リハビリです。飛ばしても無問題です
ウマ娘編の現時点で、当時バルタン氏は何をしていたのか
バルタン星人に転生して数千年。自分で言うのもなんだが、中々大変な経験をして生きて来たと自負している。
だってウルトラ世界って基本が星規模の危機だし。たまに太陽系とか銀河系、最悪宇宙全体が巻き込まれる事案もちょくちょくあるし。その中で死にかけた回数なんて、両の手でも数えきれない。
そして今、そんな人生の中でも超弩級の問題に俺は直面していた。
ベリアルとかヤプールとかが二の次になるレベルで厄介な問題だ。そいつらは倒してしまえば最悪なんとかなるが、これに関しては如何せん打倒自体が叶わないんだからどうしようもない。
果たして、その問題の正体とは。
「お父様、見て下さい!今日もお父様に歯向かう下等種族共の●●●を軒並み●●に●いて晒し●にしてやりましたよ!!」
『コロシテ……コロシテ……』
『ヤッダーバー』
『───ナナェ……』
【悲報】娘の倫理観が不味い【教育失敗】。
……ナナ。ちょっとおいで。
「はい!どうかされましたか?」
緑のポニーテールをルンルンと弾ませて近寄ってくる我が子。ご覧の通りこの子はバルタンじゃない拾い子な訳だが、でもたった1人の大事な愛娘なんだ。
……なんだが、それはそうなんだが。
『超獣相手だからって“惨殺”はやめないか?後で俺がトドメを刺しとくから、それ以上イジメずに置いておいてあげなさい』
「だって
『ですよ?じゃないよこのバカ娘』
「ワピャッ」
ボタンを一押し、落下して来たタライがナナの脳天を直撃。我が家恒例の折檻方法である。ちなみに特殊な機構で物理ダメージは無い。
しかしもう慣れ切ってしまって懲りないのが困った。どうしてこうなってしまったのか、どこで教育を間違えてしまったのか……
「ところでお父様、何を見てらしたんですか?」
「ん?これか」
ナナが指差したのは、俺が先程まで眺めていたスクリーン。そこには今、汗を流して懸命に大地をかける
《待ってろよテイオー!秋のレースはターボが勝つんだから!》
『……“ウマ娘”というアニメ番組だ。確か第二シーズンだと』
「ああ、この前“掲示板”の方々に教えてもらったという」
そう、掲示板。少々前、とある出来事を境に思念を通じて覗き込めるようになった、前世のネットサイトによく似た交流の場所だ。
そこには、俺と同じ人間世界から異世界へ転生した者達が意見を集わせ議論していた。俺も時折そこに参加し、同郷の奴らと情報交換するようになっている。
で。その折に、ウマ娘なるアニメが故郷の世界で流行っていた事を聞いた。
「お父様はこのような耳の種族の女性がお好きなんですね。分かりました、ナナ自己改造します」
『待て待て待て。俺がこのアニメを掲示板から取り寄せたのは、お前に青春を共にする仲間の大切さを知って欲しいからなんだって』
「私はお父様と共に居られればそれが最高なんですけど?」
溜息と共にタライをゴーン。いやなんで嬉しそうなんだよ。なんなら虐待と思って嫌ってくれよ。お父さん、将来お前が独り立ちできるか不安だよ真剣に。
『は〜〜〜………実際良い物語なんだ。競い合える友人の大切さをこれ見て学びなさい、そして同年代の子と関わりを持ちなさい。ナオ君とかいるだろ』
『いやー今更他の男を見ても全部お父様の下位互換にしか思えないので』
『タライ落とそうか』
「お願いします!」
ダメだこりゃ。ちょっと頭抱えたい、誰か助けてくれ。いっそゼロ呼んで叱って貰おうか。でも貸し作ったら絶対また勧誘されるんだよなぁクソぉ。
と、悩んでいた時のこと。
【急募】娘の将来が心配なんだが
1:子連れバルタン 娘が俺以外の生物を虫ケラだと思ってるのを何とかしたい。 家庭持ち男性からの意見歓迎
85:名無しのリア充 イッチはシングルファザーなんやろ?まぁ父親だけが世界の全てになっちゃうとそうなるのもな “青春賛美モノの創作物を視聴させて他者との繋がりに興味を持たせる”っていう作戦が採用されたようだけど、今どんな具合?
