エルフにTS転生したら、めちゃくちゃムラムラするんだが? 作:なぎっぷ
エルフの朝は遅い。オレ達王族や精霊、そして外部に携わる仕事に関係のある人以外は大抵昼過ぎ頃まで寝ている。
これは別にエルフという種がどうこうとかそういうわけではなく、平和すぎるこのエルフの里という環境によるものだ。実際に、昔のエルフも血を流し争っていた時代では、こんな昼過ぎまで惰眠を謳歌するなどといった生活はしていなかった...と、この世界でのお父さんがボヤいていたのを覚えている。
そして、こういった生活が外部に知られているからなのか、エルフに纏わる迷信というのはかなりの数あったりする。
有名なのは、『エルフと待ち合わせをするときは2時間遅れて行け』や、『エルフはレストランのメニュー選びに30分かかる』などといったものだろうか。実際には、エルフも起きようと思えば起きられるし、楽しみにしていた約束とかだったら時間通りに行動する。もちろん、メニュー選びに30分かかるエルフなどいない。いたとしても、それはエルフゆえに、ではなくただのそういった性格の存在ゆえの行動だ。そんなわけで、迷信というのはそのほとんどが真実ではなく、それを聞くほうも、本当だと思って生きている者の方が少数だ。
さて、ここで一つ。とある迷信を紹介しよう。
別種族の者が、エルフの王城や、民家の構造を見るたびに、揃って首をかしげる点がある。気になって聞いてみれば、「それは何のために必要なのか」と逆に質問を返され、驚くことがよくあるというのだ。
そう、ないのだ。
トイレが。
荒唐無稽な都市伝説ほど、真実が隠れているとはよくいったものだ。「エルフはトイレをしない」、誰が広めたのか定かではない――一聞にして一蹴する――その迷信は、実のところ、全くの真実であったのである。
オレがそれに気づいたのは、もはや限界に達していた我が奥に秘められし膀胱が、破滅の辰を宣告した時。
以来、誰も掘り返すことのなかった黒歴史の1ページは、今。
「はわわ、やっぱりアリシア様はすごいです~」
「ふふ、その時私も思ったのだよ。『やはり私の仕える御方は、この方を除いて他にはいない』....とな」
「はっアリシア様が最高なのは当たり前のことでしょっもっとまじめに讃えないとぶっころすわよっ」
何故か目の前で武勇伝として、公開されていた。...オレ、帰ってもいいですか?(涙目)
涙が零れ落ちるのを耐えながら、話に耳を澄ます。ちなみにオレは今、朝の魔導書読書タイムであり、めちゃくちゃ集中しているオーラを出している。あまりにも強すぎる集中オーラのせいか、いつもは樹液に吸い寄せられるカナブンのように飛び寄ってくる大精霊の姿もない。ただそれだけで室内なのにひどく空気が澄んでいる気がする。アイツいると外でも空気が澱むんだよなぁ。もうそれだけでオレは救われた気分になってるのだが、結局はこの姦しエルフ組のせいでプラマイゼロだ。いやむしろムラムラゲージが上昇するからマイナスなのかもしれない。
本音を言うとめちゃくちゃ騒音で邪魔(ムラムラ的にも邪魔!)なのだが、この脳内お花畑エルフ共はいったい何をどう勘違いしたのか、そろって女子会をオレの部屋で繰り広げてやがる。
先日まで「アリシア様の邪魔などできません(キリッ)」ってどや顔で言ってたのは何処のどいつだぁ....?おまえら3人全員だよこのアホ共!!
というか何!?オレのおもらし騒動で、なんでオレに忠義ささげようとしてんの!?変態か?それともオレのおもらしこそを忠義の対象とでも思ってんの!?遠回しにオレがおしっこにも劣るとか罵倒すんのやめろ!!この国宝ボディじゃ不満か!?それともオレの常時ムラムラⅣがいけないのか?仕方ねーじゃんお前ら顔面&ボディ偏差値高すぎなんだよいい加減にしろ!!
