重量だよな。日々の冒険が、体格にシッカリ反映されてるわ。

 目を合わせれば、“してやったり”の笑顔があった。

 やんちゃ坊主め。

 ぎゅぎゅっと抱きこむ。

 思考波がツンツンつついてくるから。

「『どしたの?』」

「『……父さんからメッセージが来てた』」

 碧の双眸が、きらきらユラユラ光を揺らしてた。

「『そう』」

 テム・レイの気難し気な顔を思い出す。

「『ガルマと話をしたって。僕のこと』」

「『うん。だめだった?』」

「『ううん! ……びっくりしただけ』」

 覚えてたんだって、かろうじて聞き取れる“声”だった。

 ――忘れてるもんか。

 あの夜、科学者は父親の顔をしてた。

 “意識”を開いて、前のめりでおれの話を聞いていたテムの姿を見せる。ほら、こんなにお前のことを気にしてたんだよ。

 アムロは複雑そうな顔で、それでも気恥ずかしそうに表情を綻ばせた。

「『凄い科学者だね、お前の父さんは』」

 なんて言ってもガンダムの産みの親だし。

「『機密だからまだ詳しく言えないけど、テム・レイの手で創られた“あれ”は、間違いなく宇宙で一番強いよ』」

 言い切れば、碧の眼がまんまるに見開かれた。口もぽかんと開いてるのが可愛いな。

「『本当!?』」

「『本当』」

 嘘も誇張もないことは、思考波ならすぐに知れるだろ。

 忙しない瞬き。それから徐々に笑みが大きくなって。

 アムロの思考波が、おれの記憶の中の父親を確かめるようにそっと撫でていく。

「『……凄いんだ、父さん』」

「『凄いとも』」

 おれもアレに乗りたいけど、どうなるのか、それは“ギレン”しか今のところ知らないからさ。

 そんな風にわきゃわきゃしてたら、ゾルタンとフロルもやってきてのしかかってきた。

「『ちょ!? 潰れちゃうだろ!』」

 流石に三人はムリだ。

 慌てて逃げようとするけど、のしのし乗っかられて動けない。ぐえー。

「『潰すぞー!』」

「『ガルマやっつけた!』」

「『ギャー!! 助けてキャスバル!!』」

『……いま忙しい』

 嘘だ!! 薄情者め!!

 クッションから動かないキャスバルのことも、団子になってギャアギャア騒いでるおれ達のことも、“ギレン”は生温く眺めたあと、ひとつ息を吐いた。

「ソファは壊すなよ」

 ――そこか!?

「『諌めてよ“ギレン”パパ!!』」

「黙れ」

 ほんとに冷たいわー。

 

 

 夜になって、はしゃぎ過ぎ疲れたフロルとゾルタンは、まだ寝たくないと文句をこぼすアムロの手を引っ掴んで、彼らが占拠する客間に吸い込まれて行った。

 数分のあいだ、言い合う声がしてたけど、すぐに静かになったのは全員寝落ちしたんだろう――あとで様子を見に行こう。

 少し前には眠かけしたミルシュカを、ララァがそっと女子部屋――と“ギレン”が名付けていた――に運んで行ってたから、リビングには“ギレン”とおれと、いまだに“人を駄目にするクッションソファ”に埋まるキャスバルと、それを冷ややかに見下ろすパプティだけが残されていた。

