好きには不祥がつきまとう   作:庭顔宅

88 / 121
5/21 我らのホーム

拠点に戻ってきて最初にしたことは、家の縁側に座ってぶらぶらと足を揺らすことだった。

 

ほくほくと良い笑顔で足を揺らす。手を後ろについて、楽な姿勢で大樹と空を見つめる。落ち葉が綺麗です。凝った価値があった。なんだかんだとパルシアから離れて2週間たった。つまりお芋作戦から1週間たったってことだ。

 

その間はずっと休んでいた。

久々の休暇は良かった。何もしていないが、幸福感だけはある。すばらしい。

 

やったことといえば守護兵を全部消してドラゴンを作った。二足歩行タイプのドラゴンです。大樹の下で眠っています。2頭です。多くの量を精密に動かすのは面倒くさいと考えて、圧倒的な強者少数の方が良くねと考えて変えた。

 

だがさすがドラゴン。目、瞼、鱗、翼、腕脚、手足、指と動かす所が多すぎる。強者ムーブをするには精密な操作が必要だった。もう1頭だけで良かったんじゃねと思ったが、あの広い空間に1頭は寂しいので仕方ないね。

 

さて、そろそろ休暇は終わりだ。パルシアに戻ろう。

 

フルアーマーを生成し、空を飛ぶ。が途中で、とある村が目に入ったので地面に足を着ける。そしてじゃがいもの入った袋を背負う。村の入口へ向かって歩き出す。

 

たのもう。

 

そう声を上げよと思ったら、先に他の言葉が聞こえてきた。とても小さな声だった。

 

「なぁあの騎士って前に来た奴だよな。」

「背中の袋ってやっぱり恩返しのやつだよな?本当にあったんだ。」

「大丈夫なの?襲わない?」

 

さすが子供。興味津々といった所か。村の中にある家の壁から半分顔をチラッと出して監視しているちびっ子三人組がいた。

 

「子供達。おいで。」

 

小さな声でそう言うと、ちびっ子達はビクッと震えた。戸惑いながら作戦会議みたいに、顔を隠して円陣を組んでいる。なんとも可愛らしい。

 

「おいで。」

 

こう何度も言っていると俺が誘拐犯のように思えてきた。さっさと芋を渡してパルシアに帰ろう。

 

ちびっ子達は遠慮しながらもこちらに小走りで近づいてくる。

 

「なぁあんたって前来た騎士だよな?」

「ちょっと騎士様にあんたって。」

「やっべ。」

「き、騎士様?別に悪気が…

 

「別にかまわへんよ。好きにお呼び。」

 

「ふぇ?」

「へんよ?」

「お呼び?」

 

単語を繰り返し、目をポカンとしている。

 

……ただのお茶目な悪戯じゃないか。そこまで驚く事なくない?

 

「こほん、君たちにこれを上げるよ。村の人達と分け合いなさい。」

 

そう言って芋の入った袋を渡す。

 

「うわぁ…重い。何が入っているんだろ。」

「芋だ!全部芋だ!」

「今夜は芋パーティーだ。」

「恩返しだ!本当にあったんだ!」

「なぁ…」

「重いよぉ、持てないよ。」

「大人の人呼ぶ?」

「いや俺たちだけで…

 

俺は眼中にないようだ。無視もされた。まぁだから何って話だ。

 

「おばあさんにもよろしく言っておいてくれるかい?」

 

「重いよぉ。」

「いやまだいける!」

「もっと熱くなれよ!」

「ファイトー……

 

どうやらお芋にお熱のようだ。お芋程度にここまで熱くなれる子供達。恐れ入った。ちびっ子達などと失礼を、次から子供達と言わせて頂きます。

このまま去っても気づかなそうだ。まぁ楽しそうだしこのまま去ろうか。

 

「また会いに来るよ。」

 

子供達は相変わらず、お芋に夢中だ。このまま去るとしよう。

 

今度こそパルシアへ行く。移動は素早く、あっという間にパルシアの門が見えた。街の様子は変わらずだった。

 

「お、やっと帰ってきたか。レイさんよ。」

 

「ああ、久しいな。」

 

「2週間ぶりかぁ。思ったより早かったな。」

 

「わざわざ数えていたのか?気持ち悪いぞ。」

 

「うっせ、俺は記憶力が良いだけだ。決してお前に気があるわけじゃねぇからな!」

 

「安心しろ。心配などしていない。」

 

ここの門番達とは仲良くなれた気がする。特に交流はなかったが相手がフレンドリーに接してくれるのだ。こちらも若干フレンドーにしなければ失礼という奴だろう。ちなみに今話している門番は初見だ。

 

「さて、証だ。」

 

「おうよ、問題なし。入りな。」

 

「ちゃんと確認したのか?」

 

「おうおうしたした。絶対した。」

 

「信じられんな。」

 

「別に確認することなんてあんまないからすぐ終わるんだよ。」

 

「にわかには信じられんな。」

 

「にわか?」

 

「気にするな。故郷の言い回しだ。」

 

「へぇ何処の?」

 

「秘密だ。知りたかったら自分で調べな。」

 

「お?調べたら酒奢ってくれるか?」

 

「出来たらいいぞ。」

 

「よっしゃ。言ったな?おいおい聞いたなお前ら!全力で探せ!」

 

「おうよ!」

「任せよ。」

「さっそく酒場に行って。」

「行かせねぇよ。」

 

あちこちからそんなやる気のある声がする。まったく中がよろしいことで。約30人を一晩。幣が飛ぶな。死ぬぅ。今幣もってないんだけど。がっつり稼ぐ気も無いんだけど。はぁしばらくは組合付けするか。

 

門番の声を後にし、組合へ行く。

その理由は安否証明と依頼を受けるためだ。

 

中には受付嬢の前にずらりと並ぶ人達。相変わらずだな。俺も俺とて、シウさんの前に並んでいる人達の後に並ぶ。

 

組合に備え付けられている酒場から俺を噂する声がある。まったく野郎に興味わかれても嬉しくないよ。

 

 




テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。