好きには不祥がつきまとう   作:庭顔宅

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2/16壊死からの地生 主side

パンにかじりつく。今日の朝ご飯だ。パンオンザパンだ。ちゃんと焼かれているパン。一体どうやって焼いているのかはこの世の七不思議だ。たくさん調味料があったけどバターorマーガリンが無かった。おいしいけど体には悪いからね。さすがっす。

ホシグマさんも囓っている。推しの全て愛おしいこれが愛か?

 

「今日は{ファルシオン}に呼ばれている日だが道は覚えているか?」

 

「うん。完璧。近道が分らないから一回龍門近衛局によるけど。」

 

「その方がいい。いいか?間違っても小道に行くなよ。小道は迷いやすいし変な人もいるから大道りを進むんだぞ。」

 

「わかった。」

 

絶対に大道りを進みます。絶対に近道しません。もうヤクザはいやだ。円運動する車いやだ。空飛ぶ車はいやだ。

 

最後の一口を食べて、手を洗う。そして昨日買ってもらった服に着替えて、胸と服の間にブローチを保管する。ブローチは何があっても肌身離さず共に生きることを誓います。

 

「それでは、いってきます。」

 

「いってらっしゃい。」

 

推しにいってらっしゃいを言って貰える生活。控えめに言って最高。これでお帰りのおまけ付きだぜ?これ以上の幸福は無いね。

 

さっさと歩いて近衛局。朝6時でありながら人はいる。特に言うことはないだろう。そんなこととほっぽり出して{ファルシオン}に向かう。{ファルシオン}の前に行列は無かった。朝から出待ちする人はさすがに居ないようだ。

 

いきなりで悪いが俺はバイトをしたことが無い。ずっと親のすねをかじり取って生きてきたのだ。だが舐めないでで欲しい。料理洗濯は俺のフィールドだ。だれにも負けない自信があるぜ。

そんなどうでも良いことは忘れていただいて、バイトをしたことが無いことだけ思い出してくれ。こんなアットホーム感あふれるバイト先ってどうすれば良いのだ?それに開店前。このまま入って良いのか?そもそも開いているのか?

グレイブさんは朝7時に来てくれと言われた。今は6時30分ぐらいだろうか。早く来すぎた。バスが時間厳守なの日本だけと聞いたことがある。これはどうしたらいいのか?窓から中が見える光がない。このまま誰かが来るまで待機するか、、いやノックだけしておくか。

目上の場合は三回と聞いたことがある。なので

 

コン コン コン

 

三拍子。やっぱりなんにも無かったよ。ちょっと地面をお借りしまして、座って休ませてもらいましょう。

 

「誰だ?」

 

!?

 

いきなり{ファルシオン}の扉が「バンッ」と開き。グレイブさんが出てきた。

 

「ああーシュヴェルか。」

 

「おはようございます。グレイブさん。」

 

「早くきたな。ちょっとこっち来な。」

 

グレイブは{ファルシオン}の扉を閉め鍵を閉めた。すぐそこの小道に進む。そこには一つの扉があった。

 

「ここが従業員用の入り口だ。次からこっちから入りな。だいたいは鍵開いてると思うからよ。」

 

「わかりました。わざわざありがとうございます。」

 

「いいってことよ。」

 

グレイブはノックを二回する。

 

「今大丈夫か?」

 

「大丈夫よ。」

 

グレイブは返事を聞いた後扉を開け中に入る。中には例のメイド服を着ているミスチェーとラミカがいた。

 

「知っているとは思うが今日から入る新入だ。色々教えてやってくれ。じゃ俺は上に居るから何かあれば呼びな。」

 

そのままクールに去った。筋肉のくせに心遣いがすごいわ。

 

「では改めて自己紹介ね。ラミカよ。」

 

相変わらずのクールお姉さんです。

 

「ミスチェーです!よろしくおねがいします!」

 

相変わらずの元気。やる気。

 

「シュヴェルです。よろしくおねがいします。」

 

軽く首をクイっと下げる。

 

「それじゃあこの服に着替えてね。」

 

そして黒と白のメイド服のようなものが渡される。

 

「どこで着替えたら良いですか?」

 

「ここで着替えると良いわ。ここが着替え室でもあるから。」

 

なるほど。了解しました。…………?

