東方蒼魔塞   作:因田司

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青い霊夢と青いレミリアで何か書いてみたい……
そんな軽い乗りで思わず書いてしまった作品です。

まずはプロローグです。

原作とは大きく異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪


プロローグ~蒼ざめる幻想郷
青より蒼い夢◎


REIMU

~博麗神社

 

 

 

 

 

 

私、博麗霊夢は目を開けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、多分寝てたんだと思う。

 

上半身を起こして目をこする。

床が固い。神社の縁側ね……此処は。

 

変に頭も痛かった。

 

あたりはすっかり暗くなっていて、顔をあげると神社の真上に青白い満月が出ていた。

 

 

「?」

 

 

すると目の端で、私は隣に誰かが寝ていることに気付いた。

ソイツの方に顔を向けた。

 

私の知ってる顔だった。気持ちよく寝ている。

 

 

 

 

でもその姿を見たとたん、私はギョッとした。

急いでソイツを揺さぶって起こしにかかった。

 

 

「ちょっと、アンタ……!起きなさいよ……!」

 

 

肩を持って執拗に揺さぶる。何度も何度も……

 

 

「~~んん……何よ、霊夢ぅ……??」

 

 

寝ぼけながら紅魔館の主、レミリア・スカーレットは目を開けた。

 

 

 

そうか……私は、いつものように神社に遊びに来た彼女と

一緒に桜を見ながらお酒を飲んでいたんだっけ……

 

そして酔っぱらって、知らない間に寝てしまってたのね。

此の頭痛も、其が原因か……

 

 

レミリアが眠そうにしながら上半身を起こした。

でも私は、其の姿から目が離せなかった。

 

 

 

 

………変わりすぎていたからよ。

 

 

 

 

?姿かたちが変わってる?

違うわ。化け物にはなってない。

 

能力は化け物じみているけど、見た目は、ちゃんと幼い少女の姿のままよ。

じゃなかったら、肩を揺すって起こせる訳ないじゃない。

 

……ひとつ、言葉が足りなかったようね……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………『色』が変わりすぎていたからよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リボン、大きな瞳……本来、血の様な赤色であるべきポイントが

全てが青色になっていた。

おまけに羽の内側や服の薄いピンクの部分は水色になっていた。

 

 

「!!な、何よこれ……!?」

 

 

レミリアが自分の身体の異変に気がついたみたい。

自分を見下ろした青い瞳が、驚きのあまり縮んでいくのが見えた。

 

 

「アンタ、何が起こったの……!?」

 

「判らないわ……気がついたらこうなってたのよ……!」

 

 

すると、私の方を見たレミリアが両手を口にあてた。

 

常時カリスマがあふれている彼女にしては、あまりにも似合わない動作だった。

 

 

「?どうしたのよ?」

 

 

私は聞いたけど……何となく、嫌な予感がした。

 

 

「そういう霊夢も、青くなってるわよ……!?」

 

「!?何ですって……!?」

 

 

私は慌てて自分の姿を見下ろした。

 

レミリアの言うとおり、私の服の赤い部分が全て青色になっていた。

頭から外したリボンも見事に青色になっていた。

 

 

「私まで……どうしてこんな……!?」

 

 

訳が判らなかった。

きっと、酔っぱらって寝ていた時に何かが起きたに違いない。

でも、その何かが判らなかった。

 

本当に……いったい何が……?

 

 

するとレミリアが、こんな事を言い始めた。

 

 

「!判った、霊夢……寝ている間に私を着換えさせたんでしょう!?

で、自分も着替えて御揃い……なんて言わせないわよ!!」

 

「!?バッ……///そんな事するわけないでしょ!?

私だって酔っぱらって寝たんだもの!!そんな余裕なんて無いに決まってるじゃない!!」

 

「どうするのよ、此じゃあ……スカーレットじゃなくなってしまうわ……!

霊夢!!私の元の服は何処だ!?返して頂戴!!」

 

「!だからそんな事聞かれても、私は知らないって……!

危ないから其の青い槍、しまってよ!!」

 

「!?あぁあ……!『スピア・ザ・グングニル』まで……!!」

 

 

其から責めたり、反論したり、弾幕で威嚇しようとしたり……

私達が口論を続けていると、

 

 

 

 

 

 

「お困りの様ね……二人とも?」

 

 

 

 

 

 

声が聞こえた。

 

 

私はそれを聞いて顔をゆがめた。

 

……異変の原因が判った気がする。

 

 

 

ジビビ……バヂチチチ……!!!!

