好きには不祥がつきまとう   作:庭顔宅

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2/1壊死からの地生 チェンside

「全地区問題ありませんでした。チェン隊長」

 

「あぁ……ご苦労」

 

ここは龍門市街。夜にもかかわらず辺りは明るく、まだまだお休みになる気配はない。特にイベントがあるというわけでもないのに活気は劣らず、今日もまた一日が終わり始めるのだろ。

 

そんな中に一人腑に落ちない顔をした少女がいた。

 

だが少女は龍門近衛局の特別督察隊隊長として、君臨している。いまは隊長クラスの部下に囲まれて、報告を聞いていた。

 

 

「……隊長気にしすぎですよ。ちょっと最近短時間で同じ場所に天災が起こったぐらいで……」

 

「重点的に巡回するには十分な理由だ。突如現れ、突然消えた。そんな場所に近づこうとしているんだ。」

 

「し…しかし……」

 

「それだけではない。これは私の感でもある。これから何かが起きると……」

 

「……分かりました。」

 

「ならばよろしい。」

 

「今日はこれで終わりだ。明日からもしばらく続けるからty……

 

突如言葉が止まった。後もう少しで帰れるというのに。今後の心配をしながら、質問をする。

 

「……隊長どうかしました?」

 

「いや…いまなにか……ッッ!!全体警戒態勢!!謎の飛行物体が接近!!」

 

さすが隊長クラスだろうか。その活性的な声に瞬時に反応し、特別督察隊隊長が向いている方向に構える。

 

向いた方向には夜の空のなかただ一つの物体がこの龍門市街に向かっていた。高速で……

 

辺りから驚いた、戸惑う声が聞こえる。

 

 

何だあれは!?あの大きさで直線移動をしている!?それもたった一つしかない。攻撃か?いやその前にどう対処する?……冷静に、まずは避難活動からだな。

 

 

無線機を起動し叫ぶ。

 

「全隊に次ぐ!謎の飛行物体接近中。直ちに避難誘導を!!」

 

辺りから避難を呼びかける声が聞こえる。だがその飛行物体はすでにそこまで接近している。どうやら落下地点はこの龍門市街のようだ。

 

 

 

「ゴァァァン」

 

鈍い音が辺りに響く。運が良いらしく、その物体はマンショに激突し、爆発等はしなかったようだ。

 

「そのまま警戒態勢を続けろ!私が落下物を見てくる。B班はついてこい!!」

 

抜刀し、落下地点に向かう。砂埃が舞、その物が何かは分からない。少なくとも地面に落ちてはいない。マンションにめり込んでいるようだ。

 

後5,6mという距離でなにか小さめの黒い物体が落ちた。すぐさまチェン隊長は指揮を出す。

 

「B班傾注。指揮権を戻す。臨機応変に行動しろ!」

 

残り2mほどの距離で止まる。そして、剣を構える。

 

 

砂埃が晴れる。その物体が、もぞもぞと動き出し、うずくまるのが分かった。

 

 

小さい……うずくまっていることもあるが、単純に小さいな。あれはフードか?考えるだけ時間の無駄だな。まずは、、

 

「おい、貴様何者だ?」

 

大きな声ではないが、小さくもない声だ。その声を聞いた不審者が体をビクッと震わす。そして恐る恐るといった感じに顔を上げる。両手両足を地面につけながら。

 

大半がフードに隠れていて、詳しくは分からないが、それはしっかりと見える。小さな顔には合わない、私の腕よりちょっと小さいぐらいの大きさの角だった。

 

そして何より違和感なのがそれだけ大きな角がありながらフードからはみ出では無く、きれいな円を描くフードの頭部分であった。

 

 

鬼……か。ホシグマの親族か?いやならなぜ飛んできた。たしか極東にしかいなかったはずだが……敵対心はなさそうだな。保護出来るか?

