何の成果も得られません出したッ。
確かに居たんだ。遠くの屋上にスナイパーライフルを持ったサンクタが居た。白い天使の輪っかがフードの上にあったから絶対サンクタだ。俺が相手の存在を知ったときには逃げられていた。反応速度と移動速度が化け物。俺より早い。絶対次は捕まえる。こっちの方が強いって事証明したるわ。覚悟しろ。
「ん?ここは椅子?」
横から焦点の合わないぼんやりした声がする。意識が戻される。無事に夢の世界から戻られたようだ。長かったね、、
「おはようございます。ボーッとしていたので場所を移動させてもらいました。」
事務的な話し方。やはりこれは異性でも上司でも知らない人でも話せる最強の話し方。
「へーー。君らしくないね。」
「らしくないねとは?」
なぜ出会って即友達見たいな人にらしくないと言われないといけないんだ?短時間でどこまで知ったと?もしかしてこの世界にはケルシーみたいで運営者的な思考力レベチが沢山居ると?こわ。
「めんどくさい。ちょくっとこっち来い。少しでも身動きしたら首へし折るよ。」
エンジはシュヴェル腕を引っ張り、膝枕をする。しかし頭と脚の間には空間がある。しっかりと首根っこを掴まれている。シュヴェルは無理矢理引っ張られたためにやばいくらいにのけぞる。支点が足とエンジに捕まれている首根っこしかないため腰が死にかけている。首も死にかけている。
のぉぉーー。死ぬ死ぬ腰が死ぬぅいぃ。息ぃ呼吸ぅ酸素ぉぉ。
死力を尽くし無表情を保つ。それはキャラを維持するために。幸運なことがあるとしたら目の前にエンジの顔があるがそれを気に出来ないほどの痛みが襲っていることだろうか。
「純粋無垢な子供だと思ったけど、さっきので変わった。さっきの君の復讐の目はなんなの?」
「…………」
「答えられないの?」
出来るわけ無いだろ。知っているか?声は音なんだよ?そこを止めているのはどこの誰ですか?これが魔女裁判ですか?このメンヘラッ。
「そう。わかった。」
エンジは首根っこを掴んだまま、最短距離でシュヴェルを店の従業員用通路に引きずり込む。店と従業員用通路を遮る扉をくぐった瞬間、投げ飛ばしどこからかポールが現れてシュヴェルの手足を地面に拘束した。
サンソォ。空気がおいしいってこう言うことか。ようやく分ったよ。
エンジが片手にポールを持ちシュヴェルに馬乗りになる。首を掴みシュヴェルの目の奥を見通してくる。
「最後に何か言いたいことがあるなら聞いてあげる。ホシグマの善意につけ込むやつは許さないから。楽に死ねると思うなよ。」
目がガチだ。メンヘラ言ったの謝るから許して?だめか?ここで終わるのか?アーツ使って吹き飛ばして逃げる、、ダメだ。ホシグマルートが完全消滅する。指名手配のおまけ付き。プレゼントも無くなるじゃん。終わったわリスカしよ。
最後にか……最後……エンジに言うことは無いんですが。強いて言うことがあるとするなら……
「後始末を頼む。」
これだね。プレゼント貰えないなら生きている意味ないです。急に消えるご無礼を許してくだせぇホシグマ大佐。遠い親戚に呼ばれたもんで、また会う日までさようならです。
「……どんな過去があったか説明してみたら?場合によっては生き残してあげる。」
「しない。」
生き残してあげるって、、痛み付けることは確定ですか。そうですか。反応していくやつからいじめられる。これカーストの暗黙の了解的な本能。無気力でいたら誰も反応してこない。つまり拷問で楽しんでいるやつには悲鳴ひとつあげなければ楽に死ねる可能性大。
「わからない。わからない。なぜそんな全てを諦めた目が出来る。子供のくせになぜそんな復讐が、絶念が出来る?」
「見た目相応の歳というわけではない。」
固定概念ダメ。こいつは人生をぶち壊したりする。人よ思考を止める出ないぞ。
静観が辺りを立ち込める。エンジの持っていたはずのポールがいつの間にか消えていた。
「なにか。なにかないの?最後の言葉とか何かが。」
顎に手を置き、さっきより声に張りが増す。
しつこい。大人しく殺せやメンヘラ。お前はメンヘラだ。もう何があってもこの評価を変えることは無いぜ。でも知っている。これは何かを言わないと先に進まないストリーイベントだと。バットエンドだと分っていても選択しないとエンドが解放されないんだよなぁ。そんなに欲しいならくれてやるよ。
「ホシグマさんの善意につけ込んで居場所をもらって。善意につけ込んでご飯をもらって。善意につけ込んで服を買ってもらって。善意につけ込んであれほどの優しさを知った。それだけの話だ。」
「他だァ!他の答えを寄越せェ!」
めんどくさ。発狂したメンヘラはもう止まらないぜ。最悪お前を殺して私も死ぬぅ~になってします。だから嫌いだ。純愛を望み。相思相愛を愛した者です。
「やらなくてはいけないことがあった。やりたいことがあった。ほしいものがあった。それだけ。」
これでダメならあえてエンジ様のお望みの極悪非道、邪悪で狂乱な言葉をプレゼントしますけど?いかが?
