チートじゃ済まない コラボ編   作:雨期

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レティウス様の『緋凰一家のドタバタ珍道中』とのコラボになります。


コラボ第4話

ーーモグモグ

 

 ある五ツ星ホテルのレストランを貸し切り、黙々と食事をする男が2人。我らが要と喧嘩仲間(要談)の緋凰紅莉だ。

 

「なあ要。大切な話があるんだ」

 

「なんだ紅莉。こんな高級バイキングに連れてきたんだから相当大切な話なんだろうな」

 

ーーパクパク

 

「かなり大切だな」

 

「言ってみろよ。俺らの仲だろ」

 

ーームシャムシャ

 

「じゃあ言うけど、俺の子とお前の子でお見合いさせないか?」

 

ーーゴクン

 

「いいぞ。但し叶はユウト君という俺らが選んだ立派な旦那が居るから無理」

 

「それならそれでいい。光君とすみれちゃん、だったよな。2人の意見は聞かなくていいのか?」

 

「いいよ別に。光は既婚者だから抵抗しそうだがしばくから問題ない。すみれは喜んで食い付くしな。来週、こっちの地球でいいか?」

 

「ああ。これであの子達の結婚式と孫の顔が見れそうだ。って既婚者? 光君がか?」

 

「そうだぞ。一応子供も2人もうけている。俺だってお前に子が居るのを知らなかったしおあいこだ」

 

「そういう問題じゃないだろ。重婚だぞ」

 

 流石に焦る紅莉に対し、要はグラスに注がれたワインを飲み干し微妙な表情で答えた。

 

「光の奥さんは………… 光以外の男には欲情出来ないらしい」

 

「? 良い事じゃないのか。それだけ光君が」

 

「レズなんだよ」

 

ーーガシャンッ

 

 紅莉は手に持っていたコップを落とした。その時どんな表情だったかは言うまでもないだろう。

 

「つ、つまり…………どういう意味だ?」

 

「光の奥さんは光にハーレムを作ってもらいたいらしい。大好きな光と女に囲まれた生活をするためにな」

 

「…………今回の話はすみれちゃんだけで」

 

「これを聞いたからには付き合ってもらおう。うちの義娘の狂気になぁっ!!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 1週間後、緋凰一家は要の指定した屋敷にやってきていた。

 

「親父殿の友人の娘とお見合いか。嫌な予感がするな」

 

 パツキンイケメン長男、ノワール・T・緋凰は呟く。

 

「そう? 僕はなんだか同類の気配がして気分が良いよ」

 

 エターナルショタな次男、スカイ・T・緋凰は笑った。

 

「なんだって関係ねぇ。どうしてあんな糞オヤジの命令聞く必要があるんだ」

 

 反抗期な三男、アッシュ・T・緋凰は憤っている。

 

「あたし達にあまりに出会いが少ないからでしょ。でも楽しみね。どんな人かしら」

 

 モデル体型な長女、緋凰白夜は楽しげだ。

 

「パパのライバルの息子…………略奪しがいがありそうね」

 

 ちっぱ、ゲフンゲフン、麗しい次女、緋凰藍沙は物騒な事を言う。

 

「面倒事はきれーです」

 

 特徴的な口調の三女、緋凰翠は怠そうだ。

 

「ワクワク」

 

 今回お見合いには参加しない末女、緋凰紫遠は一番関係ないのに一番楽しみにしていたようだ。計7名の緋凰チルドレン。そこに紅莉と妻のフェイトも加わり、結構な団体となっている。そんな一家の前にタキシード姿の要が現れた。

 

「今日はよく来てくれた。礼を言わせてくれ」

 

「貴方が要さんですね。夫がいつも世話になっています」

 

「世話になってるのはお互い様さフェイト。まあ今日はよろしく頼むぜ」

 

「ふぅん、てめぇが糞オヤジのライバルねぇ。ヒョロっとしてて弱そうだな」

 

「元気があってよろしい。どうだ、おじさんと遊んでみるかい? それともうちの長男の相手をしてくれるかい?」

 

「はっ? 何処に居るんだよ」

 

「後ろだ。こんな実力で本当に緋凰紅莉の子か?」

 

「んなっ!?」

 

 誰も居なかったアッシュの背後に突如として現れたのは一条家長男の光だ。ずっとそこに居たようだが、その存在に気付けていたのはほん一部であった。

 

「てっきり奇襲してくると思ったんだけどね」

 

