軽量化。聞くだけなら簡単で素晴らしいものに聞こえるのにやろうと思うと難しすぎて吐きそう。もういいよねポン助。
ポン助はプルプルと体を震わせる。
ポン助の言うとおり。諦めよう。そうしよう。
そして完成したぜデラックススピーカーネオ☆。二号機なので☆付きです。変化は無いけど……ん?どしたポン助?飯……ではないね。
ポン助が髪を引っ張る。源石を出しても髪を引っ張る。ずっと引っ張る……真下に引っ張ってない?真下に引っ張るって何だ?どうやってんの?
その疑問に答えてくれる存在はいないので素直に真下を見る。そこにはデラックススピーカーネオ☆があるだけだ。その下に俺の足があったり岩があったりマグマがあったり…
シュヴェルはもしかしてこの岩場はネズミ返しになっていてその岩壁に何かあるのか?と思い。海と岩の境界まで行く。そして下をのぞき込むがただ直線の絶壁がそびえ立つだけだった。
…ポン助?
デジャブ……だろうか……ポン助は後ろに…先ほど居た場所へ髪を引っ張るのだった。
シュヴェルは一直線にデラックススピーカーネオ☆に向かい背負う。そしてキメ顔をしながら町の方を向く。ポン助はフードをめくり上げ触覚のようで指のような小さな棒をその体で作り出し街の方へ突き刺すのだった。
よしポン助、行くぞ。我が聖地バルサバ味噌煮へ……案内は任せたぞォー!
シュヴェルは走り出す。それはただの常人にはその顔を認識できないほどに早く。ポン助はその風圧に煽られこれまで無いほどにプルプルと震えた。そしてすぐに体をフードの中に隠したのだった。
右へ左へ4kmほど……シュヴェルは未だにポン助に導かれるまま走っていた。さすがにおかしいと足を止め路地裏にはいる。そしてポン助への拷……尋……オハナシをすることにしたのだ。
ポン助…………お前やったか…?
ポン助をフードから取り出ししっかりと目を見て話すのだった。ポン助は違う!!と言いたげに先ほどよりも激しく体を震わせる。
よりわかった。お前が悪くないってことぐらい俺も知ってるから……なっ?認めろよ道迷ったんだろ?天下のポン助様が道に迷ったんだよな?
ポン助は休むこと無く体を震わせ続ける。
…もしかしてここでライブするのか?
ポン助は休むこと無く(以下略
場所が決まっていないのか?
ポン助は(以下略
そうか!今日はライブをしないんだな!
ポ(以下略
もしかして良い人材みつけたのか?今日は俺にデュオとかに挑戦させようとして?
p(以下略
………俺がポン助のナビの通りに行けていないのか?
ポン助が勢いよく縦に振動する。
本当にそうなのか?
ポン助は一瞬身震いをピタッと止めた。俺がその事実を認識してしまったからには手遅れだ。
嘘の振動だ。嘘はよくないぞポン助!場所は決まっているが行き方がわからないだろ!?俺は知ってるぞ!
ポン助は動かなくなった。そして水のような弾力を持つその体が岩のように硬くなった。
……ポン助…?ポン助?ポン助ェィ!!!どうしたんだその硬さ!?俺が悪かったから!いつもみたいなスライム肌に戻ってぇえ!!
シュヴェルはポン助を抱き上げ胸に抱く。少しずつ岩のような硬さがほだされプルプルのスライム肌に戻っていった。そしてまるで僕は悪くないよ?と言いたげに体を傾けるのだった。
よしわかった。何でも良いから一生このモチモチプニプニ肌を保っておいてくれ。そして枕か抱き枕になってはくれないか?だめ?いいじゃん。全ての罪を許そう。だからダメ?…まあいいか。よしポン助……これからは一緒にライブ会場を探そうな!
シュヴェルはポン助を脇の下に保護する。ののほんとした顔を露わにしながら裏道を抜ける。だがポン助は脇の下から抜け出しフードの中に戻っていった。
シュヴェルは無理矢理取り出そうと頭に手を向かわせたが人の目があるのを思い出し、抱いて歩けない事に気づき表情を消し去りまた全てを忘れようと全速力で走る。と思ったが人が多いので屋根の上を走り飛び抜けたのだった。
ポン助は一生懸命髪を引っ張るがそれに気づかずシュヴェルは走り続けるのだった。
どれほどたったか。少なくとも数時間は過ぎた。
諦めかけていたポン助だがここがどこかを思い出し規則正しく二回、髪を引っ張った。それにシュヴェルは答えた。走ろうとする足を止める。その代わりに昇竜拳を出して勢いを分散。隣の建物の屋根に着地する。もちろん、下に居るかもしれない住人に迷惑がかからないように静かにだぞ☆
へいポン助おまち。どうしたんで?
