ウィーーン
壁にある扉がスライドして開き二人白衣の男が車輪が付いた机と共に入ってくる。蜂防護服みたいに全身が白い布で覆われ顔の部分だけが透明なガラスでその顔を拝むことが出来た。青髪、黄髪だ。右を黄色。左を青色と呼ぼう。
ここが一番の興奮ポイント。肩にあるんです。肩にマークがあるんです。∞のそれぞれの穴の中に+に-がある。そう、ライン生命君です。
ヒャッパァァァァァァーーー
これはサリア一家を観察するしかない。居るかわからないけど観察する。目的は変わらずこの施設の掌握。そして心ゆくままに観察。そして可能なら炎魔事件も観察する。その過程に俺の被検体という結果があるが関係ありません。お薬上等。
「起きてる~?」
青色に話しかけれた。俺は無視する。なぜなら俺は今寝ている設定だから。前回と変わらず部屋の中央で大の字。今回はそれに目を閉じている。が追加されただけだ。
相手が思った以上にフレンドリーで戸惑うわー。これなら扉が開いた瞬間ガルルルルッ言いながら飛び退けるぐらいやっておけば良かった……いや動きたくないから無理だわ。お腹いっぱいの状態が長時間続くのは持ち悪い。ポン助からの反応もないし、どうしたんだろう?
「……ダメだ。寝てる。」
「それじゃ今のうちに採取しよう。」
「了解。」
車輪が付いた机からいろいろと道具を取り出す。青色がハサミを持って近づいてくる。そしてハサミで髪を2cm程切ろうとする。
「……おい…このハサミ不良品か?」
「何言ってるんだ?そんなわけ……貸せ。」
青色の代わりに黄色がハサミを持って髪を切ろうとする。だが
「……切れない…なぜだ?…まあいい他をするぞ。」
「了解。」
鉄?より髪の方が硬いだって?ほうほう…なるほど…ニヤニヤ
青色と黄色は採取を続ける。だが眉毛は抜けず、垢は見つけれず、爪は切れず、角も削れず、粘膜は口を開けれず鼻からは採取出来ず、採血に至っては注射器の針が皮膚を傷つけるが出来なかった。
「なんだこいつ…化け物か?」
「それより報告はどうするんだ?」
「見たまま、やった結果を報告するだけだ。」
「そうだな……そういえばこいつには胸に結晶体があった。」
「そうだったな。」
黄色が白衣を剥ぎ取り、シュヴェルの胸を露わにさせる。そこには真っ黒とした手の平サイズの結晶がそこにあった。
「きれいすぎる……な。いったいどんな物質だろうか?」
「わからないな。さあ、最後に試してみましょうか。」
青色がメスのような刃物をシュヴェルの胸にある結晶に近づける、あと数mmという所でシュヴェルの怒りが爆発した。青色のメスを持っている右腕をアーツを操作して肩から切り飛ばす。そして俺の体から10cm程上の空中に源石を生成して青色の心臓を貫き体ごと吹き飛ばす。青色が壁に衝突するまえに生成した源石は跡形もなく消えていった。青色から赤色が流れ出る。それは紫になることもなく、シュヴェルの白衣を赤く染めることは無かった。
髪は許す。爪も許す。角に至っては激怒するし、鼻をいじいじすることも口をこじ開けようとしたことも許さない。そこにシュヴァルツさんから貰った贈り物を傷つける事は万死に値する。満場一致で処罰に出てしまった。
「ッ!47コードA!」
黄色が片手で胸を押して言う。観察の結果何かのボタンがあることが確認された。
黄色は切り落とされた青色の右腕と青色を回収して外に逃げ出してしまった。
車輪の付いた机はどうするんだ?このまま放置?まあそれでも良いけど。フッフッフッ俺はすでに布石を打っている。
扉は開いている。ならばそこに源石を生成出来る。つまり外の観察が開始できます。外も案の定扉という名の密封状態、黄色が通った通路には既に見えないぐらい細かい源石が充満しているぜぇ!ハッハこのままありとあらゆる通路や部屋を通りたまえ。
おっと。この部屋に何か無色無臭の空気が入ってくる。フンッフンッこの鼻のヒリヒリ感。睡眠ガスだな。毒ガスかも知れない。まぁどうでも良い。もともと寝ている設定。動くこと無くて楽だわ~~。何があっても俺は死んだふりはしない!!