 この“人を駄目にするクッションソファ”は、そろそろ“キャスバルを駄目にするクッションソファ”に名前を変えたほうが良かろうもんか。

「『何か飲むなら用意するけど?』」

 大人が寝るまではまだ時間に余裕があるからね。

「グレンモーレンジィを」

「『ストレート? ロック?』」

「ロックだな」

 “ギレン”からのオーダーは、好みのスコッチの一つ。ついでにラフロイグも用意しとこうかな。途中でオーダーが変わることもあるし。

「『キャスバルとパプティは?』」

「『任せるよ』」

「『私も任せよう』」

 ――……それが一番面倒くさいっての。

 だいたい、そういうヤツに限って出したときに文句言うんだろ。知ってる。

 こっちの垂れ流しの思考を感知してるはずの二人は、涼しい顔でスルーしてる。

 良かろう。“とっておき”を作ったるわ。

 パプティの思考波が動揺したけど、キャンセルは効かないからなー。

 そして用意したカクテルを前に、パプティは興味津々だった。

「「『これは?』」

「『“スイカバー”だよ。フローズンウォーターメロンをクラッシュして使ってる。ベースはホワイトラム、シロップで甘さを足して、下の緑はキウイフルーツ』」

 ちゃんと三角を維持するように盛ってやったそれは、特徴的な形をかなり再現できたと思う。

 スプーンで掬って喰え。どっちかって言ったらカキ氷だから。

 “ギレン”がギョッとしたように目を見開いてる――“おまじない”みたいなモンさ。先に喰っとけば、喰い破られたりしないだろ。ある種の験担ぎだ。

「『それで、僕たちは代わり映えせずにグリューワインかい?』」

 キャスバルが皮肉っぽく言ってくれるけどさ。

「『お任せって言ったのはお前だろ。シナモンとクローブ多めで蜂蜜とスターアニスは控えめに――って、別のが良いの?』」

「『いや、これで良い』」

 なら文句言うな――そして、いい加減にそのソファから起き上がってこいよ。

 4人揃ってリビングで寛いでるけど、どうすっかね、おれ、“ギレン”に話があるんだけどな。

 案外穏やかに時間は流れて、ラムシロップが少し回ったのか、とろんとした眼差しでパプティが一つあくびをした。

「『……もう、休みます』」

 本当に眠たげな声だった。

「『おやすみ〜』」

 こくりとひとつ頷きを残して、書斎に引き上げてく背中を見送る。

 そこで、“ギレン”の纏う空気が変わった。

 と言うか、元々怒ってたのが表面に出てきたと言うか。

「――キャスバル」

 冷たいのが熱いのか判じかねる声だった。

「……何でしょう」

「ランバ・ラルから、話は聞いたはずだな?」

 ふいと、キャスバルが視線を逸らした。思考波が閉じてて、“声”が聞こえない。

 不安になるからやめてほしいんだが。

「『ランバがどうかしたの?』」

「キャスバルにな、説教をしろと云ったのだが――聞く耳持たなかったそうだな?」

 “ギレン”はキャスバル責めるようだけど。

「『あぁ、何か云ってたよね……我儘を云うな。指揮系統を飛び越えるな。上長は敬え。上官には従え。いい加減に幼馴染離れをしろ、だっけ?』」

 ラルおじさんの厳しい顔を思い出す。

 だけどさぁ、あんまりそぐわない気がする。

「『僕にならわかるけど、キャスバルにっておかしくない? そんなわけないでしょ』」

 あるとしたら、おれが不甲斐ないから。

 全てにおいてキャスバルに劣るおれが、前線に出ることを危惧するゆえだろう。

「いいや、おかしくはない」

 ほとんど氷だけになったグラスを、“ギレン”がテーブルに置いた。苛立ちを表すようなその音に、キャスバルの肩が少しだけ震えた。