 

「すみません。僕男ですよ。」

 

「いいわよ。そんなこと。さっさと着替えちゃいなさい。」

 

ふぅぅ……何がそんなことなんですかね?これがおねしょたですか?ちょっと初心者なんで一人で引きこもらせてください。そうだ!ミスチェーさん。純粋そうなミスチェーさんなら、ふぅぅぅぅぅ……ミスチェーが赤面しながら手で顔を隠している。だがその指には隙間がある。今、目が合いましたよ。

 

ダメみたいですね。

 

はぁとりあえず服のタイプを確認しなきゃ……スカートじゃんかよ。グレイブさん!?ちゃんと男って伝えたじゃん。まあロングスカートなだけ許してやる。

 

ロングなら上から着替えられるね。さあ着替え

 

「ちゃんと下を脱がないとダメだよ?」

 

……?……?こいつらまさかこの状況を楽しんでいるのか?これは必殺技を使うしか無いね

 

上目遣いで声を震わせながら

 

「はずかしいので……後ろ向いてくれませんか?」

 

これで無理なら諦めるわ。円滑な職場環境にするために今日は切り捨てるわ。

 

「わかったわ。さあ後ろを向きましょミスチェー。」

 

ラミカはミスチェーの後ろに立ちぐるりと180度回転をした。

 

素早く着替える。速やかに脱ぎ

 

「やっぱり肌きれいだね。」

 

「ラミカさん!?」

 

声が裏返る。メイド服で体を隠しながら声がする方を向く。そこにはさらに180度回転してあるラミチェーがいた。またミスチェーと目が合いました。このむっつりさんめ。

 

「後ろ向いててくださいっていったじゃないですか!」

 

「ごめんなさいね。でもかわいすぎるあなたが悪いのよ?」

 

「ご、ごめんねぇ。」

 

これが暴論。数の暴力。ひ、卑怯だぞ!

もう諦めてさっさと着替える。これからは二人より早く着くことが必須になりました。

 

「服はこのロッカーに入れなさい。これが鍵ね。」

 

「わ、わかりました。」

 

俺は末代まで引きずるタイプだ。この恨み絶対に晴らす。

それとは別にサクッと服を入れる。ロッカーに鍵をかけて内ポケットに入れる。

 

「んぅん~。いいわ。もちもちで良い匂いで、最高の抱き心地だわ。」

 

「いい匂い……さらさら……。」

 

内ポケットに鍵を入れた瞬間、ラミカとミスチェーが抱きついてきた。

 

ホシグマさんのおかげだね。この程度ではもう動じない。恥ずかしさはない。これは極上のダウナーとなるのだ。

それはそうとラミカさんもミスチェーも良い匂いだし柔らかいんだよなぁ。

 

どれほど時間が経ったか分らないほど時間が過ぎた頃

 

「これくらいにしておきましょうか。まずはドリンク作りね。」

 

横の部屋に移動して厨房に行く。

 

「作り方は簡単。ここにある材料を入れて振る。かき混ぜるように振るのがコツね。やってみて。」

 

わかりやすいね。メニューに材料のセット。チュートリアルは大切だよね。じゃこの海渡る空を作ってみようか

 

材料入れてさっさっさ。バーテンダーは右上一振り左下一振りの繰り返しだった気がするわ。6回ほど振り回して完成。どうすれば?ラミカ先生。そう視線を送る

 

「蓋を開けてそこのコップに入れてみて。」

 

言われた通りに二つのコップに注ぐ。そして二人に手渡す。

 

「どんな感じですか?」

 

「うん。ちゃんと混ざってるわ。」

 

「おいしいです!」

 

「よかった。」

 

どうやら見よう見まねで大丈夫だったわ。

 

「次はウェイトだけどそれは実践でいきましょうか。開店時間までのんびりしましょうか。」

 

