ザビ家成り代わり   作:くずみ@ぼっち字書き。

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【成り代わり】another ORIGIN 謀略の"ギレン" 39【転生】

 

 

 

 連絡は、封書で取ることにした。紙の封筒に切手を貼る、つまりは一般の郵便物である。

 差出人は“マクギリス・ファリド”、宛名は“三日月・オーガス”。宇宙世紀には無縁の名であるから、よもやこれが、“ギレン・ザビ”から“ガルマ・ザビ”への手紙であるとわかるものはあるまい。

 同じ鉄オル系でも、元々使っていた“オルガ・イツカ”にしなかったのは、“オルガ”が子どもたちに知れた“顔”だったからだ。

 今回“話し合い”に使うのは、ダウンタウンではなく商業施設の立ち並ぶエリアにある、個室の中華料理店――タチが勧めてきたのだ――であり、子どもたちの行動範囲からは外れてはいるが――まぁ、世の中何が起こるかわからないのだ。いろいろな意味で、念には念を入れておくに如くはない。

 とりあえず、いつもの“オルガ・イツカ”の格好は使えないので、コンセプトも変えていく。

 以前、ザビ家で現パロをやるなら――と云う益体もない妄想をしていた時に、アイドル・ガルマと格闘家のドズル、ハイブランド系モデルのギレンで、デギン、サスロ、キシリアがその所属事務所をやるのはどうだろう、と考えたことがある。YSLやらLVやらのモデルたちは、最近では顔立ちも体型もひと癖あるものが多いようだった。ギレンは軍人なので、体型はまぁ典型的な逆三角形で、それこそモデルにしても良さそうだったし、あの悪人面も、前髪を落としてしまえばそれっぽくなるように思われたのだ。

 その妄想設定でいこう、と思う。ハイブランドのモデルがコンセプトだ。

 それこそハイブランドの、ゆるい――ライン的にも――カジュアルスーツとシャツを調達し、靴も有名どころのローファーにする。スニーカーと迷ったが、それを上手くコーディネイトする自信はないので、少し逃げた感じではある。シャツの襟は寛げ、ノータイでネックレスもなし、いつもの時計に細いブレスレットをつければ大体完成だ。

 ――おお、面白い。

 タチやデラーズはともかくとして、これなら大概の軍関係者にはわからないのではないか。ついでに、コスプレに興じる人間の気持ちも、少しわかったような気がした。

 ヘアアイロンで癖をつけ、いつもよりもゆるくセットする。それこそ、前髪が幾筋か落ちるくらい。

 一応眉まで隠れるミラー仕様のサングラスをかけると、少々強面度が上がった、ような気がするが――まぁ、一応擬態はできたか。

 待ち合わせは、現地ではなく、よくある待ち合わせスポット――ア✕タやハ✕公前のような――にした。現地がややわかり難い位置取りなので、それならばと思ったのだ。

 ショッピングモールの真ん中にある、待ち合わせ用の噴水前で、“ガルマ”を待つ。やや目立っている――まぁ、190cmある人間はあまりないか――ので、噴水“前”と云うより、傍のベンチに坐ってだが。

 やや暫く待っていると、

「――ボス〜」

 気の抜けた声が呼んできた。間違いなく“ガルマ”だが。

「……何だ、その恰好は」

 まず、髪の色が違う。黒まではいかないが、かなり暗い色調で、そこに細いみつ編みを幾筋も垂らしている。

 民族系の黒いブラウスに黒いイージーパンツ、紫のエスニックなスニーカーを合わせている。ボトムの上からアシンメトリーの巻きスカート――真紅と紫のグラデーションとは、どれだけ色キチなのか。

 耳には、雫みたいにクリアなガラスとボーンビーズのアクセサリー、ネックレスとブレスレットを重ねづけするのも、これまたエスニック調だ。

 アジア系のメイク、目許に泣きぼくろまで描いてある。

 つまり総じて、

 ――チャ✕ハネか。

 なんと云うか、中央アジア系の恰好に近い。しかも、少女が着るような風である。メイクもややそんな感じであるので、とてもムンゾの一般市民には見えはしない。もちろん、“ガルマ・ザビ”としては云わずもがなである。

 まぁ、元々の方でも、エスニック調が好きなのは知っていた。しかも、シルクやサテンなどではなく、ざっくりコットンやリネンのものである。つまりは、遊牧民かと云う感じなのだ。