とりあえず何かしゃべってもらっていいですか?もう殺してもらっていいので。何か行動して貰えませんか?暇です。
そう思えるぐらいには時間が経ったと思う。相変わらず長考してる。考える知的お姉さんは最高です、が状況が状況なのでどうかしてもらえませんか?もしかして俺から動かないとダメ?
何を喋ろうか悩んでいる時だった。手足を拘束していたはずのポールが消えた。馬乗りの状態は変わらないが、エンジは両手で首元辺りのフードを掴みながら言う
「許す……ただし監視するから。少しでも不穏な動きをしたら息の根を止める。」
「頑張るよ。」
許された?……やった。バットエンドに見せかけた生存ルートだったわ。これだからギャルゲは止められねぇよなぁ。
目がまともに戻った。それでも怒っている目。だがさっきよりはましだ。それにしても不穏な動きか……大丈夫かな?
「ほしぐまを悲しめても息の根を止めるから。」
「それは無理だね。」
「お前f「だから、後始末は頼むぞ。」……」
秘技言われる前に遮れ。交渉の場は強気が基本。相手にさせたいことをさせずに自分のフィールドに持ち込むことが応用。ホシグマさんを悲しませない?無理。女心なんて分るわけ無いだろいい加減にしろ。だから同性のエンジに任せます。よろしくお願いします。
「あたしがアーツ使えることは誰にも言ってないから。ほしぐまにも言ってないから。誰かに言ったら息の根を止める」
「わかった。」
アーツが使える!?いつ使ったの……ポール?ポールを生み出す能力?そりゃ誰にも言いたくないよな……どんまい。
「ほかには……ほかには……」
もう無い感じ?なら
「交渉成立だな。」
エンジが睨み付けてくる。
「許したけど、認めたりはしないから。」
そういいながら手を差し出す。
「わかってるって。」
俺も手を出し返し軽く握手をする。これが馬乗りされた状態で無ければ最高、、いや我々の業界ではご褒美か?有知識者判定たのむ。
なんかツンデレを見ている気分になってきたわ。赤髪クール系ツンデレ、、乾さん?
