活動報告でやってる暇潰しをこっちに少し。
アイデアをくれた松上様のオリキャラの名前を使わせてもらっています。
この世には不思議な事が沢山ある。俺こと一条要もそんな不思議な存在に分類されるから、不思議な事には慣れっこだ。ただ今回は驚いた。
「司令官! 早く仕事済ませて走り込みしましょ」
「おう、さっさとやるか」
パラレルワールド、並行世界というものを知っているだろうか。『もしも』の可能性の世界だな。無限に広がるその世界には様々な可能性を持った自分も居るらしい。実際に俺も並行世界の、それも未来の俺に会って指導を受けた事がある。
「終わったぞ。他にも参加者を集めてきてくれ」
「はい!」
なんでこんな話をするかというと、ここが並行世界だからだ。では俺がここにやってきた経緯を話そう。さっき並行世界には様々な可能性を持った自分が居ると言ったが、この『艦これ』の世界にも俺が居たんだ。
最近俺は孫に勧められた艦これにハマっていてな(活動報告参照)。恥ずかしながら艦これで寝落ちをしちまった。そしたらこの世界の俺と波長があったとかで俺の精神がこの世界の俺に乗り移ったって事だ。まあ数日で元通りらしいけどな。これらは全部神様から聞いた事だ。
ちなみにさっきまで元気に秘書艦やってくれていたのは長良。俺がやってる艦これの秘書艦も長良。どうやらこの辺りも繋がりは多いみたいだ。
「司令官! 参加者集めました!」
「なんだ、私達だけか?」
「そう言うな。こういう誘いは他の鎮守府ではないそうだからな。むしろ喜ぶべきではないか?」
「武蔵と長門か。まあ予想通りっちゃ予想通りだな」
「提督ー! 駆けっこしよー!」
「島風も参加と。まずは軽いマラソンだな」
「オゥ?」
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「て、提督………はっやーい………………ガクッ」
「おう、無事か島風。走り終わったら歩いて呼吸を整えるんだぞ。倒れたら体に悪いぞ」
「初参加だというのによく我々のフルマラソンのペースについてこれたものだ」
「ふぅ、しかし提督。いつも思うが貴方は人間か? 特に最近はより能力が上がったような」
「司令官って深海棲艦と戦っても勝ちそうですよね。あ、長門さん、ドリンク下さい」
「おいおい長良、そりゃ無茶だぜ」
謙虚にそんな事を言ったが、実はこの世界の俺って陸に上がったところとはいえ戦艦タ級に殴り勝った事があるらしい。それ以来深海棲艦のブラックリストに載っていると鹵獲した駆逐イ級が言ってた。あいつが喋るのが何よりも驚いたけど。
俺が乗り移っている現状なら鬼や姫とも海で戦える自信がある。
「こちらにいらっしゃいましたか」
「よう大淀。お前も走るか」
「遠慮しておきます。それより明日、演習の依頼がきていますよ」
「どれ、見せてくれ」
「はい」
三ヶ月前に提督になったぺーぺーか。この世界だと二年くらいで一人前の提督と言われるようになる。早いようだが、それだけ入れ替わりが激しいんだ。この世界での俺の提督歴は十年。中堅の入り口に立ったぐらいだ。だが戦力と実績はベテランに劣らんぞ。
「戦力はそれなりに整っているんだな」
「提督であった祖父から引き継いだそうですよ」
「成る程な」
相手の演習の編成は戦艦1、空母2、軽巡洋艦2、駆逐艦1。とても三ヶ月前に就任した提督の編成ではないと思ったが、そういう理由か。
「ではこちらも同編成で挑もうか。いや空母の代わりに軽空母を一人入れよう」
「隼鷹さんですね。終わったらまた宴会ですか?」
「ハハ………………それより軽巡洋艦は長良は確定として、他はどうするか」
「はひー………………オオゥ………………」
「よし、島風も連れていこう」
「島風ちゃん………………」
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先輩を待たせるわけにはいかないと、演習場に早めにやってきた新米提督であったが、既に要達は演習場にてトレーニングをしていた。いや、主にトレーニングをしているのは要と長良だけだ。
「フンフンフンフンフンフンフンフンッ」
「司令官の逆立ち腕立ては相変わらず惚れ惚れする早さですね!」
「あいや、残像が見えるのは早いで済ませていいのかね? それよりも相手がやってきたようだよ」
「何? おお、よく来たなぺーぺー。わざわざ申し込んできたんだから知っているだろうが、一条要少将だ」
「加藤航少佐であります! 本日は演習をお受け頂き誠に」
「かたっくるしいのはいいや。面倒だ」
「は、はぁ。分かりました」
「よしよし。んじゃうちの艦隊を紹介するぜ。旗艦、長良。戦艦、陸奥。空母、飛龍。軽空母、隼鷹。軽巡洋艦、矢矧。駆逐艦、島風だ」
「我が艦隊は旗艦、比叡! 空母、赤城と加賀! 軽巡洋艦、天龍と龍田! 駆逐艦、時雨! 以上です!」
「うん、まだかてぇ。まあいっか」
互いの艦隊を紹介してから要は体をほぐしながら海をチラリと見た。少なくとも一般人が視認できる範囲には何もないが、要はニヤリと笑っていた。
「くくっ、面白い事になりそうだ」
「あぁ、また提督が火遊びをしそうだわ」
「うちの提督はセクハラ系の火遊びはしないんだから許してあげなよ」
「提督のそれはセクハラよりもある意味危なくないかしら?
