東方蒼魔塞   作:因田司

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今回は、赤の二人目の配下との戦闘になります。

原作とは大きく異なる点もあるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪


ファイリーエルフ

REMILIA

~海月の湖 上空

 

……霊夢…進みが遅いわね……

さっきの事…まだ悩んでいるのかしら……?

 

私達は、ある一つの大きな湖に差し掛かっていた。

 

此の湖は空に浮かぶ蒼い月が湖面に反射して、まるで巨大な生物が

浮かんでいるように見えた。

 

 

博麗神社からはかなりの距離を飛んだ……

もうそろそろ奴の館が見えてもおかしくはないはず……そう思ってた。

 

 

と……

 

 

 

 

 

ボァアァアァアーーーーーー!!!!!!!

 

 

 

 

 

突然何処からか、大量の赤い炎の弾幕が飛んできた。

 

すんでのところで私達は其を回避する。

 

 

「どうだ!!驚いて弾幕も出ないだろう!?」

 

 

声が聞こえた。

 

見上げた先、月をバックにして立っていた其の姿は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チルノ!?大妖精!?」

 

 

霊夢が叫んだ。

 

今度は、霧の湖にいる妖精達ね……?

 

 

でも、其の姿はさっきの妖怪の様に違和感があった。

 

普通青色をのチルノは全体的に紅く、

背中には炎の羽がメラメラと燃え盛っていた。

 

大妖精も紅色だったが、羽がボロボロになっている。

そして表情は柔和なところがあるものの、少し狡猾的な印象もあった。

 

そして、偽ルーミアにもあった赤い幾何学紋様が

チルノは左目に、大妖精は右目のまわりにあった。

 

偽ルーミアが円に対して、二人は紅い六角形を組み合わせた様な模様だ。

 

 

「チルノ?大妖精!?馬鹿か!?アタイ達はそんな名前じゃないわ!!」

 

 

偽チルノが顔を真っ赤にして言った。

そして自分を指し、

 

 

「アタイはウォルモ!焔の妖精ウォルモだ!!」

 

 

そして大妖精似の妖精を指差し、

 

 

「そしてこっちはフェーちゃんだ!!妖精の中でもさいきょーなんだぞ!?」

 

「!?さ、最強だなんて、ウォルモちゃん……私ちゃんとフェアリー・ロードって名前があるんだから」

 

「!」

 

 

少し驚いてみた。

名前があるの?……にしては、変な名前ね……

 

 

「二匹ともまっかっかで……赤様の忠実な配下のおでましか……」

 

 

私はぼそっとつぶやく。

 

すると案の定、二匹が即座に反応した。

 

 

「!フェーちゃん!コイツ等か!?赤様って言ったぞ!?」

 

「貴方達……マジェスティを御存知なのね?」

 

「!マジェスティ……!?」

 

 

私は思わず噴き出した。

 

どんな狂信的な臣下よ……?咲夜もそう私を呼んだ事はないわ。

其を、咲夜より弱い妖精が使うなんて……

 

 

 

 

 

「……愚の骨頂だわ」

 

 

 

 

 

私は無表情になって言った。

 

下らん……始末してやる。

 

 

「ようし、アタイ達のフェーちゃんいわく、

『まじぇすてぃ』のために頑張っちゃうもんね!!」

 

 

すると大妖精もどきが、

 

 

「ウォルモちゃん……まずは、私から行かせて?」

 

「!フェーちゃん?」

 

「マジェスティの敵は私の敵よ?ウォルモちゃんは力を蓄えておくべきだわ」

 

「……よーし!!ならばアタイは、後ろから『えんどしゃげき』だ!!」

 

「!其処は『えんごしゃげき(援護射撃)』だよ、ウォルモちゃん……

でも、私、頑張るから、ウォルモちゃんは見てるだけで大丈夫だよ?」

 

「ようし、なら!アタイは『おーえん』を頑張るぞ!!

フェーちゃん、頑張れぇ!!」

 

 

そして前に進み出る偽大妖精。

 

後ろに下がる偽チルノ。

 

……バカさ加減は本物と変わってない様ね……

 

 

「オーエンは、フランだけで十分なのよ!!」

 

 

私達は構える。

 

 

「フェーちゃん!!いきなりあの力を、見せつけてやれぇ!!」

 

 

すると其の偽チルノの声に応えるかのように、偽大妖精は眉をしかめて

少し怒った表情になった。

 

!うぅ……///!?こ、此は……此で……!

