東方蒼魔塞   作:因田司

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今回は、旧作魔理沙に化けた赤と直接対決です。

原作とは大きく異なる点もあるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪





暁の器~Casket of Dawn~

REIMU

VS〈魔法と紅夢からなる存在〉八雲赤

~蒼魔街 上空

 

昔の魔理沙に変身した赤紫は、突きつけた右手甲の掌から、

 

 

「愛符『マスターブレーズ』!!!」

 

 

いきなり赤い放電とともに赤黒い色のレーザーを放ってきた。

あの太さ……手加減する気がないわね……!?

 

私達は身を翻して、其を避け、私は其処からスペルを発動した。

 

 

「珠符『明珠暗投』!!」

 

 

でも、発動してしまった、と思った。

 

すぐに三つの蒼白の陰陽玉が飛んでいき、偽魔理沙に当たる瞬間に案の定消え失せた。

 

 

「残念……此の状態でも、赤色以外の技を受け付けないぜわよ!?」

 

 

すると旧魔理沙の乗っていた箒の両端の先端部分……穂と柄の先が曲がり、

其処から横向きにそれぞれ左右反対方向に、赤白い炎が噴き出された。

 

!あの箒……機械仕掛けね……!?

 

 

「私の英知の結晶……機械の力、見せてくれるわ!!」

 

 

赤が叫ぶと、

 

 

「赫符『ミリ秒コラプサー』!!」

 

 

其の噴射を利用して箒ごと駒の様に回転し、赤黒く放電しながら此方に突進してきた。

 

私達は其を左右に分かれて避けたが、さっきのレーザーと違い、放電のせいで

横方向に広がって避け辛かった。

 

だが敵は直ぐに向きを変え、再度、今度は私に向かって突進してきた。

敵の下をかいくぐってかわす。

 

紅い竜巻は、急カーブをして今度はレミリアの方に向かった。

レミリアもまた、其の上を飛んで回避した。

 

また私に来るか……そう思って身構えていると、敵の回転が遅くなり、やがて止まった。

 

 

「あへぇぇえぇ~~~~!?????」

 

 

よれよれになり、目を回してる。凄く回転していた反動が来た様だ。

 

するとレミリアが、此をチャンスとばかりにスペルを発動した。

 

 

「必殺『ハートブレイク』……」

 

「待って、レミリア!!」

 

 

私はすぐに止めた。

 

 

「さっき見たでしょう!忘れたの!?アイツには赤いスペルでないと攻撃が通らないのよ!!」

 

「!!~~チッ……!!」

 

 

せっかくのチャンスなのに、此のまま放っておくとやがて目眩から回復して

再び強力な技を出してくるに違いない……

 

どうすれば……

 

 

 

 

 

 

 

其の時、私の頭に疑問が浮かんだ……

 

待って、じゃあ………じゃあ『アレ』は…どうなるのかしら……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「霊夢!!」

 

 

レミリアの声に気が付いてみると、偽魔理沙が目眩を払う様に頭を振り始めていた。

 

 

ヤバいわ……目眩が覚める!!仕方ない……一か八かよ!!

 

 

 

私はすぐに敵の懐に飛び込み、

 

 

「『衝夢』!!!」

 

 

其のお腹に思いっきり御祓い棒を突っ込んだ。

 

 

 

ズドォオォォォン!!!!!!!

 

 

 

やっぱり入った。深くめり込む。

 

 

「!!?ゴッフェ……!!?」

 

 

痛みにのけぞる偽魔理沙。私はすかさず、

 

 

「『亜空穴』!!!」

 

 

私はワープをして、偽魔理沙の上に出現すると、

 

 

ガシャァァン!!!!

