チートじゃ済まない コラボ編   作:雨期

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レティウス様とのコラボになります。ただ書きたかったんです。それを許して下さったレティウス様には感謝です。
ちなみに今回は前編的なものです。


コラボ第7話【日常?編】

 それは一条家長女、叶の突発的な計画であった。

 

「緋凰家も巻き込んでピクニック行きましょう」

 一条家次女にして緋凰家の長男ノワールと婚約を結んでいるすみれは喜んで食い付いたが、一条長男の光は猛反発した。面倒だ。ろくでもない事になる。喰われる。などと言っていたものの、何かあれば叶が仲裁するという条件でなんとか納得した。

 

「早速出発よ!」

 

 次元移動のため、緋凰家の住む世界へは一瞬で到着した。運がいい事に緋凰家は全員揃っているようだ。

 

「ノワール様ぁ!!」

 

「すみれ殿、よくいらした。義姉殿も義兄殿もようこそ」

 

「ハァイ、ブラザー。元気そうで何よりよ」

 

「………………そこっ!!」

 

ーーガキャンッ

 

「流石はわたしの見込んだ人。今の不意打ちには自信があったのに」

 

「回避させるつもりで放った攻撃を喰らってやるつもりはない。藍沙、ここで塵になるか?」

 

「いい気迫。ゾクゾクしちゃう」

 

「はい喧嘩は駄目よ」

 

「チッ」

 

「はーい。今日は何の用かしら?」

 

「ピクニック行きましょう。あっ、子供だけの親睦会みたいなものだから紅莉さんは来ないでね♪」

 

「何か言う前に拒否られてしまった。まあそういう事なら仕方ない。みんないい大人だし、好きにするといいさ」

 

「サンクス。流石はグランパの友達ね」

 

「おい、オレらの意見が含まれてねぇぞ」

 

 文句を言いたげな緋凰家三男のアッシュの言葉など耳に入らないと言わんばかりに話は進んでいく。そんなアッシュの肩を光は優しく叩くのであった。

 

「場所はどうしようか」

 

「ボクね、海がいい!」

 

「翠もそうしたいのです」

 

「止めておけ。どうせ泳ぐのが目的だろうが、てめぇらみてぇな世間知らずが行けば変なものが釣れてあぶねぇ」

 

 四女の紫遠と三女の翠の意見を光が即座に却下する。それを聞いた長女の白夜は微笑んで呟いた。

 

「余所様の妹の心配をするなんて優しいのね」

 

「面倒事を増やしたくないだけだ。変な勘違いはするな」

 

「そんな事を言う光ちゃんの意見を教えてちょうだい」

 

「俺達なら問題ない場所でいいだろう。かつこれだけ女が居るんだ。多少なりとも綺麗な必要があるな。となると裏天界はどうだ?」

 

「それはいい考えですわ」

 

「初めて聞きますね。どんな場所ですか?」

 

「愉快な場所だ。ただしスカイ、アッシュ、翠、紫遠。お前らは常に戦闘状態でいろ。特にスカイとアッシュ。何かあっても男を助ける趣味はないから自力でなんとかするんだな」

 

 詳しい説明を求めた次男のスカイを軽く流し、即座に次元移動は行われた。着いたのは雲のような大地に満天の星空とオーロラが広がる世界。

 

「きれー!!」

 

「いい場所ね」

 

「ああ。だが注意しろ。反天使が出るからな」

 

「んだよそれ。っうお!?」

 

 アッシュの頭目掛けて超高速の矢が飛んできた。事前に言われていた通り、戦闘態勢に入っていたので回避出来たアッシュが矢が飛んできた方へ目を向けると、そこには黒い何かが居た。

 

「早速お出ましだ。あれが反天使。天使ってのは善しか持たないように創られる。だがどんなものでも生まれつき善悪は持っているもんだ」

 

「だけど天使は善しか持っちゃいけないから、削り取られた悪はこの裏天界に廃棄されるの。それが寄せ集まったのが反天使よ。私達が勝手に名付けたんだけどね」

 

