【デスゲームが開催されました】   作:面梟エッホエッホ

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本編、長いよ()


本編

【Opening】

鳴り響く火災報知器の様なベルの音。

8畳程の室内に反響する音の(やかま)しさに目を覚ます。

起き上がり辺りを見渡せば、壁に取り付けられた巨大なモニターと今まで寝ていたベッド、床に直置きされたスマホが目に入る。それ以外は何もない殺風景な部屋。窓はなく照明も古い白熱灯、どことなく不気味な雰囲気を漂わせている。

 

《グッドモ〜ニィング。起きたァ?起きたなァ?》

 

芝居がかった口調の声が、妙なテンションでどこからともなく聞こえてくる。

同時に真っ暗だったモニターに、蛾の触角を生やした緑眼のカラスの横顔を描いたイラストが映った。

このイラストには覚えがある。SNSで知り合った人物の使うアイコンだ。

 

《ハァイ、ジョォジィ…まァジョージなんて奴ァここには居ないけどな》

 

巫山戯(ふざけ)た挨拶を堂々と口に出すカラスアイコンの正体…『先生(てんてー)』はケラケラと、差程面白くもない自分の発言に笑う。

どうしてこの部屋にいるのか、どうやって連れてきたのかを冗談交じり説明する『先生(てんてー)』。

その言葉に合わせて、モニターに17個のアイコン画像が次々と表示された。その中に自分のアイコンを見つけ、何人かは嫌な予感を感じていた。

 

《周りにはだァれも居ないだろ?お察しの通り皆別々だ。んで、何人かは知り合いもいるけどもォ、普通によく知らんのもいるから、何の集まりだと思ったろ?》

 

ワザとらしい喋り方が面倒になったのか何時も通りの口調に戻る『先生(てんてー)』。相変わらず楽しそうな声で彼は地獄の到来を告げた。

 

《君らは今からデスゲームの参加者だ!主催『先生()』!運営『先生()』!ジャッジ『先生()』の楽しい愉しいゲームを始めようぜ!!!》

 

デスゲーム。スピーカーから流れたその単語に、殆どの者は「とうとうやりやがったコイツ」としか思わなかった。

先生(てんてー)』は外道。今更な事実である。

突拍子も無い物騒な発言は、某所では日常茶飯事だった故に。

 

《あ、ちなコレ録音だから。質問とかされても答えらんないからね、そこんとこよろしく〜》

 

締まらないのも、割といつものことである。

こうして17人の参加者は、『先生(てんてー)』主催のデスゲームに巻き込まれた。

 

【参加者】<17>

『朱歌』『絵優奈』『Ruff』『紅井きつね』

『菫月レンガ』『ロムねこ』『パンドラ』

『霧雨魔理香』『華嶽空桜』『乾燥わかめ』

『ミンミン』『阿惟瑠』『ヒョウヤ』『イヨリ』

『過熱』『アイリ』『雪』

【死亡者】<0>

 

【1st Stage 『脱出ゲーム』】

 

《さァて、混乱してる…のは余りいないだろーなァ。ゲームマスターが俺だもんなHAHAHA》

 

次にスピーカーから流れるそれはどうやら録音ではなく本人らしい。

何か勝手に喋って1人で納得してる外d…『先生(GEDO)』。

中々話が進まず、もしかしたら壮大なドッキリなのでは?と何人かが思い始めた頃。(ようや)く『先生(てんてー)』が真面目なトーンで話し出す。

 

《お巫山戯も程々にしてそろそろ説明を始めるかァ。先ずゲームの概要だが、ジャンルは『脱出ゲーム』!君らには今からその部屋、その建物からの脱出を目指してもらおう!》

 

カラスのアイコンと入れ替わりに4枚の写真が表示される。

 

《君らがいるのは廃病院、廃ホテル、廃工場、閉館した元博物館の4つの施設。中身はモチロン改造済みだ!それらの施設から脱出することが今回のクリア条件!簡単だろ?》

 

高い声のハイテンションとは反対に、淡々とルールを読み上げていく『先生(てんてー)』。

 

・基本1日も掛からず脱出できる。その為時間制限は無し。ただし余りにも遅い場合は問答無用で死ぬ。

・1人1台支給されたスマホには今回の参加者同士で連絡が出来るようアドレスが登録されている。それを使い1人だけ協力を求めることが出来る。

・ただし1度通話を切ったら二度とかけることは許されず、2度目に鳴らした場合、その瞬間スマホ諸共爆発する。

・電話に応じた相手が同じ施設にいるとは限らない。その為掛けるも掛けないも個人の自由。

・施設内には当然脱出を邪魔する『トラップ』が仕掛けられている。間違えれば死ぬ。

・当然だが『窓』からの脱出は不正とし、即爆殺。

・代わりに『入口』に辿り着いた時点で脱出扱いとし、正規ルートでなくとも『非常口』と『屋上』など外に出る手段として真っ当であればクリア扱いとする。etc…

 

回りくどく、長々とした説明。要点を纏めると外道にしては妙に良心的なルールだった。

 

《因みに、電話が掛かってきたら必ず応じなきゃならんワケじゃない。何なら着拒しても良い。その場合掛けた方はもう二度と助けを求められないがなァ!HAHAHA!是非楽しい愉しいゲームにしてくれよォ?んじゃスタァートォ!!!》

 