「貴様に奇襲が通じるなら世話ねぇな。それに今回は戦いの場じゃねぇ。そこはしっかりと弁えてるつもりだ。じゃあな。俺は先に部屋で待つ」

 

 光は音もなく再び姿を眩ました。どうやったのかは分からないが、既にこの場に居ない事は確かであった。

 

「あの人があたし達のお見合い相手なんだ」

 

「気を悪くしないでくれよ。あいつはツンデレなんだ」

 

「男のツンデレとかびみょーです」

 

「いいじゃない。可愛らしくて私は好きよ」

 

「男性諸君は娘からご指名があってね。お見合いは一人だけだ」

 

「了解しました」

 

「誰だろうね」

 

「俺じゃねぇ事を祈るぜ」

 

「さてどうだったか。では会場入りしようか」

 

 要を先頭に屋敷に入っていくと、外観からは想像もつかない西洋風な造りとなっていた。要がタキシード姿なのも納得だ。

 

「それじゃあ女性陣はあっちの部屋」

 

「ノワール様はこちらでお願いしますわ」

 

「私か? いやその前に君は?」

 

「ああ、申し遅れましたわ。私一条すみれと申しますわ」

 

「うちの次女だ」

 

 紫色のドレスを着た大人しめの女性、すみれがやってきてノワールを指名した。緋凰一家には居ないタイプのせい彼らには少し珍しく写ったかもしれない。

 

「すみれ、今回はちゃんと決めるんだぞ」

 

「お父様ったら」

 

「ノワール君、うちのすみれをよろしく」

 

「まだお見合いすらしていないのだが…………」

 

「それもそうか。まあお若い2人は楽しんできてくれ」

 

「では参りましょう」

 

 ノワールはすみれに腕を引かれて部屋へと入っていった。光とお見合い予定の女性陣はまた別室へ。そしてお見合いに関係ないメンバーは移動せずに広間に留まった。

 

「そんじゃモニターでのんびり観させてもらおう」

 

「ちょっと心配だなぁ」

 

「大丈夫だってフェイト。どっちも悪い子じゃないみたいだし」

 

「ボクもあの人達好きだよ」

 

「そうかそうか。紫遠ちゃんに新しい兄や姉が出来ると良いな」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 女性陣の待っていた部屋に光がやってきた。そして早々に土下座をしたのだ。

 

「すまん」

 

「えっ、あ、頭を上げてよ」

 

「聞いているかもしれんが俺は既婚者だ。若い君達が見合いをするような相手じゃねぇ」

 

「わたしは気にしないけどね」

 

「翠は気にするのです」

 

「気にして当然だ。詫びはなんでもしよう」

 

「ならこのままお見合いの続行で」

 

「いいのか?」

 

「あたしもそれでいいわ」

 

「むぅ、翠の意見は無視なのですか」

 

「経験よ。楽しみなさい」

 

「仕方がない。創造(クリエイト)空想(イメージ)」

 

 光は能力を使い、紅茶入りのカップと茶菓子をいくつか造り出した。普通こういった能力では造れない食品をあっさり造り出したのには白夜達も驚いた。しかも味も最高だ。しっかりとお腹にも溜まる。

 

「お見合いか…………こういう場は馴れないな。悪いが、そっちが自由に進行してくれ」

 

「光さんの能力は物を造る事なのです?」

 

「あら、あれだけ嫌がってたのに興味津々なのかしら?」

 

「ただ光さんの能力が気になっただけでお見合いとは関係ないのです」

 

「ああ、俺もそっちの方が気が楽だ。さて回答だが、ノーだ。ただの物真似が能力だ」

 

「へぇ、藍沙と気が合うんじゃない?」

 

「わたしは彼のように優しくないわよ」

 

「はは、優しいか…………試してみるか?」

 

「!? 遠慮するわ……」

 

「賢明だな」

 

 光が何をしたのか分からなかったが、藍沙を知る白夜と翠からすれば彼女が家族以外に遠慮をするなど信じられる事ではなかった。

 

「む、翠だったか。ホコリが付いてるぞ」

 

「えっ、どこなのです?」

 

「ここだ」

 

「! ~~~ッ!!?」

 

「? どうした?」

 

「な、何でもないのです!」

 

 翠の肩についていたホコリを光が取った時、かなり光が翠に近付いたためか翠の顔は真っ赤になった。兄弟を見て男に馴れたと思い込んでいた翠だが、いざ見馴れぬ男の顔が近くにあると緊張してしまうようだ。

