「紅莉ー、うちの子来てないかー?」
「来たぞ。うちの子達を連れてピクニックだそうだ」
「だからか」
「何があったんだ要」
「秘蔵の酒を持っていかれた。しかしてめぇの子達と一緒って事は、そろそろ光も覚悟を決めたかもしれねぇな」
「覚悟?」
「ああ、互いに赤飯の用意をしておこうぜ」
「! そういう事か。あれだけ積極的だったすみれちゃんも付き合い始めたら意外と奥手になったからなぁ。やっと子供の結婚式が見れるのか」
「あれは心にくるぞ。うん、楽しみにしておけ」
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「戦闘でお前が勝てば俺が何でもしてやる。俺が勝てばもう付きまとうな」
「ええ、分かったわ」
やっと、やっとこの時が来たわ。初めて会った時にわたし達がどれだけ井の中の蛙だったか教えてくれた人。何度追い付いても決して追い抜く事は出来なかった人。その人を今倒してわたしのものとする。
「影よ。『喰らいなさい』」
まずは小手調べ。影を何十体もの狼の形にして光へと向かわせる。相手の肉体よりも能力を喰らうこの子達は一体一体がかなりの強さだけど。
「『喰らえ』」
ーーバクンッ
「あら、真似されちゃった」
向かっていった狼達は地面から現れた巨大な鮫に食べられちゃった。見ただけでどんなものでもコピーしちゃう能力ってやっぱり厄介ね。わたしと違って奪わないから優しいけれど、コピーした能力がオリジナルを越えるのはわたしにはない部分ね。
「完全武装・ORT」
「せっかちね。そんなに早く終わらせたいのかしら? 観客も居るんだし、もっと盛り上げないと」
「シャッ!!」
聞く耳持たずといったところね。しかし速い。会う度に洗練されていく。でも何とか出来ないほどでもない。攻撃に合わせてカウンターするだけよ。
「!? すり抜けた!?」
「飛べ」
「当たらないわ!」
アッパーを回避してダメージは食らわなかったけど、わたしの攻撃を避けたのに使われたのは緋凰流の幻武! いえ、違う。それなら使われる前に気付けるもの。完成された技なのに更に改良が加えられているとでもいうの。
「天双………大蛇(オロチ)」
「!」
「また違うだと!?」
右手で8発、左手で8発、計16発の打撃が同時に、しかも不規則な軌道を描いて飛んでくる。空間跳躍で間合いから逃げる事で避けたけど、ノワールも驚くようにこれもうちの流派の技とは違う。
本来の名前は天双飯綱。9発の斬撃を同時に放つ技だけど、光のはそれより多く、打撃用に変化させられている。
「ホーミング機能も必要か。しかしお前は緋凰流を使わないのか?」
「わたしには使う資格なんてないのよ」
「資格? 下らん拘りだな。力を奪うなどという大層な能力を持っていながらプライドに縛られるとはな」
「パパとは違う道で強くなるというのじゃ理由にならないかしら?」
「ああ、それならそれでいい。だがその拘りで負けても知らんぞ」
「大丈夫よ。負けないから」
「なら負けてもらう」
そうもいかないのよね。欲しいものは奪うタイプなんだから、光も奪わないと気が済まないわ。さて、光は何をしてくるのか分からない。だったら何もさせないのが一番よね。動こうとするエネルギー、全てを奪わせてもらうわ。
「チッ、動きが」
「反撃の時間よ」
光のエネルギーは膨大ね。何かしようとするだけでもスーパーノヴァクラスのエネルギーはあるわ。そのエネルギー全てをわたしの攻撃に上乗せしてお返ししてあげる。
「貴方のパパから教わった技を使ってあげる!! 武装拳・剣!! アハハハハッ!!!」
「すげぇラッシュ………」
「あれは、まともに喰らえば死ぬのですよ」
「アッシュ、翠、よく見て。光さんはびくともしていないよ。どんな耐久をしているのか、研究してみたいよ」
「ちぃ姉さまもピカリンもがんばってー!!」
スカイの言う通り、どんな耐久よ。自身のエネルギーを使った攻撃を丸々喰らっているのに傷ひとつ付かない。武たしの武装拳の練度が低い? そうじゃない。攻撃が当たっているのに当たっていないような………………あっ!
「もう十分だな。お前のエネルギー、奪わせてもらった」
「わたしの能力をコピーしたのね。それで攻撃のエネルギーを吸収して攻撃を無力化した」
「そんな事をしなくても耐えるのは容易いが、やりたい事のためにはエネルギーが必要だからな。ド腐れ姉上!! ノワール!!」
「何かしら?」
「私もか?」
「そいつらを守ってやってくれ」
エネルギーが右腕に集中していき、それに伴って右腕の形が変化していく。それは巨大な刃。触れるだけで全てを切り裂きそうな威圧感を放っている。
「ORT・魔刃(まじん)モード。喜べ、初披露だ」
「無駄よ! どんなに強力でも動けなければそれも」
「フンッ」
ーーザンッ
………………えっ?
「何を驚いている?」
わたしの能力が、斬られた? そんな、もう一度!!
「無駄だ」
ーーザンッ
「緋凰紅莉はこう言った。能力(スキル)より力(パワー)、力(パワー)より技術(テクニック)だと。はっきり言って気に入らない主張だが、使えるものは使える主義なんでな。試しに技術も伸ばしてみたんだ。そしたら概念的なもんまで斬れるようになっちまってな」
「つまりパパの主張は正しかったという事かしら」
「さてな。俺なりに能力(スキル)、力(パワー)、技術(テクニック)を極めた結果だ。雑談は終わりだ。戦いを終わらせるぞ」
「くっ、負けるわけにはいかないのよ!!」
最低限負けなければいい。勝てなかったとしても、負けなければ………………光と一緒に居られる! だからこの場から逃げる!!
「逃がさねぇ」
「へっ?」
転移したのに、空間を斬られて引っ張り出され、首に刃となった右腕を添えられた。あーあ、これじゃあ逃げれないなぁ。
「チェックメイト。俺の勝ちだ」
「そうね………………」
「約束だ。付きまとうのをやめてもらうぞ」
「ええ、約束だもの。もう「これからは」えっ?」
「これからは俺の隣に居ろ。これは命令だ」
「えっ、ええっ!? それってこくは「命令だ。勝者から敗者へのだ」ふふふ、分かったわ」
もう、素直じゃないんだから。でも敗者は勝者に従わないとね♪
「藍沙に先を越されちゃったわね」
「素直に祝おうではないか。次は私達かな?」
「もうノワール様は気が早いですわ」
「そうだね。おめでたい」
「えっ、マジで? つまり光が兄貴になるのか?」
「結婚願望はないですが、これだけはないと思っていたです」
「やったー! 家族が増えたー!」
「グランパはお赤飯用意しているかしら?」
「これからよろしくね、ダーリン♪」
「ああ、しっかり着いてこいよ」
勝手に婚約させちまったぜ。テヘペロ
コラボに付き合って下さったレティウス様。改めてありがとうございます。