ガンダムビルドブレイカーズ:パーフェクトツインズ 作:Wandarel
ミノ「ふぁぁ……。」
起床時間はミノがいちばん遅い。
ミノ「おはようございますー。」
イチカ「おう。」
シグレ「おはよー。」
今日は特に目立つことも無く
三人「イヤッホォォォォイッ!!」
校門を飛び越えた。
ミノはもう慣れていた。
アプロディア『毎度毎度これをする必要があるのか?』
イチカ「面白いからいいんだよ。」
いつも通りに着地したが、違ったことがある。
ピピーッ!という笛の音が入った。
ツルギ「そこの地獄姉妹!止まりなさい!」
見ると、ホイッスルを首にかけLED誘導灯を手にしたツルギが制止させていた。
イチカ「なんだよ壁女。」
ツルギ「か……壁じゃありません!多少はあります!」
シグレ「ふっ、「無い胸は揺れない」ってね。」
ツルギ「な!?」
ミノ「………ぷっ。」
ツルギ「今笑いましたよね!!?」
ミノ「あ、ごめんなさい。」
アプロディア『ふっ……くだらない事で文句を垂れるな小娘。』
ツルギ「AIにもバカにされた!!」
もはや言葉による暴力だ。
ツルギ「うわぁぁぁん!私なんて……私なんてぇぇぇ……。」
ツルギがわんわんと泣き出した。
シグレ「あーあ、ワンちゃんが泣かせたー。」
イチカ「お前も大概だからな。」
アプロディア『ふん、本当のことを言ったまでだ。』
ミノ「あ、あのー、これ謝った方がいいのでは……?」
シグレ・イチカ・アプロディア「「『却下。』」」
ミノ「………あ、はい。」
ミノが代表して泣いてるツルギに声をかける。
ミノ「あの……その、ウチの地獄バカがすみません。アイツらの場合本当に悪気しかないんだと思いますけど、ツルギさんにはツルギさんの魅力がありますからね?その真っ直ぐさとかまさに風紀委員って感じもしますね。だからめげないでくださいツルギさん……?」
ツルギ「もちろんです!私はめげません!強い子ですから!」
ミノ(えぇー…褒めた途端に持ち直したァ……。わっかりやすぅ……。)
イチカ「用が済んだならアタシ達は行くぞ。」
ツルギ「あ、待ちなさい!持ち物検査です!」
シグレ「えぇ、まさか貴方生徒全員にやってるの?」
ツルギ「いえ、生徒教職員全員です!」
ミノ「暇人か!」
ツルギ「これも風紀委員の務めなので!」
ミノ(うわぁ……真っ直ぐすぎるぅ……。)
ツルギ「さぁ、調べさせてもらいますよ?」
ミノ「あ、どうぞ。」
ミノはカバンなどを開けたりしてしっかりと証明した。
ツルギ「なるほど、問題なしです!」
ミノ(でしょうね。)
シグレの荷物もチェックを始めた。
ツルギ「問題なしです!」
シグレ「うぃ。」
続いてイチカさんだが……。
ツルギ「ふむふむ。」
イチカ「なんも無いだろ。早くしてくれねぇか?」
ツルギ「……怪しいですね。ボディーチェックさせてもらいます!」
イチカ「は?」
ツルギ「はい、腕を水平に!」
イチカはツルギに半ば強引に腕を水平にされ、ボディーチェックをし始める。
イチカ「……ZIPPOならカバンの中にあったろ?」
ツルギ「それとは別に何かあるかもしれないじゃないですか!」
そう言いながらイチカの全身を調べる。
だが……、胸辺りのチェックの時にツルギが正面に回ってイチカの胸を鷲掴みにした。
イチカ「お、おい!どこ触ってんだよ!」
ツルギ「動かないでください!」
シグレ「…………。」
ツルギがそのまま胸を揉みしだく。
ツルギ「なるほど…詰め物無しでナチュラルな大きさですか……。」
何故かツルギが突然自分の胸を見てしょんぼりした。
イチカ「……このボディーチェックいらなかったろ?」
ツルギ「いいえ必要です!」
シグレ「………。」
さらにベタベタとツルギは満遍なくイチカを触る。
シグレはその様子を快く思ってなかった。
ツルギ「よし、決めました。」
イチカ「あ?」
ツルギ「貴方が何かやましいことをしてないか私が直接確認します!」