スタートの合図に合わせてモニターに「最後まで生き残ったら賞金国家予算」と巫山戯た文言が現れ、開幕を告げるゴングがスピーカー越しに鳴らされた。

電話を掛けて協力する者、1人で着々と攻略する者、手当たり次第に動く者…それぞれがそれぞれのやり方で脱出を目指していく。そして。

 

《お、最後の1人がクリア条件を達成したみたいだな?コレにて『脱出ゲーム』は終了だァ!》

 

スピーカーから聞こえるアナウンスに、他の施設も無事クリア出来たのだと安堵する参加者達。

スマホの画面が勝手に切り替わり参加者のアイコンが表示され。その画面に何人かが凍りつく。

1人のアイコンが真っ赤な『×』で消されていた。

 

《今回の犠牲者は1人かァ。中々どうして運が良い!善人多めで良かったじゃんか…この調子で最後まで生き残れると良いなァ?》

 

クリア条件の出入口に備え付けられた、目印代わりの巨大モニターに死亡者と死因が映し出される。

 

《さァさァ()()()()()を始めよう!デスゲームはまだまだ序盤も序盤!ってことでェオープン・ザ・ドォア〜!》

 

当然だが自他ともに認める外道がたった一つのゲームで終わらせてくれるハズが無い。

デスゲームは次のステージへと移って行った。

 

【生存者】<16>

『朱歌』『絵優奈』『紅井きつね』『雪』

『菫月レンガ』『ロムねこ』『パンドラ』

『霧雨魔理香』『華嶽空桜』『乾燥わかめ』

『ミンミン』『阿惟瑠』『ヒョウヤ』『イヨリ』

『過熱』『アイリ』

【死亡者】<1>

Ruff

【死因】

服毒(持ち込んだ私物にトラップを仕掛けられ自滅)

 

【2nd Stage 『ダルマさんが転んだ』】

第1のゲームをクリアし、施設の外へ出る参加者達。

彼らの眼前に現れたのは『()』だった。

高層ビルに環状線、車や電車も走っているが、明らかに普通とはいえなかった。

建ち並ぶビルや邸宅の壁面には巨大な『緑色の目玉模様』が映し出されたスクリーン。模様はギョロギョロと地上を監視している。

車や電車は通っているものの通行人の影はなく、キッチンカーや店の中も見る限り無人。

見上げればあるべき青空が人工の夜空(プラネタリウム)に隠され、その下を飛ぶ無数のヘリがライトを地上に当てている。

一体どれ程の資産を投じてこのゲームが行われているのか、想像もつかない程広大なステージがそこにはあった。

 

《さァ皆も気になる第2のゲームを発表しよう!それは街1つがステージの贅沢な『ダルマさんが転んだ』!》

 

大音量で放送される『先生(てんてー)』のアナウンス。実況者の様なノリで自慢げに言葉を紡ぐ。

 

・普通のダルマさんが転んだと同じ様に、監視の『()()()()()()()()()()は動けば失格、即処刑。

・カウントはスピーカーを使った掛け声の放送。

・地上を行くも良し、地下道を通るも良し、支給されたスマホの地図アプリにマッピングされたゴール『中央塔』へ辿り着けばクリア。

 

《てな感じでェ、ルールは基本普通のダルマさんと同じ。しかァし!コレは命を掛けたデスマッチ!故に他人への妨害も当然許される!こっからが本番ってワケだ!》

 

さも愉快とばかりに高笑いする『先生(てんてー)』の声と共に開始を告げるブザーが響く。

街中に響く「だァ〜るまさんが〜こォ〜ろんだァ〜」という間延びした掛け声に気を取り直し、生き延びる為に参加者は走り出した。

 

《HAHAHA!ィヒヒヒャヒャヒャ!!!地下が安全なワケねェだろォが!ハイ1名様だつらァく!!!》

 

地上は監視の目が溢れているからと、地下を走っていた1人が赤い光に照らされながら、『目玉模様』の代わりに映し出された。

動きを止めた参加者達が見る中で、左右の壁や天井が開き無数の銃口が顔を覗かせる。

赤い光の中でもはっきり分かる血の赤さ。

四方八方から無数の鉛玉に撃ち抜かれ、滑稽なダンスを踊る様に跳ね回る。

嘲り混じりの笑い声とその凄惨な『処刑』に、人の善い参加者たちは青褪めるものの動けない。

『先生』は言う。地下には確かに『目玉模様』は無いと。

しかし監視の『目』がないとは一言も言わなかった。

つまりは()()()()()()だ。

 

《おやおやおやァ?ボケーっとしてて良いのかなァ?ゴールに着かなきゃ終わんねェぞ!》

 

第2ゲームはまだ終わらない。

何度目かの掛け声が終わり、緑色の『目玉模様』が動く。掛け声によるカウントは不規則で、信号や踏切の妨害も有り一瞬たりとも気を抜けない参加者達は、徐々に追い詰められていった。

やはりというか決壊の時は唐突に来た。

 

《ハイそこォ!引っ掛かったなァヒャヒャヒャ!!!》

 

カウントの掛け声は流れている。しかし『目』は()()

言葉通りの『引っ掛け』。カウントはただのめやすにすぎず、本命はそもそも『目』。

監視の間『目』は()()、カウント中は()()に点灯していた。

よく見ていれば気付ける罠。しかし限界まで追い詰められた精神状態では引っ掛かってしまうのも無理はない。

 