 

 

「赤様の為にも……お願いします!」

 

 

礼儀正しくペコリとお辞儀をした。

 

其の馬鹿正直な態度に思わず構えを緩めてしまう。

 

 

しかし上げた顔には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輝く赤い六角形模様、剥かれた白い両目、そして残虐に歪んだ笑みがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

REMILIA

VSフェアリー・ロード

~海月の湖 上空

 

掌を返した偽大妖精は、ニヤけたまま私達に突っ込んできた。

 

敵は最初に霊夢の方に狙いを定めた様だった。

彼女に向かって真っすぐ手を伸ばす。

 

 

「っ…『刹那亜空穴』!!」

 

 

霊夢が両手を交差させ、構えた。

 

でも、お互いが接触しようとした瞬間、

 

 

 

 

消えたのは霊夢ではなく、大妖精もどきの方だった。

 

 

「!?」

 

 

霊夢が、呆気にとられている。

 

 

「!霊夢、妖精はテレポートが使えるのよ!!」

 

 

でも私がそう言った時には偽大妖精は、霊夢の真後ろにいた。

 

霊夢は気付いて慌てて振り向いたときには、偽大妖精が叫んだ後だった。

 

 

「暁符『フェアリー・ルーラー』!!!」

 

 

大妖精もどきの紅く輝き始め、其処から大量の赤い彼女そっくりの影が

飛び出してきた。

 

そして霊夢と私達を羽交い絞めにし、メチャメチャに殴ったり、くさび型弾幕を

打ち込み始めた。

 

 

「!!!~~~~~」

 

 

~~ぐ……痛い…わね……!?

てか……名前だけでなく……スペカまで……!

 

有能ね……お前の…配下は……!

 

 

無茶苦茶にされながら内心、内心赤に毒づいた。

 

 

「フン、どうやら……アタイが出る幕もないわね!?」

 

 

自分がやったわけでもないのに

羽を更にメラメラ燃やしながらふんぞり返る偽チルノ。

 

アイツ……コイツの豹変に……気付いてないの……!?

 

 

 

 

 

 

「ウォルモちゃんには力を使ってほしくないわ……」

 

 

自分の赤い影達に暴行を止めさせ、羽交い絞めにしたまま偽大妖精は

私達の耳元で囁いてきた。

 

 

「ウォルモちゃんは今、マジェスティから『赤色』を大量に頂いて

上機嫌なのよ……?」

 

「!?あ…『赤色』……!?」

 

 

霊夢が苦痛混じりに呻いた。

 

そう言えば森を大半吹き飛ばした、あの偽ルーミアも言っていたわね……

『赤色』を、攻撃に利用してるの……!?

 

 

「そう、だからゴーラを失った悲しみが紛れてるの……邪魔をしないでくれる?」

 

 

其の『赤色』の影響か、少し赤色に染まった荒い息が霊夢の顔にかかるのが見えた。

 

 

「ウォルモちゃんが悲しいのは貴方達のせい……

なら、私が……ウォルモちゃんの代わりにいたぶる。そして……」

 

 

 

 

 

 

 

「ウォルモちゃんが、貴方達に止めを刺すのよ!!」

 

 

其の声がきっかけに、赤い偽大妖精の分身が一斉に手を振り上げた。

また、私達にダメージを与えるつもりなのだろう…

 

 

「!!~~~そんなに……アイツが好きなら……!

お前があの世で待っていれば良いわ!!」

 

 

私は身体が青色に輝かせた。

 

 

「!?」

 

 

敵全員、そして霊夢が驚いた。

 

 

「霊夢、衝撃に備えて頂戴!!」

 

 

霊夢は、何が起こるかが判った様で、羽交い絞めされながらも顔を下にして

出来るだけ身体を丸めた。

 

 

 

 

「紅符『不夜城レッド』!!!」

 

 

 

 

私の身体から……屈辱的だけど、十字架を模した蒼いオーラが大きく広がった。

 

 

「!?フェーちゃん!!!」

 

 

偽チルノが叫んだ。

 

霊夢は備えがあったからか、それ程喰らってはないようだった。

でも其以外の至近距離にいた赤色の大妖精達は青いオーラに飲まれ、消滅していった。

本物もオーラからの連撃をまともに喰らって上空に飛んで行く。

 

勿論、其を見逃す筈はなかった。

両手を前に出し、飛んでいく偽者に狙いを定めた。

 

 

「『チェーンギャング』!!」

 

 

両手から蒼い鎖のオーラが一本、大妖精もどきに伸びていき、

 

 

 

ドズゥゥゥ!!!!!!

 

 

 

其のお腹を貫いた。

 

 

「~~~~~~!!!!?」

 

 

 

妖精は此の程度じゃ死なないのは判ってた。

次は……こうよ!!

 

 

消えゆく鎖のオーラに沿って移動し、私はもがく偽物の前に出現する。

 

 

「!!?」

 

 

いきなり目の前に出てきた私に驚いた様ね……?

白目をますますひん剥いちゃって……逃がさないわ!