イチカ「直接ってどうやって?」
教室に着くと、窓際のイチカの隣の席にツルギの席があった。
シグレを押し退ける形で。
ツルギ「さぁ、しっかりと監視させて貰いますよ!」
イチカ「暑苦しいなぁ………。」
シグレ「………。」
偶発的にシグレの隣の席になったミノが声をかける。
ミノ「あの、シグレさん?」
シグレ「なに?」
覇気がこもり、明らかに怒っていることはわかった。
ミノ「た、多分大丈夫ですよ。」
シグレ「何が?」
ミノ「もしかして、嫉妬してr……。」
シグレ「してない。」
頬を膨らませ拗ねてるシグレが、そこにいた。
ミノ(即答かぁ……。)
ツルギ「むむむむむ。」
イチカ「………。」
放課後
シグレ「ワンちゃん、ミノ。帰ろー。」
イチカ「ん?今日図書館寄るって……。」
シグレ「いいからいいから〜。」
ミノ「あ、はい。」
二人はシグレに引っ張られるように朝露旅館に帰って行った。
そして部屋に着いた。
イチカ「シグちゃん、最近なんかおかしいぞ?」
シグレ「そんな事ないよ〜。」
ミノ「ほーん。」
シグレ「ワンちゃん、明日はフリーダムだけどどうする?」
イチカ「無論敵は叩き潰す。」
ミノ「怖いこと言うなぁ。」
いざ明日の土曜日の準備をしようとした時だった。
ツルギ「来ましたよ!アサヅユ・イチカ!」
イチカとミノが飲んでいたココアを吹き出す。
イチカ「おまっ!?どうやってここに!」
ツルギ「女将さんから許可を得ました!」
シグレ「……チッ。」
ミノ「ていうか、どうしてここに。」
ツルギ「もちろん、アサヅユイチカが何かしないかの為です!決してやましいことは考えてません!」
イチカ「お、おう。」
そして、ツカツカとイチカの隣に座った。
その瞬間、シグレの殺気が溢れはじめる。
イチカ「……なんか近くねぇか?」
ツルギ「別に問題ないでしょう?」
シグレ「……。」
シグレが机を叩きつけて、立ち上がる。
ミノ「し、シグレさん?」
そして、ツルギに近づき、ツルギの胸ぐらを掴んだ。
ツルギ「ひうっ……。」
シグレ「お前昨日からなんなの?」
シグレの目が死んでいるようにも見えた。
シグレ「昨日からワンちゃんの隣をちょろちょろと鬱陶しいんだけど、何?嫌がらせ?いい加減にしてよ。」
シグレがまくしたてる。もはや反論など出来ない。
ツルギ「い、いいじゃないですか!私だってイチカさんといたいんですもん!」
シグレ「ワンちゃんに気安く触んじゃねぇよ。」
いつにも増して威圧するシグレ。
ツルギ「ひぃ……ご、ごめんなさい……姉さんみたいな安心感があって……。」
イチカ「………あーはいはい。そういう事か。」
イチカはTCWWを使った。
イチカ『シグちゃん、聞こえる?』
シグレもなにかに気づいたように反応する。
シグレ『何?』
イチカ『とりあえず落ち着け。』
シグレ『落ち着いてるもん。』
このやりとりだけでも充分だった。
イチカ「さて、壁女……いや、ツルギ。」
ツルギ「ふぇ……?」
イチカ「今からお前とシグちゃんで決闘してもらおうかな。」
ツルギ「ほ、ホントですか!?」
イチカ「アタシは敵やどうでもいいやつ以外には嘘はつかねぇ。」
シグレ「いいねぇ、ちょうどイライラが凄くて鬱憤晴らしたかったんだ。」
ラック!
笑顔だがその奥の目は死んでいるシグレがドライバーを構える。
ツルギ「ひいぃ……。」
シグレ「大丈夫だよツルギさん。止まない雨はないさ。早く構えなよ。」
ツルギ「か、勝ち目ないですよぉ……。」
イチカ「あ、そうそう。勝てた奴には明日一日アタシを好き勝手出来る権利をくれてやるよ。」
シグレ『はぁっ!?なんで!』
イチカ『勝負は常にフェアでないとな。』
ミノ「ちょ、そんなんでやる気とかあがったり……。」
ツルギ「が、頑張ります!」
ヘリオス!
ミノ「するんかいぃぃぃぃぃぃぃッ!!」
そんなこんなで、ツルギVSシグレとなった。
ステージはガンダムWのシャトル基地。
Lady……FIGHT!