《2人目ェ!しっかァ〜く》

 

滞空するヘリのサーチライトと『目』の赤い光を一身に浴びて眩しそうに顔を庇った参加者は、恐怖に震え立ち竦む。

次の瞬間、僅かな地響きと共に轟音が参加者のいた辺りから響き渡る。土煙が晴れるとそこには『街』の天井から撃ち出された巨大な杭が地面に突き刺さり、弾けた跡の様な血溜まりが出来上がっていた。

1人目のソレに劣らない余りにも惨い仕打ち。

ただでさえ極限状態一歩手前な心が終に、悲鳴を上げた。

 

《…さァん人目ェ》

 

カウントが始まらない。『目』が赤く光らない。

ゾッとする声色とスクリーンに映る座り込んだ参加者の1人。

恐怖の余りに腰を抜かしてしまった。

だがルールはルール。『先生(外道)』は見逃す等の優しさなんぞ持ち合わせちゃいない。

再びの轟音と振動、追加の爆発。遠目にも分かる程の黒煙が昇る。

ワザと杭をヘリの一機に掠らせて墜落させたらしい。

ソレは狂気の証明。誰一人として同じ殺し方はしないという、『先生(てんてー)』が外道たる所以と証左。

そこからは皆必死になった。

死にたくないと今まで以上に追い詰められ、それでも間違わずにゴールを目指した。

1人、2人とゴールに辿り着き、残りは1人。

先にクリアを果たした参加者たちは固唾を飲んだ。

最後のカウント。その最中、あと少しの所で限界を迎えてしまった最後の1人。

転んでしまったその参加者を見捨てられず、クリアした内の1人が飛び出した。

 

《何してんだお前》

 

もう分かりきっていることだが。

先生(狂人)』に慈悲の2文字はない。

 

《ゴールした奴が戻ってくんのは反則(ズル)だろが》

 

間一髪、手を掴みゴールラインの向こうへと押しやった。

多少荒くとも1人の命を救うことが出来た。

その行いは尊いものだろう。

されどコレはゲーム。ルール違反の代償は軽くない。

皆の目の前を、飛来した大型トレーラーがとてつもないスピードで横切ってビルに突っ込み。

一度はクリアを果たした参加者(ヒーロー)は、その身を無残なミンチに変えた。

 

《……第2ゲーム『ダルマさんが転んだ』終了。随分余裕だなァお前ら。他人の命を気にする余裕があるたァ驚きだ。でもな、コレはゲームだろ?ゲームはゲーム。ズルなんてつまんねェこと、二度とすんなよなァ》

 

第1のゲームと打って変わって悲惨な結果となった第2のゲーム。

それでもデスゲームは終わらない。

 

【生存者】<12>

『絵優奈』『紅井きつね』『ロムねこ』『雪』

『霧雨魔理香』『華嶽空桜』『乾燥わかめ』

『ミンミン』『阿惟瑠』『ヒョウヤ』『イヨリ』

『過熱』

【死亡者】<5>

『Ruff』『朱歌』『アイリ』『菫月レンガ

パンドラ

【死因】

銃殺(ルールによる処刑)

圧死(同上)

爆死(同上)

事故死(違反行為を理由に粛清)

 

【3rd Stage 『陣取り合戦』】

『中央塔』内部。地下へと向かうエレベーター。

過酷な第2のゲームを生き延びた12人には、極限まで追い詰められたストレスによる疲労が色濃く出ていた。

誰も何も喋らず、耳に入ってくるのは駆動音だけ。

正直『先生(てんてー)』を甘く見ていた。

口先だけだろうと思っていた。

元々物騒なことをサラッと言っていた奴が実行に移すだけの手段(チカラ)を持てばこうなると、簡単に予想は出来ただろうに。

参加者たちは休息を取る。否が応でも、ゲームは続いているからだ。

 

《シケてるとこ悪ィが第3ゲームの会場に到着だァ》

 

先生(てんてー)』の言葉と共にエレベーターが止まる。

参加者達を出迎えたのは開けた地下空間と乱立する白い旗。大量に立てられた旗から1本選ぶよう指示され、参加者達は旗を選ぶ。

全員が自分の旗を選ぶと選ばれなかった旗が消え、入れ替わる様に黒い壁が地面からせり上がった。

 

《第3ゲームは『陣取り合戦』!生き残りは12人…6対6のチーム戦だ!》

 

ゲーム内容が告げられると同時に、旗の色が赤と青に変わり、壁面にカラスのアイコンが現れた。壁自体がスクリーンの様だ。

そして恒例となったルール説明が始まった。

 

・制限時間は3時間。

・参加者は赤と青の2チームに別れ、それぞれの色の『旗』がある小部屋を『陣地』とする。

・迷路を辿り相手陣営の『旗』を見つけ、触れれば『自陣』に変えることが出来るが、その小部屋に2人以上の参加者がいた場合『旗』の色は変わらない。

・『()()()()()()()()()()()

・より多くの『旗』を保有していた陣営が勝ち。

・スマホに地図と味方の現在地が表示され、いつでも確認することが出来る。

 

第3のゲーム『陣取り合戦』。それは迷路を辿り領地を増やすチーム戦だった。

だが、忘れてはいけない。第2のゲームにてルールに裏があった様に、第3のゲームも単純なルールな訳が無い。

 

