Fell!sansは夜を廻る。 作:Sleeping Pills*
「サンズさん・・・一体誰と話してたの?」
コンテナから出てきたこともが、さっそく質問してきた。
「そうだな、 [なんとなく叫びたかった] だけだ。」
俺がそう言うと、こともは驚いた様な反応をした。
こともが何で俺に離れてほしかったのか、今ならよく分かる。
「・・・もうサンズさんは知ってたんだね。」
「別に、お前を責めたい訳じゃ無い、多分俺でもそうしてる。」
「そうだね・・・だけど、
おばけは何で私のお姉ちゃんをさらったのかな?」
こともがそう聞いてきた。
そういえば何でだ?
もしさらうとしたら、普通こともだろ。
捕まえやすそうだし、『ケツイ』の力を持っている訳だし・・・
そこまで考えた時に、一つの仮説が出てきた。
まず、化け物達はこともの持っていた『ケツイ』のソウルを狙っていた。
だが、こともの姉がその事を知っていて、
夜にはこともを家から出さない様にした。
なぜ夜に家から出るなと言ったのかは、
その考えが正しいなら納得がいく。
だが、心配になったこともが近くに来てしまった。
このままでは化け物がこともを攫いにくる。
そう考え、とっさに茂みの中に隠れさせ、
そいつが捕まった。
姉妹だから似ていたんだろう。
だが、こともがまだいると分かって、
すぐさま俺達をさらい、
こともの姉を助けられなくするためではなく、
こともを捕まえるためにコンテナに閉じ込めた。
そう考えると、ことものコンテナだけ開きにくくなっていた事も説明がつく。
まずことものコンテナを開けられなくして、
その後で俺の入ったコンテナを開けられなくしようとした。
だがその途中でこのガスターブラスターと鉢合わせた、といった具合だ。
だが、問題はそこじゃない。
もし、今まで捕まえていた奴がこともじゃ無いと分かったら・・・
もうそいつを生かす必要は無い。
「今すぐここから出て、トンネルに向かうぞ。
お前の姉が殺されるかもしれねえ。」
「え・・・何で?」
「詳しい説明は後だ、今行けば間に合う!」
「分かった・・・だけど、この場所の出口は?」
そう言われて周りを見ると、黄色い門が見えた。
「あっちだ!」
そう言いながら走る、
だが、
「サンズさん、この門鍵が閉まってるよ!」
冷静に考えれば、当たり前だ。
それに、この工場の敷地中に鍵がある訳ない。
あったとしても、探す時間が足りない。
「なあ・・・どうしても姉を助けたいのか?」
「うん、当たり前だよ!」
「・・・なら少し危険な方法で開けるか。」
そう言って、ポケットから針金を取り出した。
「何、それ?」
「いい事を教えてやるよ、針金が2本あれば大概の鍵は開けれる。」
そう言いながら門を閉めている鍵を見る。
たいした構造じゃなさそうだ。
さっそく針金を突っ込んで・・・
ズリ・・・
ズリ・・・
「・・・。」
ズリ・・・
ズリ・・・
「・・・。」
ズリ・・・
「お前、何で今来た⁉︎」
だが、そいつは俺の言葉を無視する様にだんだんと近づいてくる。
一体どうすればいいんだ?
そういえば、こいつは一度走り出すと、行き止まりに当たるまで走り続けてたが・・・
そう思い出した時、一つの作戦を思いついた。
「おい、なんかあいつに悪口言え。」
「え、何で?」
「いいから。」
「えっと・・・バカ!」
だめだ、こともが優しすぎる。
すかさず俺が言う。
「つーか、お前に構ってやってる時間はねーんだよ。
このクサレバカでか触手カタツムリ!
あまりにもノロマだから、
こいつもお前に呆れて悪口さえも言わなくなったじゃねぇか!
そんなに構ってほしいなら、
そこで3回まわってワンとでも言っとけよ!
まあそんな事できねえよなぁ?」
どうやらそいつは怒り始めた様だ。
こともがとんでもない物を見る様な目で俺を見ているが、
さらに続ける。
「いや、それを言うとカタツムリがかわいそうだ。
お前なんかに例えられた訳だしな。
ここはやっぱり塩かけられて死にかけてるナメク・・・」
ドサッ
そいつは門を飛び越えて、俺達の目の前に着地した。
ただ、いつのまにかめくれ返っていて、
俺の方を殺気に満ちた目で見てくる。
俺はこいつを怒らせすぎたらしい。
俺にとっては、むしろ好都合だ。
「おっと、そんなに悪口言われたからって俺を狙うのか?
お前らが狙ってることもは、すぐ近くにいるってのに?」
そう俺が言うと、そいつはこともの方を見た。
「え、待って・・・私を身代わりにするつもりなの⁉︎」
こともが驚きながら俺の方を見て言った。
だが、その化け物はそんな声を気にする様子もなく、
その方向を向いて震え出した。
チャンスだ!
「ことも!右によけろ!」
すぐさま声を出す。
こともは最初、混乱した様だったが、
俺の言いたいことが分かったらしく、
少し遅れて右に動き、その化け物をかわした。
その先には長い道が続いている。
すぐさま門の方に体を向け、
鍵に針金を突き刺した。
「これでしばらくはあいつも来れないはずだ、
だが、途中で戻ってこられるとまずい、
あいつがやってこないか見張ってくれ。」
作業をしながらこともに言う。
「分かったけど、もし間に合わなかったら?」
「・・・その時考える、今は考えるな。」
思ったより複雑な構造じゃない、
そのまま鍵穴に針金を合わせていく。
もう大半はできてきた、
後はこのまま完成させれば・・・。
「サンズさん!もう戻ってきてるよ!」
もう来たのか?
「すまん、もう少しかかる、待っててくれ。」
「でも・・・。」
「頼む、集中させてくれ!」
そのまま続ける。
もうそろそろできそうだ。
少しずつ、だが、はっきりとあいつの足音が大きくなっていく。
あともう少し、もう少しで・・・。
カチャッ
軽い音がして、門を閉じていた鍵が開いた。
すぐさま鍵を金具から外して投げ捨て、
力を込めて横に引っ張る。
「ことも!走れ!」
すぐさまこともは門を通って脱出し、
俺もそれに続いて出た。
あの化け物はどんどん俺たちの方に近づいてくる。
だが、俺はどうすればいいか考えていた。
骨で街灯の根元を砕き、
左手を上に挙げ、
重力操作で持ち上げる。
そして化け物が門を潜ろうとした時、
一気に左手を振り下ろした。
ドシャッ
鈍い音を出しながら、街灯はそいつを貫いた。
そいつはしばらく震えた後、ピクリとも動かなくなった。
これが、そいつの最期だった。
あー、これを出し始めてからずっと読んでくれた皆様。
しばらく作品を投稿できず、すいませんでした。
出来なかった理由はまあシンプルでわかりやすいものですが・・・
姉に説明は任せます、どうぞ
【姉】
皆様久し振りになりますね、Sleeping Pills* です。
最終更新の後PCの不調により修理に出した際にハーメルンからログアウトされており、パスワードを思い出すまでの間投稿が出来なくなっていました…
休止中に書いてくださった感想等も先程私、弟共に見させて頂き今後の執筆意欲の糧にさせて頂きました。
両名未だに未熟な字書きではありますが、今後とも楽しんで頂ければと思います…