「……よし。依頼は終了だ。ありがとうモスティマ。」
「今後ともご贔屓に。それじゃ帰るよ。」
無事に依頼の輸送は終わり、今依頼の物を渡し終わった後である。すぐ帰ろうかと思ったが、せっかくなので少し観光してから帰ろうかと宿をとった。
そして夜。結局、ちょっと昼寝と寝っ転がった夜になった。やはり先に宿をとったのは間違いじゃ無かったね。
そうだと思い出し、彼の名前をつぶやいた。
「カセロ…いる?」
薄壁一枚貫通することはないほど小さな声だった。まだ呻き声の方が大きいだろう。だが少し時間がたったが何の変化は無い。
彼女は部屋のドアを開けてみた。
もしかしたら、カセロは普通に歩いて来ていて、受付の人に呼び止められているのではと思ったからだ。カセロは物理的に不可能なことは無理だと言った。なのでいきなり目の前に現れるなんてことは無いだろう。そうなると道は2つ。ドアか窓だ。
ドアの開けて出来た隙間から耳を澄ますと、争い声はしない。隣の酒場が騒がしすぎて聞こえないだけだろうか?
と思っていたらいきなり背後からガタンと音がした。後を覗くと、窓が開いて黒いフードの鬼族の子がそこに居た。
「お待たせ。さてどんな用事だい?」
「…思ってるより遅かったね。」
「悪かったな。力も無ければ速さも無いんだ。」
「じゃ何があるんだい?」
「…技術…とか?」
「へっぇ…どんなことが出来るんだい?」
「何をして欲しい?」
「そうだね…まずはご飯を買ってきて。」
「……どんな物がご所望かい?」
「そうだねー、肉系を頼むよ。あとは…適当に果実も買ってきてね。」
そう言ってカセロに幣を投げ渡す。モスティマは完全に使い走りにするらしい。カセロも特別不満があると言う様子は無く。
幣を受け取って、モスティマと幣を交互に見つめた後、「少々お待ちを。」と言いながら窓を頭から飛び降りていった。
そして片手に丼とバナナを持って窓から帰ってきた。
「おぉーー~~!やるねぇ。だけどバナナって気分じゃないな。リンゴが良かったね。」
「おつりだよ。そして今から買ってきましょうか?」
「いや、そこまではいいよ。ご苦労さん。」
早速モスティマはスプーンを握り、丼をおいしそうに食べる。そして半分程食べた終わった頃。
「…君も食べる?」
「いやいいよ。」
「ふーん…普段は何を食べているんだい?」
「生憎と何も食べなくても生きていけるものでね。」
「それは本当かい?」
モスティマは持っているスプーンの動きを止め、顔をカセロの方へ完全に向ける。
「僕は嘘つかない。」
「じゃ君はなんなんだい?種族は鬼族なんだよね?」
「鬼族ではないな。自分が何者なんかなんて知ってる方が少数派なのでは?」
「うーん…物は食べれるの?」
「いちおう。」
「食べたものはどうなるの?」
「知らないなー。少なくとも排出されたことはないね。」
「わーお。」
しばらくカセロを見た後、止めていたスプーンを再び動かした。遠慮無くパクパク食べている。まるでカセロが居なくなってしまったようだ。カセロは守護霊か何かになってしまったのだろうか。
無言で食べ進めて、あっと言う間に無くなっていった。モグモグだった。
「次は串を頼むよ。3本くらい。」
「じゃ4本買ってくるよ。」
「はーい。」
軽い返事が返される。まるで幼なじみだと勘違いしてしまいそうだ。一生、下僕な人生も悪くないのではと思うカセロであった。
テンションは変えません 誤字脱字、アンチ、応援、ストーリー展開考案何でもござれ
私が書きたいのはここじゃないんだ。ここは妄想で充分なんだ。