「そこな戦艦、空母、軽巡、文句ははっきり言いなさい」
「「「提督は非常識」」」
「!?」
「あら~、あっちは楽しそうねぇ」
「武闘派提督らしいじゃねぇか。提督、なんか情報ないのか?」
「こっちが知る限りだと、体育会系としか」
「僕はああいう人はちょっと苦手かな」
「えぇい! さっさと演習だ! 指揮は長良がやれ。俺は席を外す」
「あ、はい!」
演習といえども本来提督が指揮を執るものだが、要はそれを放棄してどこかに行ってしまった。これには加藤航の艦隊も不満げな顔をする。
「何ですかあの人は! 自分勝手な!」
「落ち着くんだ比叡。あんな人でも上官なんだ」
「流石に頭にきました」
「加賀さんの言う通りです」
「ごめんなさい。ただ司令官も無意味な行動はしない人ですから、きっと理由があるはずなんです」
「あんな提督を庇うなんて、長良ちゃんも大変ねぇ」
「おーい、長良。指示通り艦載機を一機、提督に付けといたよぉ」
「ありがとうございます、隼鷹さん。では始めましょうか。今日は胸を借りるつもりで来てください」
「貸すなら胸より太股じゃない?」
「隼鷹さん!」
「ひゃー、怒ったー」
「あら、あらあら。二人共元気ね。でもそろそろ演習を始めた方がいいんじゃないかしら?」
「………………す、すみません加藤少佐!」
「いいんだよ。それではよろしく頼む」
「はい。皆さん! 単縦陣で完勝しますよ!」
「「「「「了解!!」」」」」
「こっちも単縦陣で一気に攻めこむぞ!!」
「「「「「「了解!!」」」」」」
互いに高火力を叩き出せる単縦陣で戦う事を決め、演習場の海上に出た。
『よろしくお願いします!!』
礼をしたのち、二手に分かれて陣形をとる。ここからが演習の始まりだ。
「パーッといこうぜ〜。パーッとな!」
まずは艦載機を飛ばし、制空権を奪い合う。制空権の獲得には艦隊の練度や指揮官の練度が関わってくる。
加藤航の艦隊は祖父から受け継いだだけあり、艦娘の練度も高くなっているが、加藤航自身の練度が高くない。対して要の艦隊も練度は高く、指揮しているのが艦娘とはいえ初期から要の秘書艦として働いている長良だ。そんじょそこらの提督よりも良い指揮が出来る。
「ッ、制空権奪われました」
「まだだ! 次は航空戦! こっちは空母が二人、あっちは空母と軽空母なんだ。負けるわけにはいかないぞ!!」
「第一次攻撃隊、発艦してください!」
「ここは譲れません」
確かに空母と軽空母ではレベルが違う。だが隼鷹は要の艦隊のナンバー2だ。並の空母など歯が立たないほどの練度になっている。
「私が、押されている!?」
「ヒャッハー! 舐めてもらったら困るよ!!」
「くっ、撃ち落とせ!!」
「任せろ!」
「行くわよぉ」
「見付けたよ」
上手く滞空砲撃で艦載機を撃ち落としていくものの、その数にも限度がある。落としきれなかった艦載機からは爆撃が放たれる。それらがかすったものはいたが、どれも無傷といっても差し支えないものだ。だがそれは要の艦隊も同じだ。
「砲雷撃戦始めます! 撃ちます! 当たってぇ!!」
「おっそーい! そんなの当たらないよぉ! くらえっ!」
「速い!」
比叡が放った弾幕を苦もなく潜り抜け、島風が突貫してくる。狙いは装甲の薄い駆逐艦の時雨だ。
「やらせねぇよ!」
時雨を守るために天龍が前に出て腰の刀に手をかける。殆どの艦娘は砲撃などをする艤装しか持たないが、天龍や龍田など一部の例外は刀や薙刀などの武器を持つ。
「ふふん、長良!」
「任せて!」
「いつの間に!?」
艦娘の中でも最高レベルに速い駆逐艦。その中でも最も速いと言われる島風。それに追い付く軽巡洋艦など居ないはずだが、要に鍛え上げられた長良はそれを可能にした。
「チィッ! 龍田!」
「間に合うかしら」
「隙あり!」
「あら?」
ーードォンッ
「龍田ぁっ!!!」
これまで時雨を狙っていた長良は、突如として狙いを天龍の援護に入ろうとした龍田に変えて、砲身を胸元に押し付けて砲撃した。演習用の弾のために決して入渠するような怪我にはならないが、暫く動けないはずだ。
「連装砲ちゃん、やっちゃってー!」
「うっ、の僕を、ここまで追い詰めるとはね。まあ、いいさ」
「時雨!」
「天龍! 龍田と時雨を連れて下がれ!!」
「何言ってんだ! こいつらは俺が」
