…パトラッシュ……もう疲れたよ……
シュヴェルは街から少し離れた坂道をシュヴァルツに連れられて歩いていた。左側にはちょっとした崖。そこまで高低差があるわけでは無いが街とビーチと地平線を一望できる。
ここまでの絶景は初めてだった。キレイだなーー
右側は壁。坂道を登った先にはまた街がある。そこの観光地とはまた違う住居用であり、貴族用の家も多くあると言う。
そして右斜め上。隕石落下中。イベント強制終了お知らせ。シエスタの冒険はここで終わるようだ……お茶したかった……ポンペイと遊びたかった……シュヴァルツさんに頭なでなで……クッソ。また来てやる。覚悟しておけシエスタ!
「どうした?急に立ち止まって。」
おっと。急に立ち止まって右斜め上を見続けたことにシュヴァルツさんが違和感を持ったようだ。
「ここでお別れのようだな。」
シュヴァルツの方を向く。悲しみの目を見せながら。
「…どういうことだ?」
「時間だ。セイロン様にはよろしく伝えておいてくれ。」
行こうとしていた道を引き返す。
「……何か手伝えることはあるのか?」
「いや無い。」
「了解した。時間があればいつでも来るといい。私はシュヴェルを歓迎する。」
「ああ。感謝するよ。」
シュヴァルツはそのまま行き先へと向かう。ただ一度も振り返ることも無く。
薄情とも言えるかもしれない。だが個人的にこれは信頼と思う。シュヴァルツさんと俺とでは住んでる世界が違う。お互いに知っていることは少ないし、価値観も違う。だからこそ他者の世界に踏み入れず、自分の世界を守っている。
うんたらかんたら言っていたが結局何が言いたいかと言うとシュヴァルツ✕セイロン最高。
さーーて現実見ましょうか。隕石君は鋭角で落下中。鋭角?鈍角じゃ無くて?……間違いない。鋭角だ。落下地点は俺じゃ無い!?うっそだろ。俺以外にいったい誰が標的なんだよ!!浮気は許さん。NTRはもっと許さん。覚悟を決めろッ!!
アーツ精密計測
落下地点……海…?津波?ハッやっぱり狙いは俺じゃ無いか!!いやまて住民まで被害及ぼすタイプ……龍門市街もそうだったわ。被害の桁が違うだけであれも範囲攻撃だったわ。
なので障害物(源石)を置いて落下の勢いを減衰させます。多少は効果があるでしょう。
そして浜辺へGO移動は大胆に、目立つように移動します。ジャンプで上空から行くぞ。
空中出現、数秒空に留まり、勢いよく落下。←砂埃を起こして注目を浴びる。そして一言
「サレ。」
シンプルかつわかりやすく。目に見えないサイズの薄い源石板を作ってエコー+ノイズ混じりの大声にして浜辺全体、海辺全体に届けます。
驚き、恐怖、戸惑い。良い状況だ。何の前触れもなく現れるより何か原因があった方が良いからね。
なので本来の目的を達成しましょう。防波堤設置。高さ20m。海辺全体、つまり隕石落下地点の周囲に防波堤を作ります。これで津波など無意味!(人は強制退去させて頂きます。街へお行きなさい)
壊れそうなら増強し、高さが足らないなら足せば良い。ヒャッハァッ俺は足していくだけやから。お前とは労力が違うんだよ。バァーーーカ。
シュヴェルは防波堤の少し上、上空で海を見下ろしていた。背後のことは気にしないでいよう。気にし始めたら吐き気で沈んでしまいそうだから……
……来るぞォー対ショック用意!……津波の推定高さ30m…ならばよろしい40mだ。防波堤を+40mして60mにします。
防波堤に津波が来る。だが防波堤を揺るがすことも崩すことも無く、ただ豪快な激突音を残し、津波は海へと消えた。
勝った。さーて本体カモンぬ………本体きて……本体はよ……本体はどこじゃ?
