東方蒼魔塞   作:因田司

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連日投稿となります。

今回は赤の三人目の配下、ウォルモと戦います。

原作とは大きく異なる点もあるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪


恋以上に焦がれたおてんば娘

REIMU

VS<湖上の焔精>ウォルモ×8

~海月の湖 上空

 

 

「どうして八人も……!?」

 

「相手が多いわ!!気をつけるのよ!!」

 

 

湖の上空。ほんのり紅い蒸気から出てきた偽チルノ。

其の誰もが皆、怒りに燃え、歪ませた白い両目を此方に向けていた。

 

そして私は気付いた。

 

 

「もしかして……蒸気から分身体を作ってるの!?」

 

 

でもレミリアが其に応える前に相手が動き出した。

 

 

「『リトルヴォルケーノ』!!!」

 

「焔王『ラーヴァキング』!!!」

 

 

四人が攻撃を仕掛けてきた。

 

最初の二人が両手を上に掲げると、赤く光る巨岩を瞬く間に生成した。

そして其を私達に、思いっきり放り投げてきた。

 

残る二人は浮遊する溶岩を生成し、其処から赤い弾幕を放ってきた。

 

 

かわす。軌道は単調だった。

 

でも、

 

 

「『マグマチャージ』!!!」

 

 

更に四人がいっせいに白く発光し始め、まるで小さな流星群の様に炎の尾

を引きながら順番に突進してきた。

 

何故か魔理沙を思い出したわね……此の流星群は、アイツのよりも荒々しいけど。

 

 

「燃えちゃえぇええぇぇーーーーーー!!!!!!」

 

 

冗談じゃないわ……あんなのに当たったら燃えるどころか

溶けちゃうじゃない……

 

 

「『パスウェイジョンニードル』!!!」

 

「『サーヴァントフライヤー』!!!」

 

 

私達は飛び道具を出して応戦した。

 

 

ドゴォオォオーーーン!!!!!!

 

 

ぶつかって爆発した。

 

だがその煙の中から四人が飛び出して、赤チルノ集団の中に戻る。

 

 

「……分身とは思えないほどに堅いわね」

 

 

横でレミリアが小さく呻く。

 

 

「蒸符『パーフェクトスチーム』!!!」

 

 

今度は八人が全員大量の弾幕を放った。

 

此は……凍符『パーフェクトフリーズ』がモチーフね……

 

 

「しばらくしたら弾幕が止まる筈よ…!凍って…という訳じゃなさそうだけど!

其処から切り抜けるわよ!?」

 

 

そして予想通り途中で止まった。さあ、落ち着いて抜け道を見つけないと……

 

ところが、

 

 

 

ボッゴォオォォーーーーーン!!!!!バッコォオォオーーーーーン!!!!!!

 

 

 

何と弾幕は再び動き出さず、其のまま爆発し始めた。

 

!?まさか、爆発し始めるなんて……!?

 

 

「レミリア!!此方に来なさい!!」

 

 

来た。…傍を離れないでよ!?

 

 

「夢符『封魔陣』!!!」

 

 

札を足下に掲げ、青白い結界を出現させた。

 

 

 

ボカァアァアァーーーーーーン!!!ドカァアァァーーーーーーーーン!!!!!!

 

 

 

私達は何度も爆風に飲まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも…何とかやり過ごせた。

 

私は息を切らせながら、八人のチルノを見た。

レミリアも私から離れて見ている。

 

すると、

 

 

 

 

「三……二……一……」

 

 

偽チルノ達が、一斉に何かを数えだした。構える。

…カウントダウン?……何が起こるの…?

 

 

 

「……ゼロォオ!!!」

 

シュウゥウウゥウーーーー…………!!!!!!

 

 

 

すると同時に、蒸気の中からさらに偽チルノが出てきた。

 

え…一、二……八人から十六人に増えた…倍の数を一気に……!?

 

 

「増えたわ増えたわ…早くしないと、次はアタイが三十二人になるよ!?」

 

 

……なんでアンタが計算ができるのよ……!?

 

 

「次増えたら…タコ殴りにして!!燃えカスにして!!あの世でも二人に

タコ殴りにされるが良いわ!!!」

 

 

数では有利になっても、敵達の顔には余裕の表情は出ない。怒りしかない。

いつものチルノなら出すのに……よほど悔しかったのね……

 

でも、此以上増えられたら流石に厄介だわ……と言ってもどれが本物か…

まだ見分けもつかないし……

 

思わず歯ぎしりが出た。

 

 

 

するとレミリアが私にこう言った。

 

 

「霊夢、アレを……雨乞いをして。雨を降らせるのよ!」

 

「!?何でいきなり……!?」

 

「蒸気って熱いでしょ?だから、冷やせばどうかなるんじゃないかしら?