 なるほど、確かに変装には違いない、が。

「……何と云うべきか」

「ちゃんとご指定どおり、でしょ?」

「何がだ」

 変装がか。 

 “ガルマ”は、萌え袖風になった手を口許にあて、ふふと笑った。

「おれってわかんないでしょ。でも、ボスはバレバレだよね」

 隠れる気あるの? と云われるが、それなりに違うだろうと思う――特に、ほぼない眉を隠せば、それなりに。流石に、アイブロウなどで書きこむ気にはなれなかったので。

「まぁいいや」

 “ガルマ”はひょいと肩をすくめた。

「中華なんだよね? お店どこさ?」

 話は話として、料理も楽しむつもりのようだ。まぁ、こちらもそのつもりで、タチに店をチョイスさせたのだが。

「――こっちだ」

 と云って、噴水広場に面したファッションビルに足を踏み入れる。

 目的地はビルの六階、《燕京酒家》と云うのが店の名だ。“燕京”とは云うが、さて料理自体は北京も四川も広東も台湾も、とにかくごたまぜだと云うことらしい。中国系の“鳩”が、美味いけれどと複雑な顔をしていたそうだ。

 まぁ、その国の出身でなければ、地方の違いなど些細なことだろう。地方どころか、“地中海料理”などと称して、国や地域をまたぐところすらあったのだから。

 ともあれ、料理が旨いだろうとことは、店の構えからでもよくわかった。一見中華料理店とは思われないモダンな内装は、料理人の自信を表しているのだろうと思われる。まぁその分、値段の方も可愛くないものだろうことは、店内に溢れる生花の量が物語っていた。元々の方ならば、旨いとわかっていても入らないタイプの店である。

「いらっしゃいませ」

 と、見目も衣装も金のかかった女性――店のマネージャーらしい――が、声をかけてきた。

「お二人様ですか」

「あぁ。予約を入れているファリドだが」

 そう云うと、女は笑みを大きくした。

「あぁ! お待ちしておりました! ご案内致します」

 と云って奥へと招き入れられる。

 その途中に、順番待ちの席らしきものがあったが、既に椅子にあぶれているものもあった。中々の人気店のようである。

 通された部屋は、本来なら五、六人で使うだろう、余裕のある部屋だった。所謂“半個室”でもなく、それなりに内密の話もできるようだ。まぁ、軍の配属の話などである、“内密”どころではない。

 とりあえずで点心を六、七皿ほどと、昼だからと中国茶――“ガルマ”は普洱茶、こちらは茉莉花茶――をそれぞれ頼み、それが揃ったところで“話し合い”がスタートした。

「ねぇ、ボス」

 海老蒸し餃子を腹に収めながら、“ガルマ”が云った。

「ガルシア・ロメオ、どこまでなら喰い破っていいの?」

 これである。

「食い破る前提か」

「連邦とあわや交戦を隠蔽する将校って、ムンゾに必要?」

 確かに、一般的に見れば、ガルシア・ロメオは優秀な将校とは云い難いだろう。情報は隠蔽するわ、軍関係でない女たちを戦艦に連れこむわ、連邦ならば馘が飛ぶレベルの話である。

 だが、残念ながら、ムンゾは人材不足なのだ。

「もちろん、使えそうなら喰わずに置いとくけど――喰ってから怒られんのヤダし」

 などと“ガルマ”は云うが、ガルシア・ロメオの馘を切ったら、その後に誰を据えれば良いと云うのか。

 と云うと、

「ランバがいるじゃないか。なんでまだ大佐なの? 将官に早く上げなよ」

 と軽く云ってくる。

 が、こちらはこちらで心積もりと云うものがある。

「ラルを少将にするとしても、戦艦には乗せられん。あいつには、ムンゾ、わけてもズムシティの防衛を任せている。そちらはどうなる?」

 首都防衛などは、よほど信頼できる人間でないと任せられるものではない。その点、ダイクン家を第一に思うランバ・ラルは、その心持ちでもって、首都ズムシティやムンゾの国土そのものをも守ってくれるだろう。ガルシア・ロメオなどでは、こうはいかない。

「……まぁ、可能性があるのはマ・クベだが」

 このラインでは、地球に侵攻するつもりはない。非効率的だと思うからだ。

 スペースノイドにとって、地球はアウェイの戦地である。それくらいならば、まだしも勝手知ったる宇宙空間で戦った方が百倍ましだ。それに、地球に降りるとなると、兵站の問題も出てくる。長く延びた補給路を襲われれば、サイド3にしか基盤のないこちらは、即座にお手上げになってしまう。

 まぁ、マ・クベは、原作軸では鉱山資源などを調達する役割を負っていた。“智将”とは云え、その本懐は戦略であって、戦術ではないだろう。つまり、あまり前線に出すことは考えたくない。

