東方蒼魔塞   作:因田司

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今回は霊夢達が赤と再会し、二度目の戦いを繰り広げます。

原作とは大きく異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪


レッド・ペナルティ

REIMU

~蒼魔塞 5階

 

 

「……いよいよ配下も、残り僅かね」

 

「ええ………」

 

 

へフェリーを倒した私達は階段を上がり、上の階に辿り着いた。

 

私は隣のレミリアを見ていた。何だか様子がおかしい。

偽パチュリーを倒す前とは明らかに違い、表情が強張っていた。

 

でも、理由は自ずと理解は出来た。

 

 

マステア・アズール……偽美鈴から聞いた、レミリアそっくりの赤の配下。

いずれ自分自身と戦わなければならない、自分そっくりの相手。

 

レミリアは御嬢様故、プライドも高い。だから、自分そっくりの奴が他の誰かに嫌でも

従ってるとなると、まるで自分が尻に敷かれている感じで我慢ならないのだろう。

其に対する怒りだと思う。

 

 

 

 

「頑張っている様ね」

 

 

声が聞こえた。

 

 

「!!」

 

 

其の出所を探す私達の目の前で、

 

 

バヂヂ……ヂビビィイィィ……!!!!

 

 

紅い放電と共にスキマが開き、

 

 

「赤!!」

 

 

其処から異変の黒幕が現れた。

今度は最初に出会った時と同じ赤色の道士服を着ていた。

 

でも前までの余裕な表情は無く、少し息が上がっている様だった。

頬も若干赤みを帯びている。

 

 

「いったいどうしたのかしら?」

 

「……何でもないわ」

 

 

そう言って、ぶっきらぼうに赤色の角縁眼鏡を指で上げる。

 

まるでひと暴れしてきた後みたいね……何かあった様だけど……

 

 

「アンタの配下は、もう三分の一にまで減ってしまったわよ。流石に余裕が無くなって

来たんじゃない?」

 

「………良く侵入出来たわね……雪を欺くなんて」

 

「お前の門番は唐変木で助かったよ」

 

 

レミリアが赤に一歩詰め寄った。

 

 

「全部聞いたぞ。残りの配下も、私や私の配下とそっくりなんだとな」

 

 

赤は何も言わない。息もすっかり落ち着いていた。

 

 

「どういうつもりだ?私や咲夜達にそっくりの奴等で、夜明けにいったい何を始めるつもりだ!?」

 

 

すると赤が溜息をつき、

 

 

「………其の様子だと、どうやら宿題は出来てないみたいね」

 

「!!………」

 

 

急に話を逸らされ、レミリアは口をつぐむ。

 

完全に忘れていた。

 

簡単に言うと赤の異変を起こした真の目的……其の予想をする事。

前に赤が去り際に私達に押し付けた課題だった。

 

当然私はしてない……というより、最初からするつもりすらも無い。

相手のペースに嵌められたくはなかったのが理由だった。

 

 

「御仕置きが必要ね」

 

 

そう冷やかに言い、指を鳴らした。

また紅い電気が走り、開いたスキマから誰かが浮遊しながら出てきた。

 

其の人物を見て、私は思わず目を見張った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリス……!??」

 

 

でもそのアリスは私達が知っているアリスとは違っていた。

 

髪の毛も服も、瞳の色でさえも、身体の何処も彼処も真っ赤だ。

只肌の色は本物と同じだったけど、其の一面には今までの配下と同様に、

血管の様に赤い線が走っていた。

 

そして胸には服の上から黒い金属の胸当てが装着されていた。

中心にあるコアらしき赤い宝石からは、肌と同様に走る紅い線が黒い金属に際立って見える。

 

あれも『英知の結晶』に違いなかった。

 

 

にしても……新しい配下を連れてきたの?

九人というのは嘘だった、て訳?

 

 

「最初に言っておくけど……」

 

 

アリスの肩に手をかけながら赤は言った。

 

 

「!……何よ?」

 

 

私は聞くと、赤は笑いもせずに、

 

 

 

 

「……此の娘は配下じゃなく、『本物』のアリスよ?」

 

 

「!!!」

 

「大変だったのよ……此の娘の友人があまりにもしつこいから……」

 

 

友人……!?アリスの友人って……!!

