Fell!sansは夜を廻る。   作:Sleeping Pills*

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第五話

うーん・・・

俺何してたっけ・・・?

そう思いながら周りを見渡す。

すると、心配そうな顔のこともが隣にいた。

「サンズさん、起きたの?」

「ま、まあ起きたが・・・。」

「心配したんだよ、3日間の間ずっと寝てたから。」

そうか、大体思い出してきた。

確かこの家に来て、疲れたからベッドに入って、そのまま寝て・・・

あれ?

「ちょっと待て、俺は3日の間ずっと寝てたのか⁉︎」

こともが頷く、

どうやら本当らしい。

いや、寝過ぎだろ俺・・・

「そういえば、その3日間お前は

何してたんだ?」

「トンネルはサンズさんと一緒に行った方がいいって思ったから、

トンネル以外の場所を探してたの。」

「それで、お前は何か見つけられたか?」

「・・・ポロを見つけた。」

「よかったな。」

「・・・死んでたけどね。」

口調が少し変だ。

よく顔を見ると、

泣いたような跡がある。

「落ち込むな、ことも。

お前は悪くない。

それで、ポロをどうしたんだ?」

「さっき埋めて、お墓を作ったの。」

「そうか・・・なら先にそこに行かせてくれ。」

「え、何で?」

「俺も、ポロに挨拶したいんだ。」

そう言ってから、ある事に気付いた。

普段の俺なら言わないような事を、

地上に来てからよく言うようになっている。

全て荒れ果て、殺すか殺されるかというあの空間では、

当然性格もひねくれまくった。

だが、ここは違う。

争いや殺し合いなんて全くない。

俺も、少しは夢を持っても良かったんだな・・・。

「そうだね、それじゃあついて来て。」

そう言って歩き出した。

だが部屋から出ようとした時、

突然驚いたかのように座り込む。

「おい、どうした?」

「お、おばけが廊下にいる!」

「まじか・・・お前は離れてろ。」

そう言ってこともを部屋の隅に避難させ、

廊下を確認する。

「は・・・?」

まず最初に出たのはその一言だった。

そこにいたのは、

真っ黒で、眠そうな目つきの、

あの化け物だ。

逃げ道はない。

とっさにガスターブラスターを出現させ、

そいつに打ち込む。

が、吹き飛ばした時の煙が消えた時、

廊下には何もなかった。

「あの野郎・・・一体どこに

 

バサッ

 

周りが暗くなるのと、俺の意識がとんだのは、

ほとんど同じタイミングだった。

 

 

 

 

 

「・・・さん、サンズさん!」

「なんだ・・・こともか?」

目が覚めると、そこはあの回廊だった。

隣にはこともが座っている。

「よかった、やっと起きたよ。

ところで、ここはどこなの?」

「・・・俺も知らん。」

思わず嘘をついた。

ここで俺が何をしてたか言いたくない。

いや、言えない。

ここであいつと殺し合っていたなんて・・・

「私、知ってるよ。

ここでサンズさんが(あのクソガキ)って言ってた人と殺し合ってたんでしょ?」

え?

「お前・・・なんで知ってんだ?」

「それはね、『Frisk』って人から、

全部聞いたの。」

すぐさまこともから離れ、立ち上がる。

右手にはナイフが握られていた。

「なあ・・・、一体何が言いたいんだ?」

そう聞くと、こともは微笑みながら言った。

「だけどね、

ずっと一緒の人とだってら飽きちゃうでしょ、

だから・・・今度は私と一緒に殺し合おうよ!

 

 

 

 

 

「⁉︎」

本当に目が覚めた時、

周りは真っ暗だった。

しばらくたって暗闇に目が慣れると、

ここは小さな部屋のような所だと分かる。

扉はここだな・・・まあ開かないか。

そんな風に考えながら扉を押す。

ギイィィ・・・

「え?」

思わず心の声がもれた。

この扉、鍵がつけられてねぇ・・・。

「・・・俺をなめ切ってるのか?」

そんな事を言いながら外に出ると、

周りの景色に目がいった。

工場のようだが、

使われていないのか随分と薄暗く、不気味なほど静まり返っている。

 

コン

 

コン

 

「うん?」

割と近い所から、硬い物と硬い物がぶつかり合う音が聞こえてきた。

その方向を見ると、ガスターブラスターがコンテナに何度も自分の体をぶつけている。

よく見ると、こともに貸してた奴だ。

「おい、何してるんだ?」

俺がそう言うと、そいつは動きを止めて、俺の方を見る。

何度もぶつかったのか、所々に傷があった。

「全く・・・、まあお前は痛みを感じないかもしれないが、

何でコンテナなんかにぶつかってるんだよ?