ラミカはそこにある椅子を三つ持ってきて、ガールズトークが始まった。主に俺への質問攻めだった。こっちが会話を振らなくて止まらない会話。誰かコミュニケーション能力か同じ趣味的な共通の話題をください。

 

 

「そろそろ開店の時間だね。それじゃ行こっか。」

 

唐突にラミカが会話を打ち消しそう告げた。その時カウンターからガワガワと話し声が聞こえた。そしてグレイブさんがカウンターから出てきてそのまま階段を上っていった。

いつカウンターにいったんだ?これがわからない。

 

ラミカさんを先頭に三人でカウンターに行く。

 

「おっラミカが出てくるなんて珍しいじゃん。」

「今日は仕事がうまくいくな。」

「お前は今日休みだろ。」

(以下略

 

「はい。注目。」

ラミカが一回手を叩く。その音に反応して、あれほど騒がしかったカウンターが静かになる。

 

「今日から新入が入るよ。さあ自己紹介して。」

 

満席だ。前来たときと同じく満席だ。朝っぱらからなんでこんなに居るの?吐きそう。

 

「シュヴェルです。よろしくお願いします。」

 

頭を下げる。辺りは静かなままだ。この後どうしたらいいの?これだからコミュ力お化けの歓迎会は嫌いなんだ。こうやって流れでやるから

 

「「「うぉぉぉぉぉぉぉ」」」

 

反射的に耳を塞ぐ。この店の窓を割らんとする程の声が辺りに響かせる。顔をあげる。目の前には阿鼻叫喚な男どもがいた。後ろを見ると耳を塞いでいる二人がいた。

わかっているなら俺教えておいてよ。

 

「新キャラだ!」「真面目系だ!」「クール系だろクシ穴!」「お淑やかですなー。」「だまれクール凶人。」「黒髪黒角黒目ジト目。最高じゃ。」「うっさいキモオタ。」「ロングスカートとは分っておりますなー。」「三人。三姉妹。ティティ。」「クールラミカ、アイドルミスチェー、シュヴェルはどうしようか?」「それは禁句だろうがこのks。」「事実だろうがこのキモオタ。」「天然シュヴェルは?」「狭間のシュヴェルでは。」「いいじゃんそれ採用。狭間、、狭間、、いいね。」「やんのかこのks。」「やってやるよこキモオタ」

 

「「表でろy「だまれ。」」」

 

ここでラミカさんの鋭いアッパーが炸裂したぁー。これによりうるさい二人組が{ファルシオン}の外まで吹っ飛ばされたぁ!!野次馬もひんやりしているぞ!!さっすがラミカさん!?

 

ラミカは野郎に鋭い一撃を加えた後シュヴェルを自分の胸に抱き寄せた。いつの間にかミスチェーもその間に入り込んでいる。

 

「シュヴェルが驚いているでしょうが。出禁にするぞ。」

 

「「申し訳ございませんでしたぁ!ラミカ様。シュヴェル様。」」

 

吹き飛ばされた野郎が外から飛び土下座をしていた。これが本場のジャンピング土下座……すごいな。

 

「シュヴェルどうするこいつら?」

 

そこで俺に振りますか?まぁセクハラしなければセーフとしましょうか。

 

「害があるわけではないのでどうぞお好きに。その分金を落としていってください。」

 

やっべ調子乗りすぎたかも。

 

「「ラミカさんゴールデンファルシオンデラックスネオカスタムください。」」

 

「まいど~。」

 

カモじゃったか……野郎ども。ノリが良いやつは好きだぜ。

 

「それじゃそう言うことだから。分っているわね?」

 

ラミカは厨房に帰っていた。そして近所迷惑には鳴らない程度に大きな声で。

 

「「「イエッサー。ラミカ様。」」」

 

な、なんだこの連帯力!?すご。

 

「シュヴェル、ゴールデンファルシオンデラックスネオカスタムを持って行って。」

 

「っはーーい。」

 

厨房に行く。

 

「はいこれ。あいつらに運んでね。」

 

