好きには不祥がつきまとう   作:庭顔宅

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5/3 我らがホーム

……うむ、完成である。

 

彼が上を見上げる。そこにはゆらゆらと風に乗り揺れる大樹があった。ほお惚れと眺めていると3つ、葉が落ちてくる。まるでA4サイズの紙のように左右に大きく揺れながら落ちていく。1つだけ彼の目の前に落ちてきた。他は風に身を任せたままどこぞへと行ってしまった。

 

その1つの葉を手で受け止める。すると葉はまるで最初から何も無かったんじゃないかと思うぐらい、静かに塵へ姿を変え消えていった。

 

これぞ理想。

 

大樹は大幅に変更された。最初はトランプのクローバーのような形の大樹であったが、今ではYのような形になっている。中央部には平らになっている。広さは10m程度。今後なにかしら追加する。これは伸びしろです。上から物理的見えないほど葉はたっぷり作り上げた。

 

この葉は一番のこだわりです。長さ10cm横4cm幅0,5cm、辺は0,1cmにして極限まで軽さを追い求めた。中身はない。ただの張りぼてである。たぶんハウスダストより軽いね。間違いない。

 

大樹は硬い源石で骨組みを作って液体で埋め立てる。枝はほぼ液体の源石だ。葉の軽さも相まって風に揺れるぞ。めっちゃ揺れる。Yの形だがTの形のように横に広く葉は広がっている。めっちゃ揺れるぞ。だが高い位置に葉セットを作ったせいで日陰が豆以下の雑魚具合である。

 

それとポン助経由でシステムを組んだ。ポン助天才。無意識の分別?多重人格?ま、そんな感じだろう。ポン助にもわかっていないことが俺にわかるわけないだろ。だがこれである計画を準備段階に移せる。ふへへ……まってろよ……

 

システムとは刺激を与えられた葉は乱数で本体(大樹)から切り離される設定だ。刺激の強さを8段階に分けて強いほど切り離される確率が上がる。

 

落ちた葉は砂のように崩れて風の向こうへ消えていく。そして新たな葉が生える。これで落ち葉問題は消えた。よし……さて

 

ポン助いる?……やっぱりなぁ

 

ポン助からの反応がない。居ることはわかっている、てか消えるわけがない。ちょっとポン助の意識を覗いてみると空からの景色だ。集中しすぎてって事ですね。ここに来るまでの移動も最初の方は反応が無かった。剣を操作するのに集中していたんだろ。根拠はないけど。

 

なので俺は勝手に行動しましょうね。

 

ッもう!ここでやることはないッ!!

 

もう弄くる気が無い。やる気は大樹に消えた。なので俺も外に行く!!

 

この拠点は適当に黒い霧を蔓延させる。空からは見えない。変な黒い霧が見えるが、この世界の飛行技術はまだまだなはずだ。こんな辺鄙な所までわざわざ確認するわけないね。山から入ろうとする奴らには方向感覚狂わせてお帰り願おう。防衛はこんなもんでええやろ。全てを貫通して侵入するならば68がお相手する。実戦投入です。たとえ家が壊され大樹が壊れてもまた無費用で作れる。はっ多少の地面を整えるのに労力を使うぐらいで問題無いね……それなら暴走機関車も作るか?……またの機会にしよう……俺はもう疲れた。外にでるぅ!!

 

よし行く……トランスポーターって国家試験的な国家資格だった気がするのは気のせいだろうか?……もしもの事を考えたら面倒くさい…賞金稼ぎになるか…

 

…最初の方は信頼も実績も何も無いからなぁ……最初はアドリブで頑張るしかないよね。うん。行くか。

 

さぁ自信とアーツを持って行きましょうか……ちび……ガキ……体の数字……うーん無理。絶対こいつガキじゃんふんガキはマッマのπでも吸ってろksうっわなんだこの数字気持ち悪、自傷癖持ちかよって流れですね……なのでフルメイルだ。

 

源石性の安心安全のフルメイル!フードの代わりのフルメイル!隙間もなく密封性すばらしき。

 

俺は手足を折り曲げて繭のようにうずくまる。そこがフルプレートの胸の部分ですね。そこに手足と頭の五体を増やして身長マシマシの高身長です。勝ったな。

 

アーツで体は守られている。アーツで体は動く。アーツで死角はない。アーツは安心安全の源石性。よしこれで不安は消えたね…消えたよね?…思いつかないからオールオッケーって奴だな。

 

突撃!近くの町…街だな。走れメロス。メロスの太陽が沈むより速い走行速度より早く……メロス?名前はどうしようかな?

 

……うむ。レイヴァブンでいいか。

 

理由?レイブン、レイヴンいずれもカラスの別名である。いい感じにまとめたのがレイヴァブン。黒い鎧と相まってなかなかいいのではないだろうか?