こともが心配する・・・」

次の瞬間、何でこいつがこんな事をしているかが分かった。

「もしかして、この中にこともがいるのか?」

そうだと言うように上下に鼻を動かした。

すぐさまコンテナの扉に寄った。

「おい、ことも!」

「サンズ・・・さん?」

中から声がする。

「こっちからは扉が全然開かないの。

鍵を開けてくれる?」

扉を見ると、鍵の部分の棒がねじれていて開きそうにない。

だが、金具の根本を壊せば開きそうだ。

「なるほど・・・結構大きい音が出るから、

耳を塞いどいてくれ。」

改めて見ると、

金具はかなり錆び切っていて、骨を数回ぶつければ壊れそうだ。

骨をいくつか出して、

金具を壊そうとして・・・

ためらった。

こいつは本当に(ことも)なのか?

それに、もし(ことも)だったとしても・・・

いや、あんなの夢だろ?

こともがそんなこともがそんな事する訳無い。

そんな事できる訳・・・

「おや、困っているのかい?」

「⁉︎」

周りを見たが、誰もいない。

「無理だよ、君は私を見る事はできない、

だけど、こうやって君と話す事はできるよ。」

「・・・何が言いたいんだ?」

その質問の答えは、とても単純だった。

「簡単な話だ、襲われる前に殺してしまえばいい。

「は?」

「君はもう地下世界のルールを忘れたのかい?」

「・・・。」

[殺すか殺されるか]だよ。」

・・・そうだ、確かにその通りじゃないか。

もしほっとけば、俺が殺される。

あいつはこのコンテナの中にいる限り絶対に俺に何もできない。

だが、俺はこのコンテナの中を骨で埋めて、

今すぐあいつを殺す事ができる。

「じゃあな、クソガキ。」

そう言いながら左手を上げた。

MERCY

突然頭の中にその言葉がうかんだ。

・・・俺は何を考えているんだ?

今こいつを殺さないと・・・

そう考えていると、3日前の記憶が戻ってきた。

 

 

 

 

– あの崖から家に向かう途中 –

 

 

 

 

 

「・・・ねえ、崖の方に戻ってもいい?」

こともが途中で言ったのは、その一言だった。

「まあいいが・・・何でだ?」

「それなんだけど・・・」

そう言って、左手に持っていた物を見せた。

「・・・首飾りか、お前に似合いそうだな。」

そう言うと、こともは首を横に振った。

「これ、あの女の人の物かもしれないの。」

俺は耳を疑った。

「お前、自分を殺そうとした奴の物を返そうってのか⁉︎」

そう聞くと、こともは頷いた。

「やめとけ、自分を殺そうとしてた奴の物を返す義理はねえ、むしろ自分の物にした方が・・・」

「そんな事できないよ・・・。」

こともが最初に言った事は、それだった。

「あの人は、元々生きてたんだよ?それなのに自分の物にできる訳無いよ!」

 

 

 

 

 

 

結局あいつは俺が止めるのも聞かずに、

崖の方に走っていった。

 

・・・いや、あれはただの演技だ、

それなら、誰だってできる。

この世界は・・・

いや、それならあいつがモンスター達を虐殺したのは全て正しくなる。

なぜだ?何で納得がいかないんだ?

そう考えている内に、ある考えが出てきた。

「そうか、そうだったのか・・・。」

顔に自然と笑みが浮かぶ。

謎の声も嬉しそうに言う。

「そうさ、君はやっと分かったのか。」

何の迷いもなく、左手を上げる。

「この世界は殺すか殺されるか・・・」

一気に振り下ろした。

そして、助けるか、助けられるかだ‼︎!

ガキャッ

鈍い音がして、金具が壊れた。

「え・・・何をしているんだ?」

どうやら俺がこんな事をしたから驚いた様だ。

「見ての通り、金具を壊しただけだが?」

「君は何をしたか分ってるのか?

もしそいつがお前を殺しに来たら?」

しばらく黙った後、こう言った。

「あいつはそんな事をする奴じゃねえよ。」

 

 

 

 

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