ポン助はピンッと街の外。森へ引っ張った。
おぉ……ここか。
さすがのシュヴェルでも覚えていた。初めてライブをした場所。デラックススピーカーネオ☆の初陣として申し分ない。さらに夕日ときた。夕日になるまで走っていたのか……疲れ知らずの餓鬼大将。文字に起こすと格好いいのに読むとかっこ悪い……なんで?
そんな事を思いつつスマートにセッティングしてライブを始める。今さらだがあんな暴動を起こしたのに中心地区でやるのは面倒ごとに巻き込まれそうだったわ。こわ。戸締まりして端の方でライブしよう。
ライブを始めて三分ほどった。そこで見慣れた人物の出現によって手が止ってしまった。そして反射的に演奏も止めた。
あっめっちゃオドオドしてる。イケオジの名が廃るね。首。もうイケオジ名乗るな。偶像は完璧を求められるんだよ?わかったら次からは気をつけてミスしないでね。
「どうした?」
ライブを止めてしまったからにはしょうが無い。話をしよう。
「えッ……いやライブを聞くのに理由が必要か?」
「いいや……ないな。」
まるで質問をされることを想像していなかったみたいな「えッ」を出した。もしかして天然か?天然イケオジか?復帰おめでとう。これからも頑張ってね。うれしさのあまり軽い伴奏を始める。
会話の途中だけど大丈夫かな?大丈夫だよね?BGMは大切だがらいいよね?
「それで…要件はないのか?」
持てる全ての知恵を持ち出してシュヴェルは想像した。だがわからなかった。なぜイケオジが………何も無いじゃん。聞きに来ただけっていったじゃん。意味不な行動は怖いよ。これからは考える前に行動するのやめようよ。
「……雇いたい。」
ふぁ?
指が止る。それに合わせて伴奏も止める。今何と言った?雇う?雇うってあれか?当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、使用者がその労働に対して報酬を与えることを内容とする契約をしたいってことか?
まじ?俺も有名になったな。
「報酬は?」
「…雇われてくれるのか?」
「そうでなければそう言わないぞ。」
へへあざっす。お布施は結局しなかったけどお布施が手取りになっただけだ。何も問題は無い。むしろお布施を貰っていないという株が増えたぞ。やったね。
イケオジは長い間考え込んでいた。そしてやっと声を出した。
「…何が欲しい?」
「……」
今度はシュヴェルが黙る番だった。何故そうなる。お金を払いたくないってか?わからん。天然は何を考えているかわからないね。こう言うときは一つ一つハッキリさせるのが良い。
「何日雇いたい?」
「三日を予定している。」
「住み込みか。定時性か。ライブ曲の数は?。」
「どちらでも構わない。住み込みなら食事などの生活費はこちらが持つし、定時でも同量持つ。ライブ曲の数は任せる。」
「ふむ……」
ぱっと見良い条件。じっくり考えても良い条件。こちらの出方を伺っているのか?狙いすぎるとこの話が無かったことになるかもしれない……なら
「住み込みだ。ライブ曲の数はその場で決める。報酬は住み込みの費用と信用できる使用人を一人、一日貸せ。もちろんその日の費用はそっち持ちだ。」
「えッ?」
えっ?だめ?さすがに一日分の費用は不確定過ぎてダメか……それにライブ曲の数も……でも俺は即興しかやっていないし……さすがにライブ曲の数だけは譲れないぞ。他は……まあいいか。
「で、どうだ?」
さぁオハナシ(冷戦)を始めようじゃ無いか。フフフ…今回は弱腰で言ってやるぜぇ。負けれるものならやってみろ。俺は試合に負けて勝負に負ける男だからよぉ………だめじゃん。
「ああ!頼む。」
へっ?無効試合?不戦勝?やったぜ。この思い……届いたね。
「時間は明日の………」
時計持ってないわ。地形名もわからない。なんなら都市の名前一つしか知らないんだが?よく生きてられたね。人間しぶとい。
ここは原始時代に戻りましょうか。
「この場所で太陽がこの角度になったときここに来る。そこで案内しろ。」
シュヴェルは東北辺りを指さす。そこで気がついた時にはすでに手遅れ、悲しいな。
言い過ぎたかも。何様だよ。ここで無かったことにされたら無様だ。無様オブザイヤーだ。
「ああ!明日また来る!!」
イケオジはその言葉を最後に街に消えていった。
……名前は?