でか。俺の腕より大きいぞ。パフェじゃん。こいついくらだ?糖原が素材にある世界だぞ?こわいな。

 

「ぉっと。」

 

お盆にのせて持って行っている。二つとバランスは取りやすいがお盆の大きさに見合わない程大きいから少しのブレで落としそうになる。

 

「お待たせしました。ゴールデンファルシオンデラックスネオカスタムです。」

 

「「丁寧だと?最高じゃん。ありがとうシュヴェル!いただきます。」」

 

こいつら仲いいな……俺もネッ友じゃなくてリアルで同じゲームを嗜む友が欲しいです。

 

「「ゴールデンファルシオンデラックスネオカスタムおかわり!!」」

 

消えた!?ゴールデンファルシオンデラックスネオカスタムが消えたぞ。今の時間で消えたぞ。こいついくらだ?

公開求人で140~602+210(タグ)幣で星3が来たら一般資格証が5つだ。中級糖原は30つまり星3が6人分だ。つまり中級糖原は最低で840。最高で4872幣。4872幣!?高。このパフェはいくつ使っているんだよ。実物は見たことはないが顔のサイズよりは小さいだろう。つまりこのパフェには1~2個だ。そして利益に営業費、美人費に手作り費。ヒェ。万超えるぞ。

 

こんな高い物をあんな手軽に注文したのか?そしてさらに注文しようとしているのか!?

 

「「どうしたのシュヴェル?体調悪いのか?それはそうといい加減まねをするな(ks/キモオタ)」」

 

「た、確かにお金落としてくださいっていったけど無理をしてまで注文するのは良くないよ?」

 

気分に流されるのダメ。それで人生崩れるよ。

 

「い、いま。俺の中に電流が走ったぞ。」

「ああ、天使様に見えた。」

 

野郎どもは目を合わせる。そしてうなずき俺の方を向く。

 

「「ゴールデンファルシオンデラックスネオカスタム三つづつ追加で!!。」」

 

「ノリに流されるの良くないよ!お金は大切だよ?」

 

一体どれだけ龍門紙幣不足で悩んだことか……一体どれほど周回をしたことか……我らは知っているその龍門紙幣の大切さが……我らは知っているつい、推しに使ってしまい10秒で消えてしまうことを……

 

もっと大切に使って?ね?お願い。見たくないの。誰かが苦しんでいるところが。過去がフラッシュバックしてトラウマを刺激されるから……だから

 

「ああ分ってる。」

「そうだ。俺たちの気持ちは同じだよな?」

「ああそうだ。」

 

ほんと?よかった。大人しく雑談でも

 

「「ラミカァァァァゴールデンファルシオンデラックスネオカスタム5つづつ持ってこいヤァァァ」」

 

「嘘つき。分ったて言ったじゃん。嘘つき。」

 

「「俺たちの気持ちは同じだ。安心してくれシュヴェル。数日本気を出せば取り返せる。」」

 

だめじゃん。数日ってそれキツキツのタイプじゃん。

 

「はい。お待たせ。ゴールデンファルシオンデラックスネオカスタム10つ。」

 

 

ラミカさんだめぇ。それだめ。

 

「「いただきます。」」

 

「ぁぁぁあああぁぁ……ぁぁ……」

 

消えていく。一つ一つとゴールデンファルシオンデラックスネオカスタムが消えていく。

 

あぁ一つ9744幣がぁ

 

10つ9万7440幣がぁぁ

 

嗜好品で消えた、、消えていった、、食事ではなく、ただのお菓子で10万幣が消えた。

 

「「ごちそうさまでした。」」

 

そうつぶやいた野郎どもの目は覚悟を決めた目だった。

 

「「いくか。」」

 

そういい、壁に立てかけた剣を取り、店を出て行く。

 

不服にもその背後に憧れてしまったのは、しょうが無いことだった。

 

だがミスチェーがカウンターでそのかわいい声を上げながら動き回っている姿の前には5秒でどうでも良いことになた。

すまんな。やろうども。

 

 

 

 

 

 

 




テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
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