隕石は海に落下したきりそれ以上の反応を見せない。しびれを切らしたシュヴァルツは海を捜索開始……ファースト・トーカー、ファースト・トーカー!?本体の代わりにファースト・トーカー率いる海の怪物達が現れたのだが??……もしかして本当の目的ってそれ?賢い。俺の20倍ぐらい賢い。だが計算能力がない。海の怪物達がいくら現れても隕石の本体の方が強い。そしてまとまって攻めてくれて助かる。防波堤によって海の怪物達は逃げ場がありません。よって殲滅戦、、開始します。
二本の大剣を作る。それは黒く、敵の返り血ごときでその姿は変わらぬだろう。
ウラァーーーーーーー
ファースト・トーカーが雄叫びを上げながら液胞を投げ飛ばしてくる。
それに対してシュヴェルは大剣を一振りする。その一振りでファースト・トーカーごと液胞を切り落とした。
…この大剣は防御力Bを一撃……あの世界は所詮ゲーム。真銀斬を2,3回耐えきる雑魚敵は存在しないし、水鉄砲があんな火力な訳ないだろ??よってこの世界はファースト・トーカーごときラグナロクで一撃だし?なんならファウストも一撃だし?だがフロストノヴァは30撃だろうと耐えきる主人公補正があると思います。無かったら俺が無理矢理にでも守り切りますが??……早くストーリーが始まる前にフロストノヴァさん見つけなきゃ!絶対生存ルートにしてやるぞ。まずはお前らだ、海の怪物共。お前にやる時間はねぇんだよ。
八本の大剣をさらに作り出す。それはアーツで動かし大剣単独で動き出す。シュヴェルとは全く違う方向へと、敵を討ち滅ぼさんと向かう。最初の敵が切られるのと海の怪物達が再び動き出すのは同時だった。
四時間後……完全勝利。S。敵機確認出来ません。我らの勝利です。よってシエスタとの別れです……別れです……はぁ……次は何処行こうかな…いやまて今回は本体では無かったから吹き飛ばされることはない。よって隕石が来たからと言ってシエスタを離れる必要は無いのではァッ
嵐が吹く。嵐が流れ出てくる。その中心の海には渦が出来てた。太陽が傾き初めている。なので高い防波堤によって内側は暗い。だがその中でも見えるぐらいその本体は黒かった。
未だに二度の恐怖と屈辱を覚えていたシュヴェルは警戒する。フルアーマーで体を覆う。あらゆる動きに対応できるように全神経を周囲に寄せる。
にらみ合いが続く。そして最初に異変に気がついたのはシュヴェルだった。
風がない?
吹いていたはずの風が、嵐が止っていたのだ。そして渦の回転はそれをきっかけにさらに早く、回転していた。回転速度は徐々に加速する。それには終わりが無いように思えた。
一瞬。一瞬だった。一筋の闇がシュヴェルに突き刺さっていた。シュヴェルは対応することも出来ず黒い槍が突き刺さっていた。
……うッ…弱い……
黒い闇は確かにシュヴェルに突き刺さっていた。それも反応する暇も無く。だがその黒い槍はフルアーマーに突き刺ささり貫通はしていなかった。
早いだけ………奇襲特化………隕石とかいうクソデカ演出どうにかしなきゃその早さ意味なくない?自由自在に使えるとしても質量でゴリ押せば良いだけだし。最近ゴリ押しの素晴らしさを再び知った。物量こそ至高なり。
シュヴェルは渦があったはずの場所を見る。そこはただの海だった。渦の影など存在しなかったようだ。黒いやつも見えない。
よし。終わったな。これで宣言通りもう少しシエスタに滞在しましょうか。へっへポンペイちゃん待っててね!
シュヴェルは防波堤の海面近くにとても小さな穴を開けて外側へ出る。そして海の中を移動していつも寝床にしていた岩場に戻った。岩場に戻ってきた所で防波堤を消す。これで何も無かった存在しなかった。いいね。
おやすみ~~今日は気分が良い。今日初めて天災に勝った、いや初めての勝利にして完全勝利を納めることが出来たのだから。
今日は良い夢が見れそうだ。
シュヴェルはポン助を枕にして夢の世界へ飛び立ったのだった。
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
久しぶりに本能の赴くままに書いた。
嘘ついた。結構というかほぼ全話思うがままに書いてたわ。