俺はこの場所でサリア一家を見つけるまで動かないぞ!!居ないって断言するまでいるからな。もしかしたらサリアさんやサイレンスさんと何かしらの関係を持てるかもしれない。イフリータと関係を持てるかもしれない。ウヘヘ考えただけで想像がはかどる。
うん?……あッ
源石君が………黄色が通路を4つ程移動して部屋に入っていった。そしてその部屋の空気が循環して源石君が通気口を通って外に排出されたと過程。外とは施設の外だ(たぶん)。通気口に入った瞬間感覚が無くなった。なぜです?理由は?……遠い×密封空間だと強制リンク解除されます?……まあそれでも切れる寸前まで状況がわかるなら儲けもんだすわ。
これで密封空間で遮られた先だと僅かな操作と把握はできる事がわかったね。
アッ?ファッ!?
ゴリラがきた!オーガがきた。よしお前はオーガだ。体長2.3m体重不明。他職員と違うオリジナルの衣装。まるで先住民族の藁服だ。さらにちゃんとライン生命の模様があるから関係者であると推測。武器はその背中にある棍棒のような大きな棒。
いやこんな考察をしている場合ではない!
オーガが源石君を叩き潰した。リンクも切れた。隣の通路に居る源石君の報告だと壁から地面にかけてヒビが入っている。地面は隕石が落下したみたいな後ができてる。どうやったら黒ずむんだよこのオーガッ!ハイオーガッ!……上位種などおこがましい。お前にはオーガで充分だ。
あっ………
二つ目の通路も叩き潰されてリンクが切れた。も、もしかして三つ目破壊しようとしてる?や、や、やめろよ施設壊れちゃうだろ?落ち着けよ!……撤退だ。三つ目の通路の源石君消去……四つ目も……四つ目の通路の源石君消去。
外とのリンクが………また誰かが入ってくるまで暇じゃん。ふざけるな。どこまで俺を暇にさせるのだ??ここは寝転がると妄想以外やること無いんだよ。クッソオーガ許すない。
………オーガがハンターになりました。源石君は見事にオーガを避けつつこの施設を掌握せよ。
・・・・・
「………消えたか。」
コードA。対象が暴走など問題が発生した場合に発令される。コードAには脱走や致命的な崩壊は含まれない。
47コードAが発令されたためそのサポートへと俺は47号がいる部屋と向かった。後もう少しと言うところで違和感を感じた。見張られているとも殺意とも違う体にこびりつく感覚。そしてそれは棍棒で叩き潰して消すことが出来た。
「どうしたんだゴッゴリ?いきなり攻撃するなんて…衝撃で通路が壊れかけたぞ。修理班が泣くな。」
「何か違和感を感じた。安心しろ今はもう感じない。」
「そうですか…あとで修理班に差し入れでもしてこい。」
「わかった。」
ゴッゴリの隣に居る男は特に気にした感じは見せずに再び歩き出す。そして次の通路の扉が開くとゴッゴリが前に出てきてまた棍棒を振り下ろす。
「……また消えた…」
「おいゴッゴリどうした?感が鈍ったのか?いい加減通路を壊すのはやめろ。減給されるぞ。」
「…47コードAの損傷は?」
「はぁ……聞いたか限りでは職員一名の重傷もう一人は無傷。今は緊急待機部屋で……ぁあ……先ほどの通路からその二人がいる待機部屋へ行ける。さっすがゴッゴリ。頼りにしてるぞ~」
「次の通路行くぞ。あと二つで47号の部屋だ。構えていろ。」
「了解。」
ゴッゴリの隣にいた男はゴッゴリの後ろに移動する。次の通路への扉が開くと同時にゴッゴリが飛び出して棍棒を振り下ろそうとする。だが地面に激突する寸前に棍棒を止めて体勢を戻した。
「ない…?」
「どうしたゴッゴリ?ないって…違和感を感じないのか?」
「ああ感じない。次急ぐぞ。」
ゴッゴリが我先にと47号がいる部屋と繋がる通路へと飛び出る。だが今回も寸前で棍棒を止めた。
「ゴッゴリ大丈夫だよな?」
「……感じない。問題無い…だが47号の部屋の目の前だ。注意を怠るなよ。」
「おいおい俺はそこまで落ちていないぞ。」
ゴッゴリとその隣の男は約二時間、47号へ行動が起こされるまでの間ずっと部屋の前で待機していた。そして後日、修理班に泣き付かれ破壊する前に破壊せずにすむ方法を考えることを誓わされていた。
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
一つ言うことがあるなら今回の章は短い(はず)です。