シュヴェルとチェンはなにも言葉を交わさずにただ座っていた。その様子を見た私はお見合いかな?と心の奥底で思った。
私が机に近づいてもシュヴェルとチェンは相変わらずお互いの目を見ていた。瞬きしているすら怪しい。
「チェンさんどうぞ。熱いので気をつけてお飲みください。」
マグカップを差し出す。
「ありがとう。いただく。」
それをチェンは受け取る。そのまま一口飲む。だが目だけはシュヴェルの目を見ていた。正直怖い。
体をシュヴェルの方に向ける。シュヴェルもまたチェンさんの目を見ていた。今さっきまでのシュヴェルは一体どこに行ったのやら……
「シュヴェル、どうぞ。熱いから気をつけて飲んでください。」
シュヴェルも受け取る。両手でマグカップを持ったまましばらく静止していた。一度こちらに視線を向けた後一口、ゴクゴクと飲み干す勢いで飲む。
いきなり目がギロリとチェンさんの方を向く。威圧のある目では無いが怖い。チェンさんの方も気にかけて見ると相変わらずシュヴェルの目を見ていた。
この二人の間に何があったのか……気にはなるが知りたくは無くなった……
私もシュヴェルとチェンさんの間に椅子をずらし座る。仲介人になった気分だ。雰囲気は殺伐としているが。
気分を落ち着かせるために私もホットココアを飲む。スワイヤーさんには本当にお世話になる。今度何かお礼の品を持って行こうか。
さて、現状は変わらず。話があるのはチェンさんの方だらかチェンさんに頑張ってもらおう。
「チェンさん今日はどうしたんですか?」
「今日はシュヴェルについてだ。出会いが出会いだっただけに一度私の上司に会ってもらう必要がある。誘導員としてきた。シュヴェル、ついてきてくれるか?」
「………」
シュヴェルはチェンの目を見たままだ。動きそうな雰囲気では無い。
「シュヴェルどうだ?」
「別に良い……けどどうなっても良いの?」
「それはどういう意味だ?」
チェンが目を細めた。威圧というよりは疑問といった感じだ。
「いろんな意味で。」
シュヴェルは目を閉じた。健やかにというよりは何かを避けるようにゆっくりと目を閉じる。
また会話が無くなった。この二人だけで会話できるイメージが無いな。
「チェン、私もついて行って良いか?」
「ん、来る自体は問題無いが話し合いは入れないと思うが?」
どうしたものか、このまま話が進みそうにない。
「それでいい。それがいい。」
都合の良い言葉が聞こえた気がするな。こんなもので問題が解決するなら楽だな。
チェンはホットココアをひと飲みする。
「それでは行こうか。シュヴェル。」
チェンは立ち上がる。それに習いシュヴェルも立ち上がり、チェンの歩き出した後に続く。ホシグマはホットココアを一気飲みし、素早くマグカップを流し場に置き、水に浸す。どれもすでに中身は無かった。
鍵を閉め外に出るとチェンとシュヴェルが待っていてくれたようだ。
「すまない。待たした。」
「そこまで待ってないぞ。さあ行こうか。」
歩き出す。私、シュヴェル、チェンと三人横並びで特に会話が無いまま龍門近衛局についた。出入り口は人が行き交い騒がしい。視線は感じるが特に気にされれる様子も無く流れるようにエレベーターに乗りあっという間に広い待機スペースに着いた。
「ホシグマそれでは。」
「ばいばい。」
二人はそう言ったきり振り返ったりせず静かに進む。その背中は歴戦の戦士のように思えた。
ホシグマは椅子に座り外を見る。太陽の逆光がまぶしい。そのまま下を見下ろすと辺りにはちらほらと人が見える。どうやらすでにいつもの日常に戻っていたようだ。
椅子にもたれかかり目を閉じる。太陽に光が差し込み暖かい。このまま微睡みをする。
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