と、内心でぶちまけたところで現状が変わるわけではない。今の状況を変えたければ行動を起こさねばならないのだ、たとえ王族エルフであろうともな。
パタンと本を閉じ、未だオレのおしっこに忠義をささげる話をしてる姦しエルフ娘共に近づいて一言。
「...うるさいから、出てって」
これだ。仮にも警護対象の主君である。そんな存在から不機嫌クールボイスで「出てって」と言われれば配下は出ていく以外の行動はとれないだろう。ごく一部の変態(大精霊ナントカのような)には逆効果だが、アレはアレでアイツ自体がどちらかといえばオレよりもえらい存在尚且つ不可視であることから許されているのだ。アイツ以外の、例えばただの一般妖精なら消し炭にして自然に還元させてるところだ。
「はわっ、け、結婚してくれって、そ、そんな急に...でもわたしもすき...です...」
「おい待て、今のはどう考えても私にだ。お前みたいな無駄乳魔法使いなわけがない」
「エセ侍はだまってなさい。今アタシがプロポーズを受け取るところよ」
???????
あれオレエルフ語間違って覚えてたか?...いや、今の普通に間違ってないよね、うん。うん?え、どういうこと?
「え、どういうこと?」
「え?」
「ん?」
「?」
え、こわ。なんでみんなポカンとしてるん?オレ間違ってないよね?今出てってって言ったよね?あれ?
「えっと...あの、うるさいから出てってほしいんですけど...」
「はわわ!も、申し訳ありませんでしたアリシア様!」
とんがり帽子のウィッチエルフが慌てて謝罪を口にすると、合わせるようにして侍エルフも忍者エルフも謝罪し、ぴゅーっという擬音が付きそうなほど急激な速度で部屋から出ていった。
「...え?」
部屋にポツンと残されたオレ。あれ、なんか一瞬変態大精霊と同類の匂いがしたのに、ぜんぜんそんなことなく、普通に出ていったぞ?最初のアレはなんだったんだ?え、気のせいとかそんなことあるか?
「...気のせいか、疲れてるのか...?」
「疲れてるなら私の胸に!この豊満な胸に!ドーンって!!」
「うるせぇ、つーかいつ来たし」
なんかいろいろの衝撃で結局ムラムラゲージもいつの間にか下限まで落ち着いてしまった。精神安定的にはよろしいが、心のおちん〇ん的にはちょっとしょんぼり。いや、結局いつのまにかコイツ来てたしオ〇ニーできなかっただろうから全然ありがたいんだが。
「えへへ、そういえばおしっこ大丈夫?またごくごくしてあげてもいーよ!えへ、えへへ」
「前はしたみたいに言うな。お前が勝手に飲んだだけだろ変態。それにもう、精力に変換できるようになったしな」
「へ、変態って...♡やっぱりアリシアちゃんに罵倒されるとそれだけでイキそうになっちゃうわ...♡」
「うっっっっっっざ」
そういえば、トイレ騒動の件は結局のところオレがエルフの肉体の使い方をイマイチ理解できていなかったのが原因だった。
エルフの肉体は摂取した栄養などを一切の老廃物を出さずにすべて自分の精力に変換できるめちゃくちゃエコな肉体なのだ。だから、おしっこもう〇ちもしなくてよく、トイレも存在しない。
オレは、精力に変換する方法を知らず、色々と奔走したり体当たりしたり人を投げ飛ばしたりして、結果的に外でまき散らす羽目になったのだが、その際に地面に飛び散ったソレをかき集めて飲んでいたのがコイツだ。あの時は素直に引いた。3日くらい無視したらさすがに謝られたが、もう1回飲みたいっていったからまた3日くらい無視した。そしたら最終的に恥も外聞もお構いなしという具合で大性霊の名に恥じない汚らわしさを存分に発揮し24時間粘液製造マシーンになったので仕方なくかまってあげることにした。その後も態度はなにも変わってないしなんなら前より汚くなったから毛ほども悪かったとは思っていないのだろう。ほんとクソだなコイツ。
ちなみにこの精力は魔力みたいなものでえっちな方の精力ではない...らしい。なんでもエルフが魔法などを使うときには自然の精霊を介して行っているから精力なんだとか。でもムラムラするから多分えっちな精力だと思う。やっぱりえっちじゃないか。最高だ。
「それにしてもお前さっきまでどこにいたんだ?」
「...あー、アリシアちゃんとえっちする妄想しながら大樹の中でオ〇ニーしてた!えへへ、いっぱい愛液ふりかけてきたからきっと自然も元気になってるよ」
「お前もう自然に謝れ」
部下の女の子にえっちな目で見られてるのにそれに気づいてない上司の女の子っていいよね...