蒸気からアイツの分身が作られてると思うなら尚更でしょ?」

 

 

……其の手があったわ。

 

私はすぐに両手を合わせ、気を集中させる。

 

 

「私の事は良いわ……思う存分降らせなさい!!」

 

 

そして私はスペルを宣言した。

 

 

 

「『雨乞祈り』!!」

 

 

 

そして其のまま、

 

 

「ハァアァ…………!!!!!」

 

 

私は空中でさかさまになって、足で御祓い棒を回し始めた。

 

……随分とキテレツな格好だけど、此でも立派な雨乞いよ?

 

 

 

サァアァァア…………ズァァアァアァアアァア……!!!!!!!

 

 

 

すぐに雨が降り始めた。

 

 

「……『特注の日傘』」

 

 

レミリアは傘を取り出して雨をしのいでいた…でも其、日傘って言ったわよね?

 

下を見る。湖に映っていた大きな月が雲に隠れ、見えなくなっていた。

 

 

レミリアの言ったとおり、赤色の蒸気が消え、其に伴ってチルノもどきの

分身も霞のように消えていった。

 

一人だけ残った、本物の偽チルノが白目をますます剥いて驚いていた。

 

 

「!?アタイの分身が……消えていく……!?

折角作った、アタイの…分身が……!?」

 

 

其処にすかさず、レミリアの爪が横に振られた。

 

 

 

ズバシュゥウゥウウ!!!!!!

 

 

 

偽チルノの身体が横に真っ二つになった。

其の顔は驚いていた。

 

 

「今よ、霊夢!再生を阻害するのよ!!」

 

 

私はとっさに近寄り、二つの切り口にお札を張り付けた。

 

此で……接合しての再生ができなくなった筈……!

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ……」

 

 

赤チルノの背中で燃えていた炎の羽は、いつの間にか消えていった。

 

雨のせいではないと思う。

 

身体の「赤色」が消え、どす黒くなっていった。

本来の色に戻ったんだろう。瞳も戻り、右目の文様も消えていた。

 

本物よりも、ずっと潔かった。

 

 

「アタイって……二人の『たたき』を取れないの?………『赤色』があれば……

何でも出来るって……赤様が…言ってたのに…?」

 

 

其の目には青色ではない、透明な涙があった。

 

ゆっくりと落ち始めるチルノもどきの半身達に、レミリアは静かに言った。

 

 

 

「……信じる相手を、間違えたのよ」

 

 

 

速度が速まり、二つの身体が落ちていく。

 

 

そして両方とも青色になり、蒼い塵となって雨に混じり消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

気がつけば、雨は上がっていた。見下ろす湖には、何事もなかったかのように

小さな星達と大きな青白い満月が沈んでいた。

 

でも、何事もなくても、私には濡れた髪があった。

其で証拠は十分だった。

 

 

私は、目をつぶった。

 

 

 

 

 

 

傘を畳んだレミリアが、私に静かに言った。

 

 

「……私の言う事、まだおかしいと思う?」

 

「……いいえ」

 

 

……そう言ってしまった、自分がいた。

でも、不思議とそんな自分を咎める事が出来なかった。

 

 

「……行くわよ、霊夢」

 

「……ええ…」

 

 

 

 

先を急ごうと振り返った私は、あるものが視界に入ってきた。

 

 

「……?」

 

 

森の遥か向こうの夜空に立つ、赤く光る柱。

其も一本や二本どころではない……

 

何十本もの赤い光の柱が、ゆらゆらと左右に傾いている。

 

其の中心にあったのは塔。

少し複雑な形をしているが、此処からでも見えるとなると、

かなり大きいわね……

そして、周囲の柱の光の反射して、赤色になっていた。

 

あんな建物、あったかしら……?

 

 

 

 

 

 

?……赤い……?………………!!!!

 

 

 

 

「!!あれが……もしかして……!」

 

「……どうやら、終点が見えてきたようね」

 

 

いつの間にか近くに来ていたレミリアは、其等を見て笑った。

 

何だ……以外に近かったのね……

 

 

「さぁ、さっさと突入して、赤様と御対面と行くわよ!?」

 

 

私達は、赤い柱がうごめく敵の本拠地に真っ直ぐ飛んでいった。

 

 




如何でしたか?

次回、ついに敵の本拠地に突入です。
残り3分の2となった赤の部下との戦いも繰り広げていきます。

それでは、次回もゆっくりしていってね♪
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