「堕天使じゃねぇんです?」

 

「堕天使は創られた後に悪を知り、悪に染まった天使だ。対して反天使は生まれつきの純粋悪。あれ1体でも相当な強さだ。まあ今回はピクニックだし、適当に無視するぞ」

 

「ふーん。少し味見しようかしら」

 

「あっ! お待ち下さいまし!」

 

 すみれの制止を無視して藍沙はその能力で反天使を吸収したが、その顔は何とも言えない表情となった。つまりは非常に不味かったのだ。

 

「まじゅい………にぎゃい………」

 

「あれは高エネルギーではありますが、生まれたての赤子と変わりませんわ。何の味付けもされていない生のゴーヤと例えれば分かりやすいでしょうか。ともかくお水でも飲みなさい」

 

「うぅ………」

 

 あまりの不味さに反天使に対して怒りを抱いた藍沙に、本来恐怖などという感情を抱かない反天使ですら怯えて近付かなかった。

 

「こんなに楽なの初めてね。紫遠ちゃん、クッキー食べる?」

 

「食べる! モグモグ………………」

 

「可愛いわねぇ。うちの子にならない?」

 

「やめんかド腐れ姉上。って藍沙は俺に近寄るな!」

 

「あらバレちゃった」

 

「こういう綺麗な世界に研究用のラボを造るのもいいかもね~」

 

「綺麗だけど危険なのですよ」

 

 襲撃がないので皆思い思いの行動をしながら進んでいく。景色の変化もかなりあり、雪の降る雪原や、浜辺などもあった。この世界に反天使が居なければかなり良い場所だったろう。

 

「お姉様、この辺りでしたか?」

 

「うん。もう近いはずよ」

 

「へぇ、一応目的地があったのね」

 

「白夜ちゃんにはある意味ぴったりな場所かもね」

 

 そう言いながら先頭を歩いていた叶の姿が唐突に消え去った。緋凰家一行は突然の事に目を丸くしたが、すぐに原因に気が付いた。

 

「空間に穴が開いてんのか」

 

「この先が目的地だ」

 

 特に問題ないという判断をした全員が空間の穴へと入っていく。その先には夜でありながら淡い光に満ち溢れた世界が広がっていた。

 

「こっちよこっち! ほら、まるで白夜みたいでしょ」

 

「だからあたしにぴったりと。意外と」まらない理由だったわね

 

「ひどっ! 白夜ちゃんひどっ!!」

 

「お姉様、落ち込んでいないでお弁当の準備をして下さいまし」

 

「酒もあるぞ。脳筋父上の秘蔵酒だ。今頃慌ててるぞあいつ」

 

「成る程、そういう嫌がらせもあるのか」

 

「ちぃ兄さま。実力で勝とうよ」

 

「ささ、ノワール様。あーん」

 

「あーん」

 

「そこ! いただきますをちゃんとするのです」

 

「光、あーん♪」

 

「やるかボケェ!! やられるなら白夜か翠の方がマシだ!!」

 

「もう結婚しちゃえばいいのに。僕はお祝いするよ」

 

「あの姉を連れていってくれるなら俺は大歓迎だ」

 

「姉さま! これ美味しいよ!」

 

「本当ね。やるじゃない、叶」

 

「これでも母なのよ。このくらいは毎朝作ってたわ」

 

 とても平穏な空間がそこにはあった。美味しい食事をし、冗談を交わし、楽しく笑う。ただただのんびりするだけの時間。

 

「誰か芸しろよ~」

 

「ちぃ兄さまお酒くさーい」

 

「お父様の秘蔵酒は度数が高いですので」

 

「だが芸か………………いい機会だ。芸ではないが、藍沙付き合え」

 

「遂に告白してくれるの?」

 

「ハッ、条件付きならいいぜ」

 

「えっ! いいの?」

 

 これまで拒絶を続けていた光の言葉に藍沙は驚きつつも期待の眼差しを向けた。

 

「ああいいぜ。お前が俺との戦闘に勝ったらな!!」




続く!!
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