ポヨヨヨン
目が覚めたら顔に柔らかい感触がある。シュヴェルは目を開ける。だが目の前は真っ暗のままだ。月どころか月の光すらない真っ暗空間だった。
何かあったか?と起き上がると柔らかい感触が落ちる。それは太ももに着地したらなんだ?なんだ?と体プルプルと震わせていた。どうやら状況を理解したようでお腹に向かって富竹フラッシュを繰り返していた。
悪かったって、熟睡を邪魔して悪かったって。
源石を出す。ポン助はお腹への頭突きをやめて源石に飛びつく。その源石を満足げに頬張るのだった。
シュヴェルは上を見る。そこには太陽が{お昼ですよお寝坊さん}していた。
あっ。寝坊した。まずい……どれくらいまずいかって言うと小学生の修学旅行の時寝坊して学年全員がグランドで待機させられてみんなの視線を浴びながら登場するぐらいまずい。しかも服間違えて制服じゃなくて私服で行ったんだぜ。奇跡的に制服に似ている服があったことが唯一の救い。だが後日の写真販売をよく見ると一人だけ服装違うトラウマ……泣きはしながったが引きこもった。
ポン助は状況を理解していないようでのんびりと食事を楽しんでいた。
ポン助さん。そんな状態じゃないですよ!!
シュヴェルは側にあるデラックススピーカーネオ☆を背負う。その間にポン助は源石を持って定位置であるフードの中に跳び入り、隠れて食事の続きをしていた。
森を走り…いや飛び抜ける。スキップをするように前傾姿勢で急ぐ。葉っぱや枝が引っかかるが気にせず飛ぶ。デラックススピーカーネオ☆でかすぎるんよ。
距離的にはそこまで遠くでは無かったのですぐに着いた。そしてその場所にはすでにイケオジがいた。シュヴェルはイケオジの目の前に着地する。
「ッ…」
「すまない。遅れた。」
フードに着いた葉っぱや枝を取り落としながらそういった。
すまねぇ。というかまだここにいるとか騙されたとか思わなかったのかな?天然ですか?天然ですね。わかります。
「大丈夫なのか?」
「ああ、…問題無い。」
ほんとすまねぇ。いやほんとこれもあれもそれも目覚まし時計が無いことが悪い。早寝はしたから俺は悪くない。そういえば十二時間以上睡眠してるだろ。底なし睡眠か?いままで負債でもあったのか?これからはきっちり八時間眠ろうと思います。
「それでは行く前に…」
イケオジはコホンとわざとらしい咳をするとこう告げた。
「私はバルサソ・セロナだ。皆からはバルサソと呼ばれている。バルサソと気軽に呼んでくれ。」
やっとか。今さらながら自己紹介。個人的に人と仲良くなるのに名前は関係ないと思っている。それは話の話題として、知り合いになった証拠のようなものだと思っている。というか名前は親が決める子の名称でありこれは個人で決めるものでは無い。なので私は名無しでも問題無いと思うのだが?というか親なし友なし身寄りなしだと名前はない方が正解に気が……フンッ、まあいい。これは後でその時になったらじっくりと議論しようでは無いか。
「僕はシュヴェルだ。特に呼ばれている名称は無い。好きに呼べ。」
癖で僕って言っちゃった……属性盛れるからいいや。むしろ僕っ子を推奨すべきでは?…そうだ!そうしよう!僕は僕で僕なんだ。
「それではシュヴェル君。案内しよう。」
「任せた。」
それでは仕事場に連行されましょうか。今さらに今さらを重ねるけど人攫いじゃ無いよね?
