ヘフェリーとの戦闘を御送りします。
原作とは大きく異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。
それでは、ゆっくりしていってね♪
REMILIA
VS〈英知と日向の少女〉ヘフェリー・ウィズダム
~蒼魔塞 大図書館
蒼い魔法陣を何重にも発生している相手を前にして私は考えていた。
パチェと同じく動きがゆったりなら……
「……先手必勝ね!?」
そう呟くと、翼を広げ颯爽と飛び出した。
「!?マステア……!?」
後ろから霊夢が声をかけたが、構わなかった。
……此の状況できちんと間違えずに言ってくれているのが凄い。
そしてある程度相手と距離を詰めたところで、
「『デーモンロードウォーク』!!」
姿を一時消しながら素早く接近し、飛びかかった。
偽パチェに爪を振り下ろす。
だが、相手も魔導メモ帳を前に出し、スペルを使用していた。
「恋符『マスタースパーク』!!」
「!?はぁ!??」
油断してしまった。動作が一瞬遅れた。
其処をメモ帳から放たれたやや太い光線が襲い、私はまともに喰らって吹っ飛んだ。
斬り揉み状態で飛んで行ったところを、何とか霊夢に受け止めて貰った。
「あれは魔理沙の……!?」
「グッ…他の奴の魔法を…どうして使える……?」
そう言いながら、同時に私はある事に気付いていた。
紅霧異変の時、鬼の異変の時、そしてパチェの図書館へ侵入しようとして偶然
鉢合わせした時など、私は過去に何度か魔理沙と戦い、光線を何度か浴びた事があった。
だがさっき受けた一撃は、其よりは比較にならない程手応えががなかったのだ。
くっ……手を抜いてるわね……此は……
「フフフ……他の者が扱う魔法を貯蔵できる……其が、此のメモ帳の真骨頂よ!さて……」
「お次は此よ!!」
そして今度は別のページを開きながら上昇し、私達の真上に来た。
「!?」
さっきの動きとは比べ物にならないほど速かった。
「此はどうかしら!?」
そして開いたページを真下に向け、
「魔光『デヴィリーライトレイ』!!!」
其処から再び光線を発射して来た。
「今度はアリスのスペルを……!?」
霊夢がそう言いながら、横転して回避した。私も同時に転がる。
「どう、凄いでしょう、マスィ!?」
私を追尾して、何度もレーザーを降らせてくる。
ジグザグに動いてかわして、同時に敵を翻弄した。
不意にレーザーの雨がやんだ。
「貰ったぁ!」
上から声がして、思わず見上げた。
パチェもどきも驚いて声の方を見ていた。
霊夢が私を狙っているすきを突いて飛び蹴りを放とうとしていた。
「接近戦上等よ!」
そう言いながらメモ帳を閉じ、
「『パワースウィープ』!!!」
するとメモ帳が蒼いオーラを放ち始めた。
そして其をまるで裏拳を放つかの様に振って対抗した。
蹴りをかわして振ったメモの角は、霊夢の脇腹を正確に捉えていた。
「!?オグゥッ……!!!」
其のまま殴り飛ばされ、霊夢は大きな本棚の一つに激突した。
「!悪夢!!」
本棚がぶつかった衝撃に耐えられず、ゆっくりと後ろに傾き始めた。
「「!???」」
そして大きな音とともに倒れた。
「~~其処の蒼白!!」
偽パチェがメモを持っていない手を上にあげた。
すると、倒れた本棚がゆっくりと起き上がり、倒れた拍子に散らばった本も棚の中に
戻っていった。
へばり付いていた霊夢が、棚が起き上がったと同時に落下して顔から床に落ちた。
大の字となった其の姿にパチェもどきが言い放つ。
「………私の本棚を倒さない」
……自分の攻撃が原因の癖して……
「大丈夫か、悪夢……?」
私は頭をさすりながら立ちあがる霊夢のもとに駆け寄った。
「~~え、えぇ……しかし……」
霊夢が頭上に浮いている偽パチェを睨め付けていた。
「魔理沙のと言い、アリスのと言い……アイツ……
どれも魔法使いからスペルをラーニングしてるわね……」
「他の奴のスペルを乱用する……使われる側からしたら屈辱極まりない戦い方ね……」
聞こえない様に、口の端で小声で話しあう。
「最後は、私一番のお気に入りよ!!」
メモ帳を両手で高く掲げた、其のメモが蒼く輝き始めた。
「!?」
あ…?あの構えは……!!
「避けるのなら、しっかり避けてね!?」
マズい……!何処かに隠れないと……!!