《ただ迷路を進んで探すだけじゃつまんねェもんな?んじゃ、追加ルールの発表と行こうかァ!今回の『陣取り合戦』はサバゲー要素も取り入れてる…分かるな?敵陣営への攻撃有ってことさァ!》

 

追加ルールの発表に合わせて壁の一部が開き、中からライフルとペイント弾が姿を現した。

 

・ペイント弾は自陣営と同じ色。弾数は1人につき50発だが他人への譲渡も有とする。

・ペイント弾1発につき1ポイントとし、10ポイントで『旗』1本分とする。

 

追加ルールは明らかに相手と争う様に仕向けるもの。幾らペイント弾とはいえ先程まで一緒にいた人に銃口を向けなけることになると分かり、参加者達は気分が沈む。それでもきっとやらねばならないのだろう。

このゲームでは何が違反になるか分からない、故に従うしかなかった。

 

《さァて、ここで1つ朗報だ!相手陣営を撃つ必要はない、ってか()()()()()()()()()!この意味は自分で考えなァ?ってなワケでェ頭を使って旗を奪い合う第3ゲームゥ…スタァ〜ト〜!》

 

開始宣言と共にスピーカーから銃声が響く。

同時に伝えられた追加ルールの意味を薄れさせる発言に戸惑う参加者達。

妨害を推奨し、武器を渡しておいて「相手を撃つな」。矛盾とも取れる指示に混乱する参加者達を余所に、無情にもそこら中に示された3時間のタイマーがカウントを進めていく。

悠長に考えている暇はないと動き出す。

()()()()()を除いて。

 

《終ゥ〜了ォ〜!随分派手にやったなァ?期待通りで嬉しいぜ俺は!結果発表と行こうじゃねェか》

 

3時間。入り組んだ迷路を味方の位置を頼りに走り回る者、動かずに旗を奪われないよう居座る者、連絡手段はなく互いの状況も把握出来ない中、当然ゲームは混迷を極めた。

旗を奪い奪われのイタチごっこ。

誰も彼もが我武者羅(がむしゃら)に駆け回っていた。

ルールに()()()()()()を察した3人を除き、皆が皆必死だった。

愉悦を隠しもしない声色で、興奮もかくやと『先生(てんてー)』が結果を告げる。

 

《青陣営旗2本…赤陣営10本!…何だこの差ァッ!ハ、ハハハハ、アハハハハハハハハハッ!やってくれたな!やってくれたよホント!数()()見たら青の惨敗じゃねェか!!!》

 

その結果に青陣営の参加者達が愕然とする。

それもそうだ。

彼らは確かに旗を奪い、奪われないように旗から離れないで居た。それは赤陣営も同じ。

事実彼らの認識では旗の数に差は無いハズだった。

その反応がツボに入ったのか、ゲラゲラと笑いながら『先生(てんてー)』はその理由を告げる。

 

《俺は言ったぜ?()()()で判断するってなァ!要は旗を自分と同じ色にすりゃ言いワケだ》

 

心底可笑しいと言わんばかりに台を叩く音がスピーカーから流れて来る。

 

《最後に言ったアドバイスの意味考えなかったな?何の為の追加ルールだァハハハハハハッ!ちょっと考えりゃ分かることだろォがよォ!》

 

相手チームへの妨害許可と攻撃禁止の一見矛盾するルール。それもそのハズ、『先生(てんてー)』は敢えて部分的にしか説明をしなかった。

少し考えれば分かることだ。外道(てんてー)が、親切に一から十まで説明する奴では無いことぐらい。散々思い知ったであろう故に。

主催者である『先生(外道)』に、参加者達の精神状態を考慮するなんて高尚な思考を期待してはいけない。

そもそもこの男は愉悦主義者、大小問わず他人の不幸を悦ぶ人間に真っ当な価値観なぞあるハズもなかった。

 

追加ルールの真相その1

・ペイント弾で強引に色を変えても得点とする。

 

《別に騙したワケじゃァないぜ?実際直接相手を撃つことが今回唯一の反則だったからなァ。しっかし折角の欠陥ルールだってのに、気付いたのは2人だけ。自分の目ェ疑ったわ》

 

真のルールに気付いた2人の参加者。

彼らは互いの旗を撃てば勝てると理解し、動いた。気付けたものは両陣営にいた。条件自体は平等だったワケだ。

しかし全てが平等になることは無い。

選んだ旗の、位置が悪かった。運がなかった故に正答を当てておきながら何も出来ず。

その結果が幸運な赤陣営の1人の手により、青陣営が5本の旗を奪われ差を生み出したという惨状。

悔しかろう悔しかろうと『先生(てんてー)』の笑う声に震える不幸な参加者が1人。

見事期待通りの動きをしたと褒め讃える『先生(てんてー)』の声がどこか遠く聞こえる青陣営。

そして絶望は終わらない。

 

《おっとォ?落ち込むのはまだ早いぜ?ペイント弾の使い道は何も()()()()()()()()()んだからなァ》

 

コレも気付いてたの1人しかいなかったっぽいがな、とぼやく『先生(てんてー)』。

1発につき1ポイント…ペイント弾はポイント制。

それがどう採点に関わるのか、断片的にしか伝えられていないことが不安を煽る。

 

