好きには不祥がつきまとう   作:庭顔宅

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2/15壊死からの地生 主side+ホシグマside

ホシグマさんと別れた場所に戻ってきた。エンジとの会話は無かった。やはりコミュ力が足らない。本格的に誰かに教えてもらおうかと悩んでいる時だった。

少し先の分かれ道にホシグマさんを発見……発見したのだが……。ひぅぅ………

 

プレゼントどこ?服どこ?何も持ってないじゃん。これはやっぱり選べなかったすまないのパターンですか?泣いていいですか。

 

「待たせた。」

 

ホシグマさんの帰還。

 

「うん。おかえり。」

「おかえり。」

 

都合の良い夢だった。儚くも素晴らしい夢だった。さぁ帰ろう。おうちに帰ろう。温かいおうちに帰ろう、帰ればまた来られるから。

 

「これ。」

 

なんですかホシグマさん?一体何がこ……れ?これ?これ!

 

ホシグマがその手にラッピングされた手のひらサイズの小さな箱を持っていた。青い箱に白いリボンで結んである。

 

ホシグマはプレゼントを左手で差し出しながら右手で頬を掻いた。

 

両手でそのプレゼントを受け取る。微妙に重みがあるが重いというわけでは無い。感覚的には腕時計より軽くて鉄のネックレスより軽い。

 

「開けてみてくれ。」

 

そう促される。リボンを丁寧丁寧に外し、包装紙を外し取り出す。中にはまた別の小さな箱があった。それは結婚指輪のように上下に開くタイプの箱だった。

 

これを開けたら物がご開帳だ。深呼吸を静かにする。辺りの声が聞こえなくなってきた。心臓の鼓動がうるさい。分っていても落ち着けない。それは中を見ても落ち着かない気がして少しままならない。

 

開ける。そこには黒く、三角形の形をしている。中央にはスミレ?の花が模られているブローチだった。

両手で包み込み胸に抱く、そっと目を閉じる。

 

エヘへへェへへへ

 

キモい笑いが出た。声は心の中だけだからセーフ。こいつは鉄?。細かいことはわからないけどとりあえず金属だという事はわかった。冷たいが火照った体には丁度良い冷たさだ。いつまでもこうしていたい。

 

お礼を言わなくては、プレゼントにはそれ相応の感謝とお返しを。お返しが出来ないどうしようか。一体何で返したら良いのかな?わからないなぁ、、

 

「ありがとう……ありがとうございます。」

 

変な声を出さないことを意識しすぎて二回同じ事言っちゃった。悪いことでは無いから良いか。そんなことよりブローチ保護計画だ。まず前提条件としてブローチの形成物質の干渉はブローチの価値を亡くす。残念ながらさっきの箱は防護性はない。源石で作っても良いが、その場合はどうやって手に入れた問題が入ってくる。ならば常時漂流極薄源石作戦だ。

名前の通り、常に極薄の源石ブローチ周辺に漂わせる。なにか問題や異変を感じた瞬間源石の箱を作りだし、保護する。源石ごと粉砕してくる事は考えないこととする。その場合は命まで危ないからしょうが無いね。許されるかは知らないけど。いや許さないよ?それ相応のけじめ付けさせる。

 

「それじゃ会計を済ませてくる。待っていてくれ。」

 

「わかった……?」

 

ホシグマは4着の服を持って会計に向かう。だがその顔には{またか}とかいてある気がした。なにか不手際を働きましたが?どうしてそんな……こ、こいつ、尊死してやがる。

最後まで爪痕を残してくる個性たっぷりのエンジさん。尊敬します。

 

いやぁ~~それにしても三角形。やっぱり般若と関係があるのかな?でも花の模様だし。鷹とかだったらかっこいいよね。花を選んだのはちょっと以外だったり意外じゃ無かったり。ホシグマさんならこれが良いと持って来るのは以外だし、これしか無かったとして、、花しかなかったのか?それなら納得のいく一品ですわ。プレゼントとして選ばれるのが服だけいう固定概念を持っているのはほんと恥。自分で固定概念ダメって言っているのに自ら踏み抜いていくスタイルとかないわ。小物はプレゼントとしても優秀だし、でもホシグマさんがブローチ。店員にお勧めされてそう。どうされましたか?なるほど。ではこちらはいかがですかの店員さんの押し切り。いいわ。他を選ぶとしたら何だろうか?ネックレスとか?腕輪もありそう………

 

………武闘大会もいつかやって欲しいな。イフリータお願いされて本気を出すサリアぱっぱ、優勝賞品のためにあらゆる手を使うクロワッサン。Wがいたずらにクソ陰キャプレイしたりメランサが偶然勝ち進んで目をグルグル回したりカシャの実況………ん?