「ぉぉ……ャッベ。」
バルサソにも聞こえないとても小さな声でそう呟いた。案内されるがまま歩いていたら玄関についた。
その玄関は門であった。中央地区を通り街を抜け、少し坂道を登った所にバルサソの家があった。四面を塀で囲われ玄関である門からでも見える大きな屋敷。三階建てか四階建てか…どちらにせよ横に長い。縦と横の対比を言うなら1:5ぐらい長い。すごい。白と青色の綺麗な屋敷だった。海風に晒されていながら劣化も塗装も剥がれていない。
門をくぐるとさらに驚いた。屋敷までの間には長い砂利道がありその両脇には自然が溢れていた。天然の迷路じゃないか?と思うぐらいにはある。花は無いが緑が沢山、どこかが飛び出ていたりはみ出してもいない綺麗な空間だった。俺のへそぐらいの高さまでしかないけど。左には小さなパーティー会場みたいな壁に囲まれた空間があって右にはとても大きな木が一つあった。屋敷と同じぐらいの高さだ。その根元にはお茶会スペース?がある。さらにそれを囲うように池…いや湖があった。ここから見た限り生き物はいない。多分泳げる。後でこっそり泳いでみようか。
「あれが気になるのかい?」
右側を直視していたら声をかけられた。ここは好意に甘えて聞いてみよう。
「あの木は?」
一本だけ桁違いの大きさを誇る木。葉っぱの色も木の皮も普通の緑と茶色だ。
「あれは遠い友人からのもらい物でね。夜になるとほんの少しだけ光るんだ。遠目では何も見えないのだが根元までいくととても綺麗な姿が見えるだ。いずれ案内しようか?」
「お願いする。」
めっちゃ楽しみ。こういうファンタジー好き。
本当の玄関をバルサソが開け中に入る。最初に目に付いたのは階段。この大きな玄関の大半占領する階段。それは半螺旋状で二つある。その中央にあるのは黄色く光るシャンデリア。小さめのサイズ。特に装飾は見当たらない。
一階は玄関の扉から左右に四つの扉、二階には玄関の扉から左右に六つ、正面に一つ、計七つの扉があった。
バルサソは迷うこと無く二階に上がり正面の扉に入る。
扉をくぐると今までよりも屋敷感がさらに増す。一面に広がる本棚。そして読書スペース。そこには二人の使用人と友に本を読んでいる婦人らしき人物がいた。
使用人は素早く栞を本に挟み立ち上がる。そして婦人らしき人物の後ろに控える。それに気づいて婦人らしき人物は本を閉じてこちらを向いた。
「お帰りなさい。そしてようこそ我らの家に、よろしくお願いしますね。私はバルサソ・ナクリです。そこのセロナの妻をしていますね。」
「僕はシュヴェルです。よろしく。」
ゆるわか~~って感じ。優しそう。だけどお淑やかって感じはしないね。やんちゃって感じでも無いけど。こういつタイプは実は四十超えてますよってタイプだろ。
「私はここで失礼させて貰おうか。ここでの詳しい詳細は食事の時に説明する。それではまた後でシュヴェル君。」
「さようなら…」
初手放置?いや母強しの家庭か?こわいぞ。いったい何を話せば……仕事すれば良いだけか。そう考えるとめちゃんこ楽。
バルサソはそのまま部屋を出て行った。
「それではシュヴェルさん一曲頼めますか?」
「了解した。」
シュヴェルは背中に背負っているデラックススピーカーネオ☆をゆっくりと床に下ろし手を構える。
準備はしたがいったい何をやろうか……この神聖なる大図書館でサイバーサイダーとかボッカデラベリタはやる気が無いぞ。もっとほわわかののほんとしたやつは………ゆるやかな音程のナイトオブナイツでいっか。本家はちょっと激しいからね。しょうが無いね。後で真っ黒絶対やる。MIRAも追加で。
いつの間にか奥様が本読んでいるんだが??使用人も呼んでるし。あ、今追加の本を取りに行った。飲み物も補給された。めっちゃ良い笑顔で呼んでいるんだが??終われないんだが??一種の拷問だろ。俺の良心とお人好しとジャパニーズソウルのクールジャパンにくるんだが?
いいぜやってやるよ。俺が機械になるかお前らが飽きるか。どっちが早いか勝負しようぜ?/ / // / /行くぞ。かかれーーーー。
結果はバルサソの食事の誘いによって不問にされた。げせぬ…げせぬぞ…バルサソ……これからバルサンって呼んでやろうかな?
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
ふと疑問に思ったけどsideってなんだ?