《青陣営旗2、追加の旗撃墜は0…だが着弾ポイント184!…端折って合計20点だ!対して赤陣営は…旗10、撃墜5、着弾ポイントは2人合わせて50!…ん?50ゥ?思ったより少ねェな神エイムか?まァいいやとにかく合計20点!》

 

20:20。まさかのドロー。

最終結果に騒然となる両陣営。参加者達の無様を笑いながら『先生(てんてー)』は採点のカラクリですらない抜け穴を指摘する。

不幸な青の参加者は、撃ち抜いた旗をも奪い返されていた。それ()間違いない。

幸運な赤の参加者は、多くの旗を撃ち、奪った。それ()間違いない。

ただ1つの番狂わせはもう1つの追加ルールに対する認識のみ。

 

《そうさァ、旗の色の変え方とポイント加算は微塵も関係ねェ!》

 

不幸な青の参加者は確かに何も出来なかったことには違いない。

だが何もしなかったワケでもない。

旗を奪えないと悟り、残り時間が僅かな中で、一縷の望みに縋り足掻いてみせた。

ゲーム中合流した味方から集めたペイント弾を、全て自陣の旗に撃ち込んだ。態々(わざわざ)ポイントレートまで定めた追加ルールの意味を考え賭けに出たのだ。

そして彼は見事、賭けに勝った。

 

追加ルールの真相その2

・旗に当たれば1発で1本。それとは別に命中弾の数だけ10発1本のレートで加算する。

 

《惜しかったなァ?後1発旗撃ってりゃ勝ちだったのになァ?HAHAHA最ッ高に面白かったぜ?ま、俺としちゃァこのポイントの()()()()()()を理解してくれてたのは1人だけってのが残念だが》

 

追加ルールにより、上げて落とされた赤陣営の空気は重い。

明言されていないペナルティ。引き分け故にどちらも処刑という最悪の未来が脳裏を過ぎる。

 

《同点じゃ仕方ねェよなァ…仕方ねーからァ数で決めるしかないよなァ?だ〜か〜らァ〜……()3()()!んで()4()()()()()()()!》

 

7()()()()の宣告に絶句する。

判定負けの青陣営だけでなく何故か赤陣営も処刑するという予想外の言葉に参加者達は耳を疑う。

ゲーム終了から笑いっぱなしの『先生』が若干枯れた声でやっぱり嗤う。

 

《理解出来ないって顔だなァ?笑わせんなよ死んじまうだろうが俺がよォ!正しいポイントの稼ぎ方っつったろ?ここまで言えば理解出来たよなァ?なァ!()()()()()()()赤陣営!!!》

 

追加ルールの真相その3

・相手を撃つのは禁止だが、味方は撃っても良い。

・撃たれた者には当然ペナルティ。

 

悪魔だ、と誰かが呟く。

ペイント弾の意味に気付いた3人の内、唯一人に銃を向けた参加者。その手によって3人が生贄にされた。

第3ゲーム『陣取り合戦』。

チーム戦と(うた)いながら()()()()()()

『旗』の奪い合いに負けて旗を失った青の3人と、味方の得点として売られた赤の3人。

スマホの画面が切り替わる。見慣れたアイコン一覧に、新たに7つ『×』がつけられた。

 

【生存者】<5>

『絵優奈』『紅井きつね』『雪』『ミンミン』

『ヒョウヤ』

【死亡者】<12>

『Ruff』『朱歌』『アイリ』『菫月レンガ』

『パンドラ』『華嶽空桜』『イヨリ』『阿惟瑠

ロムねこ』『過熱』『霧雨魔理香

乾燥わかめ

【死因】

感電死(失点のペナルティにより処刑)

窒息死(同上)

磔刑(同上)

熱殺(同上)

焼死(被弾のペナルティにより処刑)

溺死(同上)

中毒死(同上)

 

【4th Stage 『鬼ごっこ』】

過去一番の犠牲を出した第3ゲーム。

17人いた参加者も残り5人となり、生存者達は終わりが近いことを感じ取っていた。

しかしそのことを喜ぶ者は誰もいない。払った犠牲の大きさに怯え、度重なる極限状態に疲れ切っている。

5人は再びエレベーターへ乗り込んでいた。

処刑が執行されて以降、『先生(てんてー)』からのコンタクトは無い。何の指示も無いまま立ち竦んでいた所に誘導する様にエレベーターが開き、他に道が無い為仕方なくそれに乗ったのだ。

無言だからか、ただでさえ長い待ち時間が果てしない様に感じられた。

軽快な音を立ててエレベーターが止まる。

エレベーターを降りた5人を出迎えたのはまたしても『街』だった。

尤も第2ゲームの様な大都会ではなく田舎寄りの普通の街で。

何よりも遠くに四方を囲う巨大な壁と、久しく見てない()が見えていた。

相変わらずアナウンスはないが、代わりと言わんばかりに矢印がデカデカと書かれている。

矢印に従い外へと出た5人。明らかに外であるハズなのに人気が全くなく、ゴーストタウンの様だった。

暫く辺りを見回し、1人がとある立て看板を見つけた。

 

『第4ゲーム/鬼ごっこ』

・ルールは1つ。()()()()()()『鬼』から逃げ切れ。

・捕まれば即処刑。

・制限時間は無し。

 