 

 

其のまま赤の頭にではなく、乗っていた箒に蹴りを入れた。

 

 

「!?ワワッ………!?」

 

 

衝撃で揺れる箒に慌てる偽魔理沙。

私は蹴った時の反動で宙返りをしながらレミリアの元に戻った。

 

赤も体勢を戻していた。お腹を右手で押さえている。

 

 

「~~…流石……や、やるなですわね……!?」

 

 

確信した。アイツにも弱点がある事が………

 

 

 

 

 

「今ので赤、貴方の防御に穴があるのが判ったわ……」

 

「!どういう事よ、霊夢!?」

 

 

レミリアが詰め寄ってきたが、気にせず続けた。

 

 

「アンタ……赤色を含んでいないスペルを無効にするんでしょうけど、其はもともと赤色を使ったスペル限定の様ね……」

 

「!!」

 

 

相当驚いた様だ。偽魔理沙の顔に衝撃の色が走っていた。

今度は私が、不敵に笑った。

 

 

「でも、もともと赤色を使用していないなら、スペルでも技でも通用する……

其がアンタの弱点よ!!!」

 

 

そう言い渡すや否や、赤は

 

 

「フフ……ウフフフフフ………」

 

 

おかしそうに笑っている。そして、

 

 

 

「アハハハハハハ!此は予想外……素晴らしい……まさに世紀の大発見に相当するぜわ!!!」

 

 

箒をもっていない右手甲で仰ぐ顔を覆いながら大笑いし始めた。

 

だが其の時、

 

 

 

 

 

 

 

 

ボンッ!!!!!

 

「!?キャァ!!?」

 

 

赤が乗っていた箒が小さな爆発を起こした。

 

どうやらさっきの蹴りが効いた様ね……

 

 

「わ、私の作った英知の…結晶が……!?」

 

 

偽魔理沙がガタガタ言っている箒に必死でつかまっていた。

 

私はますます得意げになった。

 

 

「どれだけ精密に作られても……強い衝撃を与えたら、機械なんて一発よ!」

 

「!く……もう壊れるなら…必要はない様だなですね……!?」

 

 

偽魔理沙が震えている箒から飛び下りた瞬間、

 

 

 

ガシャァァアァーーーーーン!!!!!

 

 

 

赤い大爆発を起こして、箒がバラバラに砕け散った。

 

 

「……アンタ、箒なくても浮けるんじゃないの」

 

 

私はさりげなく言っていた。脱出に成功した偽魔理沙はフゥッ、と一息つくと、

 

 

 

 

 

 

 

 

「こうなったら……ほんの少し……ほんの少し本気を出してみるかかしら!?」

 

 

そう言って、身体をちぢ込ませた。

 

 

 

すると、赤や私達を照らしていたサーチライトの光から次々と赤色の螺旋が出てきた。

 

 

「!?何…何が起きてるの…!?」

 

 

突然明るくなっていく視界に焦る私達。

 

紅い螺旋達は、其のまま偽魔理沙の身体の中に吸い込まれ、吸収されていった。

 

『赤色』を抜かれた他の光の柱達も、たちまち青白くなっていった。

視界が明るくなったのも其が原因だろう。でもお陰で、お互いや相手の色や姿がはっきりと区別できるようになった。

 

!そうか……

 

 

「……あれで、私達から『赤色』を奪ったのね……!?」

 

 

そして光の『赤色』を全て吸収し終えた赤は身体をもとの様にひろげた。両目を閉じた顔も上げる。

 

 

其の目がカッと開かれた。

 

 

「!!」

 

 

白目ではなくなっていたが、白目の部分が血の様な濃い赤色、戻ってきた瞳は黄色に変色していた。

 

そして、左手にもいつの間にか右手とおなじ赤色の手甲がはめられていた。

きっと、さっき吸い取った『赤色』で精製したに違いない。

 

 

「目の色を変えてきた……って訳ね?」

 

「本気になるのが遅いのよ…!」

 

 

怯みから立ち直り、臨戦態勢に戻る私達。

 

でも其に構わず、赤は左手の鎧を黄色い瞳で確認しながら、

 

 

「……貴方は『赤色』があればなんでも出来る事を否定した……」

 

 

!コイツ……偽チルノの戦いを見てたのね……!?