手を握ったままエンジは立ち上がり、シュヴェルを立ち上がらせる。
「それじゃたのむよ。」
エンジは目を閉じ一呼吸する。覚悟を決めたように目を開くと従業員用通路を出て店に戻ろうとする。
その後を続こうと歩き出したが
「おそい。」
そういいエンジに腕を引っ張られ隣に立たされる。
「いいか?後ろに立つな。横に立て。ほしぐまと居るときもだぞ。空気になるな。」
「わ、わかった。」
戸惑ってしまった。急には止めてください。コミュニケーション講座ですか?退学か退会させてください……エンジの横顔を見てしまった。愉悦に浸っているような満足げな表情だった。その顔を見て、エンジが先生なら続けても良いかなと思ったのは心だけにとどめておこう。
従業員用通路と店を遮る扉をくぐり店に戻る。騒音が耳に戻る。程よい騒音は丁度良いBGMになる。
「エンジ。一般人をそっち行かせるのは困ります。」
上司?恐らく店長的な人だろう。服屋とだけあってこの男も清潔感あふれるスーツを着こなしている。ただの黒スーツとも言うかもしれない。こんだけ華やかな店内に黒スーツは目立つ。
「あら?いいじゃない。それ相応の仕事をしている、結果も残している。ちょっと二人きりに慣れる場所を探していただけなので問題は無いはずですよ。」
「はぁ……」
これが権力の対価です皆さん。第三次産業はこれだから嫌です。さぁ苦しめ。俺はプログラマーしてるからよ(満面の笑み)
「彼氏さんも言ってやってくださいよ。ようやく身を固めると思ったのに、相変わらずで……」
「ふぁは!?」
お、エンジさんの驚き顔だ。写真タイム。写真機無いわ。やっぱり写真機を奪い取るべきか……防犯カメラでは凡用性が無いし即効性も無い。無能。
それにしても今日が初めてなのに店長に彼氏に間違えられるとは……もしかしてオフの時に彼氏さんがいるのか?まあいい。ここは一押ししてやるのが人としての務めだろう。
「店長さん違いますよ。」
「え?そうなんですか?すみません今までエンジと仲良くされた男性がいない者で、、」
「そうよ!こんなやつが彼氏な分けないでしょ!!」
「そうで。“まだ”彼氏ではありませんがもしの時はよろしくお願いします。」
ここで一礼。完璧。エンジさんが口を開いてポカンとしていますわ。これは良い。写真撮ろ。写真無いわ(以下略)
「あらあら。では老人は大人しく去りましょうか。是非今後とも長いお付き合いを頑張ってください。」
店長らしき人が最後に熱い握手を両手でされ店の奥に消えていった。そこでようやくエンジが口を閉じる。
「あ ん た ね。何言ってくれるの?みんなに聞かれたじゃない。この後どれだけ面倒ごとになることか。」
「頑張ってください。」
「恋に飢えた女どもがどれだけ面倒くさいかわからにようね?」
「約束には含まれないので。」
ここでニッコリ!満面の笑み。
「よし決めた。こんどまた着せ替え人形しなさい。ほしぐまにはちゃんと話し通しておくから。逃げ道なんてあると思うなよ?」
こんどはエンジがニッコリ!満面の笑み。シュヴェルはゲッソリ。引きつった笑み。
「ここは痛み分けで終わらましょう。」
「あら?逃げないの?丁度良いわ。まだまだ着せたい服はあるんだからね?後メイクもしましょう。いや他の売り子にも一緒に楽しみましょうか。」
まだまだあるの?今日いっぱい着替えたじゃん。まだあるの?はぁ、、もう羞恥心は消えたから、、果たしてこれは痛み分けで終わったのか?
他の売り子は嫌だ。これは抗議しなくては。持てる最大の上目遣いで弱々しい声で
「エンジ以外には……見せたくないよ……?」
エンジの顔が真っ赤になった。勝ったわ。
エンジは顔を背け、深呼吸する。そして振り返り
「わかったわ。私だけの着せ替え人形にしてあげる。」
そこでこの話は終わりとばかりエンジはシュヴェルの腕を取り、最初のホシグマと別れた場所まで戻るのだった。
しかしエンジは知らなかった。恋に飢えた女どもは想像以上に厄介だと。女どもは見てしまったのだ。声こそは聞こえなかったが、エンジが顔を真っ赤に染めたことを、、そして腕を組んだことを、、あれだけ男っ気が無い女からあれだけ恋の気配がしたのだから。
飢えた女どもはハイエナのように、そして蜘蛛のように着々と逃げ道を潰しながら閉店の時間を待ち望んでいたことを……
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
最初はアークナイツキャラとの妄想を執筆しようと思っていましたが、いつの間にかモブがヒロインになっていました。こう言う意味でみんながヒロインだタグを付けた訳ではないのですが、、
一体いつになったら龍門編終わることやら。
これからものんびり執筆して行きますので今後ともよろしくお願いします。