 

それはそうとしてレイヴァブン。それが賞金稼ぎとしての俺の名前である。一人称はついに僕を捨てて俺…私だな。フルプレート的な騎士として私の方がいい。そっちの方が合う。

 

拠点を離れて山の頂上に登った。理由はない。ただ登りたかっただけ。山頂から見える日の出は綺麗だった。

 

これから夜が明ける。

 

 

 

 

~~数ヶ月後

 

??side

 

扉を開け酒場に入る。初めての街で初めての酒場。だが迷いもせず、騒がしい周りを無視して旅の友の元へ行く。

 

「やっと来たか。」

 

旅の友は俺と同じくフリーの天災トランスポーター。またの名、何処にも属さない浮浪者だ。外見はボサボサの茶色のフード。だが周りもそんな感じだ。恐らく顔を隠していない奴らの大半はここに住んでいる奴らだろう。

 

「ああ…まだ始めなかったのか?」

 

「だから早く乾杯しようぜ。」

 

「そうだな。」

 

目の前には丁度、酒がある。キンキンに冷えたと言うわけではない仕事終わりに一杯と考えたら最高だろう。

 

「「乾杯」」

 

まずは一口。相変わらずこの旨さからは逃げられそうになさそうだ。

 

「おまち!」

 

おっと売り子から酒の摘まみと酒が追加された。どうやら旅の友は宴でもしたいようだな。

 

「それで何かいい情報あったか?」

 

「お~~さっそく聞いちゃう?」

 

「おうよ、話な。」

 

やっぱりいい情報があったようだ。ずいぶん嬉しそうだな。

 

「隣街の黒騎士って知ってるか?」

 

「けっ貴族様かよ?お抱えか?…もしかしてなんか面白いへまでしたのか!?」

 

「残念ながら貴族様でも関係者じゃねぇよ。」

 

「ふーーんそれで?」

 

冷めた俺はさらに大きな一口で酒を飲む…酒を飲み干してしまった。けっつまらねぇ摘まみがうめぇ。やっぱ塩だな。酒には塩が効いた摘まみだよ。

 

「賞金稼ぎ。それも有能で優秀な賞金稼ぎ様だ。」

 

「………何が話したい?殴り合いがしたいなら表に出ろよ?久しぶりに相手になってやるよ。」

 

「おっ!?喧嘩か?いいねぇ~威勢がいいね~俺はその怒ったあんちゃんにかけるぜ。」「なら俺は「シャ↓ラップ↑部外者は黙ってろ!」

 

俺は旅の友の胸ぐらを掴む。旅の友はかわらず酒を飲む。なので代わりに俺は摘まみを食す。

 

「で?さっさと要件を話せ?」

 

周りが酔ってるなぁとか面白しれぇとか騒ぎ出した。黙ってろよ。あと俺は酔ってないぞ??

 

「隣街に黒騎士がいるんだよ。全身真っ黒のフルプレート。武器は大剣1つの化け物さ。」

 

「ふーーんっで?なにが化け物なんだ?」

 

そこでやっと手を離して次の酒に手を伸ばす。周りはなんだその話かよつまんねーなと興味を無くしたようだ。

 

「なんとそいつはソロ。30人だろう100人だろうが一人で消し飛ばす。特別な実績はそれぐらいだな。有名人をやったとかはない。」

 

「いったい何が面白いんだよ?」

 

「黒騎士は決闘をやってるんだよ。最初は黒騎士の名を語るやつら潰しにやったんだけど遊びになったんだよ。いまじゃその街の名物さ。」

 

「はぁ……つまんな。しらけた。俺は帰って寝る。勝手に飲んでろバカ。」

 

金だけ置いて席を立ちこの酒場から出て行く。

 

「あっそういえばこいつ闘技場とか嫌いなタイプだったわ……おい待てよ!」

 

後から旅の友が来るが無視をして路地裏に向かう。

 

「うるせぇもう俺は帰るんだよ!!ただでも疲れているのに!!もう寝る!!」

 

「おい待てって!悪かったよ。」

 

「おいお前ら。」

 

っ!?

 

予期せぬ声が背後から聞こえた。酒の飲み過ぎだな。初手で仕掛けてくるタイプじゃ無くて良かった。おかげで命がある。

 

「なんだ?なんのようだ?」

 

もう酔いは冷めた。俺は相手から見えない位置で腕を動かし武器を持つ。不幸なことに相手は黒いフルプレートを着ている。もし噂の彼であれば最悪、いや天災級だな。

 

「先ほどの黒騎士はどの街だ?」

 

「東の街だな。」

 

それ以上何も言わない。彼女が何をしようが俺たちには関係ない。

 

「そうかありがとう。」

 

そう言って人混みへ、大道りに消えていった。

 

「……おもしろそうだな。」

 

「どうした?頭でも打ったか?それともまだ酔ってるのか?」

 

「女声だった。」

 

「どうしたんだよ?いい加減にしろよ?そろそろお前の頭にぶち込んで気絶させるぞ?」

 

「噂の黒騎士様は男だぞ?」

 

「っ!?」

 

頭の中で繋がった。まるで先ほどの酔いよりも深い快感が頭を襲った。

 

黒騎士…強い…決闘…女版黒騎士…おもしろそうだな。

 

「…おい?」

 

「な、なんだよ。」

 

「お前は黒騎士を見たい。そうだよな?」

 

「お、おう。」

 

「よし行くぞ。10分で荷物をまとめろ。15分で挨拶回りを終わらせろ。5時間で隣街へ行くぞ。」

 

「……そうこなくっちゃな!!!おら行くぞ!」

 

二人は走り出す。宿へ向かって。

 

その途中、旅の友はやっと酔いと高揚感が収まって思い出した。

 

「そういえば、闘技場とかは嫌いだったけど劇場とかは好きなタイプだったな。」

 

旅の友の頭の中でも繋がったようだ。

 

 

 

 




テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ

執筆していて思いました。ここから本編では?となのでここから本編とする。

名前についてメタい話をするとタイピングをするときレイヴブンと打つよりレイヴァブンの方が楽だからです。
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