 

 

「アンタ……魔理沙から引き剥がして誘拐してきたの!?」

 

「やはりあの娘は昔の方が髪の色だけでなく、棘も無くて好きね」

 

 

其の時、私は嫌な予感がした。

 

 

「まさか…魔理沙にも何かした訳ではないわよね!?」

 

 

そう私に訊かれた赤は、

 

 

「今頃は、自宅前でズタボロになって気絶してるわよ」

 

 

素っ気なく答えた。

少なくとも私に気遣ったつもりではない言い方だった。

 

 

「流石に、死なない程度にね」

 

 

そう付け足された。

 

親友を傷付けられた私は、怒りのあまり罵倒しようとした瞬間、

 

 

「当然の報いよ。予想以上に速く此処まで損を被らせてくれた……だから此方も、其相応の

手段を用意しただけ」

 

 

其を見透かすように言うと、いつの間にか用意していたのか、手元にあった

スイッチを押した。

 

すると、其を合図にアリスに取り付けられていた胸当てが赤い光を放ち始めた。

 

そして其処から伸びた、今度は全て赤く塗装された機械がアリスの両手と両足を

覆い、装着されていった。

 

 

(!!中にも『英知の結晶』が収納されているの……!?)

 

 

私は御祓い棒を手に持ちながら内心そう思った。

 

そして完全に機械に覆われたアリスの両腕が、さっき外で昔の魔理沙に化けていた

赤が腕に付けていたものと同じ様なった事にも気付いた。

 

目も最初は瞳だけ赤かったものが、白目までもが赤く充血していった。

 

 

すると、赤が私達に右の掌を向けて言った。

 

 

「五分よ。五分だけにしてあげるわ」

 

「!五分?御仕置きにしては短いわね…アリスも返してくれるわよね!?」

 

「ええ、勿論」

 

 

淡々と言う。

 

 

「但し、五分以内に倒せなかった場合は……貴方達は……」

 

 

赤は出した掌を返し、手の甲を向けて握り拳にし、

 

 

「こうなるわよ?」

 

 

無表情のまま、握った指を勢い良く広げた。

 

顔から血の気が引いたのが自分でも判った。

恐ろしい事を知ったわ……つまり……!

 

 

「制限時間……まさか、時限爆弾!!?」

 

 

レミリアが代弁してくれた。

 

 

「彼女を選ぶか、異変を選ぶか……まぁ、時間を重視してるのならば……」

 

 

赤は言いながら、再び後ろにスキマを開いた。

 

 

「!待て!!卑怯者……!!」

 

 

背を向けて入ろうとする彼女に向かって、レミリアが突進していった。

 

が、すぐに間に機械を纏ったアリスが立ち塞がった。真っ赤な目は何も見ていない。

レミリアは慌てて突進を止めた。

 

 

「!」

 

 

今の行動で判った事があった。

 

赤はアリスに大量の『赤色』を流し込んで意識を奪い、洗脳しているのね……

そして同時に多分『赤色』を燃料にする、生きた爆弾に……!

 

歯ぎしりが出る。

 

 

「遂に本性を現したわね……凶悪な本性を……!!」

 

 

 

「……凶悪?」

 

 

すると私の言葉に反応した赤は、首だけを曲げてアリスの後ろから此方を見返した。

 

 

「そもそも私は数学的に物を考えるのが好きだもの……数が四捨五入出来ると同じ様に、

他人もそうとしか見ていないのよ……其に……」

 

 

そう言うと、視線を下に向け……

 

 

 

 

 

「人は、私だけ、何も悪くないのだから……」

 

 

 

 

 

意味不明だった。他人を時限爆弾にしたくせに……他人を切り捨てる物としか見ていないのに……

自分は何も悪くない!?頭がどうかしている………

 

 

 

 

!?待って……今アイツ、自分を何と……!?

 

 

でも気が付けば赤は、アリスの後ろでスキマの中に消えていった。

 

 

「!待ちなさい……!!」

 

 

そう言った時には、既にスキマも閉じられていった。

 

 

「霊夢!!」

 

 

レミリアが私の隣に戻ってきた。アリスと距離をとるためだと判る。

今は先ず、アリスを急いでどうにかしないといけなかった。

 

アリスは無言のまま両手を広げると、背中から人形ではなく、紅い円盤みたいな

小型の機械ユニットを数個放出した。

 

 

「今度は殺さない程度に……良いわね!?」

 

 

レミリアならやりかねないと思い、忠告する。

 

 

「配下じゃないから判っているわよ!」

 

「よし……じゃあ行くわよ!!」

 

 

課された補習は始まった。

でも、赤の思惑は、依然として判らなかった。

 




如何でしたか?

次回は赤の手によって人形となったアリスと戦闘していきます。
そして、新たな配下も出現しそうです。

それでは、次回もゆっくりしていってね♪
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