 ちなみにその様子を監視組は悶えながら観ていた。

 

「そういえば光さんの奥さんはどんな人なの?」

 

「俺や脳筋父上に負けず劣らずの変人だ。だからこそ今回のお見合いが成立しているんだがな。頼むから俺に変な気を持たないでくれよ」

 

「えー、こんな魅力的な人を放置とか勿体ないわぁ」

 

「藍沙はお父さんに勝てる人がいいって言ってなかった?」

 

「確かにそうだけど、光さんはパパに痩せ我慢させた事もあるみたいよ。正直半信半疑だったけど、さっき受けた闘気ではっきりと分かったわ。少なくとも今のわたし達の誰よりも強い」

 

「俺から言わせれば君達が弱すぎるのだが……まあいい。適当に話をしようじゃないか。愉快な結婚生活の話でもするかい?」

 

「それ凄く気になるな」

 

「ふ、ふん。話だけなら聞いてやるのです」

 

「ならそうだな…………」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 騒がしい光達と違い、すみれとノワールのお見合いは静かに進んでいた。

 

「趣味は華道に茶道ですか。女性らしく良い趣味ですね」

 

「ありがとうございます。武道を蔑ろにしてまで覚えた甲斐がありましたわ」

 

 すみれはよく気が利いた。お茶が減れば足してくれる。少し部屋が寒ければエアコンを操作してくれる。甘いものが欲しければ菓子を用意してくれる。それはノワールが拘束されていると錯覚してしまうほどに気が利いていた。

 

ーーピクッ

 

「あ、椅子の座り心地が悪かったですか。すぐに変えますわ」

 

「……いや、大丈夫だ」

 

 僅かに動いただけだというのに先の行動が完全に読まれている。ここまでされてしまうと気持ち悪さすら感じてしまう。

 

「ノワール様はゆっくりしていて下さいまし。大切なお客様なのですから」

 

「いやしかしだな。いくら客だとしても、何もしないというのも」

 

「全部私がやりますので、ノワール様は何もしなくてもいいのです」

 

 これがノワールを縛り付けようとするものの行為ならば抵抗もしただろうが、彼女の言う事が全て善意より生まれたものだ。なかなか拒否出来るものではない。

 

「君の善意は分かった。だが私とて男。女性に全てを押し付けるのは引けてしまうのだ」

 

「まあ、何とお優しい。やはり貴方は私が見込んだ通りの王子様ですわ」

 

「王子様? うおっ!?」

 

 疑問を抱いてノワールに油断が生まれた瞬間に、すみれはノワールを押し倒してマウントポジションを取った。

 

「これまで私に足りなかったのは積極性でした。なので今からは既成事実を作らせて頂きますわ。手取り足取り教えて差し上げますのでご安心を」

 

「何も安心出来ないのだが!?」

 

「はいそこまで。これはあくまでお見合いだぞ」

 

「お父様! 邪魔をしないで」

 

「なのは呼ぶぞ」

 

「ごめんなさい」

 

「助かった…………」

 

「すまんなノワール君。普段は良い子なんだ」

 

「ええ……まあ、分かります」

 

 こうして何とか収まったお見合い。結果は後日…………

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 後日と言ったな。あれは嘘だ。

 

「いやぁ、結局決まらずか。残念だったな紅莉」

 

「ある意味良かったかもな」

 

「光さんは姉様達と結婚しないの?」

 

「どうかな。紫遠ちゃんはそうなって欲しかったかい?」

 

「うん!」

 

「そうかそうか。まああっちの雰囲気は悪くなかったし、もしかしたらそういう可能性もあるかもな。俺は重婚大歓迎だぞ」

 

 監視部屋から観ていた様子では悪くはなかったし、連絡先の交換なんかもしていた。もしかしたらもしかするとという可能性もなきにしもあらずだ。

 

「光君が既婚者でなければ…………それとすみれちゃんのあれはなんだ」

 

「結婚に飢えてるからな。スカイ君やアッシュ君はすみれみたいな子はどうだ?」

 

「「お断り」」

 

「残念だ。フェイト、母親視点から見てどうだった?」

 

「少なくともすみれちゃんはうちの子に近付けないでね」

 

「こりゃ手厳しい。しかし世代を越えた繋がりも悪くない。またなんかあったらよろしくな」

 

「ああ、また何かあればな」

 

 これでお見合いは本当におしまい。今後子供達がどういう関係を築いていくのかはまた別のお話。




光は無意識ハーレムを形成するタイプです。
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