口約束ですか?そうですね。まあ場所は決まっているだけましか。明日になったらわかる話でしょう……遅刻したらどうしよう……早く来て隠れたらいいだけだわ。イケオジが来たら早いな…とか遅かったな…とか言いながら現れる……最高かよ。なんなら今からでも待機しても…別に帰る意味なくね?デラックススピーカーネオ☆を持ち運ぶのも面倒くさいし少し先の森の中で夜を過ごすわ。
思い立ったら即行動。
シュヴェルは荷物をまとめ森の中に入る。そしてアーツを拡散して警戒+イケオジレーダーにして寝転ぶ。
お休みポン助また明日。
ポン助はすでに寝ていたので返事は無かった。
* * * * * バルサソside * * * * *
「やったぞ!やったぞ!ベルシア!」
バルサソは屋敷に戻ってから大声を出しながら妻の部屋に向かっていた。
「はいはい屋敷には入ったときから聞こえていますよ。で、今回はどうしたんですか?」
「ついに……名前ってなんだっけ?…」
「はぁ…呆れた。仮の名称でいいので良いので教えてくださいな。」
ベルシアは手で頭を押さえてやれやれと顔を振る。
「黒角を雇うことが出来たぞ!!」
「……黒角は例の新人ですか?」
「ああそうだ!」
「とりあえず座りなさい。そして詳細を教えなさい。」
ベルシアは真剣な目を向けながらバルサソを誘導する。それもそのはずベルシアはこの家の財産とバルサソの管理を任されている。普段は全く問題無いバルサソだが好きなことになる途端急にポンコツになる。それをどうにかするのも妻としての仕事であり快勝であった。
バルサソがベルシアの前の椅子に座る。
「その例の新人にここでライブをしてくれないかとお願いしたらやってくれるって言ったんだよ!」
「まあそれは良いことですね!貴方がそれほど熱弁するほどなのでとても良いライブになりそうです。」
ベルシアは珍しく良いことをやったなと思いながらその顔に笑みを浮かべる。
「それも明日から三日もだよ!」
ベルシアは笑みのまま時間が止った。そしてぎこちなく顔をバルサソへ向けて問う。
「三日ですか?」
「ああ!」
「もしかして住み込みですか?」
「ああ!いつでもライブが聞けるぞ!」
「報酬は?」
「なんと住み込みの費用と一日使用人を貸せば良いって!その一日の費用はこっち持ちだけど。」
「それでどの使用人を貸すのですか?」
「……私の信頼できる使用人を……」
そこでバルサソの少年のような好奇心と夢は潰えた。
「その一日はどれほど費用が掛かるのですか?」
「……わからないね…」
「……口約束ですよね?何か書類でやったり音声を残したりはしてないですよね?」
「それはしてないよ…」
「唯一の救いはあった、か。未だにどうしても雇いたいと言いますか?」
「うん。雇いたいよ。」
「じゃあその一日の費用は貴方が負担してください。無理ならCDを売りますよ?」
「売るCDは選ばせてね。」
「そこまでですか……」
本当に珍しいこともあったもだなと感心した。あのバルサソがCDを売ると言ったのだ。逆にそこまでして聞かせたいライブというものを知ってみたいとベルシアは思った。
「住み込みの分と多少の費用は負担しますよ。」
「本当!?」
「嘘はつきませんよ。」
「ありがとーーーーぅ。」
「はいはい。」
急遽としてやることが増えました。明日に間に合わせないといけませんね。部屋、食事等は大丈夫でしょう。菓子もありましたし……そこまで合わせることがありませんでした。
「セバツ、今回の契約期間中監視を任せましたよ。」
「かしこまりました。」
この部屋に控えていたベルシアの信頼できる一人。セバツが静かに返事をした。
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
最近の楽しみがUA履歴見てお気に入り登録が減っていないか確認することになっているのでもう末期かもしれない。
最近デドバモバイル知ってから睡眠が足らなくなっちまったよ……すまぬ。週一投稿を死守します。たとえ1000文字であっても投稿する所存です。