藤原家の子供は自分で言うのもなんだけどかなりおかしい人たちの集まりだ。一人一人が自分の個性というのをしっかり持っている。
これは家族として一緒に暮らしていて一番思うこと。本当に何で僕はこんな家に生まれてきてしまったのだろうと何度思ったか分からない。特に妹たちのテンションにどうしても付いて行けない。
長女の豊実は大学生だけどかなり自由奔放に暮らしていて常識というものが通じない人物。次女の千花はまだ三人の中ではマシな方だけどたまに見せるおかしな言動は本当に理解できなかったりする。三女の萌葉はサイコパスな発言などがたまにあったりする。
だけどこの三人は外見はとても整っているため学校などでは人気があったりするらしい。僕は彼女たちとは一度たりとも学校が被る事が無かった。僕が卒業したら豊実が入学するような感じで入れ違いだった。
だから学校での彼女たちに関しては全くと言っていいほど見ていない。だから噂などを聞いたりする限りはとても人気があるようだ。
まあ、時々会うぐらいなら僕もそう思えたのかもな。毎日彼女たちと会うからこそウザいと思ってしまうことがあるだけのはずだ。
それにしてもこの家庭でよく普通に育ったなとは今でも不思議に思ってしまう。僕もあんなおかしなテンションの人間になってしまってもおかしくなかったのに……はぁ…いっそ、おかしな人間の方がこの家で普通に暮らせたのかもしれないな。
そんなことを考えながら藤原礼奈は今日も生活している。
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藤原家
今日は世間一般でいう休日。日曜日。俺も会社は休みだが明日までの書類があるので休みではない。今は実家の自分の部屋で仕事に勤しんでいる。
「あと、どれくらいで終わるかな……」
誰も居ない部屋でそんなことを呟きながら黙々と仕事を進めていると後ろから急に声が聞こえてきた。
「れい兄~~」
声がして後ろを振り返るとそこには私服に身を包んだ萌葉の姿があった。一体いつから俺の後ろに居たのだろうか。扉が開いた事すら気付かないなんて俺の方がそれほど仕事に集中していたということか。
「なにかな?」
「一緒に遊ぼうよ~」
萌葉はいつもの笑みを浮かべていた。いつもなら別に遊んであげても良いんだけど今日は明日までの書類が終わっていないからな。さすがに終わらないで明日言ったら何を言われるか分かったもんじゃないし。社会人として会社に迷惑を掛けるわけにもいかないしね。
「悪いけど仕事があるからまた今度ね」
僕はそれだけ言って仕事に取りかかろうと思ったら後ろから強い力で掴まれた。無理矢理解こうとすれば解けないこともなかったがそんなことをすれば萌葉は確実に駄々をこね始める。そして最終的に仲間(姉妹)たちを呼んでくる。
そうなれば今よりも騒がしくなるのは避けられなくなる。だけど仕事が残っているんだよな…萌葉と遊ぶと案外、長くなってしまうんだよね。
「れい兄が遊ぶと言うまで離さないからね」
普通の妹がこれを言ったらいくらそうは言っても説得すれば離してくれたりするものだけど萌葉の場合は本当に離してくれない。
僕が「わかった」と頷くまでは。それが決してどれだけの時間を有したとしても。そうは言っても食事や風呂に入らなければいけないのだからいつかは離してくれるだろうけどそれを待っていたらいつになるか分かったもんじゃない。
「今日は本当に少しだからね。それは約束してくれないか、萌葉」
「………いつもなら絶対に嫌だけど今日は本当にれい兄が困っているみたいだから…今日は特別でれい兄の言う事を聞いてあげる!」
その後は一時間の間、萌葉の遊びに付き合っていた。本当に一時間で済んだということが奇跡に思えてしまう。いつもなら絶対にあり得ないから。
これは藤原家の長男がどんな風に過ごし、どんな風に生きたのかを記す物語。