とうとうアナウンスの無いまま始まろうとするデスゲーム。

主催者からのコンサタクトが一切無いだけに、今回のゲームが今までとは異なる特別なものだと突き付けられている様だった。

これ以上ない程雑なルール説明。

まだ始まる様子はないだろう、とその意味について参加者達が考え始めた瞬間、見計らった様に看板が書き変わる。

 

・クリア条件:『鬼』を倒せ。

・【10…9…8…7…】

 

過去3つのゲームに比べて余りにもシンプルなルール。

その文言にルール無用の鬼ごっこだと気付き。

その下で一定間隔で減っていく数字と、後ろで動き出したエレベーターの意味を、悟った。

逃げろと誰かが叫び、5人が一斉に走り出す。

直後、エレベーターから白衣にフラスコの被り物という仮装の様な奇妙な姿の男が出てくる。

『鬼』の正体を見ようと後ろを向いた参加者の1人が、その姿を見て悲鳴を上げる。

『鬼』の正体。ソレは主催者である『先生(てんてー)』がSNS上での自分として創作したキャラクター『フラスコ』そのものだった。

右手にチェンソーを持った『フラスコ』。眼球とニヤけた口元だけの無機質な顔が恐怖を煽り立てる。

『鬼』…『フラスコ』の前で、見る者もいない看板が再び書き変わった。

 

『第4ゲーム/鬼ごっこ』

・『鬼』は『先生』。

・【…1…0…START】

 

カウントが0になりサイレンが響き渡る。

右手に携えたチェンソー。

そのスターターを引いた。

 

A few minuts later.

 

スタート地点の駅から離れた住宅街。脇目も振らず駆けるが生存者2名。

最初に散らばった後直ぐに合流出来たこの2人は、元々知り合いだったらしくこの状況下でも協力し合っていた。

そんな2人の後ろには、某ゾンビゲームの追跡者よろしくランチャー片手に『フラスコ』がロケット弾を装填しながら追って来る。

アレでは捕まったらどころか捕まる前に余裕で死ねる、と必死で住宅街の細い道を逃げ回る。

何度目かのT字路を右に曲がろうとし、慌てて2人は左へ切り返した。

同時にギリギリでロケット弾が着弾し爆煙が視界を妨げる。チラリと後ろを見てみれば、もうもうと立ち込める煤や炎をものともせずに走る、斧を両手に持った『フラスコ』が見えた。序にその後ろにロケランを構えた『フラスコ』も。

前にいる『フラスコ』が投げてきた2つの斧を避け、後ろの『フラスコ』の射線から外れるべく角を曲がる。十字路に出れば左右にまた1人ずつ違う『フラスコ』が居るのが見え、2人は死に物狂いで走り続ける。

何でてんてーが増えてんの、と片方が叫べば爆発音に掻き消される。

ただでさえ坂が多い住宅街。追い討ちをかけるように大量発生している『フラスコ』元い『先生(てんてー)』。しかも一人一人持ってる武器が違う。地獄だ。

混乱と疲労と恐怖で顔を引き攣らせながら逃げる2人の悲鳴と爆音が住宅街に反響する。

第2ゲーム以降、大して休憩も出来なかった為に既に足が限界を迎えている。

もうダメかもしれないと片割れが思ったその時、2人の目の前で大型の外車が急停止した。

運転席の窓から顔を出したのは生存者の1人。

彼に促される儘に2人が乗り込むと、アクセルを踏み込みその場を離れていった。

急発進した車が『フラスコ』を撥ねる。轢かれた3人は嫌な音を立て道を転がる。その光景を後目に()()()()()()()()()()()か、と生存者の1人は呟いた。

その後ろで轢き逃げされた残骸(スクラップ)を除けて起き上がる『フラスコ』に気付くことはなかった。

 

Same time.

 

3人の生存者が合流した頃。残りの2人はそれぞれ別の場所で武器を調達していた。

1人は取り敢えず立ち寄ったホームセンターで手に入れた鉄パイプを振り回し、襲い来る『フラスコ』を殴り返り討ちにし続けている。

もう1人は拾った猟銃を使い『フラスコ』を射ち殺す。留めに頭を撃ち確殺を入れる姿は他の誰よりも冷静沈着である意味異様だった。

 

《アーアーアー…聞こえるかなァ?》

 

第4ゲーム開始から1時間、先程まで音沙汰無しだった『先生(てんてー)』からの突然の連絡。

逃げる者も立ち向かう者も一瞬動きを止める。

以前までとは違い砂嵐の様な雑音が混じっている。

 

《やァやァやァやァ生きてる様だな生存者諸君!そろそろ…ってか1時間も経ってりゃ気付いてるだろーが、街中に溢れかえってるソイツらは量産型人形?ロボ?…取り敢えず察しの通り偽物だ!第4ゲームは量産型を退けつつ本体の俺を殺すミッション系鬼ごっこ!高みの見物と洒落こんでいた主催者の思惑を見事突破して()せた君らは、()()()()()()()を獲得したってワケだ!主催者を倒し脱出するか!はたまた全滅か!》

 

高架線の上。

第1ゲームを彷彿とさせるハイテンションで捲し立てる『先生(てんてー)』。足元には『フラスコ』の頭。見渡す限り撲殺された『フラスコ』が死屍累々。様々な武装が散らばる地獄の様な光景で、終に参加者と対峙した黒髪の男が笑う。嗤う。嘲笑う。

 