 しかし、マ・クベを艦船に乗せて、“ガルマ”の上役にするには、少々難があるように思われてならない――主に“ガルマ”の悪辣さをどう扱うかと云う点において。

 マ・クベが胃をやるのも心配だが、下手に波長が合ってしまうと――えげつないコンビが出来上がることになる。

 無論、連邦と戦うのには最大限に戦果が上がりそうではあるが、こちらは原作とは違って、勝利してしまっては拙いのだ。

 かと云って、だらだらと戦いを長引かせるのも困る。

 その、非常に政治的な駆け引きを要する局面において、マ・クベと“ガルマ”のコンビが良い出目をもたらすとは考え難かった。

 であれば、極力“ガルマ”の手綱を取り得る上官の下に、さっさと放りこんでしまいたい、のだが。

 ――ランバ・ラルが駄目なら、ドズル配下、と云うことになるだろうが……

 果たしてあの“弟”に、“ガルマ”の手綱が取りきれるものかどうか。

 そもそもは、キャスバルに手綱を取らせるつもりが、まさかの大誤算なのだ。その上、士官学校の同期や後輩たちも抱きこんでいるとなると、下手に開戦を先送りして、“ガルマ”に力を――軍内部でのパワーバランス的な意味で――つけさせるのもどうかと思う。

「ボス、冷めるよ」

「……あぁ」

 考えごとに夢中で、うっかり忘れていた。

 海老蒸し餃子は非常に美味しかったが、少しばかりぬるくなっていた。心から楽しむなら、相手は“ガルマ”でない方が良いな、と思いながら、春巻に齧りつく。ぱりぱりの皮と熱いあんの取り合わせが素晴らしいが、こちらもやや冷め気味だ。

 ――今度は、一人でか、ともかくも“ガルマ”以外とくることにしよう。

 そうでなくては、何を云い出すかとはらはらして、食事を愉しむどころではなくなってしまう。

 もりもりと食べる“ガルマ”は、小籠包を齧りながらも言葉を続けてきた。

「で、ホントのとこ、どこまで喰い破っていいのさ?」

「ムンゾは人材難だからな、せいぜい降格するくらいまでにしておけ」

 あれでも少将にまでなったのだ、まったく能力がないわけでもあるまい――多分、“ピーターの法則”だ。“能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する――したがって、有能な平構成員は、無能な中間管理職になる”と云うあれである。

 つまり、ガルシア・ロメオは無能だったのではなく、能力の限界まで昇進してしまったが故に、無能になったのだ、と。

 しかしそれならば、降格されたなら、あの男はその中では有能な人間になるのではないか?

 ――そんな簡単な話であったら良いのだが。

 少しばかり降格させただけで、ガルシア・ロメオは“無能の壁”の手前に戻れるものなのだろうか? 戻れると云うのなら、降格のさせ甲斐もあるのだろうが。

 水餃子と焼餃子、鮓の和え物を平らげて、フカヒレスープと、“ガルマ”は厳しい麻婆春雨を追加する。嫌がらせ、ではないが、“実家”の食事であれこれやられたのだ、これくらいは好きにしたとて構うまい。それに、どうせ食事代はこちら持ちだ。

 とりあえずは、面倒な話の前に、食事をできるだけたのしむことにするか。

 まだ何か云いたげな“ガルマ”をまなざしで封じ、目の前に運ばれてきた料理に手を伸ばした。

 

 

 

 海鮮炒麺を最後に、デザートに移る。

 “ガルマ”は杏仁豆腐とマンゴープリン――二種類食べるのは、元々からだ――、こちらはタピオカココナッツミルクを注文する。

 飲み物は、結局最初に頼んだポットティーだけになってしまった。まぁ、昼の日中からアルコールと云うわけにもいくまい。

 デザートを並べると、会計用のナンバープレートをそっと置き、ウェイターは速やかに退出していった。

 若干“ガルマ”を見る目が微妙なのは、頼んだ皿数とポットに湯を指した回数、にもかかわらずデザートを二皿頼んだこと、に拠るのだろう。まぁ、元々ではひとの三倍は食べていたのだ。それに較べれば、人並みになったと云っても良いはずだ。

 デザートをも腹に収め、“ガルマ”はふぅと溜息をついた。幸せそうな吐息だった。

 そして、その目がちろりとこちらを見る。

「……で?」

「で、とは?」

「続き。ガルシア・ロメオ、降格なら問題ないんだよね?」

「……降格ならな」

 連邦ほどに人材があるならともかく、人材難のムンゾで、そうそうぶった切られても困るのだ。

「降格ねー」

 “ガルマ”は少しばかり上を向き、考えるように首を傾げた。

 やがて、

「それならさ、リノとケイとルーを返してよ」

 などと云い出した。

 “ケイとルー”が誰なのかは知らぬが、リノ・フェルナンデスの名をともに上げたからには、例の“伝書鳩”に組みこまれた三人、であるに違いない。

「やり過ぎないようにしながら、ボスの要求どおりの働きを、って云うなら、あの三人は絶必要! だから、返してよ」

「――……短期ならな」

 リノたちも、当然例の“暁の蜂起”組なのだ。正直に云うが、“ガルマ”につけておけば、碌なことをしないだろうと思っている。

 まぁ、“作戦”中にはつけてやっても良い――必要であるならば、仕方ない――が、ずっと傍に置いておくのは、“ガルマ”のあれこれを考えると、得策ではないだろうと思う。タチもそうだろうし、こちらとしてもそう云う考えだ。