 

翼を使って偽大妖精の両肩を掴んだ。

 

さっき霊夢にした様に、私も彼女の耳元で囁いた。

 

 

「ちゃんと……友達も連れていってやるから、安心なさい?」

 

 

そして……

 

 

「『バンパイアキス』」

 

 

青い血がしたたる口に私の口をつけた。

 

 

「!!?ンンン!??ンンンンンンンンンンンン~~~~」

 

 

……私は吸血鬼だが、少食だ。

食事の際に、血を吸いきれずにいつもこぼしてしまう。

 

だが今回は、出来るだけ大妖精もどきの生気を吸い取ろうとした。

 

 

「熱符『瞬間昇華ビーム』!!!」

 

 

其の瞬間、三本の赤いレーザーが飛んできて私をかすめた。

 

大妖精もどきを吸い続けながら、目だけを動かして其の出所を探す。

 

 

上空から赤チルノがさっきと同じレーザーを断続的に撃ちながら、叫びながら突進してきた。

 

 

「其以上はやらせないぞぉ!!!」

 

 

今の私は動けなかった。流石にアレを乱発されたらマズいわね……

折角…私が捕まえてるのに……

 

すると何処からか声が聞こえたわ。

 

 

 

 

「『空中昇・天・脚』!!!」

 

 

 

 

此方に真っすぐ飛んでくる偽チルノのお腹を、霊夢が横からタイミング良く蹴りあげた。

 

偽者といえど、大きさは只の妖精と同じ。

蹴りの衝撃に耐えられず、乱入できないまま真上に吹っ飛ばされていた。

 

 

「ムグヴゥッ……!!?」

 

 

其の直後、霊夢がすぐに此方に叫んできた。

 

 

「此方は私が相手してるから!!ヤるんだったら完全にヤりなさい!?

其じゃあ後味が悪いわ……!!」

 

 

……貴方、やっぱり判ってるじゃない……

 

ニヤリと笑いたいところだが、そう出来なかったのが残念ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「~~~~~~~~~~~~~~~!?!??………………」

 

 

不意に口に中が空しくなるのを感じ、私は口を離した。

 

偽大妖精は服が赤から元の色だろう、紫色に変色していた。

瞳は目に戻っていたが、顔も痩せこけて皮膚もやや黒ずんでいる。

 

まるで食べ物を数日間とってないみたいな様だったわね。

 

 

「……妖精って、容量が小さいのね?私でもいけたわ」

 

 

そして両肩を掴んでいた私の翼が、其のチルノもどきの友達の身体を紙の様に

容易く引き裂いた。

 

 

再生する様子はなかった。

生気と『赤色』を吸われたから、再生がままならなかったのかもしれない……

 

 

バシュォオォオ…………!!!!!

 

 

其のまま大妖精もどきだった断片は、蒼い塵芥となって消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然周りの空気が、一気にむしむしとし始めた。

 

 

「!?」

 

 

な、何と言う湿気……清々しい夜が台無しよ……

 

でも……

 

 

「レミリア!!」

 

 

原因はすぐに判った。

 

 

 

 

「~~ゴーラだけでなく、フェーちゃんまでもぉ……!!!」

 

 

赤チルノが私の前に立つ霊夢の前で、怒気を纏って浮いていた。

炎の羽根が、此以上ないというくらいに激しい勢いで燃えている。

 

アイツの羽根が湖の水を蒸発させて、此の湿気を起こしてる様ね……?

 

 

(ろくに手伝わなかった、天罰よ)

 

 

そう言いたかったけど、此以上刺激して湿気を上げられるのは得策じゃないわと

考え、心の中でだけ其の言葉を投げかけた。

 

 

「もう怒ったぞぉ!!!アタイも『まじぇすてぃ』から貰ったすんごい力、使ってやるぅう!!!」

 

 

偽チルノが喚いた。

 

すると、右目の周りの六角形模様が赤く輝きだした。

そして両目が偽大妖精と同じく、グルンと白目になった。

 

 

 

シュゥウウゥウ………シィィゥゥウウゥウゥゥウ…………!!!!!

 

 

 

でも次に偽チルノの身体から噴き出たのは、紅い光ではなく紅い蒸気だった。

辺り一面に充満していく。

 

また湿気が…でも、此は……!

 

 

「!霊夢!吸い込まないで!此は私の時の霧と違うわ!!」

 

「其を私に言う!?」

 

 

私達が口を塞いでいると、やがて蒸気が消えていった。

 

そして視界がある程度開けると、私達は自分達の目を見張ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チルノが四匹に増えていたからよ。

 

……何……フランの技でもパクったつもり……?

 

 

だが蒸気が更に消えて徐々に視界が晴れると、そうではない事に気付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?いや……違うわ……、!?後ろにもう一組……!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……八匹も……いる!?

 

 

 

ウォルモと名乗った八匹が、普通のチルノでもまず見る事ができない怒りで

白熱した顔で同時に叫んだ。

 

 

 

「暁符『ミラージュ・マルチプリケーション』!!!

アタイ達がお前達を!ゴーラとフェーちゃんのところに連れていってやるぅ!!!」

 

 

 




如何でしたか?

次回はゴーラやフェーちゃんの仇討ちに、
マジギレのウォルモが猛撃を仕掛けます。

それでは、次回もゆっくりしていってね♪
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