「……ッ。」
気がつくとそこは森だ。私は倒れていた。空はわずかにオレンジ色に染まり一日の終わりを教えてくれた。
最後に見た…感じたものは……
街へ駆け上がる。一歩一歩大きく、素早く行動するために。
何も勘づけなかった。一瞬で衝撃が私を襲う……傷が無い…?確かにあの衝撃は左肩を……
見えた物は空、海、街、森、黒い人型……小さい…さきほどの少女か。
少女。
セイロン様が言っていた人物と酷似する少女。
今まで生きてきた中でも黒髪で黒目の人物は今ここで初めてだった。
声を掛けてみたが、その少女は気弱で至って普通の子供に見えた。
この少女が仮に例の糞餓鬼であるとしても、我々からの接触を拒むならこれ以上関わる必要も無いだろう。多少調べ上げるだけで十分だ。
その少女をそうだと思うのは一般的な身体能力では無いからだ。少なくとも僅かな準備で3mはジャンプが可能。
だが少し気がかりなことがある。なぜ吹き飛ばした。威力を間違えた?もし殺す気があるならなぜトドメを刺さない?時間はあったはずだ。まだここで寝ているということは仲間は誰も私のことを見ていないか、少女にやられたのか?
シュヴァルツは動き出す。これから夜が始まる。時間としては最高だ。
まずは街の中にある隠れ家の一つへ行く。
シュヴァルツはリズムが乗ったノックをする。するとリズムの乗ったノックが帰ってくる。
扉が開く。
「シュヴァルツさんどうかされましたか?こんな時間に。」
「何か不祥事が起きたか?連絡の付かない仲間は居るか?」
「お、落ち着いてください!十数分前に定時連絡をしましたか全員問題ありませんでしたが…」
「了解した。」
「ちょシュヴァルツさん!本当にどうしたんですか!?何かm……」
シュヴァルツは扉を軽く閉じ、歩き出す。裏道や人通りの少ない道を選び進む。
シュヴァルツは思考をクリアにするために視線を上げた。まだ夕日は終わっていなかった…
何の確証もない。理由もわからなけらば合理性も計画性も何もわからなかった。これ以上たった一人で調べるのは時間の無駄だ。だから最後に確認しておこう。何か手がかりがあるかもしれない。それだけだった。
吹き飛ばされたあの岩場。あの岩場では満ち潮が始まっていた。海に沈む前に来れたようだ。
…………どういうことだ?岩場にあの少女が倒れていた。左肩の衣服は破れている。しかも濡れて……海から出てきた?
海から少女までの間が他の岩場より薄暗くなっていた。
少女だけが濡れたとは考えにくい。ならば何故海から出てきた?唐突に高波が来たのか?
一歩づつ静かに歩む。目の前の少女から腕二本分離れたところで声を出す。
「貴様。これはいったいどういうことだ?」
当然の疑問。恐らくこの少女は間違いなく例の糞餓鬼だろう。だからこそ聞く必要がある。少なからずとも敵では無い。そう信じたい。
「……おい。」
返事は無い。もしかして……いや息はある。
さらに一歩前に出て腕を少女に伸ばす。右肩を掴み少し揺らす。
「おい。」
反応はない。思い切ってひっくり返してうつ伏せから仰向けにする。
「ウォッ。」
変なうめき声……赤い肩。鉄の匂いは海水にかき消されて、血は海水に流されたか。顔は変に歪ませている。
いずれここは海に沈む。そしてもしかしたらこの少女は恩人かもしれない。
その考えが私をこのような行動へと動かしてしまったのだろう。
シュヴァルツは飲料水で傷口を洗い流し、バックに入れていた包帯で少女の肩を巻きつける。そして肩に背負い住処へと向かった。
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
喜べボーナス週間だ。
ちなみにシュヴェルは海。
気を失っている。
人工呼吸!?です。
このシーンは主sideにする気はありません。あと運搬中にシュヴァルツは寝ました。