《今此処にィ、ラッキーな最初の挑戦者(チャレンジャー)が現れたァ!!!デスゲームもいよいよ大詰めを迎えー》

 

長々と喋る『先生(てんてー)』に、挑戦者(チャレンジャー)とやらが痺れを切らしたのか言葉の途中で爆発音に遮られ、放送はそのまま切られた。

 

「オイオイ…話の途中で仕掛けんのはマナー違反だろ?」

 

投げつけられた『フラスコ』の残骸を右手に繋げた巨大な鋏で叩き落とした『先生(てんてー)』は呆れた様に肩を竦める。

白衣に眼鏡と研究者の様な出で立ち。偽物と区別させない為に被っていた『フラスコ』の頭部を模したヘッドギアを鉄パイプでかち割られ、目の前で爆発に巻き込まれても埃1つ被っていない。

本人の武装は両腕に。機械仕掛けの装甲で右腕は鋏、左腕は3本の爪が見えた。

 

「じゃァ、ゲームも大詰めだ」

 

右手の鋏が鳴る。

見せびらかす様に刃の調子を確かめている『先生(てんてー)』。

その『先生(てんてー)』を睨みつけ、肩で息をしている生存者『紅井きつね』。

両手で握り締めた鉄パイプを首を目掛けて振り下ろすも、左腕に防がれ鋏で鉄パイプ諸共切り裂かれそうになる。

見た目通り至近距離での取り回しが悪いのか、危うげなく躱す『紅井きつね』。

地面に転がる『フラスコ』を蹴り上げ、振り下ろされた鋏を転がる様に避け、残骸の手からサブマシンガンを奪い距離を取り、トリガーを引いた。

銃口が向けられると同時に左腕を突き出す『先生(てんてー)』。

開かれた五指の後ろから爪が延び、機械の手が出来上がる。爪の回転により弾丸は弾かれ、『紅井きつね』は歯噛みした。

機械の盾越しにニヤリと『先生(てんてー)』が嗤う。直後機械の爪が飛んだ。

『紅井きつね』は慌ててしゃがみ爪を避ける。

後ろから鉄のひしゃげる音が聞きながら『紅井きつね』は再びトリガーに指をかけた。

引鉄を引いても弾は出て来ず。

先生(てんてー)』が大きく開いた鋏ごと右腕を後ろに引き。

最期を悟った『紅井きつね』はそれでも、と隠し持っていグレネード取り出す。

爪と繋がったワイヤーが巻き戻り、血飛沫が上がる。

直後火柱。黒煙が舞う。

轟音を立てて高架線が崩落。

緊急事態を告げる警報音が街中に鳴り響いた。

生存者達のスマホが勝手に起動。

 

『クリア条件の達成を確認。第4ゲーム『鬼ごっこ』を終了します』

 

最終生存者が確定した。

 

【生存者】<4>

『絵優奈』『雪』『ミンミン』『ヒョウヤ』

【死亡者】<14>

『Ruff』『朱歌』『アイリ』『菫月レンガ』

『パンドラ』『華嶽空桜』『イヨリ』『阿惟瑠』

『ロムねこ』『過熱』『霧雨魔理香』

『乾燥わかめ』『紅井きつね』『先生(てんてー)

【死因】

斬首(相討ち)

転落死(同上)

 

【Extra Stage『脱出ゲーム』】

 

『最後のゲームが終了』

『ゲート起動開始』

『生存者はゲートへ向かえ』

『脱出しろ』

 

次々と表示される現実味の無い文字。

ただ呆然と画面を見つめていた参加者達。

最後の一文が彼らを現実に引き戻す。

生還の2文字が脳裏に浮かび、喜びに震えた。

ゲートの位置が地図上に示され、生存者達は移動を始める。

そして。

第4ゲームを車で巧みに逃げていた『雪』、『絵優奈』、『ヒョウヤ』、1人単独で生き残っていた『ミンミン』…生存者全員がゲートに集まった時。

 

「…待ってたよ、生存者」

 

死んだハズの『先生(てんてー)』が待ち構えていた。

その有様に『ヒョウヤ』が短く悲鳴を上げる。

見える皮膚の大半が溶け落ち、その下から肉が見えている。抉れた横腹は血が流れていたのか真っ赤に染まり、明らかに致命傷だと解る。

右腕の鋏は刃が半ばからからへし折れ、左腕の爪はボロボロに欠けている。

その武器とケーブルで繋がれた両腕は肉が焼け落ち()()()()()が丸見えになっていた。

 

「ン?あー…コレか。驚いたろ?ちょっと()()してみたんだ。致命傷だろうと動けるサイボーグってのは良いと思わねェか?」

 

先生(てんてー)』はケラケラと笑う。

唖然とする4人に向けて『先生(てんてー)』が絶望的な顔してんわ、と苦笑を漏らしながら告げた。

 

「最初に言ったろ。ジャンルは『脱出ゲーム』だって。俺は、一言も()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()よ」

 

『ラストゲーム』

・クリア条件:デスゲームからの脱出

 

一瞬の沈黙。

スマホの通知が全てを物語っていた。

壊れた武装を取り外し、両腕を広げる。

地震の様に激しい揺れと地響きが起こる。

先生(てんてー)』は揺れに身を任せ仰向けに倒れ、同時にアスファルトを破壊しながら現れた巨大な機械に呑み込まれた。

 