シグレ「ルストストリームッ!!」
さっそくシグレのバルバトスレクスが全てを塵にする暴風を起こし、襲いかかるが、
ツルギ「予想通り!」
ツルギのブレイキングヘリオスは冷静にそれを回避した。
ツルギ「やあっ!!」
続いてブレイキングヘリオスがビームライフルを的確に撃つがテイルブレードで弾くかのように薙ぎ払う。
シグレ「死ねっ!!」
バルバトスレクスがメイスを投げ急接近する。
超大型メイスは金属音を鳴らしブレイキングヘリオスに直撃した。
ツルギ「うあっ!!」
シグレ「オラァッ!!」
直撃したメイスに蹴りを入れてさらにダメージを稼いだ。
そして、倒れた相手に馬乗りになって、ブレイキングヘリオスの頭部を何発も殴るバルバトスレクス。
シグレ「テメェみたいにあとからノコノコときた女がワンちゃんの何を知ってるってんだ!言ってみろ!!」
ツルギ「ひっ……。」
思わずツルギが怯んだ。
ミノ「さ、さすがにこれはまずいんじゃ……!」
イチカ「止めるな、ミノ。これはシグちゃんの問題でもある。そして第一に……あの女の強さを見たい。」
ツルギ「一緒にいるくらいいいじゃないですか!私が独り占めしたいって思って何が悪いんですかぁー!!」
ブレイキングヘリオスがバルバトスレクスを殴り返した。
シグレがその状況に戸惑っていたが、そこにさらに追加で拳が振るわれる。
ツルギ「私だってイチカさんのこと好きなんだもん!!」
ミノ「はいっ!?まさかイチカさん知ってたんですか!!?」
イチカ「あれだけベタベタされりゃ嫌でも分かるっての。」
シグレ「…………。」
イチカ(最近のシグちゃんは上手く連携もできてなかった部分もある。ここでシグちゃんのイライラを解放させておかないとシグちゃんがキレたらアタシの言うことも聞かないレベルで手をつけられないからな。)
シグレ「あぁ……もうほんとに……イライラさせやがってぇっ!!」
バルバトスレクスが蹴りを入れ、ブレイキングヘリオスが大きく体勢を崩した。
シグレ「欲しけりゃ真剣にやりやがれ!!そんな軽い気持ちでワンちゃんに近づいてんじゃねぇよクソアマァッ!!」
ツルギ「そんなわがままばかり!」
ブレイキングヘリオスがまた殴り掛かる。
イチカ(感情を出したことで……アイツに変化がある。)
シグレ「終わらせてやるよ!!」
ラック!マキシマムドライブ!
ツルギ「………何となくわかりました。でも、負けたくない!」
ツルギのドライバーに変化が起き、マキシマムドライブスロットが現れた。
ツルギ「勝ちます!」
ヘリオス!マキシマムドライブ!
シグレ「トールハンマァァァッ!!ブレェェェカァァッ!!」
バルバトスレクスの雷を纏いし必殺技がブレイキングヘリオスに降りかかる。
だが、ブレイキングヘリオスはそれを避けた。そして、掌をバルバトスレクスに押し付けた。
シグレ「何っ!?」
ツルギ「この距離なら確実に倒せる!ライジングパルマフィオキーナッ!!」
バルバトスレクスごと上に掲げ、パルマフィオキーナを最大出力で放ち、バルバトスレクスは敗れた。
Battle END
イチカ「てなわけで、明日は自由にしていいよ。」
ツルギ「やったー!」
ツルギが喜んでる横で今にも人を殺しそうな勢いのオーラを出してるシグレが来た。
ツルギ「ひうう……。」
弱々しく威嚇をするツルギ。
シグレ「………最後に食らったあれは見事だったよお前。」
イチカ「たまにゃ刺激もいるだろシグちゃん?」
シグレ「……ふん。」
ミノ「……す、すっごい。」
迫力のある戦いだった。
そして、イチカ争奪戦を制したのはツルギだった。
翌日
ツルギ「お、おまたせしました!」
イチカ「おせぇ。」
ツルギ「さぁ、行きましょう!」
イチカ「ハイハイ。」
イチカとツルギが出かける様子をシグレとミノが見送っていた。
シグレ「………。」
ミノ「やっぱり妬いてたんじゃないですか。」
シグレ「……それもそうだけどね。でもちょっといい気分転換にはなった。次はアイツには負けない。」
ミノ「可愛いですねシグレさん。」
シグレ「張り倒すよ?」
その後、イチカとツルギはゲームセンターやら雑貨店やらを色々と歩き回っていた。
そしてその夜。
ツルギ「一緒の部屋で寝ましょ!」
イチカ「……それは聞いてないんだけど。」
ミノ「まぁ、いいんじゃないですか?」
シグレ「……別にいいんじゃない?」
朝露旅館で夜ツルギと一緒の部屋で寝ることになったのだ。
そして、夜更け。
