ガンダムビルドブレイカーズ:パーフェクトツインズ 作:Wandarel
イチカ「ほんじゃアタシは出るから。」
ノリコ「いってらっしゃーい!」
何故か分からないがアイザワゲームセンターにてキノコお嬢に見送られているが、知らなければならないことが多かった。
イチカ「東方不敗マスターアジア……。」
そう、イチカはかのクロス・シュウジに因縁があったのだ。
イチカ(あのジジイはアタシ達の世界で理論を完全再現したデビルガンダムを強奪した。そしてアイツは二年前にあの時の戦いでアタシが蹴散らしたはずだ。)
二年前、ゲッターチームと共同戦線を張ったことがある。
GBNにてデビルガンダムを率いた東方不敗マスターアジアと数多のゲッターロボを従えた早乙女という人間を相手にしていた。
当時のアタシはゲッターチームの事情は知らなかったが、後に詳しく聞き、早乙女とやらはゲッターチームにゲッター線の未来を託して死んだらしい。
かくいうアタシも同じようなものだ。
イチカ「ジジイ!!テメェが何をしてんのかわかってんのか!!」
シュウジ「貴様に語るまでもないわ!!」
最後は覚えている。辛うじて勝てたあの戦いを。
イチカ「ジジイ、あの世でレイカと会うんだな。」
シュウジ「ぬおおおっ!!?」
イチカはそのマスターガンダムをガーベラヘルストレートで真っ二つにした。
あの時のGBNも痛みが共有され、ガンプラへのダメージも大きかったが故に改修せざるを得なかった。
イチカ「………ジジイ。」
イチカは流派東方不敗の道場にいた。
シュウジ「む?」
イチカ「久しぶりだな。」
シュウジ「ほう、あの時の小娘か。ワシに一体何の用だ?」
イチカ「あんた、アタシの知り合いにそっくりだから聞きたいんだが、完全体デビルガンダムについて知ってるか?」
シュウジ「ほぉ……アルマが秘密裏にしていたガンプラ計画を何故貴様が知っている……と聞くのは野暮のようだな、異界のイチカよ。」
イチカ「……ふっ、どうやらアンタはアタシの思っていたアンタじゃないみたいだ。邪魔したな。」
シュウジ「……この世界で何を起こす気だ、あの女は?」
イチカ「さぁ、知らねえ。ただ、アタシが決めてるのはたった1つ。」
イチカはそう言うとシュウジに向かってふりかえった。
シュウジ「!」
イチカ「あの女は絶対にこの手で殺すってこと。」
その蒼い双眸は既に真っ暗な地獄へと歩む者だった。
そして、イチカは道場を立ち去った。
シュウジ「………イチカよ、貴様の強さや誇りを全て捨ててでもその力を手にするのか?」
東方不敗マスターアジアはそう呟いた。
イチカ(ジジイはやっぱり変わっちゃいなかった。やはりあれもあのクソババアの影響だな。)
イチカがそうボヤいていた時だった。
イチカ「!!!」
千載一遇のチャンスだった。
一通りの少ない場所を通っていたのもある。
いたのだ。
イチカ「ビンゴ……!」
異界であってもいい。奴は、ソウゲツ・トモコはこの手で殺す。アイツさえ、あいつさえいなければ……。
トモコは何やら裏社会の人間らしき人と話していた。
トモコ「……で、事は上手く運んでいないみたいだけどどうしたのかしら?」
「それが、三日月の人間と釜井の人間に手際よく邪魔をされてまして……。」
トモコ「それだけじゃないでしょう?」
「ええ、ウチの暗殺関連の主要人物が「死神」と名乗る女と「鉄血」と名乗る男に逆に暗殺されてるんです。そのせいでウチの指揮も落ちておりまして……。」
トモコ「構わないわ、そのアサシン二人は私が直々に相手をしてくるから。さ、会合はこれでおしまい。養王田組長に伝えておきなさい。今後ともより良い関係を期待していると。」
今だ……今しかない!!
