因みに、此の章での話は全て、異変が起きる前の話になります。
現在ほとんどが殺されていますので……
最初はルーミア似の配下、ゴーラ視点です。
原作とは大きく異なる点もあるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。
それでは、ゆっくりしていってね♪
RC-01 GOLA
~蒼魔塞 赤の部屋前
「~~ふ、赤様ぁ~~……」
赤様の部屋の前で私、ゴーラがいた。
普段赤様は此の扉の向こうで難しい作業を日夜行っている。だから出来るだけ邪魔に
聞こえない様に扉を丁寧にかつ静かな音で二回、確実にノックの音を響かせる。そして
赤様の御名を呼び、其の場で待つ。此が鉄則だ。
でも今の私はお腹を空かせてしまっていた。今の声はあまりにも情けない。崇高な
御名が霞んで聞こえてしまった。
もし今の声で御立腹になられたらどうしよう……と思ってると、扉が開く。
「あら、ゴーラじゃない。どうしたのかしら?」
「ふ、赤様……」
また擦れた声を出してしまった私思わず口を閉じた。
今日の赤様は導士服ではない赤色のドレスを着てらっしゃった。
赤様の後ろに見えた、清潔に保ってらっしゃる真紅の机の上に何枚もの紙が束の様に重なっていた。
間違いない…ナンバープレートだ。
「……ナンバープレー『ス』よ。また間違えて覚えてるの?顔に出てるわよ、ゴーラ?」
!また違った…私は顔が赤くなるのが判る。
ナンバープレース、通称ナンプレ。三×三、計九個の正方形状の升を九個、更に大きな
正方形状に並べたパズルだ。九×九となった其の升の中に縦横で重複しない様に数字を記入
し、埋めていくものだ。
以前私にも挑戦させて下さったが、流石に全て解けなかった。赤様は落胆されたに違いない…
そう思った私は死のうとしたのを、赤様が慌てて止めて下さったのが嬉しかった。
「あ、あの…作業をしてらっしゃる処……非常に…申し訳無いのですが……」
「もしかして御腹空いたの?」
赤様の声に赤様は私が思っている事を見事に見抜かれた。
「其も顔に出てるから……判り易いわね、貴方は……」
そう仰ると赤様は自分の机に戻り、椅子に座られると、
「全く、困ったものね…知流は…」
メイド長、知流こそ私がお腹を空かせた最大の原因だった。あの慌てっぷりに何処か
癒される処があるけど其を甘く見てはいけない。決して侮ってはいけない。
今日も罠を解除し忘れていたせいで、いざ駆け付けてみると数十匹のメイド妖精が四方から
突き出た槍に貫かれて絶命していた。
死体の処理にどのくらい時間をかけられたか…あのドジっぷりには何とか出来ないのかしら?
だから立場が下の筈の門番の雪にも舐められ、挙句には殴られるんだ…
「此、食べるかしら?」
御皿の上に載っていたのは、二枚のパン。でも、只のパンではない。茶色い耳が二枚
重ねられている食パンが三組、計六枚が御綺麗な皿の上に置かれている。
そして私は目を奪われた。其の、其の間に挟まっていたのは……赤く光沢のある、フレッシュな野菜……!!!
「あ…~~赤パプリカサンドォオ………!!!」
「貴方、肉が嫌いで野菜が大好きだったわね?野菜を好むのは良い心がけよ」
「知流の手伝い、御疲れ様」
死体を片付けるのを手伝って良かった……!!報われたのかぁあ……!!!
ああ、美味いのか……
「赤様、」
し、しまった。つい言葉が口に出てしまった。
「!ありがとう?」
「でも、ウォルモ達にも差し入れをしてあげなさい。」
「は、はい!承知致しました!!」
赤様の為にもっと
如何でしたか?
次回もゆっくりしていってね♪