 

朝日が差し込む。気がつくと寝転がっていた。タオルケットがかけられている。横のリビングにホシグマさんがいる。ホシグマ宅?いつの間に時間経った?もしかして気絶してた?え?こわ。

それはさておき、まず起きたら

 

「おはようございます。」

 

 

* * * * * ホシグマside * * * * *

 

「そうだ。ほしぐまもシュヴェルに何か買ってあげたら。」

 

なんの前触れも無くエンジが言う。反射的にホシグマの顔が固まる。

 

普段からそういう個人的なプレゼントはしたことがない。当然断りに行く。

 

「いや私にそういうセンスは無いから「買ってあげないの?」………」

 

卑怯だ。それを言われると強引に断りづらい。はぁ……これは本人に決めてもらおうか。

 

シュヴェルの方を向く。

 

「シュ、ンフ。シュヴェルは欲しいのか??」

 

少し噛んでしまった。恥ずかしいな。それだけ緊張しているということか。

 

しばらく間が経って

 

「ほしい。」

 

シュヴェルが地面を向く。そして今にも消えてしまいそうな声だった。すぐにでも消えてしまいそうな声だが私の耳には奥のそこまで響いてきた。

 

ほしい、か。でも一体何を買えば良いのか?プレゼントを買う。言葉にするだけなら簡単だ。だけどそれを実行するとなると難しいな。ここで考えるより実物を見て考えるこた方が何か答えが見つかりそうだ。

 

「時間がかかると思うけど、それでいいか?」

 

「うん!」

 

元気の良い返事が返ってきた。そんな声を聞いてしまったらしっかりと選ばないといけないと考えてしまう。はぁ先が思いやられる。

 

意味も無く歩く。辺りには服。さっきあれほど実物を見ていたがまだまだ見たこと無い服がある。服をプレゼントするのは、、だめだ。やっぱりセンスはないし。選ぶとしても利便性を重視した服かヘンテコな服を選んでしまいそうで怖い。

 

そのまま進む。

ずいぶんと進んでしまったようだ。おもちゃエリアに着いてしまった。

 

おもちゃ。シュヴェルの好みがわからない。それにあげると喜ぶと思うけど、それをおもちゃとして使わなそうだ。それに少しお値段が、、

 

踵を返し、他のエリアに向かう。

 

筆記用具品。ペンとか紙やらいろいろだ。大人になら良いかもしれないが子供であるシュヴェルには、合わないな。

 

また踵を返し、他のエリアに向かう。

 

小物……小物だ。これなら何か良い物だあるかもしれない。

 

歩を進め、品を見て回る。いろいろなものがある。置物だったり物入れケース、アクセサリーに手作りセット。だがどれもこれもピンと来るものがない。どうしたものか、と考え込む。

 

ふと、とある物が視界に止まった。そこはお宝市といった100幣程度で買えるバザーのようなもの。その中に一つだけピンと来た。手に取ってみる。

 

鉄の板が三角形にカットされ中央に華が掘られた手のひら程度に収まる小物だ。どこかに指輪やネックレスの接続部分が無ければ、置物として立たせておく部分も無かった。

 

「どうかしました?」

 

店員さんが来た。

 

「これはどういう物か気になっただけです。問題はありません。わざわざありがとうございます。」

 

「さすがホシグマさんです。お目が高い。誰かへの贈り物ですか?」

 

店員はホシグマの遠慮も気にもせずぐいぐいとそばに近寄る。

ホシグマは諦めてその道のプロを頼ることにした。

 

「子供の男の子にプレゼントを選びに。」

 

「ここの品はそこら辺の量産品とは違いますからね。唯一の最高のプレゼントになると思いますよ。」

 

「でも子供にこんな物、気に入りますかね。」

 

相手は子供だ。鉄の板なんて本当に気に入るのか。プレゼントとして良い物になるのか。

疑問はグルグルと頭の中を真っ黒にさせる。

 

「プレゼントは贈った後の利便性なども大切かもしれませんがそれ以上に気持ちが大切だと思いますよ。」

 

気持ち、、確かにどんな物をプレゼントしてもシュヴェルは喜びそうだ。だけどそれでいいのかな。

 

ホシグマがかすかに俯く。

 

「それにその大きさでその硬さを持っているなら。お守りにも使えます。気に入らないなら次からはお菓子でもプレゼントしたら良いんですよ。」

 

お守り……確かにそれはいいな。では

 

「この花はなんて言う花でどんな花言葉があるんですか?」

 

店員さんの表情が固まり冷や汗を出し始める。

 

「少し待っていてください。」

 

店員さんはそう言い捨てどこかに早歩きしていった。

 

これにはホシグマは苦笑した。すこし遠くの方で

 

「誰か花に詳しい人はいないの!??なんでこれだけ居て誰一人分らないのよ!!」

 

「そういう自分は何で分らないんだ?」(1)

「そうだ他人に聞くな。」(2)

「ばーか。」(3)

 

「うるさい。これはホシグマ案件よ。全力を尽くしなさい。」

 

「は?なんてことだ。なぜ私は花の事ぐらい知らないんだ。」(1)

「なぜ知ろうとしなかったの?もし知っていたら今日役に立ったのに。」(2)

「ぉぉ神よ我らの罪を償わせたまえ、、」(3)

 

「そんな暇があるなら何か考えなさいよ!!いまもホシグマさんを待たせているのよ」

 