 だが、

「何でさ?」

 “ガルマ”は首を傾げた。

「何でって、お前、自分の今までの所業をよくよく思い出せ!」

 思わず口調が崩れる。

「キャスバルと二人で、好き勝手しているじゃないか。俺は、キャスバルにお前の手綱を取らせるつもりだったので、お前たち二人がつるんで暴走することを望んでいたわけじゃない」

「暴走って何だよ」

「暴走だろうが! ガーディアンバンチの件は、忘れたとは云わさんぞ!」

 あれのお蔭で、まだしばらくは引っ張れると思っていた連邦との開戦時期が、前倒しになった部分はあるのだから。

 “ガルマ”は唇を尖らせた。

「あれは不可抗力ですー」

「不可抗力で、原作より甚大な被害になるか! キャスバルはキャスバルで、毎日のように移動させろの何のと、あちこちに捩じこもうとするし……」

「ボスは求め過ぎだよ〜」

 キャスバルはまだ若いんだし、仕方ないじゃん、と云うが、

「百歩譲って、覚悟のないのは仕方ないとしても、軍の内規を無視するような振るまいは、そもそも士官としては失格だと思うがな」

 そうでなければ、ドズルやランバ・ラルからなど、苦情はきたりはすまい。あの二人とて、弟分と思うキャスバルたちには、充分以上に甘いのだから。

「なんでキャスバルがそんな真似すんのさ?」

 おれじゃあるまいし! と笑顔で云う、まったく実情がわかっていない。

 その上、本人は内規を乱している自覚はあるようだが、それは笑顔で云うべきことではない。

「……これだから、お前らを一緒にしておけないんじゃないか」

 少なくともキャスバルが自重を覚えない限りは、一緒になどできるものか。

「キャスバルは大丈夫だよ」

「どうだかな」

「今はともかく、もうじき大丈夫になるから。それはともかく、リノたち返してよ」 

 “ガルマ”は、また先刻までの言葉をくり返した。

「おれが、ボスお望みの働きをするために、あいつらが必要なんだよ。どうせ、持て余してるんでしょ? 返してくれたら、ボスの望むようにサイド7を片付けてあげる」

 情報収集に必要なんだよ、と云う。

「短期なら、戻してやる。どうも、お前らを一緒にしておくと、碌なことにならん気しかしない」

「しないよ。信用ないなぁ」

「お前は信用しても、お前のまわりはそうじゃない」

 “昔”にしても、“ガルマ”――無論、当時はその名ではない――はともかくとして、そのまわりがこちらに反抗的だったので、想定以上にごたごたが大きくなった感はあった。

 将は部下に担がれてこその将であり、部下が暴走すれば、担がれた神輿のような将は、それに引きずられる可能性が高くなる。

 “ガルマ”とキャスバルを指揮官に据えた“暁の蜂起”は、あまりにも大きな成功体験を士官候補生たちにもたらした。それそのものが悪いとは云いたくはない、が、よほどの自制心を持つものでない限り、それに酔って、己の実力を実態以上に考えてしまうと云うのは、若者にはありがちなことだ。

 経験を積み、失敗も重ねていけば、自ずとその過大な自己評価は修正されていくものだが、経験が少なくてはそれも難しい。例の“認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを”と云うのは、このあたりのことも含めた科白なのではないかと思う。

 確かに、かれらの上官たちには、頭の固いものも多いだろう。だがまぁ、そのあたりは、上官たち本人の、これまでの失敗経験――それはもちろん、部下のものも含まれる――によって、“先を見通した”が故のこともあるだろう。

 それに、誤解されることが多いのだが、軍規が通常の法律や条例よりも厳しいのは、軍隊と云う組織の暴力性故である。

 肯定的な意味ではなく、軍隊は、軍人は、一般市民を容易に殺傷し得る能力と装備を持ち合わせている。軍規の厳しさは、その力を、迂闊に一般市民に対して振るわぬようにと云う、内部統制的な部分が大きいのだ。

 武器をちらつかせて市民に過大な要求をしたり、あるいは物心両面における暴力を振るわせぬために、軍隊は内部統制を厳しくしなければならぬ。

 残念ながら、兵卒などにはその理屈を理解するものは少ないし、また軍規違反と称して部下に無闇に暴力を振るう下士官なども多いため、自覚するのはほんの一握りでしかないのだが。実際、結構な高位の将校――例えばガルシア・ロメオなど――も、このことを理解していないのは、嘆かわしいとしか云いようがないが。