「私は再三云ったはずだな、キャスバル。お前がこれ以上ごねるのならば、こちらにも相応の考えがある」

「――何ですか」

「今の部署から異動させる。私の秘書官をやれ」

 “ギレン”の目は座っていた。

「『秘書官? まだ決まってなかったの?』」

 セシリア・アイリーンを追い出した後、いっときはパプティがその任に就いてたけど、その後どうなったか聞いてなかった。

「シロッコの後任は、皆短期ばかりでな……残念ながら、女性士官の方が有能だ。外野にとやかく云われたくはないので、男性士官を求めていたのだが……」

 忌々しげなため息。“ギレン”が首を横に振った。

「『有能なものは引く手数多だ。引き取り手のないのは、お前くらいなのだよ、キャスバル』」

 ――は? なに言ってんのさ。

「『キャスバルはもの凄く有能だよ?』」

 とんでもなくべらぼうに有能だ。これ以上ないくらい。何でもできる。

「わかっていないな、“ガルマ”。素行に難のある士官は、有能であっても忌避されるものだ」

「キャスバルの素行に難なんかないでしょ、おれじゃあるまいし」

 つまりキャスバルを抑えられない、直属の上官に技量がないってことじゃないの。

 でも、ドズル兄貴なら、そんな筈ないんだけど。ランバだっているわけだし。

「……お前の目が曇っていることもよくわかった」

「うぇ〜」

「ドズルがな、キャスバルの襲撃に煩わされて、仕事が進まんと云っているのだ。ラルが云ったのも、そのせいだ」

 そんなバカな。

「――キャスバル、私は以前にも云ったはずだな?軍にいる以上は、軍のルールに従え、上官の頭を飛び越えるなと」

 キャスバルは無言だった。

「それで、“兄様”のところに異動になるの?」

「ドズルとランバ・ラルは、そうしてほしいようだな」

 ――………………つまり、“ギレン”は有能な秘書官を手に入れるわけだ。

「『確かにキャスバルなら、“ギレン兄様”の秘書官だって務まるだろうね』」

 “ギレン”のほうも、多少の“ヤンチャ”なら往なすのも慣れてるだろうし。

「『それに、君が中央にいるなら、僕も安心できる』」

「『だが、君は!』」

 ふいにキャスバルの思考波が響いた。

「『MSパイロットなんて歩兵と同じだ。最前線で戦うことになる……』」

 鮮やかな青い瞳に浮かぶ焦り。

「『………やっぱり心配してるよね』」

 おれが戦場に出ること。

 だけどさ。

「『舐めんな』」

 低っくい声が出た。ちょっとドスの効いた感じの。

 猫皮がベロリと剥げてる。

 多分、こんなにキャスバルに対して強く出たことはなかったかも。

 物凄くびっくりしてる――隠せないほど動揺してる思考波を感じてる。でもさ。

「『キャスバル、確かにおれはお前には劣る。情けなく見えるだろうさ。だけど、お前の幼馴染はそれだけかよ?』」

 ぴーぴーと弱くて、お前の手のひらの中に隠しておかなきゃいけないほど、脆くてくだらないものなの?

 だとしたら、見縊られたもんだね。

「『それだけじゃないから心配してるんだろう!』」 

 いきなり怒鳴られて、パチクリする。

「『君が本当に弱かったら良かったんだ! 母さんやアルテイシアみたいに――あの子達みたいに守られている側だったら!!』」

 ――そんなこと言ったってさ。

「『ただ守られてるだけの、戦うことも出来ないやつを、お前が幼馴染だって認めるわけないだろ!』」

 ずっとお前の隣にいた“ガルマ・ザビ”は、そんなに軟弱じゃ無いんだ。地球からだって生還してのけただろう!