ツルギはイチカが寝ないのを心配していた。
ツルギ「イチカさん、寝ないのですか?」
イチカ「………お前なら、信頼出来るかもね。」
ツルギ「??」
イチカ「ツルギ、アタシの全部見たいか?」
イチカがそう言って浴衣を脱ぎ始める。
ツルギ「は、はわわ!だ、ダメです!私も女の子なんですよ!?」
イチカ「ふん、意外と初心だなお前。この市では全然OKだっての。」
ツルギ「ひゃぁぁぁぁっ!!」
そして、目を覆うツルギが開けて見たのは想像を絶するものだった。影で様子を見ていたミノも絶句した。
ツルギ「な……え……??」
その身体は火傷が多く、特に酷かったのは腹部の傷だった。
イチカ「……生きるのには支障はねぇ。ただ、アタシが受けた腹の傷は子宮周辺。子供を産める可能性はほぼないくらいの損傷だよ。電之商店の事件でアタシが受けた傷は誰かじゃもう代用できねぇ。アタシは……愛する人も家族も壊されて女としての生き様まで殺されてんだ。アタシは……デンノ・イチカは奴らに……ソウゲツ・トモコに殺された。」
ツルギ「デンノ………どうして……!?」
イチカ「そうだ、アンタの姉のタカミヤ・ヒカルはアタシの姉、デンノ・レイカと交際関係にあった。」
ツルギ「どうしてあなたがこんな事を!?」
イチカ「お前の姉と同じ、復讐。醜くて惨めでなんの得にもなりゃしない復讐。お前の姉がどこにいるのかも知りたかったしな。」
ツルギ「そんな……そんな……。」
ツルギはその姿に思わず泣き始めた。
イチカ「だから、アタシはシグちゃんとじゃないとダメなんだよ。」
ミノ(シグレさんとじゃないと…?)
その時、イチカの目が金色に輝いた。
夜の月光を背に輝くその目は幻想的だった。
イチカ「
ツルギ「じ、じゃあシグレさんは……。」
イチカ「言ってしまえばアタシと運命共同体となってしまった不幸な子だよ。アタシがアイツと地獄に相乗りさせちまった。」
ツルギ「……そんな。」
イチカ「……だからアタシはたとえアンタがアタシのことを好きでもアンタを愛せないんだ。」
ツルギ「そんな事ないです!」
イチカ「……アンタならそういうと思ってた。アンタは優しいからな。だが、これは事実だ。だからそこでコソコソ聞いてるミノにも警告する。」
イチカは浴衣をもう一度着ながらそう言った。
ミノ「……気づかれてたかぁ。」
イチカ「アタシとシグちゃんの地獄道楽についてくる必要は無い。今すぐ元の生活に戻れ。後悔するぞ。」
ツルギ「………。」
ツルギは考え込んだ。
だが、それより先にミノが部屋に入ってきた。
そしてイチカの胸ぐらを掴んだ。
ミノ「今更弱気なこと言うんじゃないよこのバカ!私はあんた達のその道楽に最後まで付き合うって言ったばっかりよ!そんな半端な覚悟で私はここに居ない!」
その後に続くようにツルギも言った。
ツルギ「私も……姉さんがどうして居なくなったのかを知りたいし、それにあなた達の事を知って後戻りなんて出来るわけないじゃないですか!」
イチカ「それで自分の家族が殺されてもいいのか!!」
ツルギ:ミノ「!?」
イチカが、大声で反論する。
イチカ「アタシは上のクズのソウゲツ・トモコに家族ごと殺さた!真相を知ろうとすればするほどお前らがわざわざ巻き込まれて悲しみたいのかって言ってんだよ!」
ミノ「だァァァかァァァらぁっ!!アンタがどうしようと!何を思ってようと!私は……私の家族は相乗りすること選んだっての!!」
ツルギ「……私も相乗りさせてください!絶対に役立ちます!それに……私もこの街の真相を知りたいんです!」
イチカ「………へっ、ホントに後悔すんなよお前ら。」
ミノ「もちろん!」
ツルギ「乗りかかった船です!最後までやりますよ!」
イチカ「……ほら。」
イチカが布団をポンポンと叩く。
イチカ「お前らも布団に来いよ……シグちゃんもな。」
ミノ:ツルギ「え?」
シグレ「とーうっ!!」
イチカ「……明日は散々地獄道楽と洒落こもうかお前ら!」
地獄道楽はまだ始まったばかりだ。
だがこの時知らなかった。
この先の出来事が想像を絶するものだと。
ヒビキ「よう、お前ら。」
イチカ「お前らと会えたのは幸いだな。」
ツルギ「え?イチカさん?シグレさん……ミノさん?」
イチカ「……どこだ、ここ。」
アプロディア「ここは……もうひとつの……。」
次回
ガンダムビルドブレイカーズ:パーフェクトツインズ
第9話「オルタナティブ」
イチカ「嘘だ………電之商店……だと……?」