 

 

 

そして雑音とともに、私達の目の前で空間が裂けた。

 

思わず溜息がこぼれる。

レミリアも察したらしい。顔に嫌悪の表情があった。

 

 

「まったく……やっぱりアンタが原因なんでs」

 

 

そう言いかけた私の口が止まった。

 

 

 

目の前に開けられたスキマから現れたのは例の如く、

大妖怪である八雲紫だった。

 

でも、いつも見ている紫とは違和感があった。

 

 

 

 

 

見慣れた道士服の服の紫の部分が、全て赤色に変わっていたからだ。

あと、何故か赤色の眼鏡をかけていた。

 

 

「ゆ、紫……!アンタも……色がおかしくなってるわよ!?」

 

 

私は、紫の服を指差して震えた声を上げていた。

紫は黙っている。

 

そして口を開いた。

 

 

 

「……私を紫と間違えるとは……」

 

 

 

……え?

 

 

 

「どうやら……相当な程に、紫が世話になってる様ね」

 

 

 

……お酒の飲み過ぎたかもしれない。

紫の口からそんな幻聴が聞こえたんだから。

 

だが隣を見るとレミリアも唖然としている。

此の幻聴は、彼女にも聞こえていた様だ。

 

 

「!アンタ……紫じゃないの?」

 

「じゃあ誰だ?……名前を言え!!」

 

 

私とレミリアはそんな幻聴を真に受けて立ち上がり、

身構えようとしたが、フラフラだった。

……ちょっと、本当に飲み過ぎたかもしれないわね……

 

目の前にいる赤い紫は、静かに答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の名前は八雲 赤(やくも ふち)。紫の双子の姉よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくの沈黙。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁあああぁぁああぁああぁあぁぁぁああぁあぁああ!!!!????????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私とレミリアは驚いた。

 

いや!え……??

紫に……紫に、姉がいたなんて……!しかも……双子の……!?

 

 

確かに、顔や容姿は妹の紫と瓜二つだった。

 

だが、マイペースでいつも私達から迷惑がられている紫に対して、

こっちは完全に落ち着いていて、紫よりも知的なイメージがあった。

 

 

「お前……どうして眼鏡をかけてるの?」

 

「私はぐうたらな妹と比べて勤勉でね……どうしても視力が落ちてしまうものなのよ」

 

 

そして、朗々と話し始めた。

 

 

 

「貴方は一度は聞いたことがあるはず……妹達の名前の由来を。

紫、そして其の式である橙、藍も、虹の色から来たと言われるという事を」

 

 

……あった。

紫についての話は、前に香霖堂でその店主、森近霖之助と何度かした記憶はあった。

 

恐らく、ほんの一説に過ぎないであろう紫の名前の由来……

そして彼女の、紫の私に対する役割……

 

 

「橙は夕焼け、藍は夜空の色……紫は…その中間にあたるわ。

でも、もっと大事なことを忘れているわ……最も大事な事を」

 

「?大事な……?」

 

 

そして、赤紫は赤色の眼鏡を指でくいっと上げて言った。

 

 

「其は赤。紫とは対をなし、夜明けを表す色……終焉を意味する紫に対して

始まりを意味し、活発、行動力を象徴する色ね」

 

 

ピンときた。

 

 

「!まさか……お前が、私達から赤色を……!?」

 

 

だが、レミリアが私の先を越して紫の姉に叫んでいた。

 

 

「……そうなるわね」

 

 

否定の色は微塵も見せなかった。

 

 

 

するとレミリアが、怒りをあらわにして構えた。

 

いきなり両手を前に出し、偽紫に向ける。

 

 

「運命『ミゼラブルフェイト』!!!」

 

 

両手から出る無数の青い鎖の様なオーラが、相手に殺到した。

 

しかし、其が到達する前に、其等は消えてしまった。

 

 

「!え……!?」

 

 

レミリアが驚いている。自分の技が消えた理由を理解できてない様だった。

赤紫は顔に微笑を浮かべていた。

 

舌打ちをしながら、今度は姿勢を低くした。

 

!此の構えは……!

 

 

「『デーモンロードクレイドル』!!」

 

 

次の瞬間、回転する青いオーラを纏いながら

レミリアが偽紫に高速で突進を仕掛けていた。

 

しかし赤い紫の顔を突こうとした瞬間、青いオーラが消え、

勢いを失って、横様に地面に転がった。

 

辛うじて見えたレミリアの横顔は茫然としていた。

其の上から偽紫が、何もせず彼女を見下ろしている。

 

そして、彼女は素早く立ち上がり、

バックステップをして私のところに戻って来た。

 

 

レミリアの攻撃はすべて、赤紫に届く前に消えていた。

どうなっているの……!?吸収されてるの……!?

 

 

「……私は赤色を帯びた攻撃でないと、ダメージを与えられないわよ……?」

 

 

赤い紫が不敵に笑った。其処は本物の紫にそっくりだった。

むかつく……!

 

でも、赤色でないと攻撃が効かないの……!?