「命令だ!」
「っ………………くそ!」
「逃がさないよ」
「島風、ここは逃すよ。比叡さん達が怖いしね」
大破の龍田と中破の時雨を前線に奥のは危険と判断した加藤航は無事な天龍に撤退指示を出した。嫌々ながらも天龍は撤退し、長良達も無理な追撃は避け、下手に砲撃を受けないように少し下がった。
「二人共!」
「矢矧? 遅いよ」
「それよりも隼鷹から連絡よ。提督が深海棲艦と接触した。しかも相手は姫」
「「!?」」
「な、なんだって!? 全員今すぐ一条少将の救出に向かうぞ!!」
「加藤少佐。それは少し待ってちょうだい。艦載機から送られてきた映像から見ると何かおかしいのよ」
「何? それを見せてくれ」
「ええ。これが今の中継よ」
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今頃あっちは演習中かな。さっさとこっちを済ませて様子を見に行くとしよう。
「誰か眺めていると思ったらまさか戦艦棲姫とは。だがいくら姫でも単騎とは無用心じゃないか?」
「ソチラコソ、タダノ船デ提督ガ一人トハ無用心ネ」
「俺はいいんだよ。んで用件は? 喧嘩なら買うぜ」
「フフフ、変ワラナイ人」
「?」
「分カラナイ? 私ハ貴方ニ負ケタ、タ級ヨ」
ほほう、この世界の俺に負けたリベンジか。その割りには敵意も殺意もない。あいつから感じるのか感情は………………好意?
「アノ時カラ貴方ハ私ノ心ヲ掴ミ続ケタワ。貴方ニ見合ウ女ニナルタメニ姫ニモナッタワ。ダカラ………………ケッコンシテクダサイ。キャッ、言ッチャッタ」
あー、うん。強いものに惚れたって事か。惚れた結果で姫にまでなるとは、随分とまあ強い恋心だ。
「少し、考えさせてくれ」
最初に俺は乗り移ったって言ったが、別に元の俺が消えたとかそういう事はない。心の深くに存在はしている。俺の存在がでかすぎて出てこれないだけだ。今からその俺と話をする。
目を閉じて、心を鎮める。深く、心の深層に精神を落としていく。
「よう、俺。元気か?」
「ああ、元気だ。突然閉じ込められた時はムカついたが、案外悪くないな。効率のいい書類処理やトレーニングも知れたしな」
「そうか。それでここから見てたんだろ。頑張って告白してくれた彼女の気持ちはどうする?」
「あー、うん………………ケッコンは、もっと互いを知ってからの方が………………」
「ウブかよ! まあいい。だけどここま勇気を出したんだ。鹵獲って形で連れ帰っちまえよ」
「いやでも」
「んじゃまた」
「おい俺!?」
こっちの俺の言い分は無視だ。あんだけ可愛い子が一緒になるのを望んでるのに何を奥手になってんだよ。後ろに気持ち悪いオプションがあっても無視しろ。
「すまん、待たせた。ケッコンは流石に難しい」
「ソ、ソウダヨネ………………」
「ケッコンは互いを知らないとやれないからな。だからうちの鎮守府に来ないか?」
「エッ? ハ、ハイ!」
「よし決まりだ」
「何が決まりなんですか?」
「長良!?」
いつの間にこんな近くにやってきていたんだ。気配を消す手段を教えた覚えはないんだが。
「こういう事は秘書艦の私にも相談して下さいよ」
「ははは、許してくれ」
「ヨロシク、先輩」
「よろしくされても………」
「良いじゃねぇか。頼もしい仲間が増えるって事で」
「はぁ、仕方がないですね。いいですか。貴方は一番下ですからね!
「ソレデモイイワ。デモ提督ハ譲ラナイカラネ」
「それは認めません」
あーあ、険悪な感じだ。ん、なんか眠くなってきた。いやこれは精神が帰る兆候かもしれないな。この先はこの世界の俺に任せよう。お休み………………
ーーーーーーーーーーーー
「………ゃん………………じいち………………おじいちゃん!」
「んむ………………あー、ミコト? ふぁー、おはよう」
「うんおはよう。それよりこれはどういう事?」
「うん? これって艦これの画面………………」
なーんで戦艦棲姫が旗艦になっているんですかね。いやこれはおかしい。
「どういう不正? チートは筋肉だけにして」
「いや待て。自分のデバイスのメンテナンスも出来ない俺が不正が出来るわけないだろ! 信じてくれ孫よぉ!!」
既婚者キャラと艦娘のイチャイチャなど書けん!
あ、ここ一週間で矢矧と伊401が出ました。やったぜ。