 

今や両目の周りの星模様は燃えるように赤く、禍々しく輝いていた。

 

 

赤が両手を私達に突き出した。掌にある八卦炉の様な模様から

さっきより激しく赤い放電が起きていた。

 

 

「ウフフフ……ならば、其は本当だということを、今、証明してやるぜわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……と言いたいところだけど……」

 

 

突然赤が、其の両手を下ろした。

 

 

「……QED」

 

「!!?」

 

 

QED?え……??

 

 

「それはどういう……!?」

 

 

 

「……化者『赤色之他人』……解除」

 

 

 

すると偽魔理沙の紅い煙が吹き出し、一瞬で元の赤の姿に戻った。

目の色も戻り、両手にあった手甲も消えていた。

 

 

「戦意喪失…!?死ぬ覚悟が出来たのかしら!?」

 

 

其の態度にレミリアは逆に怒りの声を上げた。

 

だが赤は、静かに言った。

 

 

「貴方達は、私の弱点に気付いた。私は、其処から貴方達のヴァイタリティの不動性

を導き出せた。即ち、どちらにも利が与えられた」

 

 

赤は、まるで最初からそうする予定だったかのような口調だった。

 

 

「其で良いじゃない……」

 

「何のつもりだ!?」

 

「……事実は必ずある。其は己で考えてみなさい。宿題よ」

 

 

!思わぬ場所で課題……何処までも苛立てせてくれるわね……!!

 

 

「さてと、提出してくれるなら入口からいらっしゃい?

言っておくけど、いきなり上空から屋上に突入しようならば、課題ごと

結界に焼き切られるわよ?」

 

「!ウグ…!?」

 

 

隣でレミリアが呻いた。そうするつもりだったらしい。

 

そうだと思った。あんな見え透いた目的地に易々と近道を用意してる訳がなかった。

自分の命がかかってるのなら尚更だ。

 

 

ジビビビィィ……!!!!!

 

 

彼女の後ろに赤い電気とともにスキマが出来た。

 

赤がスキマに入っていった。

 

 

「首を長くして待っているわ。夜明けまでに全ての配下を撃破して私を説得してみせなさい?

課題も忘れずにね?其とも…」

 

 

赤がスキマの中から振り返り、微笑と共にこう言った。

 

 

 

 

 

「本気で戦う方が楽しみかしらね?フフフフフ……」

 

 

 

 

 

バリイィ……バチバチイィィ……!!!!!

 

 

そしてスキマが赤い電気を放ちながら閉じ始めた。

 

 

「!待て!!赤ぃ!!!」

 

「!ちょっ…レミリア!!」

 

 

茫然としていたレミリアがふと我に返ったように、スキマに向かって飛びかかって行った。

 

でも彼女が辿り着く前に、スキマは閉じられた。

 

 

「フフ……フフフフフ…………」

 

 

元に戻っていた赤の笑い声が響き、そして完全に気配が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白いサーチライトが私達を照らすのを止め、再び上空を照らしていた。

もう、私達を捉える事は無い様ね……?

 

 

「~~課題だと……何様なのよアイツは……!?」

 

「さっきの赤の言葉からすると……きっと残りの配下も皆、あの塔の中にいるのね」

 

「残り六人……何としても徹底的に探して潰してやるわ!!」

 

 

レミリアは再び赤を取り逃がした事で、半ば逆上していた。

 

 

「!落ち着いて、レミリア……まずは其の入口が判ってないんだから…

いったん地上に降りて、入口から探すわよ!?」

 

 

そう言って私は身を翻し、真下に向かって高速で飛翔した。レミリアも其に続く。

 

そして藍色の地面にぶつかる瞬間に身を起こす。

 

 

街道の沿って飛び、私達は前方に見える暗い青色の巨塔に向かった。

 

 




如何でしたか?

赤がまさかの戦闘放棄……
そして彼女がものから『赤色』を抜く瞬間を見てしまった霊夢とレミリア。
複雑な後味が残る戦いとなりました。

次回からは遂に、入口から堂々と蒼魔塞の内部に乗り込みます。
ですが其の途中またもや起こったイベントを紹介します。

それでは、次回もゆっくりしていってね♪
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