そんなの……今まで聞いたことがなかった。

 

……何か小細工を仕掛けていそうね……

特定の攻撃を無効・吸収する特殊な結界か、あるいはその類の別の手段か……

 

 

「貴方達も其の赤を纏う者達……しかし残念ながら、

貴方達には其の役割はふさわしくない様なのよ……まず、博麗霊夢」

 

 

いきなり呼び捨てで呼ばれた。不快で仕方がなかった。

 

 

「貴方は巫女ながら活動的なのは良いけれど……物事に対する区別が付かなくなってるわ」

 

「あー?」

 

「意味もなく妖怪を退治する……其にはある意味活発を超えて狂的な嗜虐性が垣間見える。

巫女には本来不必要な感情が芽生えてる。

其は即ち、幻想を乱す原因にも成りかねないのよ……

妹の手を此以上焼かせたくもないしね」

 

 

コイツ……紫の姉だけに、私と紫の関係も知ってるのね……

レミリアと同じ様に、小さく舌打ちをした。

 

 

「貴方もよ。紅魔の吸血鬼」

 

 

赤紫は、今度はレミリアに顔を向けた。

 

 

「吸血鬼なら、首から血を吸うだけなら良いものの……

部下に命じ、意味もなく、ただ己の悦楽の為に人を殺し過ぎている。

人間と妖怪のバランスが何よりの幻想郷で、今に脅威になるわ」

 

「お前に説教される筋合いはない」

 

「だから、一旦落ち着いてもらう必要があるのよ……

貴方達だけじゃなく、殺伐とした此の幻想郷全てがね。

……其の為にはいったん一つにまとめることが必要なの……

だから赤色はすべて私が貰うわ。赤は青となり、幻想郷に静寂が訪れる」

 

「!ふざけるんじゃないわよ!!下らない事して……!

其じゃあアンタ、身勝手な紫と変わりがないじゃない!……!てか、アンタも妖怪なら、

何処かで必ず人を襲わないといけないんじゃなかったっけ!?

レミリアの事は言えないわ!!」

 

「人を襲うなんて、利己的な妖怪がする事よ」

 

「!変理屈ばかり言わないで……色を元に戻しなさい!!」

 

 

すると赤紫はクックッと笑いながら言った。

 

 

「其は……私の配下を全員倒してからにしなさい?」

 

「!え……!?」

 

「紅魔の吸血鬼……お前の館と反対方向に、私の館がある。

あの蒼い月の出ている方向よ。

其処の屋上までの道中に、私の配下を九人配置した。

全員を倒し、私のところまで来ることが出来たら、其の意見…考えてみるとするわ」

 

 

式ではなくて、配下……?しかも、館まで……!?

 

 

「流石、姉上様はスケールがでかい様ね……?

まあ、雑魚じゃなかったらいいけど」

 

 

私は辛うじて皮肉を言ったが、完全に無視された。

 

 

「妹を倒した貴方達の実力……見せて貰うわよ……?」

 

 

ジビビッ……ビビビ……!!!

 

 

雑音が聞こえたかと思うと、突然彼女の後ろにスキマが開いた。

 

マズい……逃げられる……!!

 

 

「『ホーミングアミュレット』……」

 

 

弾幕を放とうとした手を止めた。

手中のお札に書かれていた文字も青色に変わっていたからだ。

 

 

「だから効かないんだって……でも、手を止めたのは賢いわね…」

 

 

気付けば赤紫はスキマに入って、中から私達を見ていた。

 

 

「バイバイ…待ってるわよ?……赤本でも読みながらね♪」

 

「!待ちなさい!!」

 

 

ジバチヂィ……!!!!

 

 

しかし、赤い電気を放ちながらスキマは閉じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青い桜の花びらが散る中、私達二人は立っていた。

レミリアは服に付いた土を払い、青白い満月を見上げている。

 

私は口を開いた。

 

 

「…嫌な夜ね……まったく……楽しく花見をしていたのに……」

 

「こんな異変、野放しにするわけにはいかないわ!私の手で解決してやる…!」

 

「!アンタ、珍しくやる気ね、レミリア?」

 

「プライドを奪われたの同じだからね。霊夢、貴方も当然行くでしょ?」

 

「当たり前じゃない……ったく、厄介な姉がいたものね……紫にも」

 

 

ふと、私の頭にレミリアに聞いておきたいことが浮かんだ。

 

 

「でも……咲夜達にはどうするの?帰りが遅くなるって伝えた方がいいんじゃない?」

 

「こんな異変ごときで、知らせる間も要らない……

夜明けまでには、全てを終わらせる予定よ」

 

「……アンタと組むのは初めてだけど、

其処までやる気になってくれると此方も異変解決がはかどるわ」

 

「互いに利害が一致してるからよ」

 

「どっちでも良いわ……行きましょう!夜は短い!!」

 

 

 

 

 

そして私達は、夜空に浮かぶ蒼白な月……赤紫の館の方向に向かって

颯爽と神社から飛び立った。

 




如何でしたか?

イラストです。
此の小説の主人公である青霊夢と青レミリアです。


【挿絵表示】


次回から、いきなり配下との戦闘が始まります。

それでは、次回もゆっくりしていってね♪
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