 ともかくも、そう云う観点からすれば、“ガルマ”の同期たちと云うのは、結構な脅威なのである。そのあたりを、当の本人たちが理解しているかどうかは疑わしいところはあるが。何しろ、上官と云うだけで、無闇に暴力を振るう輩があるのが軍隊である。本質の理解を求めるのは、ほとんど不可能事とも思われるのだ。

 とまれ、

「お前がきちんと部下の統制を取れるのなら、戦々恐々としたりはせんさ」

 結局のところ、“ガルマ”は身内に甘い、その一点がこちらの危惧のもとになるのである。

「なんで信じてくんないのさ」

「お前を信じるほどには、お前のまわりを信じてはいない」

「ふぅん。――じゃあ、おれを捨てる?」

「何故」

「おれのまわりが信じられないんだろ。だけどみんなおれの“チカラ”だ。切り捨てられちゃ堪んないね」

 おれって云うか、おれの統率力を、と云う。

「お前を信じないわけじゃない」

「じゃあ、何でおれを邪険にするのさ。おれ、要らない?」

「最大火力がいらないはずがあるか」

「ボスの態度じゃ信じられないんだけどー」

「馬鹿を云うな」

 ここまできて、今後のあれこれの前提となるべき“ガルマ”が、要らないわけはない。

「既にお前用のMSも整備させている。バルバトスとはいかないが、メイスもブレードもライフルも装備した新型ザクだ。出力も、お前かキャスバルしか乗りこなせん仕様になっていると云うのに、乗り手がいなくなってどうする」

「……ふぅん?」

 “ガルマ”は、いかにも信じていない風で、小首を傾げた。

「ザクⅡか。ガンダムじゃないんだね」

 やや不満そうな声。

「前々から決めていた。お前には新型ザクだ」

 赤ザクならぬ桃ザクに乗せる。ずっとそう考えてきたのだ。

 が、“ガルマ”は不服そうな顔を崩さなかった。

 ガンダムに乗りたかったのか? だがあれは、乗せるならアムロかキャスバルと決めている。それに、ガンダムはまだ量産体制には入れていないのだ。試作二号機が稼働するかと云う時だ、配備にはまだ早い。

「――まぁ良い。ガルシアのことはな。だが、サイド7には、知ってのとおり連邦の軍事工場がある。間違っても攻めこむんじゃないぞ」

「やらないよ。できないでしょ?」

 とは云うが、

「どうかな」

 成り行きでなどと云いながら、連邦と交戦しないとは限るまい。何しろ、今現在、サイド7にはエルラン率いる海賊討伐部隊が展開中だ。レッドフォース号は逃したが、今後あのあたりで偵察するとなると、海賊流入の背後にムンゾの存在を疑われかねない。ガルシア・ロメオが下手を打ったせいで、ムンゾの動きには連邦も神経を尖らせているはずだ。あまり近くではなく、距離感を取りつつの偵察、と云うのは、むしろ“ガルマ”の向きのような気がするのだが。

「とにかく、ガルシア・ロメオを、あまり喰い破らん程度に監視しろ。サイド7は、この時間軸でも重要ポイントだが、あの男では心許ない。ガルシアが踏みこみ過ぎるようなら、造反も已むなしだな」

「それで降格までってさー」

 どんな無茶振り? と云われるが、出来ない相談ではあるまい。

「云っておくが、ガルシア・ロメオを完全に喰い破ると、お前も同時に降格、あるいは除隊になるぞ」

 連邦駐屯部隊相手だった“暁の蜂起”とは訳が違う。造反は、された方も罰せられるが、した方も無論無罪放免とはなり得ない。それが、どれほど無軌道な指揮官であったとしてもだ。

「デギン・ソド・ザビの愛し子と云う免罪符も、すべてをチャラにすることはできんたろうな。除隊となれば、“父上”が嬉々として、お前を文官か自分の秘書にでもしようと立ち回ることだろう。そうすれば、お前はこの先、ずっと籠の鳥と云うことになる」

 無論、おとなしく飼われる“ガルマ”ではあるまいが、戦場から遠ざけられるのは、既定のラインになるだろう。“弟妹”は“ガルマ”を戦場に出すことに、一定程度理解を示しているが、“父”はその限りではない。好機と見れば、素早く動くだろう。あれで、やはりなかなかの政治家ではあるのだ。