イチカは飛び出した、本物の拳銃を取り出して。
イチカ「死ねェェェッ!!クソババア!!!」
イチカはその拳銃を一息に三発撃った。
だが……。
「え?ごえっ!!!?」
その全てはトモコが養王田組構成員を盾にしたことによって無駄に終わった。構成員の男はその攻撃で絶命した。
トモコ「あらあら、随分早いわねぇデンノ・イチカ。16の子供がそんな物騒なおもちゃを持っていちゃダメでしょう?」
イチカ「黙れぇ!!貴様さえ居なければ私達は!!!」
銃を撃ってもダメだということがわかった以上はナイフによる近接戦を仕掛ける。
トモコ「ふふっ簡単ね。」
ナイフを振るうが簡単に避けられた。
そして、その隙を狙って、肘鉄を顔面に食らった。
イチカ「うぐ……!」
トモコ「イチカ、私はアナタみたいな存在が不愉快なのよ。」
イチカ「んだと?」
トモコ「貴方達は人の不幸というのを知ってるかしら?」
イチカ「あぁ、異界のテメェのせいで散々思い知らされたっての。」
トモコ「私が何故支配をめざしているのかは知ってるかしら?」
イチカ「知る必要もねぇ!!」
イチカは続けざまに銃を撃つがトモコは軽々と避ける。
そして、トモコはイチカの両手を掴んだ。
トモコ「私が支配し、人々の安寧をもたらすの。絶対的な力を持ってね?」
イチカ「そんなもんはただの都合のいい独裁だ!!」
イチカは振り払おうと蹴りを放つが、それもトモコは蹴りで止めた。
トモコ「まぁまぁ、話は最後まで聞きなさいな。」
イチカ「チッ!!何が安寧だ!!アタシたちの大切なものを奪っておいて都合のいいこと言ってんじゃねぇ!」
トモコ「ならさっきあなたが殺した構成員の人がどんな人か教えましょうか?」
イチカ「あ?」
トモコ「彼、暴対法で苦しいはずの極道なのに小さい子供が多い孤児院に寄付をしていたのよ。」
イチカ「だからなんだっていうんだ……」
トモコ「彼が死んだことで孤児院の経営は難航し孤児達は悲惨な末路を辿るわね。」
イチカ「!!」
トモコ「私があなたを嫌うのは大局的な物事を見る気がないからなの。私のこの計画が成就すればそんな悲しい子供達もいなくなる。貴方のそれも私のそれも人のエゴ。分かる?」
イチカ「…………じゃあ、アタシは……何のために家族を……居場所を……。」
トモコ「大義の為の犠牲になったのよ。貴方達、電之家の人たちはね。ただ想定外なのはあなただけが生きていた事よ。けどいい機会ね。貴方には見届けて欲しいもの。私の計画が完遂されるのをね。」
イチカ「うるせぇ………うるせえええぇ!!!」
イチカは右手の拘束を振りほどいて拳を振るう。
そしてそれはトモコの顔面を捉えた。
しかし……。
トモコ「……子供であるあなたにはまだ分からないんでしょう?あなたの身勝手がどれほどのものを生み出しているのか。貴方の復讐がどれほどの人を傷つけているのかをね?」
トモコは素早い構えで発勁を放った。
イチカ「がっ…………」
イチカは思わず悶え、丸くなった。
トモコ「さようなら、イチカ。私の計画は邪魔させない。だって邪魔した時点で消すもの。ふふふ………。」
トモコは闇の中へと消えていった。
イチカ「くそ……くそぅ………。」
イチカは這いずった。這いずりながらも追いかけようとした。
イチカ「待ちやがれ……クソババア……!!お前だけは……お前だけは絶対にぶっ殺す……!!逃げんじゃねぇ!!」
這いながら追い続けたが、その先にはもういなかった。
イチカ「ちくしょう……ちくしょう……。」
イチカは思わず泣いてしまった。
その時だった。
???「大丈夫か?」
イチカ「………大丈夫。」
イチカはそう言って立ち上がろうとしたが、足が震えて上手く立てなかった。
????「ウチに来るか!よーしそうしよう!」
男はイチカを軽々と抱えた。
イチカ「ちょっ!バカ何してんだ下ろせ!」
????「ことわーる!」
そして、イチカは連れていかれたのは電之商店だった。
イチカ(…………。)
イチカはこの無理やりなことをした人を睨んでいた。