すると霊夢が私とパチェの間に割り込んで来て、偽パチェと同時にスペルを唱えた。
「神技『八方龍殺陣』!!!」
「日符『ロイヤルフレア』!!!」
其の瞬間、青い閃光に包まれた。
私は霊夢と一緒に張られた結界の中にいたが、あまりの光で両目を閉じ、
両手で頭を覆っていた。
相手の攻撃が終了したらしく閃光が消え、結界も消えた。
思わず其の状態から尻もちをついていた。
あんなのを喰らっていたら、私はひとたまりもなかった……
「~~た、助かった……悪い、悪夢……」
「大丈夫よ……それよりも……」
霊夢は立ちあがって、
「見て、アレを……」
「?アレ?……」
私は霊夢が指さす先を見た。
「?…!あ……?」
其の先には……
「~~お、お腹がぁ……!??」
偽パチェがいつの間にか床に降り、脇腹を抱えて苦しんでいる。
……何があった?
私達は今のところアイツへの攻撃を成功していない。むしろ返り討ちを受ける始末だ。
じゃあ何故だ?……演技か?其とも別の……?
「此も……覚えていないようね……!?」
どうやら唖然としていた私達に気付いたらしく、悶えながらも説明を始めた。
「私…!?イツツ……い、胃潰瘍持ちなのよ……!!」
……は?胃潰瘍……ストレスやら何やらで発症するアレ?
「最近……~~ストレスが溜まる様な事…ばかり……なのよ……!」
此方のパチェは、喘息ではなく胃潰瘍持ちなのね……
活動的であろうと消極的であろうと、持病なのは変わらないのね……
「し、雪の…奴ぅ……!!」
「!チャンスよ、マステア!」
無論、私も此を見逃すはずが無かった。
「『トリックスターデビル』!!!」
今度は素早く偽パチェの後ろに回り込んだ。
「!?……!??」
突然私が消えて焦っている。痛みのせいで判断も鈍ってる様だった。
だが、私は攻撃せずに後ろから前へ、相手の手から魔導メモ帳をかすめ取った。
「!!ああ……!メ…メモちょuウゥ……!?」
私は、敵の武器を手に霊夢の下に戻った。
その際に霊夢が、代わりに前方に結界を張って相手を寄せ付けない様にした。
私が奪って持っていたメモの表紙を霊夢が触った。
すると、其の顔色が変わった。
「僅かに熱を持っている……!」
言われてみると、確かに熱を持っていた。まるで内部から発散している様な熱だ。
「此……赤の言っていた、『英知の結晶』に違いないわ」
「でも、どんな構造になっているのかが判らないわね…インテリの考えてる事と同じ様に」
「~~おぉ…お願い……そ、其だけは……破らないで……!!」
膝をついて苦しそうに呻きながらも、両手を握りしめて懇願している。
そう言われると破きたくはなるけど………私はもう一度メモ帳の表紙を見た。
破くのは流石にもったいないわね。もしかしたら、本物のパチェへの良い土産になるかも……
「……後で返してあげるわよ…心配しなくても」
私はメモ帳を懐にしまいながら言った。
もちろん、此がアイツの手元に戻る事は二度とない。
「さて、せっかくの利器を敵に奪われたらどうするの、ヘフィ!?」
どうやら、痛みから解放されたらしい。若干よろめきながらも立ち上がった。
「赤から貰った力は使わないの!?」
折角殺すのだから、アイツの『赤色』の力を見てみたい。
さっき見た巨大なドラゴンが、其に違いない様だが………
ところが、ヘフェリーは、
「…あれは……赤様からは制限がかけられているの……」
?……制限?
「…其は、どういう事なの?」
霊夢が訊いた。其に応える偽パチェ。
「……余程の事態でない限り……力が残っていない時には、無理には使わない
様に、と……『赤色』を授かった際にそう仰ったのよ」
……他の奴等は皆ほいほいと使用していた力に、なぜ制限を……
其を考えると、相当なリスクがある様ね……彼女の『赤色』の力には。
フフフ……ならば、敢えて出させて弱って貰うまでよ……!
「……赫妃より授かりし御物……封じられ、窮地に立ちき時……」
まだ腹痛の余韻が残っているらしく、近くのデスクの角に片手をついて息を整えていた。
顔は下に向けている。
其の顔を突然キッと此方に向けた。尋常ではない程汗をかいていた。
「なら……私自身の、力を使うまでよ!!」
そしてスペルを発動した。
「蒼木符『ブルーストーム』!!!」
すると彼女の身体を、蒼い木の葉の様な弾幕が身体を覆い始めた。
『赤色』の力をまだ使わないか……其にあの体勢……さっきの腹痛と言い、
どうやら持久戦に持ち込むつもりね?
「此処からが本番よ……行くわよ!!」
面白い……
ならば、其の守りを剝して、貴方を余程の事態にしてあげるわ!!
如何でしたか?
次回は中編で、魔導メモを取られたヘフェリーが本腰を入れてきます。
それでは、次回もゆっくりしていってね♪