 つまり、出されても原作のガルマ・ザビと同じように、指揮官としての働きだけで、前線に出ることは適わぬこととなるだろう。

 せっかくこれまで準備してきたと云うのに、

「お前は本当に、ガルシア・ロメオひとりのためにすべてを棒に振って構わないのか?」

「“おれ”を誰だと思ってんの?」

 挑戦的に、“ガルマ”は云った。

「つまり、オーダーはサイド7を監視しつつ、ガルシアをやんわりと降格しろと。……軍事工場は削らなくてもいいの?」

 直接カチコミしなくたって、やりようはあるんだけど? などと云う。

「それに、そうなって棒に振るのは、ボスの方でしょ」

 “ガルマ”は肩をすくめてみせた。

「いい加減に、なにをさせたいのか、ちゃんと云ってよ。

 どう動いて欲しいのか、いまのままじゃ全然わかんないよ」

 不満げに云われて、言葉に詰まった。

 何をさせたらいいのか、など、こちらが知りたい。

「――今すぐさせたいこと、は、ない」

 最終的な着地点――しかも、漠然とした――しかないのに、まして他人の差配など。

 そう云うと、“ガルマ”は軽く鼻を鳴らした。

「……だったら、おれは、おれがやるべきことをやる。おれが、やるべきだと思ってることをね」

 指示がないなら、そうなるよね、と云う。

「――やり過ぎると、キシリアの帰国が遅れるぞ」

 こちらの、と云うかガルシア・ロメオの動きは、ある程度連邦側には捕捉されているだろう。当然、この差配の後ろにいるのが自分だと、ゴップは半ば確信しているだろうし、レビルに至っては疑いもしていないはずだ。

 そんな最中に、サイド7で事件なり事故なりが発生すれば、キシリアの帰郷に影響が出ないとは思われぬ。

 レビルなどは、これを好機と、ムンゾとの開戦に踏み切る可能性もなくはないのだ。

「そろそろ帰ってくるよ。補償への道筋はついたじゃないか」

 と云うが、本当にわかっているのか、と思う。

 確かに、ルウムの交渉は落着した。ティアンムを引きずり出した上、譲歩をもぎ取ったキシリアの手腕は、称賛に値するものだ。本人も、帰国時は誇らかに頭をもたげて戻ってくるだろう。

 だが、それですべてが落着するわけでは決してないのだ。その後は、また薄氷を踏むような関係図が戻ってくる。まだ、開戦するわけにはいかないのだ、国力的にも、コロニー同盟の状態的にも。

 確かに、“ガルマ”は戦略や謀略において天才的ではあるが、それ以外のところはどうなのか。無論、それはこちらにも云えることであり、戦略に関しては丸投げではあるのだが。

「戦いにただ勝てばいいと云うのではない、お前の策は、確かに勝利のためには有用だろうが――最早、ことはムンゾ一国の話ではないと、よく覚えておけ」

 睨みつけるように云うと、“ガルマ”は少し考えるような素振りをし、それからややあって、

「――はいよ。りょーかい」

 と、肩をすくめて返してきた。

 

 

 

「――疲れた……」

 帰宅して服を変え、軍に戻る。

 と、タチが待ち受けていて、にやにや笑いを向けてきた。

「何だ」

「閣下、随分な恰好でお出かけだったようじゃありませんか」

 その一言で、こちらの動向が完全に把握されているのかわかった。

「そんなにバレる恰好だったかな」

 と云うと、爆笑された。

「わかりますよそりゃ! ご一緒だったガルマ様の方は、誰だかわかっていない連中ばかりだったようですけどね!」

 云われて、思わず眉間に皺が寄る。

 あの後、“ガルマ”にせびられるままに、持ち帰りの点心を山ほど買い与え――多分、子どもたちへの手土産になるのだろう――、あの場で別れたのだが。

「そんなにわかりやすかったか……」

「わかりやすかったですね! 見ていて下さいよ、すぐにタブロイド紙やらゴシップ誌やらに、“ギレン・ザビ密会のお相手は!?”とか云う見出しで、写真が掲載されますから!」

「どう云うことだ……」

 ギレン・ザビとしては、しなさそうな恰好だと思ったのに。

「いつもの恰好の方が、皆目を逸らすでしょうからバレにくかったんですよ。あれじゃあ、注目してくれって云ってるようなもんです。そりゃあ、まじまじ見られたら、閣下だってわかりますよ」

「そんなものか……」

 せっかく髪型まで変えていったのに。

「ガルマ様くらい徹底しておやりになればともかく――第一、閣下は背が高過ぎます。その背丈で、あれだけの服を身につけられる財力があって、となると、まぁ自ずと絞られますしね」

