好きには不祥がつきまとう   作:庭顔宅

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5/9 我らのホーム

見えてきた。

 

乱雑に切り分けられた木の棒が適当に組まれ、縄で固定された貧相かつ雑な檻。奥の壁に4人が肩を寄り添っている。檻の手前には10名の死体。南無…

 

レイヴァブンは背中の大剣を縦に振り下ろす。木製の檻はそれだけで崩壊した。少し歩いて4人の目の前に移動する。

 

フム…悪魔が背中で、兎ちゃんと子犬が…鳥?……ケモミミちゃう、角ちゃう、見えないタイプの種族ちゃう、仮定鳥類とする。言い直しましてサルカズが背中、兎と子犬が鳥類の膝を枕にしていた。兎と子犬は鳥類の方を見ているので顔は見えない。全く動かないのなんでだ?

サルカズの子は灰色の目と髪を持つ。ジト目のような敵意をこちらへ見せている。可愛い。甘い物で餌づけしたい…それに対照的に鳥類の子は藍色の髪に抹茶のように濃い緑色の目、何を考えているかわからない。猫より何考えているかわからない。

 

さて十秒経過。何も対応がありません。餌づけの夢は捨ててさっさと行動しましょ。あの組合に全部任せてやる。この落とし前は組合に取らせる。あの銃と4人とこのアジト監視を付けて帰宅しましょう。

 

「このアジトは殲滅した。これから街に戻る。何処かに行きたいなら行け、無いならこのまま護送する。」

 

「……あなたは何者?」

 

反応を返したのは予想外なことにサルカズの子だった。あと街の名前知らなかったわ。これだと悪評を広められないんだけど??あとで門番の人にそれとなく聞いておこ。

 

「賞金稼ぎ、組合の依頼でここを根城にする盗賊を討伐しに来た。それで、私に着いてくるのか?何処かへ行くのか?」

 

「……」

 

サルカズの子が鳥類の子の背中に隠れる。まるでそれを合図にするように膝を枕にしていた兎と子犬が頭を起こし、鳥類の子へ顔を向けた。

そして決定を下したのは鳥類の子だった。

 

「護送…お願いします。」

 

「了解した。さて行こうか。」

 

「まって。」

 

予想外の声が上がった。その声の持ち主はサルカズの子だった。

 

「お願いしたら、何でもしてくれるの?」

 

話の流れが見えない。いつお願いを叶える話になった?いや飯か。干し肉とジャガイモしかないけどいいんか?

 

「いいだろう。なんだ?願いとは。」

 

「わたしを殺して貰えますか?」

 

「…?……(!?)」

 

どうなってる?え?いきなりすぎ。サルカズの子も驚きだけど鳥類の顔も驚きなんだけど。

 

鳥類の子は一瞬悲しそうな目を見せた。だがすぐに納め目を閉じた。俺にはまるで祈るように見えた。

 

「死にたいのか?」

 

「…うん。」

 

静かに頷く。

 

そう……ここは対オヤジ術。てめぇの尻は自分で拭えですね。

 

「ならば自分で終わらせろ。」

 

レイヴァブンは背中の腰の部分から源石性の短剣投げる。サルカズの子の目前の地面に突き刺す。

 

「全てを終わらせたいなら自分で終われ。だが一つ考えろ。ここで終わって良いのか。」

 

「ここで?」

 

サルカズの子はオウム返しのように同じことを呟く。その目は疑問に溢れていた。

 

「今、お前に二つのチャンスがある。一つはここで全ての不幸から逃げるチャンスだ。二つは新たな幸運へ歩き始めるチャンスだ。前者はこれ以上苦しみを与えられることは無い。後者は今以上の苦痛を与えられるかも知れない。だがこれはチャンスだ。目の前に仲間がいる。そして助けれる都合の良い大人がいる。」

 

「つごうのいい…おとな?」

 

「そうだ。そしてこれからが大切だ。よく聞いておけ。死ぬのはいつでも出来る。ちゃんと対策さえ出来ていればいつだって死ぬことが出来る。だが生きることはいつでもは出来ない。対策も確実はない。死んだら何も出来ない。何も知れない。」

 

「…生きていたら良いことがあるの?」

 

「少なくとも仲間は生きようとしているのではないのか?」

 

サルカズの子が鳥類の肩から顔を出して三人を見る。二人は相変わらずわからないが、少なくとも鳥類の子は何を考えているかわからない。

 

「ねぇ、なんで生きようとしてるの?」

 

「…故郷に行ってみたい。お母さんが住んでた綺麗な自然が溢れる村に、行ってみたいから。」

 

少しだけ間があったが鳥類の子が答えた。それに続くようにペッローとコースターが言う。

 

「お菓子が食べたい。甘いって味がするお菓子が食べてみたい。」

「……特にない、けどみんなと一緒に寝ていたい。」

 

「そ、っか…」

 

サルカズの子が鳥類の子の背中に隠れる。少し待ったが、どうやら答えは出てこないようだ。

 

「その短剣はお前が持っていろ。死にたいなら勝手に死んでいろ。」

 

サルカズの子が肩からちょこっと顔を出す。そして真っ黒な短剣を両手で掴んだ。じっくりとその短剣を見ている。

 

「さて食事だ。簡素だが文句は言うなよ。」

 

背負っていた干し肉4切れ、ジャガイモが入っている革袋を投げ渡す。

 

3人は目の色を変えた。残りの一人も目の色は変えていない、だが手が伸びるのは誰よりも早かった。きっちり4等分。それに3人は文句を言うどころか鳥類の子の目の前に座りこむ。俺には尻尾をブンブン振っている幻覚が見える。

 

さて食料調達に行きますか。水源、獣、食べれる植物は知らない…それも街で調べよう。川は見つけたから問題無い。問題は獣。豪快な焼き肉スタイル。片道約4日分を最低限見通しておきましょう。

 

 

 

 

 

 




テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ

想像するのは最強の自分!

ということで次の限定ガチャで濁心スカジ神引きします!!!
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