Fell!sansは夜を廻る。 作:Sleeping Pills*
「まあ、二手に分かれて探した方が見つけやすいな、
何か地図みたいなの持ってるか?
この街の構造が分かったら何でもいい。」
「それなら、学校で作った手作りの地図があるよ。」
「・・・暗くて見えねえよ、明るい所に移動するぞ。」
「そうだね、ってうわっ⁉︎」
唐突に驚いたような声をあげ、俺から距離を取る。
「おい待て、何があった?」
「サ、サンズさんって・・・ガイコツだったの⁉︎」
俺の頭の中に(は?)という言葉が浮かぶが、
よく考えてみりゃ、見たことのない奴と初めて会ったら、
誰だって驚く。
あのクソガキは無反応だったが、あいつは感情がない。
「なるほど、まあお前に危害は加えないさ、もしその気だとしたら・・・
今頃boneと吹っ飛ばされてるはずだろ?」
ここは自分は無害だと伝えておいた方がいいと考えて、
少し骨ジョークを混ぜて弁解する。
「それもそうだね、じゃあそれぞれどこに行く?」
と言って地図を見せてきた。
こいつ、ジョークに気付いてねぇ…。
「つまらねぇな、お前。」
「なんか言った?」
「何でもない。まあそうだな・・・俺はトンネル、お前は崖を探してくれ。」
「えっと・・・何で?」
「勝手な解釈だが、化け物のボスは人のなかなか来ないような所にいる。
だとすれば怪しいのはその2ヶ所って訳だ。」
「へぇ、サンズさんって頭いいんだ。」
やばい、一瞬ニヤけちまった。
「そ、それじゃあ行くぞ。」
トンネルの方に進みながらあの言葉を思い出して、
またニヤける。
だが、あいつに重要な事を言い忘れていた。
いや、言わなかった。
言える訳がない、
もしかしたら、いや、かなりの確率で、あいつの姉は殺されている。
「そんなに近寄らなくても大丈夫だよ、ポコ。」
そう言って少し遠ざける。
サンズさんはガスターブラスターって言ってたけど、
呼びやすくポコって名前にしてる。
よく見れば可愛く見えるとか言ってたけど、
4つの光る目と、生えそろった牙がどうしても
可愛く見えないし、むしろ怖い。
何であんな事言っちゃったのかなぁ?
今更バカらしくなってきてる。
– サンズさんと分かれる直前 –
「ところで、」
気になった事を言った。
「もしおばけに遭遇したり、
お姉ちゃんを見つけてもその近くにおばけがいたらどうすればいいの?」
私がそう言ったら、サンズさんは顔をしかめて、そのあと言った。
「よーするに、攻撃手段が欲しいんだな?」
「いや、ある意味そうなんだけど、
おばけを食い止める物が欲しいの。」
サンズさんはしばらく黙った後に、
にやりと笑った。
「なるほどな、お前はあのクソガキとは違う、
それならちょうどいい物があるぞ。」
そう言って取り出したのが、
あの大きなおばけを吹き飛ばした大きな頭蓋骨だった。
「こいつは(ガスターブラスター)って奴で、
知ってると思うがビームが出る、
だがこいつは特種で、
相手の動きをしばらく止められるんだ。」
それでポコを貸してくれた訳だけど、
正直言ってかなり怖い。
ポロがいたら心強いんだけどなって思ってたら、
崖の近くの田んぼについた。
だけど橋が壊れていて、先に進めない。
「うーん、どうするポコ?」
まあ分かる訳無いと思いながら言うと、
何を考えたのか、どこかに飛んでいった。
「え、待って!」
だけどポコはもうどこかに行ってしまってる。
何度呼んでも戻ってこない。
だんだんと怒りが込み上げて来た。
「ポコのバカ!もう知らない!」
そう言って後ろを向くと、
いつのまにかポコが何かを咥えて戻っていた。
私の言った事を聞いたからか、とても怯えている。
「ポコ、一体どこに行ってたの?」
そう言って口を見ると、
そこには大きめの板が咥えてあった。
「もしかして、これを取って来る為にわざわざ飛んで行ったの?」
そうだと言うように、低く唸った。
そんな事だったんだ・・・
「ごめんね、ポコに酷い事言って。」
そう言うと、まるで構わないと言うように瞬きをした。
ポコの持って来た板を使って、向こうに行けるようになった。
さっそく崖の方に行こうとしたら、
ポコが動かない。
「どうしたの?」
そう聞くとポコの目が下を向いた。
そこでその辺りを見ると、メモがある。
「なんだろう・・・?」
試しに読んでみる。
ころさレる たすケテ たすケテ
タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ
「⁉︎」
耳元で声が聞こえて来て、とっさに後ろを振り返ったけど、ポコしかいない
「なんなの・・・?」
そのまま前を向くと、そこには
白い服を着た女の人が立っていた。
だけど、虚ろな目、おぼつかない足取り、
間違いなく〔おばけ〕だ。
「ポコ!撃って!」
ポコは分かっていたらしく、
すぐさまビームを発射した。
だけど、全く効いていないのか、ゆっくりとこっちに迫って来る。
効いていない・・・?
このままだとポコも一緒に捕まるかもしれない。
カバンからノートを出して1枚破り、
(ガスターブラスターの効かないおばけがいた)
と書いてポコに咥えさせる。
「早くサンズさんの所にこのメモを届けて!」
私がそう言うと、ポコはどこかに飛んで行った。
きっとサンズさんならどうにかできる。
それまでに時間をかせがないと。
「やべぇ・・・」
自分の思った事が口から出てくる。
一体どうすればいいんだ?
あいつになんて言い訳したらいいんだ?
そう思っていた時、
突然目の前にガスターブラスターが現れた。
「うわっ!・・・ってお前はあいつに貸してた奴じゃねーか、何があった?」
そう聞くと、そいつは咥えていた物を見せた。
「紙か?なんか書いてあるな。」
試しに読んでみる。
(ガスターブラスターの効かないおばけがいた)
なるほどな、まあこのガスターブラスターは威力がかなり弱いから、
効かない敵もいそうだとは予想はしていた・・・
「うん?つまり・・・
その化け物に追われているって意味か⁉︎」
目の前のガスターブラスターが、そうだと言うように鼻先を上下に動かした。
「今すぐ行くぞ、悪いがお前に乗せてもらう。」
失敗した。
今になってよく分かる。
なるべく遠くに離れたくて、まわりを見ていなかった。
この先は崖だったのに・・・。
もうこれ以上逃げられない。
だんだんと女の人のおばけが近づいてくる。
もう無理だと目を瞑った。
ギャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
突然ものすごい悲鳴が聞こえ、
目を開けると、崖から落ちていくおばけと、目の前に立つサンズさんがいた。
「大丈夫か?ガキンチョ。」
「あ・・・あ・・・」
気がつくと、さっきまで怖かったのと、助けられたという安心がまざって、
思わず泣き出してしまっていた。
「おいおい、泣くなって。」
サンズさんはそう言いながら、背中をさすってくれた。
私は泣きやんだ後、ある事に気付いた。
気まずい顔をしている。
「そう言えば・・・一つ悪いニュースがあるんだ。」