 まだ笑いながら、タチは云う。

「まぁ、宜しいんじゃないですか。とりあえず、デラーズ大佐との噂話は流れるかも知れませんし」

「そうだといいのだが、な」

 まぁ、“裏切り愛”だの“略奪愛”だの――裏切ってもいないし略奪されてもいないのだが――、好き勝手な文言が踊るのが、目に見えるようだ。

「まぁ、間違っても“禁断の”云々はないでしょうね。ガルマ様には見えませんから」

「……面白がり過ぎだぞ」

 と云うと、タチはようやくにやにや笑いを収め、書類を寄越した。

「そろそろ真面目になりましょう。――“外”に放った“鳩”から報告が。サイド6が、何やら怪しい動きをしているようです」

「サイド6――リーアか」

 サイド6と云えば、原作軸では中立地帯と云うことで、連邦軍もジオン軍も、どちらも出入りしているシーンがあった。

 それこそアムロ・レイが、“シャア・アズナブル”やララァ・スンと、初めて生身で顔を合わせたのも、サイド6でのことだったはずだ。

 だがまぁ、

「そもそもリーアは蝙蝠だろう」

 “中立地帯”と云えば聞こえは良いが、つまりは二股などとも云い換えられる。各サイドの中では、やはりザーンが連邦寄りであり、人口の少ないハッテやムーアなどは、今のところムンゾ寄りだが、ことが起こればどうなるか知れたものではない。

 まぁ、長いものには巻かれろとやら寄らば大樹の陰とやら、ムンゾの勢いがあるうちはこちら寄りだろうが、そうでなければ連邦寄りになるのは、仕方のないことではあるだろう。

 それは仕方ないと思うのだが、問題はリーアである。

 リーアは旗幟を鮮明にもせずに、どちらにも良い顔をしてみせる。ハッテやムーアと同じだと云うかも知れないが、1stのあれこれを見ても、そう云う弱者の生存戦略と云うよりも、ある種の太さと云おうか、優柔不断さばかりが目立つのだ。

 無論、こちらの偏見ではあるだろう――それくらいに、1stのイメージが強いのだ。

 その蝙蝠が、“怪しい動き”とは、一体どんなことがあったのだと?

「連邦の諜報機関の人間が、官公庁に足繁く通っているようです。しかも、複数名がです」

「それは、例えば調査と云うか、諜報活動の一環としてではなく、か?」

「違いますね」

 タチは首を振った。

「それにしては、入り方が堂々としている――それに、サイド1ザーンでも、リーアほどではありませんが、諜報部員らしき人間が、やはり官公庁に出入りしているようです。可能性としては……」

「コロニー同盟の切り崩しか」

 確かに、ザーンとリーアが連邦寄りになれば、勢力的に、コロニー同盟の四分の一が連邦寄りに変わると云うことになる。

 無論、これは人口比であるから、純粋にサイドの数、つまり同盟内の票数としては三分の一だ。なかなか馬鹿にならない数である。

「まぁ確かに、同盟にメリットを感じるものばかりでもないだろうが……」

 それにしても、なかなか大胆なことだと思わずにはいられない。

 それともこれは、同盟内に亀裂を作ることも目的であるのだろうか。

 ザーンとリーアが連邦と駆け引きをくり広げているのは事実だろうが、それをある程度見せびらかすようなところがあるのは、連邦側が、これによって同盟内部を分断し、その力を削ごうという腹づもりであるのかも知れない。

 まぁ、ブラフの部分は大きいだろうとは思う――この二サイドとて、同盟と云うバックがあるからこそ、連邦と強い姿勢で交渉できる、と云うところもあるはずだからだ――が、それを真に受けるようなことがあれば、それこそ連邦の思う壺である。

「これで連邦に踊らされるのは、それはそれで癪ではあるな」

 少なくとも、コロニー同盟を破綻させるようなことだけは、絶対にしてはならないのだ。

 まぁ、コロニーの住人たちは、よほど商売上の要請でもない限り、連邦の肩を持つものはないだろうが――行政や政治、あるいは軍事に関わるものたちは、また違う心持ちもあり得るだろう。

 さて、となれば、一度ザーンとリーアの首長たちに、真意を問わねばなるまいか。

 と、タチがじっとりとしたまなざしでこちらを見た。

「何だ」

「閣下が、何か宜しからぬことをお考えのように思いまして」

「良からぬこととは失礼だな」

 それほど酷いことは考えていないはずだ。そう、少しばかり政務や軍務を休み、羽根を伸ばしたい、そのついでに、ザーンやリーアの様子も見たいと思っただけで。

「単に、長期休暇を取ろうかと」

「その先があるでしょう」

 きりきり吐いて下さいよ、と云う。まったく信用がない。

「ついでに、ザーンとリーアを見てくるか、と」

「やっぱり!」

 厭そうな声。盛大に顔も顰めている。

「どうせ、非公式と云うか、お忍びなんでしょう? 護衛はどうなさるおつもりなんです?」

「護衛がいたら、悪目立ちするだろう」

「……そうおっしゃると思いましたよ」

 深い溜息。

「それで? 当然、デラーズ大佐をお連れになるおつもりはないんでしょう?」

「公式でもない訪問で、いかつい護衛がついているのはおかしいだろう」

「……まさかと思いますが、“オルガ・イツカ”でいかれるおつもりで?」

「まぁ、あの私服姿が出た後だからな、まさか“オルガ・イツカ”があれと同一人物だとは思うまい?」

「偽造IDですか!」

「お前たちにとっては、日常茶飯事だろう」

 『the ORIGIN』で、グラナダを訪れたキシリアが“フラウ・キャサリン”と呼ばれたように――諜報部員にとっては、偽名で過ごすことはままある話だろう。出自がばれると云うことは、自身の弱点を晒すことである。であるからこそ、各国の諜報員たちは本名を名乗らないか、名乗る場合は派手な動きはしないのだ。