「『信じてよ!』」

「『信じて欲しいならその無茶苦茶をなんとかしろ!』」

「『無茶苦茶って何だよ!?』」

「『無茶苦茶だろう! やることなすこと、平気で自分を囮にしたり!』」

「『いつの話をしてんのさ!』」

「『地球から少女を攫ってきたり!』」

「『反省も後悔もしてない!!』」

 瞬間、突き出された拳を、ギリギリで避ける。まともにくらったら吹っ飛ぶレベルだ。

 ギラギラ燃えるみたいな青い眼を睨み返す。

 隙をみて突き出した裏拳は、きれいにいなされた。

 殴り合いの喧嘩なんて、ものすごく久しぶりだ。

「よさんか!」

 “ギレン”が怒鳴るけど、ごめんよ、ここは白黒つけときたい。

「あの子達が起きるぞ!」

 ――………………ぐぎぎ。

 唸りながらも拳をおさめたおれに、“ギレン”が溜め息をついた。

「――そんな風では、確かにドズルやラルが頭を痛めるはずだな」

 氷が融けて、ほとんど水になったグラスを飲み干して。

「“ガルマ”を戦場に出すことは、随分昔から決まっていたことだ。……お前も、ガイアたちと会ったことがあったはずだな、キャスバル」

 ムンゾ大学に入ってすぐの頃、夜に抜け出して、場末のバーまで冒険をした。タチ・オハラを巻き込んで。“黒の三連星”に遭うために。

 あれは、いつかおれがMSパイロットになるための、布石のひとつだった。

「それに、“ガルマ”がMS計画の資料に目を通していたことも知っていただろう。そこから導き出されることが何なのか、お前にわからなかったはずはない、そうだな?」

「『――あなたは!』」

 強い語調、だけど、その後の言葉をキャスバルは続けられなかった。

「云ったはずだ、“ガルマ”は覚悟を決めている。ドズルやサスロ、キシリアもだ。決まらんのはお前の肚だけたな。――あぁいや、“父上”もそうか」

 “ギレン”が頭を振って、忌々しげに溜め息を落とした――なんか、まだなにやらパパンと揉めてるらしい。

「だが、キャスバル、どうあっても戦いは回避できんし、そうなれば、ザビ家は戦況を座して見るだけでは済まされん。前にも云ったはずだ、お前は人を戦地へ送り出す側であり、それを堪えねばならんのだと。――そのお前がその態度で、誰がお前の命に従うのだ」

 冷めた語調。“ギレン”の眼差しには、苦々しさが滲んでた。

「誰にでも守りたいものはある。それは確かであるし、また、そうでなくては戦う意味などない。だがな、それは、また戦場に出て己の守りたいものを守ると云う軍人に向けられるべきではないし、そのためにまわりを蔑ろにして良いと云うものでもない。軍の規範を乱せば、それは巡り巡ってお前の首を絞めることになるのだぞ」

 言ってることは正論だ――でもさぁ。

 それを重たいと思う側のメンタルを推し量っていただきたい。

 誰もが“ギレン”みたいなオリハルコン理念持ってねーわ。そこに痺れて憧れてるけど。

 キャスバルは、ようやっと成人に漕ぎ着けた年齢だ。

 “ギレン”はいつかの“シャア・アズナブル”と比べてるのかもしれないけど、あっちは“復讐鬼”だから、背負ってるもんなんか、自分の命だけなんだよ。

 あとは全部――とまでは言わないけど――利用対象。

 対するキャスバル・レム・ダイクンは、家族や親しくしている友人や仲間たちを既に抱えてて、そのうえさらにムンゾ軍やらムンゾ人民やらを担げってさ。

 重たい、辛いって、弱音を吐かない方がおかしいんだ。

「『支えるって言っただろ。一緒に背負うって』」

「『……なら、どうして傍に居ないんだ』」

「『少しのあいだ離れるだけだよ』」

 ずっと居ないなんて、なんで思ったの。

「『キャスバル、おれ、いま一等兵なんだよ。兵卒に毛が生えたレベル。階級上げなきゃお前のとこに戻れないだろ』」

 ふぅ、とため息。

 キャスバルの視線が逸れたのは、“暁の蜂起”の責任をおれが被ったことを、まだ悔いてんのか。

 でもさ。

「『MSパイロットは、出世の近道でもあるんだ』」

 いつか、“シャア”がそうだったように、武功さえ立てれば上にいける。

「『危険だと言っているんだ』」

「『わかってる。その上で、おれはお前に“約束”するよ。サイド7からはすぐに戻るってさ』」

「『どうやって?』」

「『それをいまから相談すんのさ』」

 にっこりと微笑みに圧をのせて“ギレン”に向きなおる。

「『そーだんしーましょー、そーしましょー』」

節をつけて歌ってみたら、見返してくる“ギレン”の表情が、大きく歪んだ。

 全力で回避したいって、声なき声が聞こえるけど、ラスボス並みに回り込むからね。

「……とりあえず、今日のところは休みたい。酒も入っている、まともに話ができんかも知れんからな」

 まだグラス一杯だ。そんなに酔ってるとは思えない。逃げ口上にも聞こえるそれに首を傾げてみれば、さらに重い溜め息が落ちた。

「日と場所を改めたい。それについては。追って連絡しよう――それで良いな」

 ギロリと睨みつけてくる視線に、肩を竦める。

 まぁ、それで良いでしょ。

 溜まりに溜まったアレコレ含めて、ゆっくり話し合おうじゃないのさ。

 

 

 

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