 

 

沈黙が辺りを支配している。しばらくの間視線が交わる。その沈黙を崩したのはチェンの方からだった。剣を収めながら

 

「……お前の名前は何だ?」

 

と言った。しばらく立っても返答は無い。また辺りが静かになる。今度は目の前の子供が突如話しかけてきた。

 

「……Uc207Pr4f57t9」

 

「いや待て。」

 

チェンが突如その子供の声を制止し、言葉を紡いだ。

 

「それが名前か?」

 

「あぁ」

 

……これはどっちだ……?ライン生命関わりか、それともそれ以外か。はぁこれならホシグマに鬼族のこと聞いておくんだったな。

 

珍しく後悔していた。

 

「なにか名称は無いか?」

 

目の前の子供は無表情のまま、動かなくなった。そしてまた突然、

 

「シュヴェル……」

 

そう言ったのだった。

 

「いくつか質問をする。まずシュヴェル、どこから来た?」

 

今度は間を置かずに答えが返ってきた。

 

「山」

 

「何か他に情報は無いか?」

 

「知らない……」

 

「じゃどこで生まれた。」

 

「山」

 

「両親は?」

 

「知らない……」

 

とりあえず安心はした。ライン生命関わりでは無いのだろう。捨て子か……よく生き残れたな。

 

「ここには何をしに来た?」

 

「ない……」

 

「じゃなんで飛んできた?」

 

「爆発……」

 

自分でも驚いているのが分かるぐらいには驚いた。

 

「誰がやったのか分かるか?」

 

「隕石……」

 

「……どういうことだ?」

 

「隕石が、爆発した。」

 

ますます分からなくなった。次の質問を繰り出そうとしたら。無線機から報告が流れ込む。

 

「……チェン隊長。避難完了しました。他、不審者や飛行物体は確認できませんでした。どうしますか?」

 

そこで周りを見渡す。B班が私たちを囲むように警戒していた。目の前の光景とこの子供以外問題無いように見える。

 

「警戒は交代で続けろ。謎の飛行物体を確保した。このまま局に戻る。他はいつも通りだ。避難者も戻しても問題無いだろう。ご苦労。くれぐれも注意を裂くなよ。」

 

「了解。」

 

上への報告か……仕事が増えたな。まぁさっさと場所を変えるか。このまま話していても寒いだけだろう。見た感じ子供はフードに薄着だ。

 

「シュヴェル、つまり君は行く場所が無いということだな。」

 

「そう……」

 

「じゃ私の職場に来い。龍門近衛局と言ってな、この町で一番安全n

 

龍門近衛局と聞いた途端。子供の肩が大きく震えた。そしてその子供は飛び上がった。物理的に。高さ20mほどはありそうなマンションを飛び越えて、、

 

なっ……飛び越えた!? はぁ決めつけはよくなかったな、もしかしたらの可能性を考えられなかった私の落ち度だ……しかしこの身体能力か……もしかしてホシグマも飛び越えられたりするのか、、?

 

 

そんな疑問を思い浮かべていたら、そこにB班が飛び込んでくる

 

「チェン隊長!!どうしますか!?」

 

チェン隊長は考え込む。

 

ここで見逃す手は、、ない。だが、どうやって捕まえる?あの身体能力をどうやって制覇する?これ以上龍門近衛兵たちを酷使はできないな。

 

「お前たちは変わらずだ。そのまま帰宅しろ。……いや巡回する者に鬼族の子供が迷子になってしまったので見つけたら保護、もしくは確保しておいてくれと伝えてくれ。私は一度報告をしに行ってから探しに行く。」

 

 

言い終わったチェン隊長は歩き始める。途中ため息を吐きながら、どこかへ電話をしていた。

 

『もしもし、私だ。』  

『もしもしどうかしましたか』  

『あぁ問題があってな。鬼族の子供が一人で迷子になってしまって』

『この避難誘導に関係ありますか?』  

『ああ任せられるか?』  

『はぁでは後でちゃんと教えてくださいよ。』  

『ああ分かった。またな。』  

『では。』

 

そう言い電話を切る。

 

ふとあの子供のことを考えた。だが何も思いつかなかった。あの、怖い者を見るような目も、まるで何もかも知っているような目も、無表情もまるで別世界にいる用に感じた。

 

実際私とは全く違う世界に住んでいたんだろう。

 

でもなぜか、不思議と心配してしまう。なぜだろうか?これが噂の母性とでも言うやつか?まぁいい。

 

あんがい、他人のことなんてお構いなしに適当な場所で寝ているように思えてきた。

 

 

その顔にかすかに笑みがこぼれていたのは誰も知らないことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ

hai!sideということでね、遅いくせにストーリーを多用して話稼ぎをしていきます。

不定期タグをちゃんとつけておきます(詐欺防止){手遅れ?}
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