「たしか1階と4階に本屋があったはずだ。」(1)

「私今からいってくる。」(2)

「まっててくっださいねぇぇーーー(走り出した後)」(3)

「あの馬鹿。今からじゃ間に合わねぇよ(それに続く常識人)」(1)

「置いていかないで(残された凡人)」(2)

 

「もう良いわ……謝ってくる。」

 

「私も一緒に謝るよ……?」

 

「いいわこれは私の問題よ。私から首を突っ込んだのにホシグマさんの時間を奪ってしまった……なんてことを……」

 

店員さんが戻ってきた。その目はあちらこちらに泳いでおり両手の人差し指を引っ付けてモジモジしている。

 

「この度は、私n「思い出したからもう良いですよ。わざわざありがとうございます。」」

 

ホシグマは取って付けたように微笑む。

 

「むきゅぅ……」

 

「店員さん会計お願いします。」

 

「へ?あ、はい!会計させていただきます!」

 

店員さんはその三角形のブローチを両手で大切に抱えながら会計場に向かう。その後にホシグマも続く。

 

結局どんな花は分らなかった。でも気持ちが大切。そう学んだ。もし悲しい意味だったらどうしようか。謝れば許してくれるかな?

 

そんな事を考えているうちに会計を済ませた。

 

「どうぞ。」

 

三角形のブローチがきれいにラッピングされて帰ってきた。

 

「いえ。100幣程度の物ですし「いえいえもうやっちゃいましたから!お気持ちです。受け取ってください。」」

 

またか……これじゃ断れないじゃないか。

 

「ありがとうございます。」

 

「またのご来店お待ちしてます!」

 

シュヴェルたちと別れた場所に戻る。その手にはラッピングされた箱がある。

 

ふと、こんなきれいにラッピングされた箱の中に、鉄の板があることが不安になった。期待を裏切るような事になったらどうしよう、と。ホシグマはそっとその箱を隠した。

 

別れた場所にシュヴェルたちはいた。特に会話をしては居なかったがなぜか距離が近くなった気がした。なぜだろう?

 

「待たせた。」

 

「うん。おかえり。」

「おかえり。」

 

また無言になってしまった。やはり自分から行かないとダメだ。覚悟を決めた。

 

「これ。」

 

プレゼントを左手で差し出した。つい右手で頬を掻いてしまう。

シュヴェルを直視するのがちょっと怖い。視線を外してちらちらと確認する。

 

シュヴェルはラッピングされた箱を持ったきり、動かなくなっていた。このまま時間が過ぎるのは嫌なので早く開けることを促す。

 

「開けてみてくれ。」

 

シュヴェルは丁寧にリボンを外し、包装紙を外し取り出した。そして中にある箱を持ってまた、動かなくなった。少し時間を得てゆっくりと開けた。

 

さらに中にある三角形の花のブローチをそっと両手で包み、胸に抱いた。さらに目を閉じる。

 

「ありがとう……ありがとうございます。」

 

いつもの声音だった。今もなお目を閉じブローチを胸に抱いている。

 

これは思ったより歯がゆいな。

これ以上ここに居ると変な笑いを出しそうだ。服の会計を済ませると言った理由で離れようか。

 

「それじゃ会計を済ませてくる。待っていてくれ。」

 

「わかった……?」

 

エンジは相変わらず変な笑い顔のまま止まっていた。いつもなら特に何も思わないが、いまは感謝する。おかげで変な笑いが出そうになるのが止まった。

 

その後エンジと別れ、食料の補充もすんだ。そして家に帰る間も、風呂を出た後も、ずっとシュヴェルはブローチを胸に抱えてどこか上の空でいた。食事中だって見えるところにブローチを置いていた。何か問いかけても曖昧な返事しか帰ってこない。

 

喜んでいるのはうれしいんだが、さすがにずっと居られると頬が緩んでしまう。

 

「シュヴェルそろそろ寝るぞ。ブローチはそこの机にでも置くといい。」

 

「うん。」

 

意外にもシュヴェルはすぐにブローチを置いていた。そのまま寝る。

今日は対面になっていることに気づいてしまった。

 

シュヴェルはすやすやともう寝てしまっている。健やかな寝顔だ。つい頭を軽く撫でてみる。少し笑った気がした。私も目を閉じる。

 

次に目を開けたのは早朝だ。少し驚いてしまった。目の前にシュヴェルの顔があった。また頭を撫でてみる。

 

「むにゃむにゃ。」

 

そうつぶやきながら笑った。

シュヴェルを起こさないように立ち上がり朝支度を済ませる。一息をつき、椅子で新聞を読む。

 

最初は誰かがそばに居る生活が不安だったが、案外。誰かがそばに居るというのは良いものだな。

 

ドアの隙間から見えるシュヴェルの後ろ姿を見てそう思ったのだった。

 

 

 

 

 

 




テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ

私はホシグマになりきることが出来ませんでした。ファン失格です。一からやり直してきます。なにか違和感を感じることがあれば申し訳ないです。
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