『さァ!正真正銘最後のゲームだァ!ここまで生き残った素晴らしき英雄達に惜しみない称賛を送ろうじゃないか!だがァ、デスゲームはまだクリアされていない!ラスボスとして王道的な勝利を()()()()()()が、だからといって易々と帰してやるワケにもいかないんでね!』

 

ソレは巨大なカラスだった。

全高6mの巨大な体躯。

機械とは思えない滑らかな挙動。

一個の生命体としてその兵器は完成していた。

 

『英雄達に最大限の敬意と賛辞を!見事だったとも!だから、ここで死んでくれ(死ぬがよい)!!!』

 

決戦が始まった。

手持ちの武器では有効打を与えられず苦戦する4人。

だが、第4ゲームの最中主催者との関連を示唆する施設を見つけていた『ミンミン』は、そこで見つけたケースの存在を思い出す。

『ミンミン』の案で『先生(てんてー)』を抑える側と打開策を探す側の2手に別れた4人。

先生(てんてー)』は敢えてソレを容認し、残った『雪』と『ミンミン』との戦闘を愉しんでいた。

その後何かの手違いではぐれた探索組…『ヒョウヤ』と『絵優奈』。

『ヒョウヤ』が主催者のラボで最終兵器、対物レールガンを見つける。

一方『絵優奈』は何かの()()()でもう1つのラボへ辿り着き、いかにもなボタンを押したことでラボの()()に巻き込まれ()()()死んだ。

まさかの事態に『ヒョウヤ』を除いた3人(『先生(てんてー)』含む)が一時唖然とするも気を取り直し戦闘に戻る。

そして『ヒョウヤ』が合流し最終兵器を使った『ミンミン』によってカラスは巨大な風穴を空けられ転倒。操縦していた『先生』は消し飛び、3人は開かれたゲートから脱出を果たした。

 

【生存者】<3>

『雪』『ミンミン』『ヒョウヤ』

【死亡者】<14>

『Ruff』『朱歌』『アイリ』『菫月レンガ』

『パンドラ』『華嶽空桜』『イヨリ』『阿惟瑠』

『ロムねこ』『過熱』『霧雨魔理香』

『乾燥わかめ』『紅井きつね』『先生(てんてー)』『絵優奈

【死因】

自爆(なんで死んだの?)

 

【Ending】

第2ゲーム会場『中央塔』の立ち入り禁止エリア。

モニターとキーボードの備え付けられたデスクの前で、1羽…否、一()のカラスがイスに座っていた。

 

「お待たせェ…()()()()()のに時間がかかっちまったぜ。HAHAHA」

 

モニター横のマイクのスイッチを入れ喋りかけるカラス。

マシンボイスとは思えない程流暢に話すカラスの前、モニターに映っているのは配信画面。

 

主おかえりー

おかえりー

待ってなんで生きてんのwww

出たな不死身、これだから人外はw

そこに痺れるけど憧れない‪w

今回もコストエグそうw

動画化するのー?

ここの主は不死身なのか(困惑)

 

「おーおー何人か初見さん居るんね。動画化はどうだろーなァ…コレ編集したら運営に提出しなきゃならんのよね〜。あ、配信内容でギャラが決まる話は前もしたと思うけど、大体何時も偉い額貰えるからコスパは良いぞ。あくまでも俺は()()だからだけども」

 

流れていくコメントから適当に拾い上げ返答していくカラス(メカ)こと『先生(てんてー)』。

最後に閉めようとしてとあるコメントが目が止まる。

 

これは犯罪じゃないんですか?参加した人達はどうなったんですか、犯罪は許せないです。頭がおかしいんじゃないかと思いました。運営に報告します

 

「おーガンバレー。一応言っとくけどコレ自体の新規ってことだよな?1つ、不幸なキミに親切な俺が教えてあげようねェ。ここは『WDgO』。デスゲームという娯楽を提供する()()()()()()()()の集まり。デスゲームを主催したいとか、リアルなデスゲームを見たいとか、そういう人達が()()()()()()()()()に開催、参加出来るように支援する場所だ。歓迎するよ?初見さァん…ま、ここに来て自分の正義を振りかざす様な、キミみたいなバカは、()()()()()で消えるんだけどねェ。」

 

じゃあまた次回、と定番の挨拶を口に出し動画を締める直前にケラケラと笑う。

イスから飛び降り、テトテトと歩く。進む先には1つの巨大な円筒型の水槽。その前に立つ『先生(てんてー)』。

 

「…ああ言ったけど今回は色々と()()だからどれだけ儲かるか分からんけど」

 

水槽を見上げ、その中に浮かぶ1人の女性へ愛おしそうに()を伸ばす。

 

「今回のギャラだけじゃ、()()()()までは作れないだろーなァ。どの道時間はかかる想定だったし、予定通りと言えば予定通り、か……」

 

水槽から離れ、部屋の出口へ向かう『先生(てんてー)』。

カラスを模した機械のハズが、その顔には邪悪な笑みが浮かんでいた。目は口ほどに物を言うとはよく言ったものだ。

 

「もうすぐ、もうすぐだ……やっと会える。だからもう少し待っていてくれ…彌淙皅(お姫様)

 

先生(てんてー)』。

名前多きこの男、『世界殺人遊戯機構(WDgO)』の大幹部。

その目的と行動は何時も狂気に溢れている。

 

ーTrue ENDー

 

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