????「大丈夫だぜ、ここならそうそうに奴らも来ないさ。」
イチカ「アンタ、裏の人の事知ってるのか?」
????「そりゃあもちろん!前になんか来た時もアルマが追っ払ってくれたしな!!」
イチカ「アルマ………。」
いや、そんなはずは無い。
だってあの時、この人も………。
???「あらパパ、お客さん?」
????「おー、ママ。前に来てた子だよ。」
???「ふぁぁ……あらぁ、父さん母さん、この子は〜?妙にイチカに似てるんだけど……?」
イチカ「あ……あぁ……。」
イチカは再び涙した。
アマリ「あら!パパったら女の子泣かせちゃって!」
ヨシモリ「ええぇ!?俺なの泣かせたの!?」
レイカ「お父さんは悪い人ー♪」
ヨシモリ「ちょ!?そりゃないだろ!!」
ここに、あの時失くしたはずの顔があった。
イチカ「………ごめんなさい。」
ヨシモリ「おん?」
イチカ「もう、大丈夫ですから……。」
イチカは無理矢理に立ち去ろうとした。
ヨシモリ「………どこから来たかは分からない。その様子だと俺達がどうなってるのかは大体想像はつく。」
イチカ「……え?」
ヨシモリ「安心しろ、パパはイチカを見守ってるからな!!」
ヨシモリが親指を立てた。
イチカ「……どうして……アタシの事を……。」
ヨシモリ「そりゃそうだ!異世界であっても家族なんだから分かるぜ!!」
レイカ「そうよぉイチカ、お姉ちゃんに分からないことなんてないわ〜♪」
アマリ「もちろん、ママもイチカの事たーくさん知ってるからね!」
イチカ「………ダメだ、アタシはアンタらに触ることなんてできないよ。アタシの手はもう血で汚れてんだ……アンタらは………もう死んで………。」
ヨシモリ「それはダメだな。でもイチカ、誰しも間違いってのはある。でも家族に甘えることは間違いなんかじゃないと俺は思うぞ。」
イチカは震えていた。
イチカ「どうして……どうして優しいんだよォ!!どうしてそんなに………!!」
ヨシモリは最後まで聞かずにイチカを抱きしめた。
ヨシモリ「家族だからな!例え違う時間軸だとしても、イチカは俺の立派な娘だ!だから迷うな。そんで、自分の命は大切にするんだ。イチカ、パパはイチカを心から応援してるからな。」
イチカ(あぁ、あの時に望んだことだ。自分のガンプラができてこんなふうに抱きしめられたかったんだ。)
イチカ「父さん、母さん、レイカ姉………辛いよ………苦しいよ………。」
ヨシモリ「ほんとに頑張ったんだなイチカ。偉いぞ。」
そこからはずっとイチカは泣き腫らした。
ヨシモリ「落ち着いたか?」
イチカ「うん……。」
レイカ「にわかには信じられないけど、湯の森なら起きるものね。例えば死んだ人が霊になって戦ってたりとか。」
アマリ「イチカ、辛くなったらまたこっちに来てもいいのよ?」
イチカ「大丈夫だよ……アタシ……いや、私は無敵だから。」
ヨシモリ「それならばよろしい!ただ、イチカの戦闘データを少しだけ見させてもらったんだけど、これどうだ?」
イチカ「これって……。」
手渡されたのはガンダムDXのキットとウィングガンダムZEROのキットだった。
ヨシモリ「ふっふっふっ、パパの目に狂いはない!これで強化してみるのだ!!」
イチカ「ありがとう父さん……。それじゃ、またね、レイカ姉、母さん、父さん。」
イチカは足早に去っていった。
レイカ「………きっとイチカなら。」
その様子を眺めていた紫髪の女がいた。
トキメ「……イチカ、もう貴方の手は汚れてても、心はこれで穏やかになったはず。貴方の優しさを忘れないでね、イチカ。
私の大切な………妹。」
イチカ「さっそくだが、やらなきゃならねぇことがある。」
ミノ「なんですか?」
ヒビキ「まぁやるしかねぇだろ。」
レイト「そいつには同意だな。」
ユリ「じゃあ、さっそくやりましょ。」
シグレ「………。」
ガンダムビルドブレイカーズ:パーフェクトツインズ
第17話「不確定な世界」
アプロディア「次回もたのしみにしているがいい。」