好きには不祥がつきまとう   作:庭顔宅

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6/8 進出のアドバンス

ダッダッダッ……ウィーン

 

1人の女性が医療室に勢いよく走って行った。扉が入って最初にかけたれた言葉は予想もしていない声で、至極真面目な声だった。

 

「もう少し落ち着いたらどうだ?」

 

「ケルシィ先生!?どうしてここに。」

 

「医者でもある私がここに居ることは特別可笑しいことはないだろう。それを言うなら君がここに来る方が珍しいと思うのだが。それで、どうして急いでいたんだ?」

 

そうだった、とまん丸にしていた目を元の真顔に戻した。だが説明しようとしていた事がやはり信じられなくて目を見開きつつ行動した。

 

「消えました。」

 

彼女はそう言いながら服をまくし上げ、腹部を露出させた。

 

「…何が消えたというのだ?」

 

「源石結晶が消えました。」

 

「何を言っている…君は確かエリスだったか?」

 

「はい。」

 

その返事を聞きながらケルシー先生は端末を操作した。

 

エリスは貿易部門だったはずだ。特記事項はなく、普通の女性。戦闘経験ともにアーツはなし。メディカルチェックも平常。臨時の仕事も無かったはずだ。彼女が意味も無く嘘をつくとは考えにくい。いったい何があった……

 

ケルシーはエリスのカルテを表示させ、その内容を読み込んでいた。わずか数秒後、微妙にカクカクした動きで視線を端末からエリスに変えた。

 

全身を一瞥し、次に腹部を見た。そして

 

「その場でゆっくりと一回転してくれ。」

 

「はい。」

 

エリスは恥じることも無く、腹部を露出させたままその場をゆっくりと一回転した。その場に居合わせた男性オペレーターは側に居た女性オペレーターに横腹を小突かれる事によって、やっと視線を壁に写した。

 

カルテルにはエリスの腹部に結晶が現れている、とあった。だが今の彼女には、結晶どころか傷一つない肌が表れていた。

 

「何があった?」

 

「モスティマさんが客人を連れてきてカセロさんの血を飲んで体が熱くなって源石結晶を噛み消して、噛み消した?……カセロさんが色々したら消えました。口の中からもなんかが出て来て、」

 

「落ち着け。早口で聞き取りずらい。それとその客人、カセロだったか。今どうなっている?」

 

「車庫で待っていただいています。」

 

「私は先にそちらへ行く。あまり待たせるのも失礼だろう。エリス、落ち着いた後そこの彼女に説明してくれ。」

 

ケルシーは先ほど男性オペレーターを小突いた女性オペレーターを見てそう言った。そして隣の男性オペレーターを見ながら、

 

「予定は遅らせる。こちらからも伝達はするが、君達も覚えていてくれ。」

 

「了解です。」

 

ケルシーは端末を操作しながら医療室を出て行った。

 

そしてもう1人の最高幹部でありCEOがその情報を入手するのは遅くなかった。




テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ

次はどうしようどうしようと考えております。CEOさんは本当に現れるのか、いつ頃登場するのか。

まさに神のみぞ知るです。
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