カセロは腕をローブの外に伸ばした。カセロの腕にはいくつもの並んだ数字が刻み込まれていた。刻み込まれているのは英数字の数列だった。文字と数字が融合し、約6文字で一区切りにされていた。
「…なんだそれは?」
明暗が見え、まるで凹みのようにも見える。皮膚に彫り込まれているのだろうか。だが皮膚が変色していない。傷痕のようには見えない。いや隠しているのだろうか。だがそれにしては、肌が白い。塗り薬でそこまで隠せるのだろうか。いや化粧品の類いか?最近の化粧品の進歩は著しく成長していると聞いたことがある。ありえない…とは言い切れないな。後で調べておこう。数字のフォルムは綺麗な形ばかりでは無く、不確定であり、一定の物ではない。所々癖も見受けられる。だが規則性は感じられない。不特定多数による手書きなのだろうか。それとは逆にその英数列にはある一定範囲に分かれ、規則性が見受けられる。その英数列が被ることはないが、縦に、横に、斜めにと縦横無尽に埋め尽くされていた。
「特別な条件下で書き込まれ、消すことができなくなった物だ。これぐらいどうにでもなるが、無いなら無い方がいいだろう。」
「誰に書き込まれたのだ?」
「ふむ……ま、いいか。」
微妙に言いよどみ、まるで考えることを諦めたような顔つきだった。
「昔、ライン生命に居たことがある。まぁそこでいろいろあったんだ。よ。」
「そうか。」
「…驚かないんだな。」
正直な所、驚いてはいる。だが考えられない出来事ではない。
「そこで生まれたとでも言われない限り、驚く事はないだろうな。」
「それは残念だ。あなたの驚き顔を見てみたかったのだが…」
「是非、つい驚いてしまうような情報を期待していよう。」
「それは後で試させて貰おう。それで、これは消せそうか?」
「わからない、としか言えないな。多少調べない限り結果も出せないだろう。」
「もし、これが見た目通りの傷だったら治せるのか?」
「強引な治療を行えば簡単に解決するだろう。時間さえあればな。」
そもそもの話、見た目通りの傷であれば数年もすれば自然治癒してしまえるだろうが。
「…これからよろしくとでも言っておこうか。」
「それは、ロドスのオペレーターになる事を認めると言うことだろうか?」
「そうだ。」
「そうか。これからよろしく頼む。書類は後でやろうか。まずはその傷を調べる所から始めよう。」
「……ずいぶんとスムーズなんだな。警戒はしないのか?」
「リスクとリターンは比例する。先ほどの一件はどんな手品かは知らないが結果はすぐ見えてくるだろう。君という存在が私の想像通りであれば、警戒する必要はない。むしろ親睦を深めるべきだと私は考える。いや、それは早とちりというやつだろうな。1つ聞かせて貰おう。なぜアーミヤの未来が知りたいのだ?君は何がしたいのだ?」
「俺だって人だった。元は知らないが人間の心を持っている。3つの欲求に5段階の欲求を基準とし70以上の欲求を持つ普通?…一般的な感性を持つ人さ。知りたいことも沢山あるし、気になる事はもっとある。好きな物は沢山あって、好きなことはそれ以上にある。俺は庶民的なんだよ。」
「再び聞こう。なぜアーミヤなのだ?」
「……化け物はこの世界に沢山居る。だがそういうのは基本的には人知に及ばない化け物ばかりだ。だけどアーミヤは特別だ。アーミヤの未来はロドスの未来とも言えるし、新たな世界の王とも言える。つまり一番楽しそうだろ?……って感じかな。」
「ハッキリとしないな。」
「そもそも考えるのが苦手な質なんだよ。考えるよりも行動するタイプなんだよ。理由を求めないでくれ。」
「ゆくゆくは説明してくれると喜ばしいな。」
「ならケルシー先生もいろいろと説明してくれと嬉しいな。」
「その時に状況による。あまり期待はするな。」
「それでもいいさ。」
「それで、なぜケルシー先生と呼ぶのだ?」
カセロは・・そこ?と不思議な顔をした。
「…語呂?」
「……まぁいい。特に何もなければ、このまま私の研究室に行こう。知らなくてはならないことは、まだ多い。詳しい事はそこで話そう。」
そう言ってケルシーは立ち上がる。
「……モスティマは放置するのか?」
「…連絡はしておこう。さあ、行こう。」
「ふーん。それじゃ行こう。」
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
ちょっと道を見失ってる感じがします。どうなんだろ?