86:子連れバルタン >>85 サンプルの一つとして送られたウマ娘を今自分で見てる。悪くなさそうだ 最終回まで見て判断してから娘に渡す
87:564ちゃんだゾ★ >>86 あ〜だめだめ、そういうのは一緒に見なきゃお子ちゃまは関心を持たねぇっての!タコと盆踊りするより無謀だぜ、この前したけど まぁ子供は飽きっぽいモンだし、アニメよりも自分で進められるゲームの方が良いかもな。アタシの方にゲーム版のウマ娘データがあるから共有してやっからやってみな、1プレイ30分で中々濃い青春の追体験が出来っぞ! umamusume.download
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掲示板の更新通知、また新しい提案が来たようだった。成る程、手軽なゲームなナナの食指にも引っ掛かるかもしれない。
物は試し、善は急げだ。
『ナナ、このゲーム一緒にやらないか?』
「何ですかそれ」
『ゲーム版のウマ娘だそうだ。色んなキャラを育成して競わせるらしくてな、俺もやるから後で一緒にレースさせよう』
「……!お父様のキャラとレースですか、是非!!」
よし、食いついた!やるからには俺も全力、ストーリーもしっかり読んで強いキャラに育ててやるとしよう。
誰を育てるかな……このアグネスタキオンというのは学者キャラなのか、共感できるストーリーだったりすr
「出来ましたぁっ!!」
………。
ちょっと見せなさい。
「はい、どうぞ!!」
『…………』
差し出された端末にいたのはダイワスカーレットというウマ娘。そのステータスは全て1200超え。虹色のUの文字が全体評価を含めて6つ、燦然と輝いていた。
金スキルが1、2、3……あっダメだ、明らかに10を超えてる。
《やるじゃない!アンタの事、少し認めてあげるっ》
認めるなスカーレット君。コイツ、君と碌な時間を過ごしてないぞ。
『どうやった?』
「貰った瞬間に電子データを照査し、倍速機能のリミッターを解除して使えるバグ及び乱数調整を全利用しながらストーリースキップしました!」
『もしもしゼロ。ルナミラクル制御の特訓にナナを貸し出す。1週間扱き使ってやってくれ』
「うわーんそれだけは勘弁して下さい〜!!」
完全にしくじった、ナナは超効率厨だからグリッチとかチート使うのに何の躊躇も無いんだった。誰に似た?俺だなクソッタレ、誰かの所為にしたくても自分の顔しか思い浮かばん!
という訳で今回も失敗。どうすりゃ良いんだと、俺は駄々を捏ねる娘を抱っこしながら途方に暮れたのだった。
《これが!諦めないって事だ〜〜〜!!》
すまんダブルジェット。ちょっと心が折れそう。
「私、お父様のお嫁さんになるの諦めてませんからね」
『諦めてくれ……』
うーん。これが掲示板への書き込みの感覚ってヤツか、ヨシ大体掴んだ。つっても今は、この文書くだけでもかなり容量使っちまうっぽいけどな。
ったく困った話だぜ、
とは言っても普通に暮らす上でアタシ達同士の繋がりなんてそう必要じゃねーのも事実。余程変な事でもねー限り、急いで探して再接続する必要も無いだろ。
ってな訳で、ここに置いてある記憶をチョイと覗き見したってバチは当たるまい?良いではないか良いではないか〜………
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………いや。重過ぎんだろ。
えっこの記憶ホントに置いていって良いヤツ?いやゴルシちゃん自身は良いよ、ま〜幸せにはなれるっしょ、ジャスもいるだろうしよ。
けど、その……グラス爺さんが可哀想過ぎるじゃん。何とかしてやんなきゃゴルシちゃんじゃねーよ、マジで。名折れだっての。
実際持ってこうとした痕跡はある、だけど何だこれ?まるでこの荷物だけ別の力で弾かれたみてーな。例えるならそう、クソ重い回線でダウンロードしてたら中断されちまったって具合の。
「こりゃ……ちょっと調べてみねぇとダメかも」
「ガンゲゲギ!」
「ここではリントの言葉で喋ろーな」
「異世界ゴルシちゃん'sネットワーク、出陣だぜーぃ!!」
さっきのバルタンみてーな異世界に詳しそうな有識者かき集めて、いっちょ不躾なゴルシちゃんごとグラス達を助けてやるとしますか!
セルフコラボ回ですね(今更)
ちなみにゴルシちゃんの記憶にあったのは、飛行機雲と流星を見上げて静かに泣く老グラスの姿となります