「それなら、私がお供するしかないでしょう」

 タチは、また深々と溜息をついた。

「仕事はいいのか?」

「閣下が好き勝手なさるので、優秀な副官がそろいましてね!」

 自棄気味に云われる。

「多少私がいなくとも、きちんと業務は回ります。それよりも、閣下に何かあった時の方が面倒なので! 私もご一緒させていただきます!!」

「それなら、お前は“ビスケット・グリフォン”だ」

「は?」

「その名前なら、うっかり呼び間違えたりしないからな。お前がついてくるなら、“ビスケット・グリフォン”を名乗れ」

「ビスケットって……冗談みたいな名前ですね……」

 とは云うが、『鉄オル』のビスケット・グリフォンの妹の名前は、クッキーとクラッカだった。“食いっぱぐれないように”と云う名前なのではないかとは、どこぞの解釈で見た記憶がある。まぁ、辺境などではあり得るのかも知れない――学校などではいじめの対象になりそうだが。

 “ビスケット”の名を選んだのは、体型的に近いように思われるのと、まぁ“前”に近いところにいたので、呼び間違えが少なそうなのと、二重の意味からである。こちらが“オルガ”であるのに、ついてくるのが“タチ”のままでは、思い切り羽目が外せないと云うのもある。

「“ビスケット”と“オルガ”なら、タメ口でな」

 と云うと、盛大に顔を顰められた。

「まぁ、仕方ないことではありますけれどね! 閣下はいささかアバウトに過ぎますよ!」

「それは、偶に“ガルマ”にも云われる」

 まぁ、細かいと云うにはほど遠いが、しかし雑と断言されるほどでもないと思うのだが。

「ガルマ様と私の云う意味は違いそうですがね! ――とりあえず、ザーンとリーア行きの件は、仕方ありません、了承致しました。いつお発ちになるおつもりで?」

「キシリアが戻ってからにしよう。流石に、あれがルウムにいるうちは、いろいろ恐ろしくて休みを取る気にもなれん」

 溜息が出る。

「まぁ、いずれ、戦争が終わった暁には、さっさと引退して、好きにふらふらしたいものだがな」

「……お訊きしますがね、閣下のお心づもりでは、それはいつごろになりますでしょうかね?」

 いつごろ? 戦争が終わるのがか?

「……そうだな、ぎりぎりまで開戦を引き延ばして、かつ割合早期に講和に持ちこめれば――あと三年か四年ではないか」

「閣下はその時、まだ四十四、五と云うことですね?」

「そうだな」

 『the ORIGIN』のとおりの開戦と講和で、巧く生き延びることができたなら、確かにあのラストの時には、それくらいの年齢だろう。

「まぁ、難局を乗り切れば、議会さえしっかりしていれば、何とでもなるはずだからな。その頃にはキャスバルも二十三歳か? まぁ、旧い人間は、権力に恋々とすることなく、後進にあとを任せるべきだろう」

 基本的に、きりの良いところで退いておかないと、いろいろ面倒に巻きこまれた挙句、失脚からの落命、と云うパターンになりそうなのだ。その上、他人の失策や悪政までもをおっ被せられ、それを単純化して歴史化したが故に、後々まで残忍だの冷酷だのと――憶えのある範囲でなら仕方ないが、他人のミスまで被らねばならぬのは、いい加減御免なのだ。

「――小さい頃に、何かトラウマでも?」

 タチが恐る恐る訊いてくるが、

「もっと前のことだ」

 いくつも“昔”のこと。

 ともかくも、

「そう云うわけでな、私もさっさと隠居したい。それには、コロニー同盟における不測の事態などは、絶対に許してはならぬのだ」

「それは同意致しますが」

 と、タチは顔を顰めた。

「賭けても宜しいですがね、戦争が無事終わったからって、閣下は引退などできやしませんよ。それだけは間違いありませんね!」

「……厭なことを云うな」

 まぁ確かに、“昔”も後継者にトップの座を譲った後、隠居しようと思ったら、方々から“先に隠居できると思うな”などとの言葉をもらい、結局流れたこともあったのだった。

「厭も何も、目に見えた話ですからね!」

 鼻を鳴らしてタチは云う。

「……まぁ、何も決まってはいないのだからな」

 悪あがきするようにそう云うと、目の前の男からは、呆れを含んだような溜息だけが返されてきた。

 

 

 

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